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映画『HOKUSAI/北斎』

映画『HOKUSAI/北斎』あらすじネタバレ解説レビュー!時空を超えた浮世絵師の情熱の感想と考察!ストーリー評価

伝説の浮世絵師の生涯を描いた映画『HOKUSAI/ 北斎』を鑑賞。 柳楽優弥と 田中泯のダブル主演プラス豪華キャストで、絵師の情熱がスクリーンいっぱいにあふれ、超感動しました!

“芸術とはなにか?”という普遍的な問いに映像で答えを出したような素晴らしい映画だといえるでしょう。

この記事では、全体の感想や評価あらすじネタバレ解説、ストーリーが出した“芸術とは何か”の答え印象深いシーン紹介などを書いてます。

伝説の絵師・ 北斎の生き様をアーティスティックに描いた傑作!涙が自然と溢れる最高のシーン多数!2021年上半期邦画ナンバー1

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スタッフとキャスト相関図

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映画『HOKUSAI/北斎』登場人物キャストの相関図

引用元:https://hokusai2020.com/index_ja.html

スタッフ・キャスト

『HOKUSAI/ 北斎』スタッフ・キャスト

監督: 橋本一

脚本: 河原れん

撮影:ニホンマツアキヒコ

主演: 柳楽優弥/若き 北斎役

主演: 田中泯/老齢の 北斎役

出演: 阿部寛/ 蔦屋重三郎役

出演: 喜多川歌麿/ 玉木宏役

出演: 永山瑛太/ 柳亭種彦役

HOKUSAI/ 北斎の感想・評価

『HOKUSAI/北斎』の主人公を演じた柳楽優弥

個人的な評価は89点。 柳楽優弥と 田中泯のW主演で、 阿部寛、 玉木宏、 瑛太などかなり豪華キャストなので期待値爆上がり状態で観ましたが、絵師の生涯と芸術という強いテーマがありとても感動できました。

前半は若き日の 北斎が芸術家として覚醒する話。後半は老いた 北斎が 脳卒中で倒れながらも名作“ 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏”を完成させるストーリーです。

  • 絵の本質とは?
  • 名作誕生の瞬間
  • 芸術家の狂気

と見どころ満載。

史実を参考にしたアート至上主義のストーリーからは、毛色は違いますが『 ボヘミアン・ラプソディー』に通じる カタルシスを感じました。

柳楽優弥や 田中泯はもちろん、渋すぎる 阿部寛、色気のある 玉木宏、張り詰めた雰囲気の 永山瑛太などなど、キャストの演技も鬼気迫るものがあり見応え抜群でした。

舞踊家・ダンサーが本業の 田中泯の踊りもシーンに取り入れられていて、芸術作品としても評価できると思います。 田中泯が雨の中、青い絵の具を被り狂喜乱舞する姿はもはや異次元の魅力です。

『HOKUSAI/ 北斎』の感想・評価をまとめると、絵師の本質や狂気を浮き彫りにしたストーリーと、芸術的な演出が融合した名作だといえるでしょう。

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『HOKUSAI/ 北斎』あらすじネタバレ解説

〜若き日の 北斎〜

若き日の葛飾北斎

若き日の 北斎は、勝川春朗(かつかわしゅんろう/ 柳楽優弥)を名乗っていました。才能や技術はあるものの絵描としてはまだ未熟であり、吉原で 美人画を描いて名声を得ている 喜多川歌麿(きたがわ うたまろ/ 玉木宏)から「お前の絵には色気がねえ」と言われてしまいます。

喜多川歌麿を演じる玉木宏

さらに自分より若い歌舞伎絵師・ 東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく/ 浦上晟周)の絵がもてはやされているのを見て、「俺より下手だ」と怒鳴り散らしますが…。

『HOKUSAI/ 北斎』あらすじネタバレ

耕書店という絵の出版元(版画を売る店)の 蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう/ 阿部寛)は、春朗に目をかけていました。

