ホラー映画『ミンナのウタ』。『呪怨』などで知られるJホラー界の巨匠・清水崇監督がGENERATIONSとタッグを組みました!
不思議なメロディで呪いを拡散させる少女の怨霊と対決します!
作品情報・キャスト相関図
あらすじ・ネタバレなしの感想
ぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
考察:ラスト結末の意味、エンドロールの恐怖・俊雄の謎を解説
物語ネタバレあらすじ・ラストのオチ
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
ホラー映画『ミンナのウタ』作品情報・予告
制作国:日本
上映時間:1時間42分
ジャンル:ジャパニーズホラー
年齢制限:G(年齢制限なし)
監督:清水崇
脚本:角田ルミ|清水崇
原作:原作なし、映画オリジナル
主題歌:「ミンナノウタ」GENERATIONS
清水崇監督
ジャパニーズホラー界の巨匠・清水崇!最近では恐怖の村シリーズがまずまずのヒットを飛ばしています。
本作は「原点回帰」のキャッチフレーズ通り、ストーリーや演出・展開で『呪怨』と重なる部分が多かったと思いました。
2023年には映画『忌怪島/きかいじま』も公開されましたが、個人的にはそちらよりも『ミンナのウタ』のほうがぜんぜん怖かったです。
2024年公開の『みなに幸あれ』ではプロデュースも務めました。
2024年には本作の続編となる映画『あのコはだぁれ?』(あの子はだあれ)も公開!
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キャスト相関図
©︎「ミンナのウタ」製作委員会
GENERATIONS(本人役)
白濱亜嵐
片寄涼太
小森隼
中務裕太
関口メンディー
佐野玲於
数原龍友
その他
マネージャー・角田凛 |cast 早見あかり(『シン・ウルトラマン』)
探偵・権田|cast マキタスポーツ(『地面師たち』『ゴールデンカムイ』)
ホラー映画『ミンナのウタ』あらすじ
GENERATIONSのメンバー小森は、スタッフの明日香と一緒に倉庫で30年前に送られてきた古いテープを発見。
テープには「ミンナのウタ」と書かれていた。
小森のラジオの収録中に「送ったテープを流して」と女の子の声で電話がかかってくる。
小森は倉庫に行くと、テープを持って謎のメロディーを歌う女性を発見。スタッフの明日香か?と思いきや、その女性は宙に消えた。
その日の夜、小森の様子がおかしくなり失踪。大きなツアーを間近にひかえていたメンバーは焦った。
マネージャーの凛(早見あかり)は、探偵の権田(マキタスポーツ)に小森の捜索を依頼した。
権田がGENERATIONSのメンバーに話を聞いていくうちに、みんなが制服を着た幽霊の少女を見ていて、不思議なメロディーを口ずさんでいることに気づく。
怨念のこもったメロディは1度聴くと頭から離れない。メロディが呪いを伝染させているようだ…。
リーダーの白濱亜嵐、マネージャーの凛、探偵の権田を中心に、GENERATIONSのメンバーは呪いを解く方法を探した。
しかし少女の怨霊が牙をむく…。
ネタバレ少なめの感想まとめ←
※以下、ホラー映画『ミンナのウタ』のストーリーネタバレありなので注意してください!
ホラー映画『ミンナのウタ』ネタバレ感想・評価レビュー
良かった点
「GENERATIONSが出ているアイドルホラー?」と油断していたらめちゃくちゃ怖かったです。ちびりました。
特にJホラーがそこまで得意ではない私からすると、2〜3日はうなされるレベルの怖さと気持ち悪さ。
恐怖の村シリーズや『忌怪島』ふくめ、最近の清水崇監督作品のなかでは1番怖かったです。『呪怨』に並ぶレベルの怖さだと思います。
まず、怨霊少女・さなのビジュアルと動きがキモすぎるなど、ホラーとしての演出がとにかくすばらしいです。
さなが自動販売機の下で腕と頭を突っ込んでうごめいているシーンはトラウマ級!(手が傷だらけで痛々しすぎました。)
彼女が父と母をだましてロープを引っ張らせ、自分の首を絞めさせて死んだ回想シーンは胸糞ホラー展開のお手本であり頂点!
