映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』徹底考察ネタバレ:原作漫画との違い,伏線解説!黒い絵やモナリザの意味

実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』をネタバレありで徹底考察!

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原作漫画との違いも比較しながら、独自の視点で解説していきます!

↓映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の感想・評価レビュー,キャスト解説は下記記事へ↓

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実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』考察(ネタバレ)

露伴のまえに仁左右衛門が現れた意味

露伴は光を吸収する黒い絵を見ると過去が映る=過去の後悔や肉親・先祖の罪によって殺されると考えました。

学芸員のエマの場合は目を離したすきに溺死してしまったピエールの霊が現れ、エマも口から水を吐き出して溺死寸前(エマは原作漫画だと溺死して死にます)。

消防士の1人は過去の戦争体験(もしくは先祖の戦争体験)が蘇って銃で蜂の巣にされ、もう1人は過去に救助できなかった後悔が具現化したのか火だるまになりました。

襲ってくるのが先祖なのか自分の過去の体験なのかがわかりにくいですが、絵を見た本人か血縁者の過去が仁左右衛門の怨念と結びついて呪いになると考えるとしっくりきます。

露伴の場合は斧を持った山村仁左右衛門が出てきて襲いかかってきました。よって露伴の先祖が仁左右衛門なのか?と思いきや、ラストで露伴の先祖は仁左右衛門の妻・奈々瀬のほうだったと判明

けっこう複雑ですね。なぜ露伴の場合は仁左右衛門が出てきたのでしょう?

結論からいうと、仁左右衛門=露伴の先祖である奈々瀬がつくり出した罪だからです。

もとを辿れば奈々瀬が御神木から漆黒の樹液を取って仁左右衛門に渡したがために悲劇が起こります。そもそも仁左右衛門が黒い顔料を欲しがったのも奈々瀬の黒髪を描きたかったからです。

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仁左右衛門にこの世で最も邪悪な黒い絵を描かせたのは奈々瀬という解釈ができるわけですね。意図せず死の女神になってしまった悲しい女性です。

 

露伴の前に現れたのは奈々瀬の罪=狂った仁左右衛門だと考えると一応ルールにもそってますね。

パンフレットでは高橋一生さんのインタビューで「仁左右衛門は露伴と縁戚関係がある」と言ってますし、300年前のシーンでは高橋一生さんが仁左右衛門を演じているので、仁左右衛門が露伴の先祖という線も考慮しなければならない気がします。

ただ原作漫画でも露伴の先祖は奈々瀬と書いてあるので、岸辺露伴は芸術家として仁左右衛門に似ているだけなのでしょう。

さらに細かくいうと、映画でも原作でも奈々瀬と仁左右衛門に子供はいないはずなので、露伴は奈々瀬の兄弟の子孫ということになります。

奈々瀬から見ると兄弟の子孫が夫に似ている。やっぱり荒木飛呂彦先生が考えたストーリーって奇妙な複雑さを持っていますね。

奈々瀬が露伴の絵をハサミで切った理由

岸辺露伴と仁左右衛門の共通点は、奈々瀬をモデルに絵を描いたことです。

300年前、仁左右衛門は奈々瀬をモデルにして邪悪な最も黒い絵を完成させてしまいました。

奈々瀬は露伴が同じように自分をモデルに漫画を描いたのを見て、原稿をハサミでズタズタにします。

露伴が仁左右衛門と同じように闇堕ちしてしまうのを恐れての行動なのでしょう

そして映画のラストシーンでその原稿を露伴に返す際は、露伴と仁左右衛門が違うことをはっきり悟ったのではないでしょうか。

ちなみに原作漫画で露伴は、「あの時に奈々瀬が絵をズタズタにしてくれなかったら、ルーヴルで黒い絵を見たときに奈々瀬への慕情に負けて死んでいただろう」と語っています。

