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映画『ホムンクルス』

グロ駄作?映画『ホムンクルス』ネタバレあらすじ解説/ラストオチ考察!最悪な自分探しの結末,感想レビュー

Netflixで映画『ホムンクルス』(Homunculus)を視聴。アート的なグロさが楽しめる一方で、中途半端なストーリーで「何が言いたいの?」と感じてしまうつまらない部分もあった。

グロくてメッセージ性の強いトラウマカルト系の同名原作漫画とストーリーがかなり違ったので、まずはネタバレあらすじを解説。

あとはラストオチの意味を深掘りして、ひとつの答えを出しています

オチをしっかり考察すると、違う解釈も生まれてくる。そのあたりをしっかり解説!ちなみにホムンクルスとはカナダの脳外科医ペンフィールドが定義した「脳の中の小人」の意味で、人が自分自身をどう捉えているかのビジョンのこと。

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映画『ホムンクルス』ネタバレあらすじ解説

あらすじネタバレ

主人公名越進(綾野剛)

記憶喪失のホームレス・名越進(綾野剛)は、高級ホテルと公園を区切る道路に止めた車で生活していた。感情もなく、日々生きる気力もない。

そんな時、研修医だという伊藤学(成田凌)が「頭に穴を開けて脳を活性化させる、トレパネーション手術の実験体になってほしい」と言う。記憶が戻る可能性があることもあり、名越は渋々承諾した。

術後、名越が左目で見た人間たちがおかしな形状に見える。伊藤に相談すると、人々の深層心理のトラウマが形になって見えている状態で、見えている物体をホムンクルスと定義した。

名越は、出会ったヤクザ組長がロボと鎌を持った子供に見え、彼が小さい頃に友達とロボのおもちゃを巡って喧嘩になり、誤って持っていた鎌で友達の指を切ってしまった過去を見抜く。組長は深層心理に踏み込まれて動けなくなり、トラウマが解消されヤクザを辞めた。

他にも名越は、砂に見える女子高生を車内で抱き、彼女が母親からの重圧で苦しんでいるトラウマを解消する。しかし翌朝、自分の左手はロボ・左足は砂状になっていた。ホムンクルスが転移したのだ。

ある日、名越は顔なしのホムンクルスの女性を見かけ、彼女が奈々子という名前で自分の元恋人だと思い出す。奈々子を同棲していたアパートに連れて行きキスをして一晩過ごすと、体のホムンクルスが消えている。しかし、奈々子の頭にもトレパネーションのあとを見つけ驚愕した。

名越は怒り、伊藤のアパートにいくが姿はない。伊藤(実は奈々子にも手術をしていた)から電話がかかってきて、「ホムンクルスは虚構で、お前の都合のいい幻だ」と笑われた。名越は狂いかけ、自分で頭に再び穴を開ける。するとまたホムンクルスが見えるようになっていた。

名越は奈々子のもとへ駆けつける。しかし、彼女は奈々子ではないと言う。名越が見るホムンクルスが、奈々子の顔だっただけだ。

彼女はチヒロと名乗り、名越と恋人・奈々子を事故で轢いてしまい、奈々子が死んだと告白。名越はどうしていいかわからず彼女を抱きしめた。

伊藤がやってきて笑う。

名越は伊藤のホムンクルスが透明の水で、中に金魚が泳いでいるのを見つめる。父親に認められなかった過去を知り、「自分と他人の繋がりがホムンクルスだ。俺もお前も見てほしいばかりで相手を見ようとしていない。相手がいるとそこに世界ができる」と諭した。伊藤は泣き崩れる。

後日、伊藤は自分でトレパネーションをして頭に穴を開け、螺旋階段を登って屋上に上がり、新宿の街を見下ろして狂気の笑みを浮かべた

名越はチヒロを受け入れ、車で遠くへと走り出す。

映画ホムンクルスの名越とチヒロ

映画『ホムンクルス』END!

