ひどい駄作?『シン・ウルトラマン』ネタバレ考察・酷評と感想,野生の思考テーマ!ラスト解説レビュー,つまらない映画

映画『シン・ウルトラマン』。すっごく楽しみにしていましたが残念…。冒頭こそ興奮したものの、ところどころ演出がすべっていて徐々に落胆しました(好きだった人には申し訳ない)。

感想を語る犬
一流のダメ映画(笑)良くも悪くも特撮好きのための作品だと思いました。

SNSだとマニアの方々が熱狂していますが(それはそれで尊重すべきだと思います)、本記事では初代ウルトラマンは全話観た程度のライト層の筆者の視点で感想レビュー・考察をしていきます。ちなみに私は『シン・ゴジラ』絶賛派です。

本作は1つの映画としてみたときに起伏のないストーリーや、詰め込みすぎてダイジェスト感がすごいのが残念でした。

ただ庵野秀明らしく構造的に多様な解釈ができるストーリーではあったので、後半は哲学的な考察も多めにしています。

CineMag
庵野秀明ユニバースがやらかしてしまった印象レヴィ=ストロースの著書「野生の思考」の概念がまんま反映された構造にも斬新さはありませんが、深読みすると見えてくるものがあります。

作品情報・キャストの印象・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想/ネタバレ酷評構造主義「野生の思考」的なテーマ/人類トーテミズム説/庵野式ブリコラージュ を徹底考察!ラストシーン神永新二・復活の意味解説シン・ゴジラとの構造比較を知りたい人向けにレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)

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映画『シン・ウルトラマン』作品情報・キャストと演技の印象

映画『シン・ウルトラマン』主要キャスト

©︎東宝

公開・制作国・上映時間:2022/05/13・日本・113分
英題:『Shin Ultraman』
ジャンル:特撮ヒーロー・怪獣
監督:樋口真嗣
脚本・原案:庵野秀明
編集栗原洋平/庵野秀明
撮影:市川修
音楽:鷺巣詩郎
制作:円谷プロダクション・東宝・スタジオカラー
主題歌:主題歌 米津玄師「M八七」

シン・ウルトラマン登場キャラ・キャスト

神永新二(ウルトラマン)|cast 斎藤工→ほとんどぶっきらぼうなウルトラマン状態で、何とも…。名前もエヴァによせてシンジなんですね。ウルトラマンを操縦しているという解釈かな? それにしても斎藤工はNetflix『ヒヤマケンタロウの妊娠』(2022)で男性妊婦になったり、役の幅が広すぎです。

浅見弘子|cast 長澤まさみ→ザ・見えそうで見えない女!美脚でハマり役でした。キャラ的には葛城ミサト。完全に制作陣に遊ばれてます(笑)!そして公開セクハラだと賛否両論になってますね。

滝明久|cast 有岡大貴→感情表現豊かなオタク!物語のキーパーソンでした。熱いぜコイツ!

船縁由美|cast 早見あかり→明るいキャラがいいじゃない!

田村君男|cast 西島秀俊→いつもの西島さん

宗像龍彦|cast 田中哲司→西島さんとのコンビが真犯人フラグを思い出す。

メフィラス星人|cast 山本耕史→名刺くばってんじゃねえ(笑)、呉越同舟とか「私の好きな言葉です」って嬉しそうに語るんじゃねえ! でも嫌いじゃない!形から入るタイプのミーハー異星人いいじゃん!割り勘まで使いこなすとは…。考えようによってはゼットンより怖い存在。

ザラブ星人|cast 津田健次郎(声)

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映画『シン・ウルトラマン』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価

シン・ウルトラマンの宣材写真

©︎東宝

あらすじ:禍威獣(カイジュウ)が日本にだけ出現して暴れ回るようになり、禍威獣特設対策室専従班(通称:禍特対)は対策に追われます。怪獣が核物質処理施設に迫る中、突然空から銀色の巨人が現れ…。

CineMag
初代ウルトラマンを知っている層がオマージュとしてメタ的に楽しめるタイプの作品だと思いました。

知識なしに初見で見ても大丈夫ですが、ウルトラマン初挑戦だとすっごいシュールなストーリーや映像に感じられて賛否分かれると思います。

一般受けはしないでしょう…!

