映画『怪物』考察ネタバレ/ラストシーン 怪物はだれ?全伏線,あらすじ解説レビュー

「怪物 だーれだ?」映画『怪物』子供のいじめ問題や親と教師の言い争いが予想外の展開を見せる!是枝裕和監督×坂元裕二脚本が織りなす濃密なヒューマンドラマ。

シネマグ
演技・映像・メッセージすべてにおいて期待以上!斬新な表現による感動の神作でした。評価やラストの意味たくさんの伏線を小説版もまじえて徹底解説していきます!

作品情報・キャスト・あらすじ

「ラストシーンの意味」「怪物はだれ!?」「消しゴムで止まった理由」「線路の柵」「校長の真実」「湊がウソをついた理由」を深掘り考察!

3つの視点で物語ネタバレあらすじ・全伏線・ラスト結末解説

脚本と映画本編の大きな違い比較

本作のぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓

映画『怪物』おもしろかった!?(投票どうぞ)

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映画『怪物』作品情報・予告

公開:2023/06/02
制作国:日本
上映時間125分
英題:『Monster』
ジャンル:ヒューマンドラマ・サスペンス
年齢制限:G(制限なし)
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二(『花束みたいな恋をした』)
撮影:近藤龍人
音楽:坂本龍一

音楽家・坂本龍一さんの遺作です。光の輪のような美しいメロディーが作品に彩りを添えていました。

是枝裕和 監督

ドキュメンタリーを多く手掛けていた是枝監督は『幻の光』(1995)で長編映画デビュー。『万引き家族』(2018)ではカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して話題になりましたね。

2022年には韓国の人気俳優ソン・ガンホを主演に『ベイビー・ブローカー』を公開。

2023年には監修したNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』もすばらしい作品でした。

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Netflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』

本作『怪物』は、『万引き家族』や『ベイビー・ブローカー』など家族の形態というテーマを超えて、社会と人間という新たな領域に到達していたと思います。それくらい感動しましたし、圧倒されました。

映画『怪物』キャスト

安藤サクラ

安藤サクラ

シングルマザー・早織(さおり)を演じたのは安藤サクラさん。よくいるお母さんを超リアルに演じていて引き込まれました。喋り方のトーンとか絶妙ですよね。すごい演技力ですね。

安藤サクラさんは『万引き家族』もすごかったですが、『ある男』(2023)の未亡人役も印象的で、邦画になくてはならない存在だと思います。

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映画 ある男

永山瑛太

永山瑛太

子供の担任の教師・保利を演じるのは永山瑛太さん。ハマり役すぎて、本人だとわかっているのに冴えない学校の教師にしか見えなかったです。安藤サクラさんはもちろん、演技に関しては瑛太さんも怪物ですね。

その他のキャスト

役名キャスト
(みなと/早織の息子)

湊役の黒川想矢

黒川想矢
星川依里(ほしかわより/湊の同級生)

柊木陽太

柊木陽太(宮藤官九郎脚本の『1秒先の彼』(2023)にも出てましたね)
広奈(ひろな/保利先生の彼女)高畑充希
教頭・正田角田晃広
校長・伏見

校長役の田中裕子

田中裕子
清高(依里の父)

中村獅童

中村獅童

映画『怪物』あらすじ

「怪物 だーれだ」

シングルマザーの早織(さおり/安藤サクラ)は、小学5年生の息子・湊(みなと)と一緒にアイスを食べながら自宅のベランダから向かいのビルで起きた火事の消化活動をながめていた

湊は「豚の脳を人間に移植したらそれは人間なの?」と変な質問を投げかける。

数日後、湊が突然ハサミで自分の髪を切った。最近、湊は元気がないことが多く、何かを悩んでいるようだった。靴を片方なくしていたりもした。

ある晩、湊がなかなか帰ってこないので早織は廃墟になった線路付近を探す。湊は廃墟トンネルの中にいた。

帰りの車で湊が急にドアを開けて外へ飛び出て事故にあう。幸い湊は軽傷で、路肩にぶつかった車も大したことはなかった。

ある日、湊がケガをして帰ってくる。早織が問い詰めると、「保利先生(ほり/永山瑛太)に殴られた」と答える。

早織は学校へ行くが、校長の伏見( 田中裕子)や教頭の正田(角田晃広)はことを荒立てないように冷静に取り繕うだけだった。

担任の保利がやってくるが「誤解があったようで…」と悪びれない様子で言う。早織は激怒した。

早織の告発で、教師の体罰問題はメディアによって世間に広まる

やがて早織は「湊はいじめられていたのではなく、依里という生徒をいじめている」と聞き、何が真実なのかを探っていく。そして衝撃の事実にぶち当たるのだった…。
※以下、映画『怪物』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『怪物』考察(ネタバレ)

