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映画『この子は邪悪』ネタバレ感想・ラスト考察,怖すぎる意味!あらすじ伏線の解説評価

映画『この子は邪悪』。催眠術をほどこす怪しい精神科医の一家が、観客を予想不可能な狂った世界へと導きます

CineMag
アイデアは素晴らしく驚きもあります。でも正直ツッコミどころも多い…。そんなチグハグ・ツギハギな狂気の映画。

作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価考察/ラストの怖すぎる意味・元ネタ映画、メリーゴーランド解釈!ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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映画『この子は邪悪』作品情報・キャスト

公開・制作国・上映時間:2022/09/01・日本・1時間40分
英題:『This Child Is Evil』
ジャンル:サスペンス・スリラー・ホラー
監督・脚本:片岡翔
主題歌:ゲスの極み乙女「悪夢のおまけ」

「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」で監督・脚本の片岡翔さんが企画し、準グランプリに輝いた作品。そのときのタイトルは『ザ・ドールハウス・ファミリー』でした。

片岡翔さんは藤原竜也、松山ケンイチ主演の映画『ノイズ』の脚本などで有名ですね。

同名小説が出版されていますが、映画の内容と細い部分以外は一緒のようです。(原作というより映画ありきで出版した小説)

登場人物・キャスト紹介

登場人物キャスト・出演作
窪 花(くぼ はな)

家で起こる出来事を不審に感じる。

南沙良

(『鎌倉の13人』『ドラゴン桜』)

四井 純(よつい じゅん)

母が廃人になり、その謎を追う学生。

大西流星(なにわ男子/ジャニーズ)

(『彼女、お借りします』)

窪 司朗(くぼ しろう)

花の父。催眠術を使う心療内科の開業医。怒ることは少なく、家族を溺愛。何十匹ものウサギを飼っている。

玉木宏

(『キングダム2 遙かなる大地へ』ドラマ『マイファミリー』『竜の道 二つの顔の復讐者』『極主夫道』)

窪 繭子(くぼ まゆこ)

花の母。ときどき狂気的な行動を取る。

桜井ユキ

(ドラマ『真犯人フラグ』『さんかく窓の外側は夜』Netflix『桜のような僕の恋人』)

ネタバレなし感想・あらすじ・レビューサイト評価

映画『この子は邪悪』のキャスト南沙良と大西流星

©︎「この子は邪悪」製作委員会

あらすじ:四井純(大西流星)の母は数年前から何も話さず、家を動物のように徘徊していた。純は近所に数人母と似た症状の人たちがいることを確認。純は数年前の記憶を頼りに個人経営の心療内科へ。窪司朗(玉木宏)が仮面を被った少女と共に部屋の中におり、窓を閉めた。純は窪家の長女・花(南沙良)に「昔、一緒に遊んだよね」と話しかけ友達になるが…。

シネマグ
アイデアと設定が面白いタイプのサスペンス。

めちゃくちゃ完成度が高いとはいえず疑問も多々ありますが、何気なくみるとそれなりに驚いて楽しめると思います。

映画好きな人からするとなんとなく展開が読めてしまうかもしれません。

サスペンスやホラー映画をたくさん見ている人からすれば既視感バリバリの脚本です。

一般視聴者は意外性があって楽しめると思います。

おすすめ度75%
アイデア・設定80%
ストーリー74%
Filmarks3.6(5点中)
IMDb(海外レビューサイト)5.6(10点中)

※以下、『この子は邪悪』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『この子は邪悪』ネタバレ感想・評価

ツッコミどころ満載

『この子は邪悪』の評価は70点。アイデアは良いものの煮え切らなかった印象。

「母と妹は別人だ!」とミスリードさせ、「魂が入れ替わって体が変わっただけで本人です!」という根本のアイデアは面白いと思います。

シネマグ
ただ、その急展開のオチへたどり着くためにツッコミどころも多くなってしまったのが正直なところ。

まず、ファンタジーな雰囲気でもないのに退行催眠プラス魂の入れ替えと!いうカラクリが強引に感じられました。

  • 昏睡状態の人間に催眠術がかかるのか?
  • そもそも魂を入れ替えたら、意識や記憶も乗り移るのか?

など、ストーリーとそこまで関係ない疑問が山のように湧きます。

いくらなんでも催眠術が万能すぎです。

退行催眠と魂の入れ替えのオチにするなら、もう少し全体的にファンタジーっぽい雰囲気を織り交ぜて最初からリアリティラインを下げたほうがしっくりきたような気がします。

リアルなサスペンスか?→万能催眠術で魂入れ替え。これだと落差ありすぎで「なんだよこのオチ…」と思われても仕方ないと思います。

ディティールが微妙、うまく説明されていない箇所もたくさん。

純は司朗から催眠術をかけられますが、すぐに解いてしまいます。

催眠術の強度がどれくらいかよくわかりません。

また、ラストで司朗の家にやってきた純の祖母はウサギを探しており、純や娘の心がウサギと交換されているのを知っていました。

ということは、祖母は純が司朗にウサギにされたのを見ていたはず。そこで司朗は祖母を黙らせるため催眠術をかけたと思いますが、なぜすぐ解除されたのか?