おすすめ度48%
世界観70%
ストーリー52%
IMDb(海外レビューサイト)7.0(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新批評家% 一般%

※以下、映画『シン・ウルトラマン』のストーリーネタバレありなので注意してください!

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映画『シン・ウルトラマン』ネタバレ感想・酷評

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つまらない理由

映画『シン・ウルトラマン』の評価は58点。凡作と駄作の狭間(はざま)です。

個人的にはマーベルMCUよりも断然『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン』などの庵野シンユニバースに期待していたのでがっかりでした。

庵野秀明監督は『シン・エヴァ』のほうで忙しかったらしく、制作にあまり参加できなかったというのも完成度に大きく影響しているのかもしれません。

本作のツギハギ感・統一感のなさは、シュールレアリスム芸術でいう優美な死骸(お互いが作っているパートを知らずにあとでくっつける制作手法)という表現がぴったりだと思います。

もちろん、ひどすぎた令和の駄作映画『大怪獣のあとしまつ』(2022)と比較すると全然クオリティは高いです。

ただ、1つの映画作品として冷静に見ると『シン・ウルトラマン』は正直つまらないと思いました。

ストーリーの面白さではなく「再構築」がメインになっているからです。

怪獣や外星人を使って人類の存在意義を解くありふれた二項対立テーマ、CG使いまくりのバトル、正直いうと初代ウルトラマンから何が進化したのかわかりませんでした。

どこがシン(新・真)なのでしょうか?

効果音・特殊効果・シュールな雰囲気やツギハギな展開も含め、良くも悪くも初代ウルトラマンの空気感を現代の技術で再現した映画なのでしょう。

ストーリーがブツ切りで緊張感が持続しておらず、映画というよりは30分の特撮を数話分詰め込んだ印象です。

それらの特撮っぽさは狙ってやっているのでしょうけど、映画が観たいか特撮やオマージュが観たいかで完全に賛否分かれるでしょう。

感想を語る犬
オマージュってあくまでオマケで、映画自体が面白くないと本末転倒な気がしますけど…。

ベーターシステムを滝があっさり解読してゼットンを倒すラストも、駆け足すぎで映画としては盛り上がりに欠けます

また、公開前予告で斎藤工演じる神永新二が哲学・人類学の名著レヴィ=ストロースの「野生の思考」を読んでいるシーンがあったので、人類を未開人と見立てた哲学的テーマを入れ込むのだろうとは思っていました。

しかしレヴィ=ストロースの思想がわりとそのまんま反映されていたのがちょっと残念。

意図を読み解いていくと構造はなかなか興味深いと思えてきますが、構造面やテーマからも斬新さは感じられませんでした(後の項目で詳しく記載)。

長澤まさみ公開セクハラ?

初代ウルトラマンのフジ隊員が巨大化するシーンのオマージュとしてスカートスーツ姿の長澤まさみを巨大化させましたが、あの辺から映画館の空気が変わったというか、「すべってないか?」という、なぜか観ているこちら側が焦るような気分に…。

感想を語る犬
シュールすぎましたね…。そわそわしました。

そしてスカートで巨大化した長澤まさみが様々な角度からエロ目的でスマホ撮影され、Youtubeにその動画が氾濫する異常事態

なんか観客がセクハラをしてるかのような撮影と演出(笑)