ラストシーンの意味:柵と死

映画『怪物』ラストの廃線路に向かうシーン

最後はさまざまな解釈ができるつくりでした。

ラスト結末では湊と依里が台風のあとに水びたしの廃墟の狭い通路を抜けて、鉄橋にかかる線路に向かって草むらを走っていました

シネマグ
そのときに線路の立ち入り禁止の柵がなくなっていたことに気づいたでしょうか。

短期間で柵が外されるのは不自然なので、湊と依里は台風で死んでしまい、生まれ変わったという解釈ができます。

湊が早織に父の生まれ変わりの話や、自分が生まれ変わったら何になるかをしきりに話してたこともある種の伏線だったと判明。

草むらに出る前に2人は狭い洞窟・水路のような場所を通っていましたが、これは産道のメタファーでしょう。

2人は「生まれ変わったとかはないと思う…」と言っていました。

このセリフも死を匂わせますが、生まれ変わっても今の自分になることを選択=同性愛者である自分自身を肯定というポジティブな想いも同時に受け取れます。

本作の場合は希望のメッセージも込められていて、死の解釈だけにとらわれるのはよくないと感じました。

感想を語る犬
台風で柵が吹き飛んだ可能性もあります。結末の解釈は視聴者それぞれにゆだねられたと考えていいでしょう。

小説版では「鉄橋の前にあった頑丈なバリケードが跡形もなく消えていた」とこちらも意味深な表現でした。台風なら「吹き飛んだ」となるはずで、跡形もなくなるのは不自然です。

「未知の世界へ向かった…」という言葉が小説のラストになります。こちらも意味深です。

坂元裕二さんの脚本最終稿では走っている湊と依里の後ろから母・早織と保利が声をかけるシーンがあるから、2人は生きてる!」という意見もあります。

しかし映画では、是枝監督ら制作陣が「この場面を削って死んでいる可能性をほのめかしたい」と判断したのかもしれません。

また早織と保利が声をかけていたとしても、それが現実なのか、湊と依里視点でのある種の幻想なのかもわかりません。脚本で断定することはできないでしょう。

描写としては死んでるっぽいけど、生きてる可能性も残されている。たとえ死んでいたとしても悲しみのメッセージではない。この辺が落としどころではないでしょうか。

シネマグ
映画のメッセージ的には、生と死の二者択一で考えること自体がひとつの限定された視点だと考えられますね。「生きてる!いや、死んでる!」「こっちの解釈が正しい!あっちは間違っている!」と言語化にやっきになる時点で『怪物』の本質をとらえそこねている気もします。

怪物はだれ?正体は?

怪物については解釈が多様ですが、あえて答えを出すなら相手と自分の視線の食い違いに気づかず、真実と真実・正しさと正しさがぶつかり合っている可能性を想像できない人物を指しているのでしょう。つまり登場人物全員に怪物の要素があります

真実は1つだと思い込み、結果として多様な考え方を許容できなくなるのは、人間に豚の脳を移植した怪物の思考だと言い換えることもできます。

シネマグ
怪物はだれ?という問い自体がミスリードであり、“ひとつの答え”を探ろうとした時点で鑑賞者である私たちも怪物なのです。

ひとつの答えに囚われてしまっては解決への道は開けません。

例えば母・早織の“普通”に結婚して幸せになってほしいという願い自体も真実で、完全に悪だと言い切れません。しかし無意識に他の可能性(湊の真実)を排除する言動をするとき、怪物が現れます

(シンプルにウソをついた子供や、ビルに火をつけた依里、同性愛者の依里を「豚の脳」と呼ぶ父が怪物!という解釈もできますが、それ以上の意味があると思いました。)

  • 母親については、息子が“普通”だと決めつけているとき。担任・保利がウソをついていると誤解して激怒したとき(モンスターペアレント)
  • 湊にとっては依里を好きな気持ちがいけないことだと思い込んで保利先生についてウソをついたとき
  • 依里にとっては、父が入りびたるガールズバーを燃やせば虐待がなくなると思い込んだとき
  • 依里の父親にとっては息子が性的マイノリティだと認められないとき

何かひとつの価値観や固定観念に囚われたときに怪物が首をもたげて現れ、悲劇をうむのです。

湊と依里は頭に掲げたカードを当てるインディアンポーカーのような怪物ゲームを楽しんでいます。カードの中には頭がハート型で黒い怪物が入っており、誰しもときに怪物になりうるという真理が込められているようです。

