『TENET/テネット』わかりやすく解説,ネタバレ考察!あらすじ/黒幕やニール正体セイター契約書,映画を図で簡単に説明

  • 2024年3月24日

2020年9月公開の『TENET テネット』はノーラン監督が着想に20年、脚本に7年かけたSF超大作!

革命的なであると同時にすごく難解(2回観ました)。『インセプション』や『メメント』より数倍難易度が高いです。

時間が逆再生のシーンが多く解釈が難しい部分があったので、あらすじをネタバレをわかりやすく!イラスト解説有りで紹介。

また、TENET(テネット)の謎の考察や解説を徹底的にやっていきます!

(物理学者ではないですが、一般の視聴者にもわかるようになっていると思います。)

目次

「テネット」監督・登場人物/キャスト

TENETの監督や登場人物とキャストの紹介。左が役名で右がキャスト名。

監督・脚本/クリストファー・ノーラン

クリストファー・ノーラン

クリストファー・ノーラン監督は『ダークナイト』、『ダークナイトライジング』、『インセプション』、『メメント』、『インターステラー』など数々の超大作を生み出した完璧主義者。

本物指向の壮大な映像や、映画に哲学的な概念の入れ込むことが特徴。格闘アクションは苦手だったが、本作では逆再生戦闘など気が狂いそうで迫力あるシーンがたくさんありました。

ちなみに『インターステラー』などの脚本を手がけた弟のジョナサン・ノーランはヒュー・ジャックマン主演の記憶潜入SFサスペンス『レミニセンス』を制作しています。

兄弟揃って天才ですね。

名もなき男(主人公)/ジョン・デヴィッド・ワシントン

名もなき男役のジョン・デヴィッド・ワシントン

名もなき男は、CIAの特殊任務に就くエージェント。ちなみに英語だとProtagonist(主人公)というそのまんまの役名。

演じたのはジョン・デヴィッド・ワシントン。そう、かの名優デンゼル・ワシントンの長男です。デヴィッドはアメフトの選手として活躍した後に俳優業を開始し、2018年に『ブラック・クランズマン』で主演を務めました。

2021年にはNetflixのアクションサスペンス映画『ベケット』で主役を演じています。

2023年には『ザ・クリエイター/創造者』で主演。

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映画『ザ・クリエイター/創造者』

ニール/ロバート・パティンソン

ニール役のロバート・パティンソン

ニールは、ある人物に雇われ、主人公の名もなき男の相棒として活躍するキーパーソン。本作で一番切ない役回り。

演じたロバート・パティソンは、ドラマ『トワイライト〜初恋〜』で大ブレイクし、Netflix映画『悪魔はいつもそこに』でクセのある悪徳神父を怪演した。批評家絶賛のホラー『ライトハウス』、にも出演。

2022年3月公開の『ザ・バットマン/The Batman』ではバットマン役(ブルース・ウェイン)に抜擢されている。

キャット(キャサリン)/エリザベス・デビッキ

キャサリン(キャット)役のエリザベス・デビッキ

キャット(キャサリン)はセイターの妻。サイコパス夫に支配されて悩んでいるが、息子・マックスのせいで離れられません。

女優のエリザベス・デビッキは、191cmの長身美人で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』『ロスト・マネー 偽りの報酬』『コードネーム U.N.C.L.E.』などへの出演で有名です。

アンドレイ・セイター/ケネス・ブラナー

アンドレイ・セイター

セイターはパーツを集めて“アルゴリズム”を起動しようとする冷酷な武器商人。TENETと対立する組織と契約して人類を滅ぼそうとしています。本作のヴィランです(本人はめっちゃいい人らしいです)。

ケネス・ブラナーは、数々の舞台でシェイクスピアを演じた俳優として知られています。クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』にも出演。

2011年の『マイティ・ソー』では監督、ポアロシリーズ『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』では監督兼主演を務めました。監督を務めた『ベルファスト』でアカデミー脚本賞を受賞しています。