メフィラス星人が日本人の変態性を謝罪し、動画を削除する流れは笑えるのか笑えないのかわかりませんでした。

さらに斎藤工がメフィラス星人の別次元を探すために長澤まさみの匂いをクンカクンカするシーンは制作陣のフェティシズム(性的嗜好)が投影されているようで爆笑。

長澤まさみ演じる浅見弘子が、気合を入れるとき自らのケツや他人のケツを叩くシーンも、ポリコレ的な逆行感がありました。

劇中で長澤まさみは斎藤工や早見あかりの尻も叩いています。

自分でやるならまだしも他人のケツを叩くのはセクハラですよ(笑)。

考察系ネコ
放送倫理も1960年代のまんま。これも“オマージュ”なのでしょうか。

シュールな前衛芸術

ラストのウルトラマンとゾーフィの会話も初代ウルトラマンの最終回とほぼ一緒ですが、現代の技術でそのまんまやると前衛芸術みたいになって違和感でした。

ウルトラマンのスペシウム光線やゼットンの不気味な電子音の完コピなど、初代そのままでテンションあがるものもあれば、そうでないものも。

感想を語る犬
ゼットンの形状はもう少し昔っぽくしても良かったんじゃないかなあ…。

ウルトラマンのデザインは初代のデザインをした成田亨さんの1980年代のスケッチが参考にされているようで細身で不気味な感じが個人的には好きでした。

猫背なのでエヴァっぽさもありましたね。

ウルトラマンが街で猫背で立っている構図は、シュールレアリスムの絵画みたいで興味深いです。

カラータイマーがないのも成田亨さんのコンセプトのよう。どちらにしろ映画で3分区切りでタイマー鳴らすのは難しいですよね。

弱ると体の色が赤→緑に変化するという設定で良かったと思います。

演出・編集・ダイジェスト感

映画『シン・ウルトラマン』で最も残念だったのは、ウルトラマンと怪物の戦いのCGシーン。

特に最後のゼットンとの戦いではアクションも少なく、のっぺりとしたCG映像を見せられているようでした。

感想を語る犬
あれ?『シン・ゴジラ』のクオリティと全然違いますけど…。

予算も『シン・ゴジラ』より少なかったみたいですね…。

また、怪獣が出現してシン・ウルトラマンが地球に現れてからゼットンと戦うまでの流れを2時間弱に詰め込んだせいか、テンポが早いというよりはダイジェスト映像を見せられているような感覚で没頭できませんでした。

あと、シンメトリー(左右対称)の構図が多く、人類と外星人の対立を表現しているようでしたね。

会話中の登場人物のエクストリームクローズアップ(ドアップ)や切り替わりの多さは、人類や個人のアイデンティティに焦点を当てているのでしょう。

感想を語る犬
コンセプトは伝わってきますが、のっぺりしたCGとダイジェスト映像でハマれませんでした。

あと、iPhoneで撮影した画質の粗いシーンにも意味が見いだせませんでした。

唐突な画質の切り替わりが違和感です。他の素材なかったの?と思いました。

現実と虚構が融合してねえ…

『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で顕著だった、現実と虚構の融合、現実とアニメ(虚構世界)の融合という素晴らしいコンセプトが『シン・ウルトラマン』だと弱いと感じました。

感想を語る犬
むしろ、特撮・オマージュ感が強めで、全体的に虚構のままですね。
現実と虚構の融合というコンセプトは観客がシン・ユニバースに無意識に期待していたものだと思います。それがなかったのも賛否分かれる要因でしょう。
ちなみに、劇中で出した本「野生の思考」の著者レヴィ=ストロースは、神話は野生と文化を繋ぐもの的な思想を持っています。
関連性から『シン・ウルトラマン』は神話として虚構と現実の架け橋になるのでは?という期待させておいて、別にそうでもなかったという無駄な落胆がありました。

ネタバレ考察「野生の思考」テーマ

「野生の思考」わかりやすく解説

(なるべく噛み砕いてわかりやすく説明します。)

映画『シン・ウルトラマン』には歴史的名著「野生の思考」はちょっとしか登場しませんでしたが、人類学者・哲学者レヴィ=ストロースの構造主義的な考え方は物語にがっつり反映されていました。