湊が管楽器で吹く音が怪物の声のようだったのは、自分自身が怪物だったと認めたからでしょう。

湊は心の中の怪物に気づいた瞬間に何が大切かを悟り、夜に依里のもとへ走って行ったのだと感じました。

怪物とは何かの答えとラスト結末のながれに、感動的で美しいメッセージがありました。

シネマグ
①具体的な人物、②言動、③抽象的な考え方まで、3つの視点・フェーズで怪物とは何かを考えることではじめて作品を貫く怪物が浮き彫りになるのです。

そして怪物でないと思った人に怪物の側面があること、怪物だと思ってた人物が人間であることがわかります。

ただ、気をつけてほしいのが「これが怪物だ!」と言葉で安易な断定をした時点で、あなたにも怪物性が憑依してしまうということ。

答えが流動的な問題をあなたの視点で決めつけてしまうことになるからです。

“怪物”を使って人間の思考のねじれを芸術的に表現したのが本作なのです。

また、SNSでよくあったのは「怪物は最初からおらず、みんな人間」という意見。これも根幹は「みんな怪物」と一緒だと思います。

いわゆる“普通”の人間に怪物性が「ある」と捉えるか、「ない」とするかの違いですね。

個人的には普通のバイアスを悪気(わるぎ)なく押し付けること自体に恐怖を感じるので、これから社会を変えていくうえでも怪物をいない!と決めつけるのでなく、正体なき怪物について考え続けることが重要だと思いました

(価値観や表現の問題も入ってくるので正解はないと思います。)

校長の足かけ伏線、死んだ孫

田中裕子さん演じる伏見校長先生は、母親の視線からはすごく不正直で頼りなく映ります。

スーパーでははしゃぎ回る小さな子供に足を引っ掛けていましたね

感想を語る犬
「いじわるなやつ!」と思いきや、ラストまで見ると印象がガラリと変わるのです。

校長は少し前に夫が庭で車を駐車しようとしたら孫をひき殺してしまった悲しい事故を経験。さらに「実は孫をひいたのは校長自身ではないか?」とウワサされています。

音楽室で湊が「好きな子がいると言えなくてウソをついている」と言った際に、校長も「私もウソをついている」と言ったので、おそらく校長がひいてしまって夫が身代わりで刑務所に入ったのは事実なのでしょう。

(脚本では「救急車を呼んでる間に“1人で”死んでしまった…」と書かれているので、夫はその場におらず、やはり校長が孫をひいた可能性が高いです。)

校長の利己的な決断に見えますが、罪を償うために1人でも多くの子供の人生を救おうと小学校に戻ったのではないでしょうか。

スーパーで足を引っかけたのも意地悪ではなく、その子が自分の孫と同じく事故に遭わないよう「走り回ったら危ない」と教えたかったのだと思います。

小説版では校長の孫が5歳くらいの女の子。スーパーで足を引っかけたのも5歳くらいの女の子という共通点があるので、やはりその子の将来を案じて足が出てしまったのでしょう。

校長が湊と依里の関係をどこまで知っていたかわかりませんが、死んだ孫の写真を机の上に飾りなおして抗議に来た母親(安藤サクラ)の位置から見えやすくしたのも、「湊と依里の秘密が望まれない形で暴露されることを防ぐ」決意や、母親に湊と依里の真実を受け止めてほしい願いがあったのかもしれません。

「(いじめを)やっていない」と言った保利に対して校長はボソッと「でしょうね…」と言っていました。ということは、湊と依里に何かがあるのだとやはり気づいていたのでしょう。

シネマグ
湊と依里が音楽室でしゃべっているときに大きな音がしたシーンがありましたが、これも伏見校長が2人の話を聞いていたのかも。(脚本を読むと伏見と美青が廊下にいたことがわかります。ちなみに美青は2人をスマホで撮影。)

また伏見校長はビルの火事の日にライターを持ってうなり笛を回している依里に会っており、小説版の『怪物』だと依里が火をつけた可能性を考えている描写があります。

校長は問題を抱えていそうな依里に孫娘の姿を投影して、彼がビルの火災で捕まってほしくないと思ったとも考えられますね。

革新的なテーマのひとつ「誰かじゃないとつかめないものではなく、誰にでもつかめるものが幸せ」という大切な言葉を湊に伝えていましたし、言葉にできないことをトロンボーンにすることも湊に教えましたし、校長が子供たちの幸せを願っていることに偽りはないはずです。