『ホムンクルス』オチの解釈と深掘り考察!怖さ倍増

ホムンクルスで伊藤学を演じた成田凌

清水崇監督の他の作品とも共通するように、映画『ホムンクルス』もボーっと見てしまうとモヤモヤした印象で終わってしまう。

『ホムンクルス』をボーッと見てしまうと、狂気から目覚めて真実を知った“記憶喪失オチ”のように感じてつまらないと思う。

しかし、伊藤が最後に自分で頭に穴を開けた理由を考えると、もっと根幹的な恐怖が炙り出されるようで面白い

なぜ彼は穴を開けたのか?それは「トレパレーションでホムンクルスを見たいから」だ。

なぜホムンクルスを見たいのか?

伊藤と名越の最後の会話にヒントがある。

伊藤は「もっと自分をしっかり見てくれ」と名越に叫んでいる。

このシーンは名越と伊藤の相互理解と思いきや、一方で名越は伊藤を理解できたと考え、伊藤はそうでないと苦しんでいるとも解釈できるだろう。

名越が見た伊藤のホムンクルスが間違っているのか、単に伊藤が自分を受け入れられないのかはわからないが、伊藤は“決定的なすれ違いが埋めれない”ことに憤りを感じ、自分でホムンクルスを見えるようになって、救われようとしたのだ。

ただ、ここで一つの疑問が残る。ホムンクルスが見える名越は、そもそも本当に救われたのか?恋人を轢き殺したチヒロを受け入れることは正解だったのか?

ラストの花畑沿いを車で通るシーンも、現実的な救いというより、現実逃避的な結末とも取れる。名越は現実から逃げることで、生きる意味を取り戻した気になっているだけかもしれないのだ。

そもそも奈々子が回想で名越に「空っぽ」と言っていたのは、穴を開けても中身は空っぽで何も解決しない意味につながるのではないか。

そうなると、伊藤もホムンクルスが見えるようになったところで真の意味では救われない可能性がある。

頭蓋骨の穴は名越から伊藤に連鎖し、さらなる“穴の開いた救われない人々”を生み出し続けるのかもしれない。

そう考えると、個人的にはゾッとするような怖さを感じるがどうだろうか。

『呪怨』『犬鳴村』『樹海村』などのように、“負の連鎖”や“ループ”という清水崇監督のシンボル的なメッセージ・テーマが浮かび上がってくる

ちなみに菅田将暉とFukase出演の映画『キャラクター』も似たメッセージを持っていると思います。

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つまらない?『ホムンクルス』ネタバレ感想・評価レビュー

ホムンクルス 奈々子とチヒロを混同して混乱する名越

評価は76点くらい。アーティスティックでテーマ性もあるけど、ストーリーがイマイチだった。

頭蓋骨に穴を開ける回転ドリルをレコードに見立て、音楽を流すシーンなどアート的な美しさを持った映像が楽しめた。

(KingGnuの 常田大希の別プロジェクト、millennium paradeによる映画とリンクする映像と音楽を楽しんでほしい↓↓)

youtu.be

あとは、キモい絵やさまざまなオブジェが置かれた伊藤の部屋も見ていて楽しい。

頭の穴、螺旋階段、瞳、日食と、円形の物体が随所で登場し、「自分探しなんて、円のようにぐるぐる回っているだけで答えなんかねえよ」というようなメッセージ性を感じた。

ただ、メッセージ性はあるものの、ストーリーとしては「記憶喪失の主人公の悲劇が判明!ホムンクルスの意義もようわからん!」というこじんまりしてつまらない印象も受ける。

キャストや演技は全体的にとても良かったと思う。

綾野剛は表情のないシーンと険しいシーンのメリハリが強くて見応えがあった。綾野剛は実写映画『るろうに剣心』などのアクション系は微妙だけど、演技は上手いと思う。

成田凌もいいキャラだった。ちょっと前みた『人間失格 太宰治と3人の女たち』の編集者役でもそうだけど、情緒不安定な若者役が上手い!もしかして演技じゃないのか(笑)。

成田凌はアニメ映画『竜とそばかすの姫』(2021)にも声優として出演。

主人公・名越がホームレスがたくさんいる公園と高級ホテルを区切る道路で車上生活しているのが興味深かった。『パラサイト半地下の家族』の“半地下”のような、曖昧な場所にいることが、自分自身の存在の曖昧さの暗示になっているのだろう。日本版の『ノマドランド』状態である。

まとめると、映画『ホムンクルス』はアートやテーマ性はあるが、ストーリーが微妙だし、好みが分かれるだろう。

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