それに、いくら妹・ルナがお面をかぶっているとはいえ、花は5年間もあれば1度くらいは顔を見る機会があるはずです。

感想を語る犬
細かい疑問点を挙げればキリがありません。ツッコミの練習になりますね。

言ってしまえばアイデア先行型で設定の細部がボロボロ。

いろいろ考えながら映画を見る人や批評家からは酷評されるタイプの作品です。

演出も目を見張る箇所が、桜井ユキさの目ん玉グルグルくらいしかなかったです。もっと狂気的なシーンやジャンプスケアを入れ込めるプロットだと思うので、その点ももったいないと感じました。

あとはメッセージも詰め込み過ぎだと思いました。

メインは家族の絆ですが、そこに虐待の要素を入れてしまうと急に複雑になります。

特に、虐待を憎む司朗(玉木宏)が、妹・ルナの命を助けるために少女を誘拐して魂を入れ替える点。

子供が大好きで虐待を憎む司朗が少女を殺す…。司朗の行動原理の詳細もなく、疑問がわきます。

個人的にはロジックがおかしかろうが狂気的な雰囲気がある映画が好きなこともあって、全体的につまらなくはなく予想できないドロドロのラストは楽しめました。

ただラストは有名なあの映画が元ネタでは?(考察の項目で詳しく解説します)という考えが頭をよぎり、既視感があったのも残念。

キャストは良かった

ずっと微笑みながら狂気の言動を繰り返す玉木宏(父・司朗)が好きでした。

ときどきこわばった表情をのぞかせ、心が崩壊しかけている説得力がありました。

感想を語る犬
桜井ユキさん演じる母・繭子が、昼寝中にカッと見開いた目がぐるぐる回り出す演出も最高!ゾッとしましたし、どこか芸術的でした。

桜井ユキさんは『真犯人フラグ』もそうですが、“ミステリアスで妖艶な母親役”が似合いすぎ。

主演の南沙良さんと、なにわ男子の大西流星さんも、めちゃくちゃ素晴らしいとはいえないですが、あどけない感じが役柄にマッチ。

全体的にキャスティングも演技も良かったと思います。

この子は邪悪/考察(ネタバレ)

ラストの怖すぎる意味

ラストは玉木宏演じる父・司朗が、死ぬ間際に母・繭子のお腹の子と入れ替わっていたという意味です。

シネマグ
生まれた赤ちゃんが、退行催眠するときの指の横8の字∞の動きをしていたことからわかります。

(自分に催眠をかけて赤ちゃんと入れ替えたのか?赤ちゃんに催眠をかけたのか?謎すぎですがw)

横8の字∞は無限のマークであり、繰り返しの意味がある気もします。

ずっと家族一緒にいたいという狂気に取り憑かれていた父・司朗はこの行為を無限に繰り返す気かもしれません。

花や月(ルナ)が結婚して子供を産んだとき、今度は妻・繭子とその子を入れ替えるのかも。

いろいろなパターンが考えられて怖さが増しますね。

倫理的にキモすぎです。

4人まるまる別の家族に入れ替わるという未来もアリでしょう。

余韻が残るラストでした。

元ネタの映画

※映画『ゲット・アウト』(2017)、『Us』(2019)、『マルコヴィッチの穴』(1999)のネタバレを含みます。

まず『この子は邪悪』はジョーダン・ピール監督の映画『ゲット・アウト』に似ていると思いました。

『ゲット・アウト』では実際に家族の脳の一部を移植して他人に見せかけて一緒に暮らすという内容。

それが『この子は邪悪』では、魂の入れ替えというやや反則気味の

考えてみると『この子は邪悪』の体が入れ替わっても家族ずっと一緒という内容は、『ゲット・アウト』の白人一家を、家族という当事者目線で描いたようですね。

ウサギがたくさん出てきたり、家族が入れ替わっている恐怖!?みたいな流れは同じくジョーダン・ピール監督の『Us』と通底するものがあります。

ラストで父・司朗が赤ちゃんと魂を交換しているというのは、スパイク・ジョーンズ監督でジョン・キューザック主演『マルコヴィッチの穴』の結末とかなり似ていますね

感想を語る犬
これらの映画が『この子は邪悪』のアイデアのインスパイア元なのかもしれませんね。(ただ正直、完成度では劣ります)
この3作を見てない人は本作を純粋に楽しめたと思います。
かし見たことある人の場合は最初からなんとなく予想できちゃうのが難点だと思いました。

“この子の”意味/伏線・ミスリード

タイトルが『この子は邪悪』なので、てっきり南沙良さん演じる花が『エスター』的な怖い女学生なのかと思いきや、“この子”というのは最後に赤ちゃんとして生まれ変わった父・司朗を指しているんですね。

これには騙されました。

シネマグ
タイトルが伏線兼ミスリードになっています。うまいですね!