校長は本作の中でも緻密で重要なキャラクターでした。校長を怪物的に見せておいて、第3幕でそうではないとわかる構成もすごいですね。

作文の鏡文字の意味

依里は文章がところどころ鏡文字になってしまいます。依里の作文の頭文字は「むぎのみなと、ほしかわより」と、湊と依里の名前になっていました。

鏡文字は作品に対して重要なメッセージを持っていると思いました。

鏡文字は依里自身のパーソナリティを表しているのでしょう。すなわち男の子が好きな男の子という“ふつう”とは反対の性質です。

鏡文字は依里の思いがそうさせているのかもしれません彼が望むのは反対の文字=自分が、虐待されずに正当化される世界です。

シネマグ
小説版では「みなと」の部分が鏡文字になっていると書いています。湊も自分と同じだけど悩んでほしくないと思っていたのかもしれませんね。

同性を好きな依里と湊が正当化される世界が誕生すればいい。そんな彼の願いが込められているようでした。

なぜ湊は「保利先生がいじめる」とウソをついた?

湊はなぜ「保利先生からいじめを受けている」とウソをついたのでしょうか。

それは正直に依里のいじめのことを話せば、依里と自分の関係までバレてしまうと考えたからだと思います。

「いじめを話せば仕返しされる・標的にされてしまう」というより、湊は依里への想いが大人たちに知られて関係が壊されることを恐れたのでしょう。

保利は何度か「男らしく…」という言葉を口にしていました。

保利は優しくていい先生だけど、男女の関係を当たり前だと思う怪物を飼っている

湊の目にはそう映ってしまったのではないでしょうか。

また誤植の指摘(週刊誌の誤字脱字の指摘)が趣味の保利は、正しさの象徴でもあります。

「男らしさ」も踏まえて、ただ1つを正解とする問題点を表現したのが保利というキャラクターなのです。

湊は「保利先生に豚の脳と言われた!」と訴えました。

保利は決して悪い人間ではありませんし、湊が“豚の脳”を保利が言ったことにしたのは、保利と母を対立させることで湊自身の葛藤に気づいてほしかった面もあると思います。

クビになった保利が学校にやってきたときに湊が逃げたのは、自分の秘密のために彼を陥れてしまった罪悪感からでしょう(小説版にはその記載があります)。

線路や電車、ビッグクランチ

湊と依里は線路へ向かって草むらを笑い合いながら走ります。

線路は2人の希望の未来のメタファーになっているのです。

感想を語る犬
湊と依里が死んでいるか生きているかよりも、2人が希望に向かったこと自体が大切なラストだと思いました。

宮沢賢治の銀河鉄道の夜で、ジョバンニとカムパネルラが一緒に旅立ったみたいな、ある種の救いが描かれていました。

また依里は小学5年生にしては科学に詳しく、ビックバンで始まった宇宙が膨張をやめたら逆に宇宙が縮小して時間の逆行が起こる=ビッグクランチについて話していました。

ラストで時間逆行が起こった!と言いたいわけではないですが、橋の廃線路のまえの柵がなくなっている・水路の水が少なすぎるなど不思議な描写がいくつかあります。

あくまでも抽象的なフェーズで、ラストは湊と依里はお互いが素のままでいられる生死を超えた理想世界へ到達したと受けとめてもよいかもしれません。

2人が秘密基地である電車の中に土星など飾り付けをしたのも、銀河鉄道の夜のストーリーになぞらえて誰も知らない場所(宇宙)へと旅立ちたいという願いが込められていたのでしょう。

消しゴムで止まった理由

早織が買い物に行って帰ってくるまでの間に湊が消しゴムを拾おうとしているところで固まっているシーンがありました。

時系列的には湊が依里と会えなくなって心配している時期です。なので心情としては湊が依里のことを考えすぎて止まってしまったとわかります。

湊が自分の書いた作文を消すシーンなどを考慮すると、消しゴムには自分のアイデンティティを消したい、やり直したいという意味があるのでしょう。

ただ、これらの理由だけだと早織の買い物中にずっと静止していた理由としてはモヤモヤが残ります。「ずっと静止していた」以外の表現でも良さそうです。

推測も入りますが、依里が話していたビッグクランチ(膨張しきった宇宙が元に戻る、時間が逆行する)が関係していると思いました。

湊は落ちた消しゴムに「元に戻れ!」と願いを込めていたのかもしれません。(子供の頃にハンドパワーとかやったことがある人が多いと思いますが、そんな感じです)

