米倉涼子主演のアマプラドラマ『エンジェルフライト -国際霊柩送還士-』海外で亡くなった邦人を日本に送り届けるために奮闘する米倉涼子と松本穂香、そして遺族の悲しみと別れを描きます。
シーズン1は全6話。一話完結型で見やすいです。
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
最終回まで各エピソードあらすじ・ネタバレ感想
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
これから見る方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Loading ...ドラマ『エンジェルフライト-国際霊柩送還士-』作品情報・予告
制作国：日本
話数：シーズン1全6話
英題：『Angel FLIGHT』
ジャンル：ヒューマンドラマ
年齢制限：16+(死体を映したシーンあり)
監督：堀切園健太郎
脚本：古沢良太/香坂隆史
原作：佐々涼子「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」
制作：NHKエンタープライズ
配給：Amazo Prime Video 独占
脚本の古沢良太は『ALWAYS 三丁目の夕日』『コンフィデンスマンJP』シリーズ、木村拓哉主演の映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』などを担当する売れっ子。
映画『レジェンド＆バタフライ』(THE LEGEND & BUTTERFLY)。織田信長の生きざまを妻の濃姫を通して美しく描いた超大作！ レジェンドは織田信長、バタフライは帰蝶の名を持つ濃姫(のうひめ)をあらわしています。 […]
『エンジェルフライト』あらすじ
有名大学を出て有名企業で働く高木凛子(松本穂香)は、会社をやめて国際霊柩送還を営むエンジェルハースのもとで働くことに。
社長・那美(米倉涼子)やヤクザの親分みたいな会長・柏木( 遠藤憲一)から日々パワハラを受けながらも、海外で死んだ邦人の遺体を日本へ運び、遺体を美しくして葬儀をサポートする仕事にやりがいを見いだしていく。
ドラマ『エンジェルフライト』キャスト
伊沢那美(エンジェルハースの社長)｜cast 米倉涼子 ドクターXの大門未知子にも通じる好キャラを熱演！Netflix『新聞記者』以来のドラマ出演ですね。
高木凛子(新入社員)｜cast 松本穂香 人生に迷える若いスタッフを好演！米倉涼子さんとの相性もバッチリ。昨年はJホラー『それがいる森』に出演していました。
柏木史郎(エンジェルハースの会長)｜cast 遠藤憲一 ヤクザみたいな立ち振る舞いに爆笑！
柊秀介(死体処理担当)｜cast 城田優『バイオレンスアクション』『新解釈三国志』
矢野雄也(お笑い担当の若手社員)｜cast 矢本悠馬
松山みのり(各種手続きや電話担当)｜cast 野呂佳代
田ノ下貢(運転手)｜cast 徳井優
全話視聴後のネタバレなし感想・海外評価
米倉涼子さん演じる国際霊柩送還士の女社長と、松本穂香さん演じる新人社員のバディも相性ピッタリ！
故人の生き方、家族の悲しみと最後の別れ、松本穂香演じる凛子の心の成長を軸に物語が描かれます。
海外から遺体を日本に送る話なので、フィリピンや韓国、アフリカの現地の話もあり、グローバルで見応えがあります。
Amazon Primeの日本ドラマは、オムニバス恋愛の『モダンラブ・東京』や深田恭子さん主演の『A2Z』など正直いって微妙すぎる作品もありますが、『エンジェルフライト』はアマプラ作品の中ではクオリティが高い部類に入ると思います。
全体的に涙と笑いと感動で構成されており、思いっきり泣きたい人にはピッタリです！
ただ、悪くいえば演出や展開で泣かせようとしすぎている感もあり、そういうのが気になる人には向いていないかもしれません。
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| おすすめ度 | 80% |
| 世界観 | 76% |
| ストーリー | 75% |
| IMDb(海外レビューサイト)※随時更新 | (10点中) |
※以下、アマプラ『エンジェルフライト』のストーリーネタバレありなので注意してください！
ドラマ『エンジェルフライト』ネタバレ感想・評価
「たとえ生前に最悪な別れ方をしてしまっても、遺族は葬儀で心を癒やすことができる」という美しいテーマを軸に、感動を呼ぶエピソードが展開します。
