キャストが発表されるやいなや賛否両論状態だった実写映画『ゴールデンカムイ』を公開初日に見てきました!
実写映画『ゴールデンカムイ』ネタバレ感想・評価
漫画やアニメの実写化は『デビルマン』や『ドラゴンボール』をはじめ『進撃の巨人』などク○映画=オソマであふれかえっている状態でした。
そんな邦画界において実写『ゴールデンカムイ』はまさに作品自体が金塊といえる出来栄え。
実写化作品としては120点満点でしょう。同じく山﨑賢人主演の『キングダム』シリーズの完成度を超えていると思います。
映画ではオソマネタが多かったですが、クオリティは全然オソマじゃないです。
ハリウッド版『聖闘士星矢』(2023)の実写化も派手に爆死したので、ハリウッドでも漫画やアニメを実写化するときは『ゴールデンカムイ』を参考にするといいと思いました。
Netflixの実写ドラマ『ワンピース』や『幽遊白書』も“ビジュアル面での実写化”という意味においては悪くなかったですが、原作抜きでも楽しめる作品としては本作『ゴールデンカムイ』がずば抜けていると思います。
実写映画『ゴールデンカムイ』ネタバレあらすじ解説レビュー
オープニングの日露戦争からメーター振り切っている!
時系列で感想を語っていきます。
まず、オープニングの日露戦争から臨場感と迫力がすごく、邦画ばなれのクオリティでした。
すごくシビアな目線で見たら大軍の俯瞰(ふかん)ショットや霧の風景などCGっぽいシーンもありましたが、技術や予算に限界ががるのでそこは仕方ないでしょう。
原作未読勢の一発目の感想としては、銃で撃たれても敵に向かっていく杉元佐一(山﨑賢人)にビビりました。生命力すごすぎ。
実写だと人間離れしすぎな感じもしますが、まあ元が漫画ですから「体が丈夫すぎだろ!」とか、とやかくいうのは野暮ですね。
序盤は尺の関係で唐突なシーンも
そして時は流れ現在に。
主人公の杉元は雪山の川で砂金を探していると、酒飲みの後藤竹千代(マキタスポーツ)からアイヌの財宝・金塊の話を聞かされます。
正直この場面は、後藤がここで何をしているのかの経緯が不明なので笑ってしまいました。
まあ、映画は尺の問題があるので後藤についてタラタラ描く時間はなかったのでしょう。
そしてみんな大好きヒグマの登場です!後藤がクマにあっさり殺されているのも笑えました。
北極圏でサバイバルするリアリティ番組(『ALONE』)が大好きな筆者はテンション上がりまくり。
ヒグマの吠える声なんかも迫力満点で、「CG感がぜんぜんない!」と言えば嘘になりますが、かなりのクオリティでした。
アシㇼパの服だけ綺麗すぎでは?
そしてヒロインのアシㇼパが杉元を助けに登場!
杉元など男勢は服の汚れや肌荒れまでしっかり再現されていて泣きそうなほど感動しました。(実写『進撃の巨人』ではみんな服も肌もわりと綺麗で違和感がすごかったですから。)
いっぽう、アシㇼパはヒロインだからか服はピカピカで肌もツヤツヤです。もう少しだけでも汚せばよりリアリティが出たかとも思いました。
次のヒグマとのバトルシーンは手に汗にぎります。
ただマニアックなことを言うと、ヒグマの攻撃力が低すぎですし(本当なら人間はヒグマの平手打ちで肉が砕けて即死するレベル)、そもそもヒグマなど野生動物は人間など獲物に向かって正面から堂々と登場したりしません。
そのへんは個人的には気になりましたけど、まあ一般の方は気にも留めないレベルの些事でしょう。
クマを倒した後、アシㇼパは杉元に「金塊を独り占めにしようとしたのっぺら坊に父親が殺された」とを話します。
そして杉元とアシㇼパの冒険が始まります。
アクションが最高すぎる!
杉元と尾形百之助(眞栄田郷敦)のバトルシーンでハッキリ気づきました。
「多分そうだと思ってたけど、この映画はアクションが最高すぎる」
生身の人間同士が戦っている重厚さがしっかりあり、アクロバティックな動きの際も何をしているかわかりやすいのです。
実写『るろうに剣心』のような現実離れしすぎたチャンバラ(これはこれで好きな方もいると思いますが)的になっていないのが、個人的に評価したい大きなポイントでした。
アクションの良さは不良がバトルを繰り広げる『HiGH&LOW THE MOVE』シリーズを手掛けてきた久保茂昭監督の手腕かもしれませんね。
キャスティングが神!MVPは白石
脱獄王の白石との雪山での追いかけごっこでは、白石のキャラと矢本悠馬さんが大好きになりました。
斜面を頭から滑って逃げるシーンなんか最高すぎます!