まず「野生の思考」などにみられるレヴィ=ストロースの思想をカンタンに説明します。

構造主義とはレヴィ=ストロースが南アメリカの未開人を研究して得た歴史的な発見です。

かなりぶっちゃけて言うと「西洋文明や科学意外にも非常に優れた考え方ってあるよね」ということで、それが“野生の思考”です(はしょってますがご容赦ください)。

レヴィ=ストロースは、西洋がアジア・アフリカ・南アメリカなど多種多様な部族を支配して西洋文明に染めてしまったことで、科学と同じかそれ以上に重要な別の思考が失われてしまったことを危惧しています。

(厳密には従来の思考の概念と区別すべきかもですが、)

大まかには「多様な豊かさが排除されて人類が様々な文化を失い、1つの型にはめられていくのは良くない」と解釈すればよいでしょう。

(ちょっと難しめの解釈だと→全体の構造のうえに成り立つ野生の思考(関係性が唯一無二の解決方法)が排除され、人類の終焉につながるという思想。)

人種や文化・宗教、LGBTQ、マイノリティなど多様性が重要視される現在では当たり前の考え方ですが、発端はレヴィ=ストロースなんですね。

さて本題は映画『シン・ウルトラマン』にどのように影響しているかですが、

「野生の思考」の「西洋人 VS 未開人」の関係がそのまま「外星人 VS 地球人」に変換されている構図になっています。

つまるところメッセージ的には「人類はウルトラマンやメフィラス星人などのはるか先をゆく者たちの文明・技術に染まるべきではない人類特有の素晴らしさ、価値を大切にしろ!」いうものになるでしょう。

「野生の思考」に沿って考えると構造的には↓

  • 西洋人にあたるのがメフィラス星人やゾフィー
  • 抵抗する未開人→禍特対メンバー
  • すり寄っちゃう未開人→政府関係者
  • 観察者レヴィ=ストロース→ウルトラマン(狭間の存在)

です。

ちなみにウルトラマンである神永新二が狭間の存在と言うのも、レヴィ=ストロースの観察者としてのポリシーである、何かに意味づけをしない中間的な思考からきているのでしょう。

話は戻りますが、全体的にはぶっちゃけ初代ウルトラマンのテーマとあまり変わらないと思いました。

ウルトラマンが戦うことで人類の可能性が排除される。人類が自らの知恵で戦うべきだということですね。

滝がベーターシステム解読し、ウルトラマンと協力してゼットンを倒す流れは、初代の科学特捜隊の兵器を使ったゼットン対峙と大きな違いはありません。

テーマが変わらないのは良いとしても、もう少しメッセージに斬新さが欲しかったです。

私が読み取れていない部分もあるかもですが、正直60年以上前の本「野生の思考」の思想・テーマがそのまんま反映されている印象を受けました。

神話のブリコラージュ

本作はテンポがよすぎてダイジェスト感・ツギハギ感がありましたが、これも「野生の思考」のブリコラージュ(器用仕事)という概念から解釈できます(やや皮肉的な意味も込めて)。

ブリコラージュというのは、何かものを作るとき、他の目的で作られたありあわせの物を組み合わせる手法。(たとえば弓矢でイスの背もたれを作っちゃうなど)

組み合わせのパターンはたまたまあったからという偶然でもあり、同時に野生の思考が介入しているという解釈も可能です。

あり合わせで出来上がったものは計算された製品と比較して唯一無二で、かつ製作者による何らかの思想が込められていることになります。

一般受けするかどうかはさておき、映画『シン・ウルトラマン』もブリコラージュを意識して作られたのかもしれませんね。

(少なくとも庵野秀明や樋口監督はブリコラージュという概念を知っているでしょうし。)