中務裕太が高谷さなの家に行った際に、母親の幽霊が何度も「すいませんね。今手がはなせなくて」という言葉をループした後でいきなり襲ってくるシーンはちびりそうでした。
ループで油断させといて迫ってくる。悪意があります(笑)。
高谷さなが母親から虐待を受けていて、母親の布団に入って胎内にいる弟・としおを殺害するシーンにいたっては…記憶から消し去りたいです。
カセットのB面を聴くと、高谷さなが殺した猫や女子生徒の断末魔が再生される展開もグッド!
とにかくトラウマになりそうな刺激の強いシーンがたくさんあり、ホラーとして満足できました。
ガチのホラー好きからすると物足りないかもしれないですが、普通の感覚を持っている人からすれば十分怖かったです。
2023年だと中田秀夫監督の『禁じられた遊び』より怖かったです。
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ダメな点
GENERATIONSメンバーや、マネージャー、探偵の権田が、怨霊・高谷さなの秘密を調べていく中盤は、若干の中だるみを感じました。
実質的な主人公は探偵役のマキタスポーツとマネージャー役の早見あかりなので、GENERATIONSメンバーのシーンはもう少し削ってもよかった気もします。
ただ、制作側はGENERATIONSファンの集客を狙っているのでしょう。
そう考えると、「各メンバーに見せ場もあり、ホラーとしても成立していたのはさすが!」と評価するのが正しいかもしれません。
2022年の『貞子DX』では、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱⾺さんが滑りまくっていたのがノイズになっていました。
それと比較すると、本作のGENERATIONSの演出は成功していたといえるでしょう。
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おすすめ度 | 80% |
怖さ | 90% |
ストーリー | 85% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家 % 一般の視聴者 % |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
映画『ミンナのウタ』ネタバレあらすじ結末解説
30年前の呪い
リーダー・白濱亜嵐と中務裕太は、カセットテープに書かれていた高谷さなという名前と住所から本人の家へ行ってみる。現在は誰も住んでいる気配がなかった。
中務裕太は高谷家の階段にいる男の子を見つける。男の子は家に入って消えた。
中務裕太も家に入る。彼は母親の幽霊に襲われてパニックになった。
マネージャーの凛と探偵の権田も、高谷さなが30年前に住んでいた家へやってくる。
権田は「高谷さなは30年前に自分と同じ中学校に通っていて、同学年だった」と思い出した。
権田は凛を連れて当時通っていた中学校へ。30年前に高谷さなを気にかけていた校長先生に話を聞く。
高谷さなは親から虐待を受けていたようで、日常的に「あなたは生まなければよかった」と言われていたらしい。
30年前のある日、高谷さなと敵対していた糸井という女子生徒が屋上から飛び降りて自殺し、大きな事件になった。
高谷のせいだと噂が広まったが真相はわからず仕舞いだった。
それ以来、高谷さなは学校に来なくなった。校長が「家へ行ったときに両親が彼女を殺害したのを目撃した」と言う。
権田はカセットテープのB面を聴き、高谷さなが殺した猫の断末魔や、同級生の糸井が飛び降りたときの音声を録音していたと知って驚愕する。
そんな中、ホテルにいたGENERATIONSのメンバーが次々に高谷さなの霊に消されていった。
ラスト結末
リーダーの白濱亜嵐、マネージャーの凛、探偵の権田は呪いを解くために再び高谷さなの家へ。
家の中に入ると過去の映像が見える。
高谷さなは二階の部屋で自分の首をコードでくくり、父と母をだまして部屋の外からコードを引っ張らせ、自らを殺害させたのだ。
凛が二階へ行くと、高谷さなが死ぬ瞬間にタイムスリップ。凛は死にゆくさなを抱きしめた。さなは涙を流し、死んでいった。
その瞬間に呪いが解け、GENERATIONSのメンバーは現実に戻ってくる。
ドームでのライブが始まる。
盛り上がりが最高潮に達する中、凛はライブ会場に高谷さなの幽霊を発見。
高谷さなはテープレコーダーのスイッチを押した。
エンドロール後
ドーム会場にミンナのウタのメロディが流れた。凛は困惑する。
ホラー映画『ミンナのウタ』(2023)終わり
ホラー映画『ミンナのウタ』ネタバレ考察
ラスト解説:タイムバック
「なぜ怨霊・さなの過去が見えて、凛がタイムバックして、GENERATIONSがみんな助かったのか意味不明!」と感じた人もいると思うので解説します。
簡単にいうと本作の最後は清水崇監督の傑作ホラー『呪怨』のハッピーエンドバージョンです。
清水崇監督作品では、怨霊が現在と過去の時間の概念を超越することが多いです。
ラストはマネージャーの凛が高谷さなが生前に住んでいた家へ行き、2階のドアを開け、高谷さなが両親に殺害された瞬間にタイムバック。
凛は死にゆく高谷さなを抱きしめます。さなは涙を流しながら死んでいきました。
母から虐待を受けて心が壊れていた高谷さなは、凛に抱きしめられて救われたのです。
まとめると、
- 呪いが解けた理由は、凛がタイムバックして高谷さなの心を満たしたから
- そもそもなぜ時間が戻ったのか?については、清水崇作品にはそういうお約束があるから
となります。
エンドロールの怖い意味!