絶妙すぎるキャスティング!ハマり役です。白石だけずっと見ていられます。
杉元と白石の相性もバッチリで、雪山の川でずぶ濡れになってお互い協力し合ういかにも漫画的なシーンが違和感なく成立していたことも特筆すべき点です。
その頃、もうワンサイドで暗躍しているのが元新撰組の土方歳三!
老いた土方を舘ひろしが演じるとは!胸熱すぎるキャスティングです。
舘ひろしが牛山の館に乗り込んでアップになるシーンは渋すぎでした!
杉元とアシㇼパ、絆が深まるのが早すぎ
いっぽう、杉元とアシㇼパは、アシㇼパの生まれ故郷の村へ行きます。
映画的には杉元とアシㇼパの信頼関係が構築されていく過程があっさりすぎるとも思いましたが、そこも尺の問題でしょう。仕方ありません。
アイヌの村人たちは杉元に興味津々。おまけにアシㇼパの祖母や大叔父が速攻で杉元を信頼します。少しは怪しむ心も持った方がいい気もしますが…。
翌日、危険な旅になると考えた杉元はアシㇼパを置いて一人で旅を続けます。そして鶴見中尉(玉木宏)と割とあっさり捕まります。ドンマイな主人公です。
脳液がもれちゃう玉木宏
玉木宏の狂気っぷりは至高でした。脳液がもれちゃう男を演じさせて違和感がないのは日本で彼くらいでしょう。
透明の液体が垂れてくるのはキモいですが、狂っているキャラクターが最高です。
鶴見中尉が笑ながら縛られた杉元のほほに串をブッ刺すシーンは本作ナンバーワンの衝撃!
こんなにもインパクトのある表現で魅了できるなら、海外へ輸出できると思います。
そして捕まった杉元を助けるため、関節をはずして軍のアジトに侵入するヌメヌメ白石。
関節を外して鉄格子をすり抜けている瞬間が見たかったですが、R16区分になっちゃうでしょうからね(笑)。
ラストバトルも渋すぎい!
ラストバトルは、杉元 アシㇼパ VS 二階堂兄弟+鶴見。
こぢんまりしたバトルかと思いきや、馬車上で投げ技を決めたり突き落としたりなど臨場感がものすごく、シリーズ第1作の最後の戦いにふさわしいと思いました。
大舞台で大袈裟なバトルをやればいいというもんじゃないですね。こういう小規模のアクションが最高に見応えがあるのが実写『ゴールデンカムイ』の1番の強みでしょう。
最後にバックストーリーを持ってくる意外な構成
最後には杉元がアシㇼパに、故郷の梅子や寅次の話をします。
ラストにキャラのバックストーリーを持ってくるのは普通の映画のセオリーではないので斬新でした。
続編が前提ということもあるのか、かなり思い切った構成ですが感動もあり、これからのさらなる大冒険を予感させるにふさわしい幕引きです。
杉元、アシㇼパ、白石の息がぴったりなんですよ。この3人のコントをずっと見ていたいです。
エンドロールでは刑務所にいるのっぺら坊が「アシㇼパ〜」と言っていましたね。今後が気になります。
最後の最後まで楽しませてもらいました。
以上、実写『ゴールデンカムイ』レビュー終わり
実写映画『ゴールデンカムイ』キャスト関連記事
杉元佐一|cast 山﨑賢人(『今際の国のアリス/シーズン1』『今際の国のアリス/シーズン2』『キングダム2 遥かなる大地へ』)
アシㇼパ|cast 山田杏奈(『樹海村』『HOME STAY ホームステイ』)
白石由竹|cast 矢本悠馬(『エンジェルフライト』)
尾形百之助|cast 眞栄田郷敦(『カラダ探し』『東京リベンジャーズ』『ヒノマルソウル』)
鶴見篤四郎 |cast 玉木宏(『竜の道 二つの顔の復讐者』『マイファミリー』『HOKUSAI/北斎』『この子は邪悪』)
土方歳三|cast 舘ひろし(『ヤクザと家族 The Family』)
月島基|cast 工藤阿須加(Netflix『御手洗家、炎上する』『総理の夫』)
二階堂浩平&洋平|cast 柳俊太郎(『桜のような僕の恋人』)
ウイルク|cast 井浦新(Netflix『舞妓さんちのまかないさん』)
梅子|cast 高畑充希(『怪物』『キャラクター』)
寅次|cast 泉澤祐希(『クレイジークルーズ』『マスカレード・ナイト』)
谷垣源次郎|cast 大谷亮平
牛山辰馬|cast 勝矢
永倉新八|cast 木場勝己
後藤竹千代|cast マキタスポーツ(『ミンナのウタ』)
大叔父|cast 秋辺デボ
笠原勘次郎|cast 島津健太郎
玉井芳蔵|cast 山内圭哉