消しゴムが元に戻ればビッグクランチが発動したことになりますよね。

ビッグクランチが起こって依里と楽しく遊んでいた頃に時間に戻れたら…そんな願望が謎の行動をさせたのかもしれません。

感想を語る犬
母・早織視点では「時間が戻ったように見える」のも興味深いです。

あとはもっとシンプルに湊は消しゴムを2回落としていただけで、早織が見たときにちょうど同じ体勢だったから湊が静止していたと錯覚したと考えることもできます。早織は最近の湊の行動を心配しすぎて、深読みしてしまったのかもしれません。

他者への勘違いを排除できない人間の業をさらっと入れ込んだというわけです。

映画『怪物』ネタバレあらすじ:3つの視点で全伏線の解説・考察

①母・早織の視点

早織は亡き夫の命日に、仏壇にケーキをのせろうそくを立てます。

早織は「父さんに近況報告しな」と言いますが、湊ははずかしがってしゃべり出しません。早織は湊がしゃべりやすいようにその場を離れました。

シネマグ
このとき湊は、男の子が好きな自分という事実に向き合い、「なんで生まれてきたの」と苦悩を語っていました。

ある日、湊が家に帰ってこないので同級生に連絡。湊を線路やトンネルの廃墟で見たと聞き、その場所へ向かいました。

突然、暗いトンネルの中から湊が現れます。

早織は湊を車にのせ、家までの帰り道で「あんたの父さんと、湊が普通に結婚して幸せになるまでは頑張る」と話します。すると湊が突然車のドアを開け外に飛び出して転げ落ちました。車は路肩につっこみます。

シネマグ
ラガーマンである父のような男らしい存在にはなれないという絶望があったとのちに発覚します。早織に「男女の区別を疑わない」怪物が出現したのです。
感想を語る犬
この時、湊は前日に依里と秘密基地で性的な雰囲気になり、学校では絵の具の件で依里ともみ合いになってしまい、その後の電話だったのですぐに出なければと思ったけど、母に依里を好きなことがバレるのが嫌で一旦車から降りようとしたようです。

湊は軽傷でしたが念のためMRIで脳に異常がないか調べてもらいました。何も異常はなし。湊は不思議がりました。

湊は次第に塞ぎ込むようになり、「僕は豚の脳なんだ」と言います。

湊は鼻や耳にケガをして帰ってきました。早織がどうしたのと聞くと、湊は「保利先生に豚の脳と言われた。いじめられている」と答えます。

早織は学校に問い合わせ、校長や教頭と面談。担任の保利が入ってきて「誤解があった」と言います。早織は、アメ玉をなめる保利に怒りをつのらせました。

感想を語る犬
アメ玉は保利が彼女からもらった大切なときに食べるものなのですが、この状況でそれをなめてしまうことから、保利も普通の大人と違うタイプの人間だとわかります。

早織はスーパーで校長を見かけました。校長は走り回っている子供にこっそり足を引っかけて転ばせていました。

シネマグ
早織の視点では意地悪な行為。しかし校長視点では、自分がひき殺してしまった孫のような運命をその子たちにたどってほしくなかったのかもしれません。

後日、早織はまた学校にやってきました。保利先生が裏庭で女子生徒に手を引かれているのを見て不適切な関係ではないかと不信に思います。

校長は「保利が外出してる」とウソをつきました。

早織は激怒して物に当たり、校長の机の上にあった孫の写真が落ちました。

早織は保利を見つけてつかみかかります。保利は「あなたの息子は依里くんをいじめている。凶器も持っていて、動物を虐待している」と答えました。早織は驚きます。

事実を確認するため早織は依里の家にいきます。シングルファザーの家庭で依里は1人でした。腕にヤケドのあとがあるのを見て、もしかして本当に湊がいじめているのではないかと考えました。