プリヤ/ディンプル・カパディア

テネットキャスト プリヤ/ディンプル・カパディア

プリヤは初老の女性で、インドの武器商人です。主人公に情報を伝える、TENETのメンバーでもあります。

ディンプル・カパディアはインドの女優。

アイヴス/アーロン・テイラー=ジョンソン

表向きはプリヤ傘下のTENET特殊部隊リーダー。TENETの任務に関しては、プリヤと同じかそれ以上に事情を知っている人物。

俳優アーロン・テイラー=ジョンソンは2016年の『ノクターナル・アニマルズ』でゴールデングローブ助演男優賞を獲得した演技派イケメン。

マヒア/ヒメーシュ・パテル

登場人物のマヒア

マヒアはTENETのメンバー。ニールが工作のサポート役として連れてきました。飛行機をオスロ空港に突っ込ませます。

マイケル・クロズビー卿/マイケル・ケイン

マイケル・クロズビーは“主人公”にセイターのことを教え、キャットに引き合わせた人物です。

マイケル・ケインは『殺しのドレス』や『サイダーハウス・ルール』などの映画で有名な演技派俳優。クリストファー・ノーラン監督の『バットマン・ビギンズ』シリーズではアルフレッド執事を務めています。

バーバラ/クレマンス・ポエジー

登場キャスト紹介 ローラ/クレマンス・ポエジー

バーバラは、主人公に時間と逆行する弾丸について教えたTENETの研究員。

女優のクレマンス・ポエジーは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にフラー・デラクール役でブレイクした人物です。海外ドラマ『THE TUNNEL/トンネル 』でも有名。

ボルコフ/ ユーリー・コロコリニコフ

ボルコフはセイターの冷酷非道な部下です。スキンヘッドで背が高いのが特徴。かなりの頻度で邪魔してきます。

テネット わかりやすい時系列イラスト解説図

あらすじネタバレの後に、主人公視点でTENETのストーリーの時系列解説イラストを作ったので、参考にどうぞ。これさえ見れば、物語の最低限を理解できます。

図の左側が過去で、右が未来。縦に並んでる場所の時間軸はそろっています。

映画テネットのストーリーネタバレ解説図
TENETは、時間軸を図で整理してストーリーを追うと意外とシンプルですね。

主人公が映画のラストで、冒頭のテロが起こった14日前の日付に戻ってくるのが面白い。

ただ映画を見ている最中は、難解な上に場面転換が多すぎて追いつけないかもしれません。

TENETの正直な感想・難解過ぎ!

ニールと主人公

TENETを見終わった1番の感想は、実に難解というもの。そもそも逆再生だと、アクション一つとっても、わけがわかりません。

アクション有りで、エンタメ性も非常に高いんだけど、脳がリアルタイムでついてこない(笑)新しすぎて、脳が楽しんでいいのか判別できていないのだと思います。

難しい事象を扱うくせに説明も少ない

説明に悩むニール

言わなくてもわかるだろ!という感じで、細かい説明があまりないのもTENETの特徴。そこに至るまでの過程や経緯が、かなり大胆にはしょられています。

ノーラン監督は、いちいちセリフで説明させるが嫌なのでしょう。

例えば、最初オペラ館での任務内容や誰が敵なのかについて。

主人公は敵側のロシア人と接触してテロの救出部隊に紛れ込み、ある人物を救う任務のはずが、テロ自体が偽装という設定。

SF関係ないところまでややこしすぎます。

さらに、冒頭と最後の任務中はみんなヘルメット被ってて、誰が誰だかわかりにくいです。

ストーリーの本当の意味・テーマ考察

TENET テネットのジョン・デヴィッド・ワシントン

TENETの解説や考察は、逆再生の原理など論理的な方面に偏りがち。映画の原点に振り返ってテーマを考察することも大事でしょう!

