映画『HOME STAY ホームステイ』ネタバレあらすじ感想:薄味で伏線が残念! 考察と辛口評価 Amazon作品

Amazonオリジナル『HOME STAY ホームステイ』は 森絵都の小説『カラフル』を「なにわ男子」の長尾謙杜主演で映画化したハートフルな作品。

主人公・シロの魂が知らない少年の体に入り込み、死亡の謎を解き明かします。

CineMag

高校生たちの人間ドラマに心温まる一方、薄味なストーリーが少し残念でした。

良くも悪くもネット配信向けの作品です。

キャスト、ぶっちゃけ感想・評価残念な伏線の考察ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をまとめました。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)

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映画『HOME STAY ホームステイ』キャスト・作品情報

公開・制作国・上映時間2022/02/11・日本・112分
監督:瀬田なつき(『PARKS パークス』『セトウツミ』)
脚本:菅野友恵/大浦光太
原作:森絵都の小説「カラフル」
制作:三木孝浩
制作:TBSスパークル
配給・製作:Amazon Prime Video
主題歌:ずっと真夜中でいいのに。「袖のキルト」

原作は森絵都の名作小説 「カラフル」(1998)です↓。『ホームステイ ボクと僕の100日間』(2018)でタイで映画化されるなど、映画化は4度目です。

登場人物|キャスト

シロ/真(まこと)|長尾謙杜(ジャニーズグループ・なにわ男子所属)。2023年公開『岸辺露伴ルーヴルへ行く』では若い露伴役でした。

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実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

|山田杏奈

美月 |八木莉可子

管理人|濱田岳

真の母・早苗|石田ひかり

真の父|佐々木蔵之介

真の兄・満|望月歩

ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ

映画『HOME STAY ホームステイ』主人公シロを演じる長尾謙杜

©︎Amazon Prime Video

あらすじ:死んで魂になったシロ(長尾謙杜)は、病院で小林真の体で目覚めました。魂の管理人(濱田岳)は、「高校生の小林真が死んだ理由を突き止めれば、もう1度 輪廻転生させてやる」と約束します。期間は100日、回答は3回まで。シロは小林真になりすまして高校生活を送りますが…。

ちょっと予告編を見て謎解きサスペンス要素がけっこう強いかと思いましたが、メインは高校生の人間ドラマです。

CineMag
家で暇つぶしに観るにはオススメな佳作でした。

むずしいことを考えずに視聴できますが、そのぶんストーリー性もそこまで深くありません。

Amazonオリジナルの日本の作品なら、波瑠主演のドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論』のほうが断然クオリティは高いです。

海外大手レビューサイトの評価もあまり高くないですね。

おすすめ度70%
ストーリー78%
IMDb(海外レビューサイト)6.4(10点中)

※以下、邦画『HOME STAY ホームステイ』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『HOME STAY ホームステイ』ネタバレ感想・評価

映画『HOME STAY ホームステイ』の評価は72点。佳作です。

まず、死んだあとの魂が他の人の体に入って生き直すストーリーに引き込まれましたね。

事前情報ゼロの原作未読だったのでサスペンスかと思ってましたが、本質的には周囲の人が自分を大切に思ってくれると気づかせるスピリチュアルな人間ドラマ

特に、スタジアムのパネルでシロが描いた花火の絵と真が死ぬ前に描いた絵が全く一緒だとわかり、シロが自分は真だと気づくシーンは感動しました!

映画ホームステイの感動のシーン

また、濱田岳演じる魂の管理人の↓

「人生は長めのホームステイ」

というセリフも刺さりました。哲学的で、深く考えさせられます。

ただ、大きな見どころはそのへんですかね。

CineMag
コンセプトが良い一方で、味付けの薄いヒューマンドラマで終わってしまった感が否めません。

“10代の繊細な心”という触れ込みでしたが、いじめ・恋・進路の問題はリアリティがあるというより表面上だけのステレオタイプで、みずみずしさはありませんでした。

さらに晶だけでなく、レズビアンである美月にすら個性はありません。登場キャラ全員個性ゼロです。

周りに合わせてしまって自分の意見が出せない思春期の葛藤がテーマなのはわかりますが、あまりにも個性がなさすぎると共感しづらかったですね。

また、真のような友達ゼロでいじめられている隠キャを、晶や美月が気にかけてくれるのも、現実とはかけ離れています。

フィクションでも、人間模様がよりリアルな方が感情移入できますよね。

さらに本作では、主人公が自殺しているにも関わらず重さはなく、全体的な雰囲気がかなり軽すぎる印象。

良くも悪くもアマプラ配信で暇な時間に見るのがピッタリの映画だと思いました。

正直、もし劇場公開だったら少し物足りなさを感じてしまうでしょう。

映像的には、ストップモーションでみんな止まっているのを背景に、主人公と管理人2人だけが会話しているシーンが見応えありました。

謎解き要素が台無し

映画『HOME STAY ホームステイ』は真の死をめぐる謎解きサスペンスの要素も物語の主軸なのですが、その謎や伏線が全く上手く機能していないのが欠点でした。

語る犬
死んだシロの魂の修行の話なのでシロの生前の情報はストーリーに絶対必要なはず。それでもシロの情報が一切ないことから、シロ=真だと簡単に想像できてしまいます。

管理人がシロについての情報をイコール真だとわからない程度に小出しにすれば、ラストのオチにもっと意外性が生まれ、さらに良い作品になったでしょう。少し残念でした。

映画『HOME STAY ホームステイ』

©︎Amazon Prime Video

視聴後に気づいたことで、ポスターをよく見ると真の反対側にシロが(別人の顔)で写っていてミスリードになってはいるのですが、事前にポスターを見てない人には伝わらないですね。

考察:伏線回収での反則

映画『HOME STAY ホームステイ』は、消えた美月の絵自分の写真の謎など、重要な伏線を回想で説明してしまう反則技が使われます。

シロに自力で謎を解かせてからの回想ならわかりますが、視聴者に意識させた伏線を回想で一気に種明かしって…あまり観たことない気がします。

語る犬
時間がなかったのか?伏線を気にしてなんか損した気分…

小説でそうなっていたとしても、映画では脚色で少し変更するべきだったでしょう。

CineMag
料理番組で「出来上がったものがこちらです!」と完成形を見せられた気分を10倍に濃縮したガッカリ感でしたね。

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