依里は湊が具合が悪いと思い、手紙を書くと言います。ところどころ鏡文字でした。

ある日台風の朝、早織は湊がいなくなっていることに気づいてあわてます。土砂降りの中、外から保利先生が湊を呼ぶ声が聞こえました。

②担任・保利の視点

保利はビルの火事を彼女の広奈と一緒に駅前で眺めていました。大翔ら男子生徒たちに動画を撮られます。

シネマグ
そしてキャバクラ通いでキャバ嬢と歩いていることにされたかわいそうな保利…。

広奈は家で迫ってくる保利に「男の大丈夫と、女のまた今度は信用しちゃダメ」と笑いながら言います。

保利は教室で暴れている湊を取り押さえるときに肘が鼻にぶつかってしまい、湊が鼻血を出してしまいました。

その後、保利に早織から「息子をいじめているだろ!?」とクレームが入ります。

教頭は「とりあえず謝れ」とゴリ押しし、保利は不本意ながら頭を下げました。

感想を語る犬
だから謝罪が棒読みだったんですね。

後日、保利はクラスの女子・木田美青に裏庭で手を引かれ、湊が猫をいじめていたと聞きました。

シネマグ
木田美青が嘘をついたというより、湊が猫のそばにいるのを美青が目撃して保利に報告→保利は湊が猫に何かしたと勘違いした…コレのようです。

保利はトイレの個室に閉じ込められている依里を見つけ、近くに湊がいるのを見ます。

保利は問題を解決するために依里の家へいきます。酔っ払った父親(中村獅童)が帰ってきて、「あの子はダメです。豚の脳だから治してやらないと」と言っているのを聞き、驚愕(きょうがく)。

早織が教育委員会に訴えたことで、保利は保護者たちのまえで不本意ながら「湊を殴ってしまいました…」とウソの謝罪をします。

結果、保利は学校を辞めさせられ、家にはメディアが取材に来ました。

彼女の広奈は「また今度ね」と言って部屋から出ていきました。

シネマグ
まさか「また今度ね」が伏線だったとは…。このセリフはキレイに決まりましたね。広奈はもう戻ってこないのでしょう。

納得できない保利は後日学校へ行き、湊になぜウソをついたのか迫ります。湊は逃げて階段から落ちてしまいました。

保利は屋上がから飛び降りようとしますが、音楽室から管楽器の不気味な音を聞き、思いとどまります。

感想を語る犬
小説を読むと、湊はトロンボーンに保利への謝罪の気持ちを込めていたことがわかります。それだけでなく依里への想い、アイデンティティを肯定する決意など、色んなものが込められている気がしますね。

アパートに戻って荷物を整理していた保利は、依里の作文を見つけます。行の頭を横に読むと、依里と湊の名前になっていると気づきました。湊は依里をいじめていたわけではなかったのです

③湊と依里の視点

湊は依里が大翔ら他の男子生徒にいじめられているのを見ても何もできませんでした。

湊は依里と係で2人きりになり、彼に髪をなでられて驚きます。湊は家に帰って長かった髪を切り落としました。

シネマグ
湊は自分が依里に触れられてドキッとしたことを認めたくないのもあり、葛藤の意味で髪を切ったんですね。

依里はいつも靴のかかとを踏んで歩いていました。大翔たちに靴を隠され、片足で帰ります。湊が靴を片方貸してあげました。

感想を語る犬
依里がかかとを踏んでいるのは、大きい靴を買ってもらえない父からの虐待のしるしでしょう。

湊は依里から線路とトンネルの廃墟の奥に連れて行かれます。そこには使われていない電車の車両があり、2人の秘密基地になりました。

湊と依里はその電車でよく遊ぶようになります。

依里は湊に学校の裏庭で死んでいる猫を見せます。2人は廃線路の電車のそばにその猫を埋めて枯葉をのせ、依里が持っていたロングノズルのライターで火をつけました。

湊は、ガールズバーがあるビルに火をつけたのが依里だと本人から聞いて驚きました。父親が通っているガールズバーが不健康だったから燃やしたかったようです。湊は依里からライターを取り上げます。

依里が学校でいじめられていることに耐えられなかった湊は、みんなの荷物を投げて暴れ、保利先生に取り押さえられました

シネマグ
いじめについて話すと湊と依里の関係までバレる可能性があります。それが怖くて言えなかったのでしょう。

湊は秘密基地(電車の車両)のなかで依里と体が近づき、下半身が反応してしまいました。依里は「自分もときどきそうなる」と言います。しかしパニックになった湊は依里を突き飛ばしてしまいました。

湊は依里が机に絵の具をぶちまけられているのを見つけます。依里は雑巾でふこうとしますが大翔が雑巾を取り上げてみんなに回しました。湊は雑巾を依里に渡しますが、「ラブラブ」と言われてしまったので依里から雑巾を取り上げようとして取っ組み合いになり、耳を切ってしまいました。

湊は依里を秘密基地の前のトンネルで待っていました。しかし来たのは母・早織でした。依里はこっそり帰ります。

湊は車のなかで母が考える普通の幸せを聞いたあとで、依里からの電話を取りたくて外に飛び出てしまいます。

その後の病院での検査で異常ないと言われたことが不思議でした。

後日、湊は解雇された保利に追いかけられて逃げました。そして音楽室で校長と会います。湊は「好きな子がいるけど正直に言えない」と言いました。校長は「私もウソをついている」と返します。2人はトロンボーンとホルンを吹きました。