TENETはこんなストーリー

TENETを簡単に説明すると、地球に住めなくなった未来人がセイターを利用して9つのパーツによるアルゴリズムで世界の時間のベクトルを逆にするのを、TENETという組織が阻止する物語です。

時間なら未来で逆行させればよくね?きっとそう考えるでしょう。

しかし、未来人は過去に逆再生できる技術を生み出したがために、その時代でアクションを起こすことはできません。なぜなら、対立組織が過去に行けば阻止できるからです。

つまり「過去の人類を消滅させてでも生き残る」という考えと「それはダメ!」という意見があった場合、お互い過去で先手を打ち合うことになり、何もできません。

そこで未来の人類は、テクノロジーが未熟で過去の取り合いができない現代を選んだのでしょう。ただ、現代にワープできるわけではないので、何百年も逆行で遡ってリレー式で計画を達成させなければなりません。

ちなみに主人公も、未来の誰かからバトンを受け継いでTENETを作ったのでしょう。

なぜ主人公に名前がない!?テーマ考察

主人公の名もなき男

TENETは日本語で“信条”という意味。主人公に名前がないのは、彼の物語が万人に通じるからだと考えます。

本作で主人公が様々なことに疑問を挟まず、淡々と任務を遂行していったのか?

推測ですが、それは全ての首謀者である未来の自分と、意識のどこかが繋がっているからではないでしょうか。

SF的な論議ばかりされがちですが、TENETのテーマは、「運命とは未来の自分から伝わる意識である」だと思います。

「お前は道の先にあるものを知っている。自分の信じる道を歩め。」

クリストファー・ノーラン監督は、この映画を通じてそう言いたかったのかもしれません。設定の緻密さだけでない、彼の文学性と物語の深さが伺えます。

最重要人物ニール解説/スタルスク12の後の動きなど

テネットの登場人物ニール

確実な死に恐怖するかわいそうなニール

ニールと主人公が、ムンバイではじめて会ったシーンを思い出せるでしょうか。

なぜ彼は髪がボサボサで寝不足のような顔だったの?

映画では語られていませんが、これは彼の切な過ぎる心情を表現したシーンでしょう。

TENETの一員として、未来の主人公から『最後は秘密を守るためにスタルスクの鍵を開けて死んでね』と命令されていたであろう彼。

死ぬのがわかってて任務に当たるなんて、精神的にキツイ。眠れるわけがない!そんな人間らしい部分が、初登場シーンで描かれいたのではないでしょうか。こういった細かい部分まで観察すると、ニールに感情移入できて泣けます。

スタルスク12戦闘後のニールの動き

 

ニールは結局映画のラストのあと、どんな動きをしていたの?気になる人が多いでしょう。彼の動きは複雑です。

ニール視点でラストで主人公と別れた後の動きを考えると、

  1. 回転ドアでベクトル逆行状態に
  2. スタルスク12最深部の鍵を解除してからロック
  3. 敵に撃たれて死亡

これを逆から3→1に逆再生で考えるとあら不思議!

死亡する→敵に撃たれる→ロック・解除→走り去る

これが順行の主人公視点です。

死んでいた男(ニール)が生き返って鍵を解除し、どこかへ走り去る」が成り立つわけです。

ニールは、最後にTENETの秘密を守るために、死ななければいけないと最初からわかっていたのでしょう。

シーンで描かれていないニールの動向

まずニールは物語が始まる前に、未来でTENETの黒幕である主人公と信頼関係を築き、逆再生で時間をかけて、現在までやってきます。

それから、知らんぷりで主人公と合流するのです。

ちなみに、冒頭のオペラ館がニール視点でいつ起こったか?については、大きく2つのパターンに分けられます。

  1. ニールは未来からオペラ館地点まで戻って主人公を救い、ムンバイで会う
  2. スタルスク12で主人公と別れたあと、オペラ館へ戻り、スタルスク12の鍵を開ける

効率的なのは1でしょう。

ただ、回転ドアを使えば2の動きもできます。

ニールが映画のラスト後に1度オペラ館に駆けつけた方が、完全に主人公と逆になってストーリーの円が閉じ、映画に深みが出ると感じるのは僕だけでしょうか。

ニールはキャットの息子?

キャットの息子はマックス。これは欧米の略称で正式な名前はマキシミリアンMaximilianになります。フランスだとMaximilienで、逆から読むとNeilニールとなるのです。

主人公がプリヤを殺してキャットを救ったのは、マックスが未来の鍵を握るニールだからかもしれないですね。

ニール=マックスは、海外で話題になっている説ですが、下記の記事では年齢が合わないなどの理由で否定されています。

あくまで一説です。

www.vulture.com

TENETの疑問に即答!