メリーゴーランド・ウサギの足

『この子は邪悪』ではメリーゴーランドやウサギの足などさまざまなモチーフが登場しました。

メリーゴーランドは繰り返し同じ場所を回るので、「この家族で永遠に生き続けたい」という父・司朗の願いがかけられているのでしょう。

先程の考察にも繋がります。

やはり司朗は催眠術・魂移動の術を使って、この家族で永遠に一緒にいるつもりなのでしょう。

あとは、純が司朗からもらった鈴にはラビットフット(ウサギの足)っぽいキーホルダーがついてましたよね。

ラビットフットは一般的に幸運のお守りです。

飼っているウサギには他の人間の魂が入れてあるので、窪一家の幸せは他人の犠牲の上に成り立っているという意味でしょう。

シネマグ
深読みすると、虐待の加害者を食い物にしている偽善者の歪な構造が浮かび上がってきます。
サスペンスホラーとしては純が受け取ったラビットフットが、純の母ウサギのものだったら良かったと思いました。ただ母ウサギには足がありましたね。

映画『この子は邪悪』ネタバレあらすじ解説

窪一家

映画この子は邪悪 父・司朗(玉木宏)、母・繭子(桜井ユキ)、妹・月(ルナ)

©︎「この子は邪悪」製作委員会

窪一家は5年前に交通事故に遭っていた。

妹・月(ルナ)は事故で顔に大火傷を負い、家で白い仮面を被って生活している。

母・繭子(桜井ユキ)は昏睡状態で5年間病院で寝たきり。

父・司朗はその時から片足が不自由だ。

花は父・司朗が退行催眠を使ってある女性の治療をしているのを目撃。花に気づいた司朗は、窓を閉めた。

ある日、母親・繭子が父・司朗に連れられて突然帰ってくる。

花は顔が違うと思ったが、司朗に「5年間寝たきりだったし整形手術もしたから違って見えるだけだよ」と言われる。

司朗とルナはとても嬉しそうだった。

花は母・繭子が偽物だと考えるが、5年前の父の誕生日に渡す予定だった刺繍のことを覚えており、ピアノも上手く、作る料理も母の味だ。

花は純と仲良くなり、妹・ルナの誕生日に彼を招待。司朗や繭子は純に優しく接した。

繭子は「妊娠した」と発表する。

純は部屋で「数ヶ月前に病院の前にきた時に見た、診療に来た女性が繭子とまったく同じ顔だった」と言う。

純は帰る前に司朗の診察室に呼ばれる。純は昔、母が司朗の治療を受けたと思い出した。司朗は「お母さんは息子・純を愛していると言っていた」と言う。

司朗は指で空に8の字∞を描き、純を催眠状態にした。

後日、花は純から「お母さんのことも僕の見間違えだった。君のお父さんがそんなことするわけない」と言われる。純は父に何かされたようだ。

独自捜査を進める純

花は病院へ行き、母・繭子がまだ植物状態でベッドで寝ているのを見て愕然。

司朗は誰もいないとき、病院の繭子の呼吸器を外した。

花からその事実を聞いた純は司朗からもらったベルを捨て、半分催眠状態から正気に戻る。

純は独自に捜査をし、近所に住む精神がおかしくなった中年男性(母と同じ症状)の娘が行方不明になっている事実にたどり着き、花にそのことを話した。

花の妹・ルナも5年前の事故のあとに死亡届が出されている。

純が家に帰ると司朗がおり、母の治療をしていると言う。

純は司朗から母を引き離し「お前が子供の幸せを守る会の活動の裏で親たちを廃人にしてるんだろ」と怒鳴った。

司朗は「子供を虐待する親たちから救うために仕方なくやった。お前の母もお前を虐待していた」と言う。

驚愕のラスト結末

花は純の家で、廃人になった純を見る。

動揺して家に帰り、妹・ルナの仮面を剥ぎ取った。ルナの顔ではない。

ルナはパニックになる。

花は司朗に向かって「妹も母も別人じゃないか」と叫んだ。

母・繭子がルナをなだめる。

司朗は「退行催眠で母胎内まで遡らせると魂が不安定になる。そこで魂を交換できる。ルナも繭子も他の人の体に変わっただけで、意識は本人だ」と微笑んだ。

黒いウサギが花に寄ってくる。ウサギと人間の魂は交換しやすいらしく、純の魂とウサギの魂を交換したという。

純の祖母が忍び込んで司朗の頭を強打。司朗は純の祖母を何度も殴って殺害した。

この状況に耐えられなくなったルナが司朗をナイフで刺す。花とルナは逃げた。

司朗は「ずっと一緒だ」と言って、繭子に抱かれながら死亡

数ヶ月後

花とルナは、母・繭子と新しく生まれた男の子と幸せに暮らしていた。

男の子は空に向かって指で8の字∞を描いている

映画『この子は邪悪』END!

最後のまとめ

映画『この子は邪悪』は、アイデアは良かったものの、やや設定を詰め込み過ぎてうまく消化できていない箇所が多かった佳作でした。

シネマグ
ラストは面白かったですが既視感もあり、残念ながら突き抜けた作品にはならなかったと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『この子は邪悪』レビュー終わり!

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