感想を語る犬
この管楽器の不協和音は怪物の声を表現していると思いました。この“怪物の声”を聞いて保利が自殺を思いとどまるのも、すばらしい演出ですよね。

校長は湊に「誰かでないと手に入らないものではなく、誰にでも手に入るものが幸せだ」と教えます。

何かを悟った湊は明け方に依里の家へ行き、中に入ります。依里は風呂場で虐待を受けたようでグッタリしていました。

2人は台風の中、廃線路の電車へ向かいます。

ラスト

早織と保利先生は湊を探すため、嵐の中、湊と依里の秘密基地である電車の場所へ。

電車は横転しており、泥だらけの窓を開けます。

感想を語る犬
泥がたまった窓ガラスを雨がたたき、小さな光の粒が現れるシーンは芸術的でした。

中には湊が着ていたカッパしかありません。

いっぽう湊と依里は狭い通路を抜け、晴れた草むらを笑いながら走っていました。橋の上の線路の柵がなくなっています。2人はその方向へ向かいました。

シネマグ
「生まれ変わったとかはないと思う」と言っていたので、2人は同性愛者だということを受け入れ、その事実を受け入れてくれる未来に向かって走り出したのだと思いました。(死んだかどうか以上の大切な意味がある)

映画『怪物』終わり!

『怪物』脚本と映画の違い比較

脚本の決定稿と映画本編の1番大きな違いは、湊が依里の家に行って浴槽でぐったりしている依里を助けて一緒に倒れたときに、伏見校長がやってきて2人を介抱したこと

校長は湖のほとりにいて自殺をしようとしていたような描写があり、そのとき自転車で走る湊を見つけたので追ってきたのです。

校長は依里と湊に死んだ孫を重ねて「2人が行きたいところに行きなさい」と言います。

映画だとほとんど気を失っている依里が急に回復するので若干違和感がありましたが、脚本だと伏見校長が2人を介抱していたんですね。

映画で校長が出てくると、なぜ嵐の中で湊と依里を外へ行かせたのかわかりにくいのでカットされたのでしょう。

湊と依里が孫と重なったこともあり、幸せに向かって自主的に行動しようとする2人を止められなかったというのが校長の行動原理だと思います。

映画で表現するのは難しそうですし、何より校長が終盤で2人の間に入ってしまうと印象がだいぶ変わりそうです。

また同級生の木田美青がBL漫画を読んでいて、湊と依里の関係に気づいており、湊を呼び出してカミングアウトをうながすシーンもはっきり書かれています。

おそらく、カットの理由はテーマが非常に複雑になるからでしょう。人間関係の認識のズレを伝える以外に、性的マイノリティをBL漫画と重ねてエンタメ消費してしまうという視点も入ってしまいます。

あとはラストも、脚本は廃鉄道の柵が消えている描写がないです。そして早織と保利が(湊と依里を)後ろから呼ぶ声が聞こえたという描写があります。

脚本では湊と依里は生きていて、私たちに何かを訴えかけているという印象が強いです。

一応ことわっておきますが、脚本は映画の解釈の正解ではありません(撮影時に変更することがよくあるので)。参考にするくらいが良いと思います。

映画『怪物』ネタバレ感想・評価

是枝裕和監督の映画『怪物』の評価は95点

是枝監督史上最高の神作です。坂元裕二とタッグを組んだことで想像を超えた傑作が誕生しました。

シネマグ
個人的に洋画や韓国映画も含めて今年ベストはほぼ確定で、ここ数年で見た何百本かの映画の中で1番おもしろいと感じました。

安藤サクラさん演じる母親、瑛太さん演じる担任の先生、子供たち(湊と依里)の3つの視点で物語が展開していきます。

物語が担任や子供たちの視点になったとき、本当は何が起こっていたのか明らかになるサスペンス的で緻密な作りも見事。伏線もモリモリです

それ以上に真実が明らかになるにつれて恐ろしさよりも普遍的なメッセージがあらわになり、言葉を超えた感動と斬新なメッセージが浮かびあがってきます

感想を語る犬
邦画史に名を残す傑作といっても過言ではないと思いました。個人的には『万引き家族』を超えたと思います。

2023年のカンヌ国際映画祭ではパルムドール獲得はならず、クィア・パルムドールの受賞でしたが、「この作品でパルムドール取れなかったら何が取れるの?」という所感です(パルムドール受賞作は日本未公開のジュスティーヌ・トリエ監督『アナトミー・オブ・ア・フォール』)。