 

筆者は2回観賞したが、TENETを1度見ただけだと、疑問が山のように出てくることでしょう。代表的なものになるべくわかりやすく回答してみました。

未来の人は何がしたかったの?

セイターは未来のTENETの対立組織と取引して、パーツを爆発してアルゴリズムを発動させ、現世界を消滅・逆光させようとしたのは、なぜでしょう?

セイターがさらっと説明していただけで、わかりにくかったと思うので解説します。

結論から述べると、未来の世界にはもう住めなくなり、人類は時間を逆行して生きる道を選んだから

だから現世界を時間逆行パーツを使って一旦破壊しようとしたのです。これがきっかけでエントロピーの原理が逆転し、地球の時間軸がすべて逆ベクトルになる一石二鳥の意味もあります。

つまり未来の人たちは、この爆発をきっかけに過去に向かって生きようとしていたのです。

(もはや、詳しく解説するには物理学の知識が必要でしょう。)

主人公、ニール、キャットが逆再生でオスロ空港へ戻った理由

キャットの傷を回復させるために逆行状態になった主人公たちは、回転ドアを使って時間軸をもとに戻すためにオスロ空港へ戻りました。

カーチェイスをしたタリンにも回転ドアはあるのですが、一旦制圧したその施設は時間逆行するとセイターたちの管理下に戻るので、利用できません。

しかし、結局もっと過去に遡るので、わざわざオスロ空港まで行って一旦時間軸を戻した意味は少なく、主人公がプリヤからセイターの企みを聞き出すためだけとなります。

なぜセイターが死んだ瞬間にアルゴリズムが起動しなかったか

ヴィランの武器商人セイター

映画の中では、セイターが死んだらパーツの爆発が起こり、アルゴリズムが起動してしまう話でした。キャットがセイターを先に撃ったにも関わらずそうはなりませんでした。

理由は諸説ありますが、セイターが撃たれてから完全に死ぬまでの間に、なんとかパーツを回収して脱出したからでしょう。

映画『インセプション』のミッション的なタイミングの良さが重なり、なんとかごまかせた!という感じですね。

TENETの黒幕はだれ?100%考察

テネットには情報量がとても多く、それらのほとんどがサラッと説明されています。なので背景にある設定を推測も含めて考察していくと、モヤモヤがスッキリするでしょう。

プリヤを操っていた未来の黒幕主人公

主人公とプリマ

現代を救うためにTENETという組織を未来で創設したのは主人公です。彼は悪い人間ではなく、戦争を回避するために動いていますが、ストーリー全貌を計画した黒幕ということになります。

プリヤも未来人っぽい発言をしていますが、詳細は謎です。彼女はTENET組織の上の立場の人間ですが、主人公の存在は知らされていなかったのでしょう。主人公は最後自分が彼女を暗殺すると知っていたので、正体を明かさなかったのです。

TENET計画にはセイターも込み

セイターは、未来で発足したTENETと対立する組織と取引しているとしか情報がありませんが、プリヤの発言を聞く限り、未来の主人公はセイターを都合良く使った可能性が高いです。

未来の主人公は、プリヤとセイターを利用して、全世界逆回転アルゴリズムを発動するためのパーツを集めさせたでしょう。

セイターがスタルスク12で見た契約書は未来のもの

セイターの回想シーンで、若い頃のプルトニウム回収で発見した契約書は、未来からのもの。未来からの情報や逆再生される物質など、スタルスク12に送られてくるようになっていたのでしょう。

セイターはスタルスク12が原因で癌に

アンドレイ・セイター

若い頃にスタルスク12でプルトニウム回収という超危険な任務をして生き延びたのがセイター。物語として考えるなら、そのときに放射線を浴びすぎて、数十年後の現在に膵臓癌を発症した可能性は高いと思います。