死んでしまった家族は戻りません。しかしエンジェルハースのスタッフによって美しい死化粧をほどこされた故人を見ればいくばくか救われるのです。その過程に涙がこぼれます。
さらに米倉涼子演じる那美は信念が強い好キャラで、遺体にも魂がかえってくると信じて声をかけてあげます。きっと故人も救われることでしょう。
内臓が出てたり腐敗している遺体をまざまざと映すシーンもあり、綺麗事だけではないというシリアスな面もしっかり伝わってきます。
ただ「泣かせようとしすぎな演出」が気になりました。(好みの問題でもあり、本作で涙ぼろぼろだった人を否定するわけではありません)
エンジェルハースでエンケンや米倉涼子らスタッフがバカ騒ぎする意外は、遺族が悲しむシーンや死んだ家族との思い出の回想がかなり多く、感動的な旋律の曲でプッシュしてきます。
ほとんどが“泣けるシーン”で構成されているため、悪くいえばメリハリがありません。ややワンパターンです。
また、良くも悪くも明快でわかりやすい内容で、死生観や人生に対して他の作品と比較してすごく深いメッセージがあったかというと微妙でした。
万人受けするようにわかりやすくしすぎていて、人間が持つ複雑さのようなものがあまり表現されていなかったのが残念でした。
また国際霊柩送還士の仕事以外では、米倉涼子演じる那美の悲しみと、松本穂香演じる凛子の心の成長が描かれます。しかしこの2人のエピソードにさかれる時間も少なくやや消化不良に感じました。
那美は8年前に婚約者・幸人(向井理)と喧嘩別れして、その婚約者の死体を見つけて仲直りできなかったことに葛藤していますが、最終回で幸人が生きてるかも！みたいな感じで終わるのもかなり唐突で微妙です。
死者への弔いがテーマのドラマなら韓ドラの『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』のほうがおもしろいと思います。
『エンジェルハート』は全体的につまらなくはないのですが、突き抜ける何かやオリジナリティがあるといいと思いました。
1話「スラムに散った夢」ネタバレ感想
1話 あらすじ
フィリピンのギャングに所属していた青年・杉原陽平は抗争に巻き込まれで暴行を受けて死亡。陽平と絶縁状態だった両親が現地で死体を確認する。
しかし死体は地元のギャングに盗まれた。連絡を受けた那美と凛子は現地へ向かい遺体探しに奮闘する。しかし陽平の父は「遺体はないなら探さなくていい」と言い放った。
エピソード1の感想
フィリピンのカラフルな街並みが印象的でした。何をやってもうまくいかない陽平の幼い頃を思い出す母親の姿に感動。最後には両親が息子・陽平の遺体と無事対面し、その安らかな表情(エンジェルハースのスタッフの処理のおかげ)に涙します。
ただ、陽平が現地の人に好かれていたのはわかりますが、何事もすぐあきらめる彼が農業やりたいっていったら現地の人がみんな手伝ってくれた…というのはちょっとありえなさそうです。スラムの生活って厳しいだろうに…。
それくらいの人望があれば、陽平はスラムへいくことなく他の場所で花開いていたと思っちゃいました。
2話「テロに打ち砕かれた開発支援」ネタバレ感想
2話 あらすじ
アフリカ・ムバダールのホテルでのパーティーで外国人を狙った無差別銃撃テロが発生。
日本人が多数死亡し、エンジェルハースに遺体搬送の依頼が舞い込んできた。
しかし損傷の激しい遺体が多く、現地にやってきた遺族になかなか遺体を見せることができない。
凛子は現地で死亡した綾という女性の母親から現在の状況と問い詰められ、どうしていいかわからず震える。
エピソード2の感想
米倉涼子が泣いている松本穂香に言った「遺族より先に泣く人間を信用できるか？」というセリフが印象的でした。確かに葬儀関係で働く人は感情を表に出さないですよね。その人たちが泣いちゃったりしたら、遺族がどうしていいかわからなくなるからなのでしょう。大変な仕事です。
各家庭のエピソードに感動するいっぽう、グロテスクな死体をしっかり映すシーンもあり、綺麗事だけではすまない国際霊柩送還士の過酷さが伝わってきます。
3話「社葬 vs 食堂おかめ」ネタバレ感想
3話 あらすじ
韓国で紳士服オーナミの社長・大波が女性と寝ている最中に腹上死。
ときを同じくしてK-POPアイドル好きで韓国へ旅行に来ていた女性・吉崎恵も持病の大動脈瘤破裂によりホテルで死亡。
2つの遺体の輸送の依頼を受け、那美と凛子は韓国へ向かうが、台風のために遺体を送るフライトがキャンセルされてしまい、1つの遺体しか送れない状況に。