ある日蔦屋が「勝ち負けで絵を描いているのか?」と尋ねると、春朗は「絵は這い上がる手段だ」と答えます。蔦屋は彼に金を投げつけて「やめちまえ」と言い放ちました。

春朗は悩み、葛藤。着の身着のまま各地を旅して、浜辺で波を受けて絵に対する想いに覚醒しました。

その後、江戸病( 脚気)で床に臥せた蔦屋の前に 北斎に改名した春朗が現れて波の絵「江島春望( えのしましゅんぼう)」を見せます。蔦屋は「お前にしか描けない絵だ」とほほ笑み、 北斎は涙を浮かべました。蔦屋はまもなく死去。

数年後、 北斎は絵で名声を得て弟子も何人かついており、嫁のコト( 瀧本美織)に支えてもらいながら絵を描き続けていました。かつて耕書店で働いていた瑣吉( さきち・ 滝沢馬琴/辻本祐樹)が書く物語の挿絵の仕事でも一切妥協せず、2人は口論することもありましたが、お互いに高めあえる関係でした。

そんな中、 歌麿が風紀を乱す絵を描いているという理由で、幕府に捉えられます。

それでも絵を描き続ける 北斎。妻・コトから妊娠したと言われ「こんな世の中に生まれてきて幸せなのか」と返しますが、コトは「こんな世だから笑わなければならない」と叫びます。やがて子どもが生まれ、 北斎は絵を描き続けながら子どもと妻と幸せに暮らしていました。

〜老年の 北斎〜

老齢になった葛飾北斎

妻コトが先に死に、70歳をこえた 北斎は失望しながらも絵を描き続けています。娘のお栄(おえい/ 河原れん)もそばで絵師の仕事をしていました。弟子たちもたくさんいます。

北斎は戯作家の 柳亭種彦(りゅうていたねひこ/ 永山瑛太)との仕事を楽しんでいました。

ある日 北斎は風に吹かれる町人たちを見てインスピレーションを得ますが、 脳卒中になり倒れてしまいます。一命は取り止めましたが、手足は震えるように。そんな状態にもかかわらず 北斎は旅に出ます。

旅の途中で赤富士と出会い、家に戻って「凱風快晴」を完成させました。

さらに最高の青色を出せる顔料を手に入れ、最も有名な「 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を世に送り出します。

一方、 武家出身の 柳亭種彦は作家を続ければ幕府に弾圧されると悩みます。相談を受けた 北斎は「種彦!」とだけ言いました。

種彦は作家を辞めろという上司の命令を聞かず、 切腹となりました。

北斎は種彦は 切腹するような奴じゃないと思って殺されたのだと考え、首が転がる「生首の図」を描き上げました。

このままでは 北斎も殺されると考えた娘・お栄は、 北斎を連れてかつての弟子・高井鴻山(たかいこうざん/ 青木崇高)のもとを訪れます。鴻山は「生首の図」をあずかります。

齢90に近くなっていた 北斎は、鴻山に「絵を描かせてくれ」と言い、一心不乱に「濤図/男浪・女浪」を描きました。

映画『HOKUSAI/ 北斎』END!

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ストーリーが示した芸術に対する答え

映画hokusai 北斎の老齢期の旅の浜辺のシーン

芸術とは何かの問いには、芸術作品でしか答えられない。

『HOKUSAI/ 北斎』はそんなシンプルなアンサーを追求した映画だと思いました。

北斎の有名な言葉で、

己六才より物の形状を写の癖ありて
半百の此より数々画図を顕すといえども
七十年前画く所は実に取るに足ものなし
七十三才にして稍 禽獣虫魚の骨格 草木の出生を悟し得たり
故に八十六才にしては益々進み
九十才にして猶其奥意を極め
一百歳にして正に神妙ならん与欠
百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん

があります。現代的に訳すと、

「6歳から物を描き、50歳の頃からたくさんの作品を世に出したが、70歳以前の絵は取るに足らず、73歳で動植物の骨格や出生を悟り、80歳で成長し、90歳で絵の奥義を極め、100歳で神妙の粋に達し、百何十歳になれば一点一格が生きているかのようになるだろう」

