清水崇監督の映画『樹海村』見てきました。グロい!虫がキモい!登場人物が死にまくるホラーエンタメで、非倫理的で強烈なメッセージもあり、なかなか楽しめた。
記事では
- あらすじ完全ネタバレ解説
- ラストの少女“ねね”のヤバい正体と最悪な結末を考察
- 前作『犬鳴村』との類似点
- 酷評されている理由と弁護
- 樹海村そのものの考察
を書いてます。
前作『犬鳴村』と似たようなストーリー演出。 清水崇監督らしい呪いの輪廻が『樹海村』でも楽しめました!ただ、一般的にはかなり低評価のホラーですね…。ちなみに恐怖の村続編は『牛首村』(2022)です。
清水崇監督は2023年に『忌怪島/きかいじま』や『ミンナのウタ』を発表しています。

『樹海村』登場人物・キャストと相関図
天沢響/山田杏奈
根暗で 不登校の女子。オカルトが大好きで都市伝説などに詳しい。母・琴音と同じく霊感を持っている模様。ご飯を食べずにお菓子ばかりつまむ。
天沢鳴/山口まゆ
響の姉。美優とその彼氏・輝、真二郎とは幼馴染グループ。真二郎と付き合っているが、輝のことが好き。
天沢琴音/ 安達祐実
響と鳴の母親で、13年前に自殺した。霊感を持っていてコトリバコのことを知っていた。
天沢唯子/ 原日出子
響と鳴の祖母で、彼女たちと一緒に暮らして育てている。琴音は義理の娘。
出口民綱/ 國村隼
樹海やその付近の歴史や風習に詳しい人物。いつも付近をうろついている。演じた國村隼はNetflixのヤクザアクション映画『Kateケイト』(2021)にも出演して話題に!
樹海村ストーリー時系列で解説
少しストーリーが複雑だったので、時系列通りに並べてみた。
〜13年前〜
- 鳴がコトリバコを見つけ、母・琴音は樹海に捨ててくる。その途中で琴音は樹海村に取り込まれ、姉妹だけが森から逃げ出す。
- 出口民綱が森から出てきた天沢姉妹を保護。
〜ここから2020年〜
- Youtuber アッキーナが樹海で生配信して行方不明
- アッキーナの配信ファンであるピル男やド腐ゾンビ、響が樹海へ。響だけ戻る。
- 輝と美優宅にコトリバコ出現
- 輝、真二郎、美優、幼馴染メンバー次々と死亡
- 鳴がコトリバコを樹海村へ返し、響が死亡
- 鳴だけ生還
響が配信メンバーと樹海に行ったのがいつか分かりにくかったけど、コトリバコが出てくる前でしょう。
ちなみに樹海村は小説版とコミック版もあるので、気になる人はぜひ読んでみよう!
次は、ラストのコトリバコと“ねね”という少女についての解説です!
少女ねねのヤバい正体を解説!伏線とラスト最悪の結末考察
ラストで出てきた“ねね”という少女が誰なのか?
考察になるけど、“ねね”は鳴の娘だろう。
天沢家の女性は、母・琴音、鳴、そして響と、音に関する漢字が名前に入っているからだ。
“ねね”の漢字は不明だが、初音でねねと読んだりするので、音が入った名前かもしれない。そう考えるとやっぱり生き延びた鳴の娘だろう。
響の「ずっと一緒にいる」という約束が伏線となり、コトリバコとして鳴の前に現れた。というのがスッキリする解釈ではないだろうか。
そのあとを推測すると、鳴は母・琴音と同じように、樹海にコトリバコを返しにいく羽目になり、樹海村の仲間入り。そして、その後成長した“ねね”にも、鳴と同じヤバい運命が待っているのだ…。
琴音の親も、そうやって彼女を救ったかもしれない。でも大人になると樹海行き!
家族への愛情すら呪いになって廻ってしまう!
一般的な倫理を崩壊させる恐怖が『樹海村』の背筋がゾクッとするポイントだろう。
清水崇監督らしい、呪いの輪廻が今作でも完成された!
ちなみに、 清水崇監督の次作で人気漫画の実写化映画『ホムンクルス』からも、負の連鎖や輪廻などのメッセージが見受けられる。
清水崇監督作品の根本的なテーマなのだろう。
『犬鳴村』と『樹海村』の類似点
※犬鳴村のネタバレを含みます。
清水崇監督による、恐怖の村シリーズ第二弾の『樹海村』は、第一弾の『犬鳴村』と構造やストーリー、演出がめっちゃ似ている。
『犬鳴村』がヒットしたから、「似たような感じで行こう!」となったのだろう。
具体的に似ている点は、
- 女優・大谷凛香演じる同名のYoutuber アッキーナ登場
- 飛び降り自殺の演出
- ゾンビものみたいに、幽霊がワンシーンでたくさん登場
- 家族の秘密
- 誰かを救う行為が呪いにつながる結末
『樹海村』がヒットすれば、恐怖の村シリーズ第三弾もまた同じような作品が出来上がるだろう。
『樹海村』ひどいと酷評されるワケ、ファン開拓や海外狙い
『樹海村』大手レビューサイトと個人の評価
- IMDb 4.8/10
- 当サイトCineMag管理人の評価 80点/100
個人的にはわりと楽しめた『樹海村』。だが(80点くらいかな)映画好きの間では『犬鳴村』同様に「ひどい!」酷評されることが多い。
主な理由は「全然怖くねえ!」というもの。
具体的には、ゾンビものっぽくたくさんの幽霊が登場してお祭り騒ぎみたい、日本的な雰囲気の暗さが足りないなどが、物語の怖さをなくしているのだろう。
ただ制作側は、Jホラーを刷新する意味でわかっていてやっていると思う。新しいファン層獲得や、海外への輸出も視野に入れているのかもしれない。
つまり新しい挑戦をしているわけで、それが昔からのJホラー好きには全く受け入れられないのだろう。
ただ、愛情が呪いに取り込まれるようなテーマが深く抽象的なストーリーが上手く機能しているし、死に際の演出も素晴らしいし、映画として見どころはしっかりあると思うので「ひどい」というのは言い過ぎではないか。
ただホラー映画の特徴として、物語の抽象的な美しさより“怖さ”の方が圧倒的に求められるのだろう。それが酷評につながったのだと考える。
樹海村は実在するのか?
山梨県には、樹海に囲まれた 精進湖民宿村という集落が存在するが、そこは別に怖い場所でなく、湖の近くにある民宿が多い村。
では映画で出てきたような、ヤバい樹海村は本当にあるのか?
死にきれなかった人間たちが集落を作る!というのはフォークホラー好きにはたまらないロマンだ。しかし現実には樹海村が存在した記録は確認できない。
ただ、樹海は広いし、昔は山賊みたいな幕府から追われた犯罪者たちが集まった集落はあったかもしれない。
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