紳士服オーナミの総務部長・井村は「社長の葬儀には総理大臣も来るから優先してくれ」と頼むのだが…。
エピソード3の感想
社長・大波と総務部長・井村の関係性がよかったです。幼少期に子分と親分の関係で、子分だった大波が出世して会社が倒産した井村を救ったとラストでわかり、おどろきと感動がありました。
ただ、普通に大波と吉崎恵の2人の死体を葬儀に間に合うように運べました！っていう結末は若干ご都合主義に感じました。
4話「アニメに憧れたべトナム人実習生 」ネタバレ感想
4話 あらすじ
ベトナム人実習生・スアン(リエン)が交通事故で死亡。スアンの同僚だった上田(濱津隆之)は彼女や他のベトナム人実習生が給与滞納されていることに怒り、那美からスアンの遺体を奪って工場の車庫にたてこもる。
いっぽう、柏木史郎やみのりたちは不倫旅行中に死んだ男女の遺体の輸送で、残されたそれぞれの妻と夫の修羅場を目撃する。
エピソード4の感想
修羅場が2つの場所で同時に起こる展開は見応えバツグンでした。
アニメ好きのベトナム人実習生・スアン(リエン)と、漫画を書いているけど挫折しそうな中年・上田(濱津隆之)のハートフルな交流が印象的。
ただ、スアンが自分にひどい仕打ちをした工場長にまで赤い手縫いのベストを生前作っていた結末は、感動させようとしてやりすぎな気がします。
5話「那美vs究極の悪女」ネタバレ感想
5話 あらすじ
水商売あがりで富豪と次々に結婚し、死別をむかた経歴を持つリリー(松本若菜)は、2人の夫を殺したとマスコミで噂（ウワサ）されていた。
3人目の結婚相手はモロッコの大富豪・サリムだった。しかしサリムはリリーと日本で旅行中にホテルで睡眠薬を大量に飲んだ状態で風呂で溺死。
リリーに疑いの目が向けられる。悪態をつくリリーをみんなが怪しむなか、那美は彼女が深い悲しみを抱えていると気付いていた。
エピソード5の感想
松本若菜さんがお美しい。そして悪女の役がよく似合っていました。夫サリムが亡き第一夫人・ナディアに自分を重ねていることに葛藤しつつも、お互いに愛していたという複雑な関係性が第5話の魅力でした。
リリーはサリムを殺してはいなかったものの、結局他の詐欺事件でつかまる結末は切なかったです。
最終回 6話「母との最期の旅」ネタバレ感想
6話 あらすじ
凛子の母・塔子がガンで余命数カ月だった。塔子は子への愛情が薄く、凛子を一度も褒めたことがない。
凛子は幼い頃に踏切から出られなくなったとき、母が助けずに冷たい目で自分を見ていた時のことがトラウマだった。
突然ボリビアから連絡が入り、母が現地で亡くなったという。どうやら生前に好きだった男性を訪ねていったらしい。
凛子は戸惑いながらも那美と共にボリビアへ旅立つが…。
最終回エピソード6の感想
母・塔子が「子供を愛せない」というかなり重い内容でした。最後は凛子が母の遺体を日本へ持ち帰り、死化粧をほどこしながら涙を流す切ない結末。塔子の最後の願いが「娘に迷惑をかける」だったのも印象的です。
凛子が母の存在を乗り越えられたような気もしますが、リアルに考えると愛されないとわかっていて実際に母親もそれを認めている関係って、大ゲンカして絶縁状態！などとは異質ですよね。
そもそも一般的な親子の関係のように扱っていいのか疑問が湧きました。
凛子と塔子の複雑な関係性をちょっと強引に終わらせた感もあります。
あとは8年前に行方不明になった那美の当時の婚約者・足立幸人(向井理)が生きてるかも！というラストシーンも唐突に感じました。
足立幸人が生きているなら、那美が国際霊柩送還士として命をかける理由の根幹が揺らいでしまう気がします。
最後のまとめ
Amazon Prime Videoドラマ『エンジェルフライト』は、死者の魂と遺族の心を癒やす国際霊柩送還士の尊い仕事が感動的だったいっぽうで、作り込まれたご都合主義な展開が多いのが残念でした。
ドラマとして完成度は決して低くないのですが、わかりやすさを優先させすぎた結果なのか、感動的で泣けるけどテーマ性がすごく深いとは言えない作品でした。
ネットの口コミや評判を読んでいるとかなり好評なので、『エンジェルフライト』はシーズン2も制作されるかもしれませんね。
シリーズ化するのであれば、全体的にもう少しリアリティを増してほしいです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。レビュー終わり！
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