セイターも核や戦争の被害者だといえるでしょう。

映画『TENET』ネタバレあらすじ解説

主人公(ジョン・デヴィッド・ワシントン)には名前がないので、単に「主人公」と表記します。

1:キエフ公国オペラ館でのテロ

主人公はCIAの特殊任務で、オペラ館のテロ現場に対策班に紛れて潜入。プルトニウム241を奪取したスパイを救出するはずだったが、テロはロシア人組織の偽装だった。

主人公は潜入がバレて撃たれそうになるが、そのとき突如現れた人物が銃弾を逆再生させて相手を倒し、命を救われる。その人物は去っていった。

スパイを奪還する任務だったが、ロシアテロリストに正体がばれて捕まり、歯を抜かれる拷問を受けた。

仲間を売れないと考えた主人公は、自殺用のカプセルを飲む。

目を覚ますとCIAの上官がいた。一連の任務や拷問はテストで、お前一人だけパスしたと言われる。そして“TENET”という組織について知らされ、「未来の第三次世界大戦を救う任務に当たれ」と告げられた。

数日後、女性研究員のバーバラ(クレマンス・ポエジー)のもとに連れてこられ、時間が逆行する物質で作られた弾丸を目の当たりに。弾丸が銃に戻っていく。

2:武器商人セイターの企みとは

主人公はムンバイに行き、仕事仲間となるニール(ロバート・パティンソン)と出会う。2人は協力してインドの武器商人サンジェイ・シンのもとへ忍び込み、彼を銃で脅す。実は夫人プリヤ(ディンプル・カパディア)の方がボスだと判明。

主人公はプリヤから、TENETについての情報と、国家諜報局のマイケルや武器商人のアンドレイ・セイターについて聞き出した。

主人公は情報を握るマイケル・クロズビー卿(マイケル・ケイン)とのランチで、アンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)の妻・キャット(エリザベス・デビッキ)の弱味であるゴヤの絵画の贋作を手渡される。そしてキャットに接触。

彼女は美術鑑定士で、画家・トーマスとの浮気とその彼が作った贋作を本物と認定した弱みを夫のセイターに握られていたのだ。セイターは贋作を高額で落札し、自身が管理するオスロ空港のロータス社フリーポート(税関ナシの貸金庫)に預けていた。

主人公はフリーポートに何かヒントがあると考え、施設の真ん中に大きな空間を見つけて怪しんだ。

主人公とニールはマヒル(ヒメーシュ・パテル)という工作員を使い、金塊を運んでいた飛行機を、フリーポート反対側の誰もいない建物へ突っ込ませる。

貸金庫が消火用のガスでみたされた隙に、主人公とニールは扉を解除し建物の中心の空間へ向かう。

テネット オスロ空港フリーポートの回転ドアがある部屋

そこに回転ドアがあり、突然ガスマスクを被った男性が現れ、格闘する羽目に。一人は逆行する時間を動く(逆再生)の人物だった。その人物はシャッターの向こうへと消えていく。

 

主人公はキャットの紹介でセイターと会い、彼が探しているプルトニウム214を強奪してやると持ちかけた。セイターは、未来から様々なパーツを送らせて、集めているようだ。

セイターは未来を知っていたかの如く、火事の前に移動させたゴヤの贋作をキャットに見せ、自分のもとから逃れられないとキャットに伝えた。

3:キャットが撃たれてからの時間逆行

主人公はプリヤから、エストニアの首都タリンでプルトニウム214が運ばれるという情報を聞き出し、ニールと協力してトラック数台で輸送車を囲って強奪に成功。

しかしそれはプルトニウム214でなく、時間逆行パーツだった。そこへ時間を逆に向かうセイターたちの部隊が現れて銃撃戦になり、主人公はキャットを助けたが車はストップし、囲まれて銃撃戦に。

主人公とキャットはセイターに捕まり、人間の時間ベクトルを逆行させる特殊な回転ドアがある施設に連れて行かれた。セイターはガラスを挟んで、時間が逆行する側の部屋にいる。主人公は、キャットがセイターに腹を撃たれる姿を見せられて耐えきれず、パーツのありかを暴露(嘘をついていた)。