漫画では絵をズタズタにしたのは若き露伴を突き放す意図も大きかったのでしょう。

モリス・ルグランの黒い絵

フランスの画家モリス・ルグランが描いた黒い絵は、彼が仁左右衛門の絵を見て狂気にさいなまれながら描いたものです。

なぜ日本で露伴が落札したこのモリス・ルグランの絵から黒い樹液が出てきて、盗んだカワイが死んだのか?と疑問に思った人が多いと思います。

モリス・ルグランが描いた黒い抽象画には蜘蛛の巣や女性の髪の毛らしきものが描かれていました。仁左右衛門の絵を模写したものです。

よって仁左右衛門の怨念がモリス・ルグランの狂気とブレンドされて絵に込められ、カワイが死に至ったのでしょう。

黒い絵と蜘蛛の関係

黒い絵は300年前の御神木の樹液で描かれました。

実写映画では結局、蜘蛛の正体が何かよくわからなかったですが、漫画だと「蜘蛛は御神木の中に潜むドス黒い生物で、仁左右衛門の怨念と合体して動く」と描かれています。

黒い顔料は樹液というより、蜘蛛みたいな生物の体液なんですね。

この生物は老木の中で何千年も眠っていたとも書かれています。

柱の男みたいな感じで、絶対悪の象徴なのでしょう。

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御神木は、その地の人々の罪を吸収していたのかもしれませんね。

なぜルーヴル美術館?モナリザの意味

なぜ舞台がルーヴル美術館でなくてはならないのか?

理由は世界から集められた美術品が貯蔵・展示されているからでしょう。

具体的にいうと、仁左右衛門が描いた黒い絵のような邪悪な美術品が集められているのがルーブル美術館!という解釈ができるということ。

ルーヴルや大英博物館には世界的な美術品が集められているのですが、歴史が古いためアートが正規購入なのか侵略した土地のものを集めた略奪品なのか、盗品なのかわからない…という問題があります。

大英博物館の展示品は植民地時代に勝手にエジプトから持ち去った物とされ、歴史問題としてニュースに取り上げられることが多いですよね。

さらにルーヴル美術館でも館長がアラブの春での紛争に乗じて現地の美術品をルーヴルの関連施設に買い取らせて逮捕された!という事件が2022年に発覚。

(映画に登場した辰巳隆之介はこの事件をもとに考案されたキャラクターかもしれないですね。辰巳は映画オリジナルキャラです)

つまり美術品自体が邪悪かは不明ですが、多かれ少なかれ邪悪な歴史にさらされてきたアートがルーヴルに集まっているということ。ルーヴル美術館に怨念が集積されていても不思議ではありません

原作漫画では奈々瀬が「モナ・リザは万人が最も美しいと感じる絵で、それと対になるのが仁左右衛門の最も邪悪で黒い絵」的なことを言っていました。

いっぽう、映画版でモナ・リザが岸辺露伴を見ているようなカットを見るとモナ・リザも邪悪で黒い絵のひとつでは?と考えることができます。

制作陣がどこまで意識してたかはわからないですが、黒い絵の能力もありますし「名画は過去の罪を映す」という抽象的なテーマを感じました。

荒木飛呂彦の原作の「黒い絵は焼却されたかわからない。なぜならルーヴル所有だから」というラストのセリフからも、ルーヴル美術館自体に対しての畏(おそ)れや含みが感じられます。取材で不気味な雰囲気を感じ取ったのかもしれませんね。

その他の伏線『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

10年前に露伴の祖母の家から仁左右衛門の絵を買い取ったルーヴル美術館の職員は、どこでこの絵の存在を知ったのでしょうか?

映画内では明らかになりませんでした。露伴の場合と同じように奈々瀬が現れて絵の存在を教えたと考えても納得がいきません。やはりルーヴル美術館の魔力が黒い絵を呼び寄せたのでしょうか。

また300年前のシーンでは、仁左右衛門はオランダから輸入された絵画を学んでいる描写があったので、絵画がヨーロッパ(ルーヴル)へ帰る必然性を絵の技法によって暗に示していた気もします。

他には考えてみると、奈々瀬が10年前に露伴に「すべて忘れて」と言っていたのは、露伴がヘブンズ・ドアーで自分の記憶を一時的にすべて消してこの世で最も黒い絵の呪いから逃れることができた伏線にもみえますね。

奈々瀬の言葉がなければ、露伴は危機を切り抜けられなかったかもしれません。

感想を語る犬
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は具体的なフェーズから抽象的なフェーズまで様々な観点で解釈できるのがおもしろいですね。

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