呪怨と違ってタイムバックの結果みんなが救われた結末!
そしてエンドロールはGENERATIONSのライブでハッピーエンド…かと思いきや、客席には高谷さなの幽霊がいます。
高谷さなの霊はGENERATIONSのライブを録音していました。
そしてエンドロールでは、ライブ会場で呪いのメロディ「ミンナノウタ」が流れます。
これらのシーンは一体何を意味するのでしょうか?
結論からいうと高谷さなの霊は、会場にいる全員を「ワタシの世界」に引きずり込みたいのだと思います。
高谷さなが相手をこの世から消す条件は↓
- 「ミンナノウタ」のメロディを聞かせる
- その人物の声をテープレコーダーに録音
この2つだと考えられます(メンバーの生活音も全部カセットに録音されていました。相手を殺害する場合は断末魔も録音します)。
GENERATIONSのライブ会場はこの2つの条件を満たしていますね。GENERATIONSの声はもちろん、観客の歓声も録音されています。
30年前の呪いが復活してしまった理由は小森がカセットテープの封を切ってしまったからです。
ただラスト結末まで含めて考えると、ファンが多く呪いの拡散力の高いGENERATIONSは、怨霊・さなの格好のターゲットだったとわかります。
弟・俊雄の謎
高谷さなのカセットテープの録音では、俊雄は母の胎内にいたときに殺されたような感じでした。
高谷さなは殺した相手の断末魔を録音していたので、胎内で響く鼓動を録音して、まだ胎内にいる俊雄を殺したのだと思いました。
しかし、だとするとなぜ俊雄の幽霊が子供の姿だったのか疑問が残ります。
さなは胎内の俊雄を殺すことに失敗→俊雄はさなの死の前後に生まれ、あの姿になるまで生きてから死んだのかもしれませんね。
父と母はさなに呪い殺されたのでしょうけど、いつの段階で死んだのか?その辺も謎でした。
俊雄についても想像の余地が多く残されています。
清水崇監督の『呪怨』にも俊雄が登場していました。パラレルワールド的に登場させたのかもしれません。
すべては録音されていた…
探偵の権田は「ミンナノウタ」のカセットテープのB面を聞きます。
すると、高谷さなが殺した猫のうめき声、母がみごもっている弟に手をかけたときの音(どうやったのかは考えたくないですね…)、さなの同級生が屋上から落下して潰れた音が再生されました。
それに続いて、なんと凛が首をポリポリかく音、権田がボールペンをカチカチ鳴らす音、片寄涼太のしゃっくりの音、などなど関係者の生活音が流れてきました。
高谷さなの霊はずっとGENERATIONSと関係者のそばにいて、すべてをレコーダーで録音していたのです。考えると背筋がゾッとします。
メロディーを聞かせ、さらにメンバーの声や生活音(怨霊・さなは魂と解釈している)を録音。狂気のアンサンブルで呪いが成就するのです。
最後のまとめ
Jホラーの巨匠・清水崇監督のホラー映画『ミンナのウタ』は優れたジャンプスケアの演出、生理的に気持ち悪いシーン、胸糞のストーリーがそろった良作でした。
アイドルグループ×ホラー!集客もできて最高に強力なコンテンツではないでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。『ミンナのウタ』レビュー終わり!
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