キャットを銃で撃つアンドレイ

セイターは去ったが、撃たれたキャットは死にそうだった。主人公は、彼女とニールと一緒に回転ドアに入り、時間を逆行させる。

そして逆再生の状態で外に出て(酸素が肺を通わないのでボンベが必要)、車を運転しパーツを回収しようとするが失敗。セイターに奪われ、ガソリンに火をつけられた。

 

時間が逆行中の主人公は、火傷でなく低体温症で気絶し、数時間後目を覚ました。それからニールやキャットと共に逆再生の状態で数日間船に乗り、ガスマスクをつけて飛行機の衝突が逆再生されるオスロ空港へ、彼女を運ぶ。フリーポートにある回転ドアで3人の時間のベクトルを元に戻すためだ。

回転ドアで主人公は、過去の自分と戦うハメになった。どうにか逃げた後、キャットをバンに乗せる。

ラスト結末ネタバレ:物語の首謀者は…

 

主人公は数日前のプリヤに会い、セイターが未来から送られてきた時間逆行パーツを集めて爆発させ、世界を破滅させるつもりだと聞き出す。

セイターは膵臓癌で死期が迫っており、身につけている心拍計が止まるとロシアの軍事施設スタルスク12にある爆弾と時間逆行パーツが爆発する仕組みになっていた。

主人公はプリヤに、「数日後にタリンの情報を俺に流すな」と言うが、彼女は関係ないと返す。

主人公はキャットからセイターがベトナムで自殺するつもりではないかと聞き出し、14日前のスタルスク12でパーツを奪取した後に、彼が死んで基地内の爆発が予定通り起これば世界を救えると知る。

部隊を率いるアイヴス(アーロン・テイラー=ジョンソン)が、部隊を順行の時間で攻めるレッドグループと、逆再生しながら攻めるブルーグループに分け、前後10分の挟撃作戦を開始。

その間にキャットは、14日前に自分が居たベトナム沖に行って過去の自分とすり代る。そして、スタルスク12の爆発後にセイターを殺す計画だった。しかしキャットは我慢できず先にセイターを撃ってしまう。

主人公とアイヴスはスタルスク12の最深部へ潜入。セイターの部下ボルコフがパーツを巨大な穴に落とす準備をしていたが、扉のロックが開かない。ブルーの腕章をつけた人物が死んでいる。その死んでいたある人物(ニール)は逆再生で起き上がり主人公の盾になって銃弾を受ける。そして鍵を解除して、ドアを出て走り去った

主人公はボルコフを巨大な穴に落とし、パーツの奪取に成功。ニールが上からロープを落とし車で引っ張る。大爆発が起こり、二人はギリギリで脱出できた。

アイヴスはパーツを主人公とニールに渡し、どこかに隠していつか死ねと指示。

ニールはパーツを主人公に託し、自身の雇い主が“未来の主人公自身”であると明かした。ニールは、時間軸で未来から過去に遡り、スタルスク12の鍵を開けて死んでいく運命なのだ。(冒頭のオペラハウスで主人公を救ったのもニール)

すべてを悟った主人公は、秘密に絡んだキャットを暗殺しようとするプリヤを殺害。

主人公の名もなき男は、全ての黒幕だった。彼は第三次世界大戦から世界を救う、“中間地点”へ到達したのだ。

映画『TENET』終わり

まとめ/時間逆再生をそのまま見せた傑作

タイムバックする映画は無数にあるけど、時間が戻る過程、すなわち逆再生をそのまま描いた映画は記憶にありません

そういった意味でTENETは、映画史に残る画期的な作品になったでしょう。

こんなストーリーを考えたクリストファー・ノーラン監督は天才すぎます。

それに、逆再生と普通の時間軸のアクションを両方同時に再現するなんてキチガイじみています。

撮影でキャストやスタッフも意味不明で気が狂いそうになったのではないでしょうか?(そもそも科学的に正しいかも検証できません)

TENETは時系列がバックしていく難解な『メメント』に、さらに逆再生のアクションを加えた感じ。凄まじい映画でした!