現代神話である初代ウルトラマンや、シン・ゴジラ、エヴァなどの要素を完全に分解せずにぶつ切り状態で接続していったとすれば、ブリコラージュといえます。

むしろ『シン・ウルトラマン』は違和感そのものに価値を見出すのが正しい見方なのかもしれません。

CineMag
再構築というより庵野式ブリコラージュというわけですね。

そう捉えることで、スーツ姿の長澤まさみが巨大化やシーンの唐突な繋ぎなど、シュールレアリスム芸術っぽさとして許容できます。

ブリコラージュはレヴィ=ストロースがシュールレアリスム芸術家たちと出会って考えられた概念っぽいので、この『シン・ウルトラマン』がそこまで考えて作られた可能性は十分あるでしょう。

(ただ仮にブリコラージュという発想が根底にあったとして、面白くなったかは個人的には微妙…。庵野秀明と樋口監督で意思疎通が取れていない結果チグハグになったと言った方が近いかもしれません)

日本文化を喰らうメフィラス星人

山本耕史演じるメフィラス星人が最高だったという意見が多く私も完全同意なわけですが、広い視点でストーリーやテーマを考えた場合、1番怖い存在は間違いなくメフィラス星人でしょう。

なんせ名刺マナーは完璧、四文字熟語を使いこなし、目上にはお辞儀をしっかりとし、ブランコに乗りながら会話すると和む、ということまで熟知しており、居酒屋は割り勘です。

速攻で日本永住権を与えられるレベル。

知能が高いので文化も完コピできるのでしょうが、ここまで真似るとは日本文化が好きなのかもしれません

しかしこの“好き”が結構怖くて、メフィラス星人からは「末端の未開人の文化に精通している俺かっけえ」という匂いがぷんぷんします。

CineMag
昔の西洋の芸術家の「ジャパンの浮世絵超かっけえ」と一緒ですね。

心までは理解しないまま、文化の上部だけを真似ているようでもあります。

ただメフィラス星人と日本人の文明の差は、当時の西洋と日本と比較にならないほどひらきがあります。

よってメフィラス星人に支配されたら、日本が欧米に支配されたのと比較にならないくらいの速さで文化蹂躙・変容が起こると思いました。

感想を語る犬
オリジナルの四字熟語とかことわざとかメフィラス風日本文化をすぐ確立しそうですね。時代劇の俳優として活躍するかも(笑)

ナルシズムを日本文化に結びつけたのがメフィラス星人の好感度の理由だと思いますが、彼の知能なら文化をなくすのではなく、これまで日本人が積み上げてきたものと全く異質の文化へと、知らぬ間に作り替えることも可能だと思います。

そしてもし彼の中で日本文化ブームが終わったら、日本人や個人が持つアイデンティティ自体が一瞬にして消される気がして恐ろしいと思いました。

考察系ネコ
生きながらにして日本人らしさ・文化を失い型にはめられる。死と同じくらいの喪失です。

ラストシーン意味・ネタバレ解説

神永新二の意識は何処に?

ラストではウルトラマンが自らの命を投げうってゾフィーに分離を頼み、神永新二を生かす選択をします。

ここで、神永新二の意識は今までどこに行っていたのか?という疑問が湧きますね。

初代ウルトラマンでは、最終回でハヤタ隊員がウルトラマンとしての記憶を一切失っているという衝撃的なラストでした。

個人的な解釈では、『シン・ウルトラマン』ではずっと“融合”と言っていたので、劇中ではウルトラマンの人格だったわけではなく、あくまで新二と融合した人格だったのだと思います。

そして今後ですが、ウルトラマンの思考パターンを得た新二は人類をより良い方向に発展させていくのではないでしょうか

続編があるとすれば、新二が人類をどう導いていくかがテーマになるのかもしれませんね。

シン・ウルトラマンのトーテムは人類

「野生の思考」の考え方を応用すると、シン・ウルトラマンのトーテムは人類だと解釈することもできて興味深いです。

ネイティブアメリカンなど部族が部族と野生生物の性質を結びつけるのがトーテミズムという概念で、タカやフクロウなど対象となる動物のことをトーテムと呼びます。(トーテムポールもこれです。)