というものがあります(ちなみに、 ピカソも晩年「やっと子供のような絵が描ける」と自身の新しい作風を形容したそうですが、通底するものがありますね)。

生涯絵師として成長し続けた、 北斎の圧倒的執念と生命力が垣間見えます。

監督・ 橋本一さんや脚本と娘・お栄役も務めた 河原れんさんら製作者は、この 北斎の言葉の意味を深く掘り下げて作品を作ったのかもしれませんね。

芸術とはなんたるか?という本質的なテーマが最後までまったくブレていなかったのが素晴らしかったです。

北斎が若年のとき蔦屋に言われた「勝ち負けで絵を描いているのか?」というセリフで芸術の本質を提示し、 写楽の「被写体の心を描いている」というモダンアートっぽい発言などを経て、晩年のシーンではなぜ絵を描くのか?という疑問の余地すら湧かないような演出になっています。

つまり言葉による追求は意味を持たなくなり、疑問や葛藤も絵に内包されていくわけです。

アートが「言葉や思想が芸術作品そのものに昇華」した瞬間を映像で表現していたのでしょう。

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印象的なシーン考察

炎の中で筆を見て泣く 北斎

柳楽優弥が演じる若年の 北斎が絵師として化けられずに旅をしながら、焚き火のそばで筆を見つめているシーンが鬼気迫っていました。火の奥に筆と涙がゆらめく演出が素晴らしい!

蚊帳の外から映した浮世絵風の映像

蚊帳の外から 北斎や妻のコトを映すシーンが多かったのですが、蚊帳を通して見た人物って和紙に描かれた浮世絵みたいで、日本的だなあと感じました。このア イデアすごいと思います。

雨で発色した青顔料と舞踏

『HOKUSAI/ 北斎』の中で一番最高だったシーンです。

粉の顔料を手に入れた老齢の 北斎はそのまま雨の中におどり出ます。すると雨で顔料が鮮やかな青に発色し、 北斎はそれを頭からかぶり狂気の舞い(舞踏)を魅せます

意味はわからずとも、感動させる何かがある!

そんな論理超越のシーンでした。

田中泯と舞踏について

舞踏について知らない人もいると思うので補足。

実写『るろうに剣心』シリーズなどに出ている俳優・ 田中泯が実は舞踏と呼ばれるジャンルのダンサーとして世界的な評価を得ている人物です。

田中泯さんの舞踏は、農民の動きにインスピレーションを受けた 現代アート的な即興です。自然やストリートでのパフォーマンスは場踊りとも呼ばれます。

これが映画『HOKUSAI/ 北斎』でも生かされているのです。

田中泯の舞踏の映像を載っけておきますので、興味のある人はぜひ!

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若き自分と齢90の自分の時空を超えた共作

ラストは 柳楽優弥演じる若き 北斎と、 田中泯演じる齢90歳の 北斎が、2つの大きな波「怒涛図 男浪・女浪」を並んで描きます。

時空を超えた 北斎を並べることで、絵の技術は若い頃より向上したかもしれません。しかし情熱はそのままです。

変わったもの、変わってないものの対比が素晴らしいシーンになりました。

映画『HOKUSAI/ 北斎』に出てきた絵画紹介

せっかくなので、映画『HOKUSAI/ 北斎』に出てきた作品を紹介します。

「江島春望」↓ 映画内で蔦屋(演者・ 阿部寛)に見せたもの。

葛飾北斎の「江島春望」

「 富嶽三十六景 凱風快晴」↓ 脳卒中後の旅のあとに描き上げた作品

葛飾北斎の「富嶽三十六景 凱風快晴」

「 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」70歳を超えて描き上げた傑作↓

映画北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

「生首の図」↓種彦が死んだ後に描いたもの

「生首の図」葛飾北斎作

「怒涛図 男浪・女浪」↓ラストに 柳楽優弥と 田中泯が並んで描いた作品。ちなみに縁絵は弟子の鴻山によるものらしいです!

「怒涛図 男浪・女浪」葛飾北斎の晩年の作品

絵だけ眺めても、やっぱり 葛飾北斎は別格ですね!

最後のまとめ

2021年邦画では映画『キャラクター』に並ぶ、文句なしのベスト3作品!

(個人的に『るろうに剣心 最終章 the final』や『地獄の花園』『太陽は動かない』を超えた。)

近年の邦画にはどこかガッカリさせられることも少なくないですが、素晴らしい俳優陣が芸術家の生き様を熱演した『HOKUSAI/ 北斎』のような心を揺さぶられる作品を観るとうれしくなります。

映画『HOKUSAI/ 北斎』感想レビュー終わり。

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