『怪物』は確かに少年2人のLGBT(性的マイノリティ)の物語ですが、メッセージ性はLGBTQを超えた誰にでも当てはまる普遍的なものです。

本作には性的マイノリティをエンタメとして消費しているという批判があるようですが、そう単純な構造ではないと思いました。

マイノリティを安易に救済したかのような内容ではなく、マイノリティの葛藤で全員の問題点を露呈させた脱構築的な構造だからです。

昨今の「多様性の流れに乗っかった作品止まり」では決してなく多様性を普遍性にまで昇華した点、新しい古いではくくれない領域に到達したことがすごいと思います。

カンヌのクィア枠(LGBTなど性的マイノリティをテーマにした部門)の受賞はもちろん素晴らしいことですが、今後見る人たちの視点が固定化されてしまわないかは少し心配です。

クィア・パルムドール賞を取ったと宣伝しているのもLGBTQという革新的な部分のネタバレですし、LGBTQだけに強くスポットを当てた映画ではないと思います。

差別・マイノリティがテーマの映画は、マイノリティとマジョリティの対立→マイノリティの不遇と問題点の提示→最後に多数派に認められて和解!のパターンが多いと思います。

それらの作品がダメなわけでも悪くもないですが、結局はマイノリティとマジョリティの間の壁は取り払われておらず、根本的な解決にはなっていません。

対して本作は人間 VS 人間ではなく、真実をねじれさせる怪物を差別と対置させていました

湊が「僕はかわいそうじゃない」と言っていたことからも被害者と加害者、マイノリティとマジョリティの単純な二項対立の表現を避けていることがわかります。

劇中で何度も「怪物はだれか?怪物とは何か?」という抽象的な問題を投げかけ、真実の裏側にひそむ怪物をあぶり出したのです。

社会や価値観の歪(ひず)みに囚われた怪物は、安藤サクラ演じる母親にも、瑛太演じる先生にも、そして2人の少年の中にも潜んでいます。

母親、担任の教師、子供たちの3つの視点で物語が展開していき、それぞれに対するとらえ方にねじれがあることが判明。そのときに怪物が姿を表しているのでしょう。

自分こそがねじれを生み出している怪物だと悟った湊は、怪物の鳴き声のように管楽器を吹き、依里のところへ走っていきます。

差別を人と人の問題にするのではなく、自分と心の中の怪物に置き換えて考えることで本当の幸せがつかめるのです。

シネマグ

革新的なメッセージを抜群の演出で形にした是枝裕和監督の手腕も怪物だと思いました。

(映画『怪物』LGBTQの表現における問題については下記記事へ)

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映画『怪物』

脚本をつとめた坂元裕二さんの功績も絶大です。緻密なバランスの上で3つの視点を成り立たせる神技でした。カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しているのも納得です。

3つの視点で真実が明らかになるのは、ちょうど黒澤明監督の『羅生門』と逆パターン(羅生門はどんどん真実から遠ざかる)ですね。

『羅生門』がダークサイドだとすれば『怪物』はブライトサイド(明るいほう)といえます。

あとは、永山瑛太さんの恋人役の高畑充希さんが序盤で「男の大丈夫と女のまた今度は信用できない」という会話があり、中盤で教師の暴行問題が発覚すると高畑さんが「また今度ね」と言って去るなど、全体的に細かい伏線も多く、かつ効果的でした。

演技面では安藤サクラさんと瑛太さんがすごすぎるのはもちろん。子役の演技も光っていました。すごいナチュラルな感じで撮れていたと思います。子供のもろさ、打たれ弱さが画面いっぱいに広がっていたようでした。

2023年のカンヌ国際映画祭にも出品されて世界中の批評家から絶賛されています。ロッテントマトズでは批評家の高評価が97%です。

CineMagの評価95点
世界観90%
コンセプト・メッセージ性98%
ストーリー94%
IMDb(海外レビューサイト)7.5(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)批評家 97%

一般の視聴者 %

メタスコア(Metacritic)80(100点中)

最後のまとめ

是枝裕和監督の邦画『怪物』は、多様性についてのテーマを普遍的なメッセージへ昇華し、廃墟の電車と線路など舞台や映像の美しさでまとめ上げた傑作でした。

3つの視点を巧みに組み合わせて観客に1つの視点の危険性を訴えるプロットもすばらしい。

想像以上のクオリティでまさに世界の是枝という印象。韓国やフランスで映画を撮るのもいいですが、やっぱり邦画で世界の頂点を狙ってほしいと思いましたし、狙えると思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『怪物』レビュー終わり!

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