劇中でゾフィーが「人間が進化したら我々のようになる…」っぽいことを言っていました。人類の起源とウルトラマンには何らかの関係があるのでしょう。

だとすればウルトラマンが人類にシンパシーを感じたのは「なんか人類が祖先に思えるから」という理由もありえます。

CineMag
ウルトラマンは人類をトーテムに選び、存在を融合させたのかもしれません
ウルトラマンのトーテム=人間という関係により、ウルトラマンは他の外星人とは異なる唯一無二の関係性を人間と築き、新たなアイデンティティを獲得して散っていったのです。
この考え方を派生させると、ウルトラマンたちも元人間だったけど外星人に進化させられて意図しない文明を築いてしまったなど様々な解釈ができます。
かつてのウルトラマンたちの文明も未開であり外星人に勝手に発展させられたウルトラマンはトーテムとして人類を愛することで失われていたものを取り戻したのかもしれません。
多重かつループの構造になってます。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の結末っぽい庵野節を感じますね。

シン・ゴジラとの関連・比較考察!

シン・マルチバース開幕!

オープニングで『シン・ゴジラ』というタイトルが出て、そこから『シン・ウルトラマン』へと変わりました。

さらに劇中では多元宇宙・マルチバースの存在が明らかになっています。

直接の続編ではないにしろ、『シン・ゴジラ』のゴジラが、『シン・ウルトラマン』のオープニングで出てきた怪獣・ゴメスだ!という制作側の結びつきはあると思います。

感想を語る犬
竹野内豊演じる政府高官は『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』の両方の世界線に存在するキーパーソンなのかも。

構造の変換と庵野の思考

『シン・ゴジラ』が怪獣 VS 日本社会システムのテーマだったのに対し、

『シン・ウルトラマン』は 外星人 VS 個人 のように見えました。

考察系ネコ
外側の脅威(ゴジラや外星人)に対して全体から個人に、視点がマクロからミクロに変化しています。

ウルトラマンが神永新二の存在を大切にするのもそうですし、カメラワークも個人個人が喋る時にその人アングルに切り替わります。

浅見弘子だけでなく滝や船縁由美など、圧倒的な知識と文明・力を持つ外星人に対して末端の末端に位置する禍特対のメンバーの個性にもスポットが当たっているのが特徴です。

「野生の思考」的にいうと、『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』で物語の構造が変換されています。

(脚本を書いたのは庵野秀明なので、この辺まで考慮して骨組みを考えて作っているのかも。)

考察系ネコ
2作品を比べると、庵野流の構造変換で使われているのは人間は社会の恩恵と呪縛の狭間にいるという思想でしょうか。

メタ的に考察すると庵野秀明の“野生の思考”が浮かび上がってくるようです。何回も見て関連作と比較するのが楽しい見方かもしれません。

ただ本作では『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のような物語としての圧倒的な深みが感じられませんでした。

前2作は現実と虚構の対比のテーマを持ち、哲学でいうなら構造主義を破壊した脱構築の概念まで提示した印象です。

一方『シン・ウルトラマン』は構造主義の枠に留まったというイメージだから深みが足りないと感じたのでしょうか。

(庵野秀明が監督を務めていないことも関係しているのでしょうか。編集も時間がなかったようですし…。)

おまけ:動画でぶっちゃけレビュー!

最後のまとめ

映画『シン・ウルトラマン』は哲学的なコンセプトには優れていましたが、物語が駆け足すぎて面白くないという致命的な欠陥を抱えてしまった残念な作品だったと思います。

CineMag
ただシン・ユニバースはまだ開幕したばかり!なんだかんだ2023年公開の『シン・仮面ライダー』も超楽しみにしています!

ここまで読んでいただきありがとうございます。『シン・ウルトラマン』レビュー終わり!