2020年9月公開の『TENET テネット』はノーラン監督が着想に20年、脚本に7年かけたSF超大作!
革命的なであると同時にすごく難解(2回観ました)。『インセプション』や『メメント』より数倍難易度が高いです。
時間が逆再生のシーンが多く解釈が難しい部分があったので、あらすじをネタバレをわかりやすく!イラスト解説有りで紹介。
また、TENET(テネット)の謎の考察や解説を徹底的にやっていきます!
(物理学者ではないですが、一般の視聴者にもわかるようになっていると思います。)
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「テネット」監督・登場人物/キャスト
TENETの監督や登場人物とキャストの紹介。左が役名で右がキャスト名。
監督・脚本/クリストファー・ノーラン
クリストファー・ノーラン監督は『ダークナイト』、『ダークナイトライジング』、『インセプション』、『メメント』、『インターステラー』など数々の超大作を生み出した完璧主義者。
本物指向の壮大な映像や、映画に哲学的な概念の入れ込むことが特徴。格闘アクションは苦手だったが、本作では逆再生戦闘など気が狂いそうで迫力あるシーンがたくさんありました。
ちなみに『インターステラー』などの脚本を手がけた弟のジョナサン・ノーランはヒュー・ジャックマン主演の記憶潜入SFサスペンス『レミニセンス』を制作しています。
兄弟揃って天才ですね。
名もなき男(主人公)/ジョン・デヴィッド・ワシントン
名もなき男は、CIAの特殊任務に就くエージェント。ちなみに英語だとProtagonist(主人公)というそのまんまの役名。
演じたのはジョン・デヴィッド・ワシントン。そう、かの名優デンゼル・ワシントンの長男です。デヴィッドはアメフトの選手として活躍した後に俳優業を開始し、2018年に『ブラック・クランズマン』で主演を務めました。
2021年にはNetflixのアクションサスペンス映画『ベケット』で主役を演じています。
ニール/ロバート・パティンソン
ニールは、ある人物に雇われ、主人公の名もなき男の相棒として活躍するキーパーソン。本作で一番切ない役回り。
演じたロバート・パティソンは、ドラマ『トワイライト〜初恋〜』で大ブレイクし、Netflix映画『悪魔はいつもそこに』でクセのある悪徳神父を怪演した。批評家絶賛のホラー『ライトハウス』、にも出演。
2022年3月公開の『ザ・バットマン/The Batman』ではバットマン役(ブルース・ウェイン)に抜擢されている。
キャット(キャサリン)/エリザベス・デビッキ
キャット(キャサリン)はセイターの妻。サイコパス夫に支配されて悩んでいるが、息子・マックスのせいで離れられません。
女優のエリザベス・デビッキは、191cmの長身美人で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』『ロスト・マネー 偽りの報酬』『コードネーム U.N.C.L.E.』などへの出演で有名です。
アンドレイ・セイター/ケネス・ブラナー
セイターはパーツを集めて“アルゴリズム”を起動しようとする冷酷な武器商人。TENETと対立する組織と契約して人類を滅ぼそうとしています。本作のヴィランです(本人はめっちゃいい人らしいです)。
ケネス・ブラナーは、数々の舞台でシェイクスピアを演じた俳優として知られています。クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』にも出演。
2011年の『マイティ・ソー』では監督、ポアロシリーズ『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』では監督兼主演を務めました。監督を務めた『ベルファスト』でアカデミー脚本賞を受賞しています。
プリヤ/ディンプル・カパディア
プリヤは初老の女性で、インドの武器商人です。主人公に情報を伝える、TENETのメンバーでもあります。
ディンプル・カパディアはインドの女優。
アイヴス/アーロン・テイラー=ジョンソン
表向きはプリヤ傘下のTENET特殊部隊リーダー。TENETの任務に関しては、プリヤと同じかそれ以上に事情を知っている人物。
俳優アーロン・テイラー=ジョンソンは2016年の『ノクターナル・アニマルズ』でゴールデングローブ助演男優賞を獲得した演技派イケメン。
マヒア/ヒメーシュ・パテル
マヒアはTENETのメンバー。ニールが工作のサポート役として連れてきました。飛行機をオスロ空港に突っ込ませます。
マイケル・クロズビー卿/マイケル・ケイン
マイケル・クロズビーは“主人公”にセイターのことを教え、キャットに引き合わせた人物です。
マイケル・ケインは『殺しのドレス』や『サイダーハウス・ルール』などの映画で有名な演技派俳優。クリストファー・ノーラン監督の『バットマン・ビギンズ』シリーズではアルフレッド執事を務めています。
バーバラ/クレマンス・ポエジー
バーバラは、主人公に時間と逆行する弾丸について教えたTENETの研究員。
女優のクレマンス・ポエジーは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にフラー・デラクール役でブレイクした人物です。海外ドラマ『THE TUNNEL/トンネル 』でも有名。
ボルコフ/ ユーリー・コロコリニコフ
ボルコフはセイターの冷酷非道な部下です。スキンヘッドで背が高いのが特徴。かなりの頻度で邪魔してきます。
テネット わかりやすい時系列イラスト解説図
あらすじネタバレの後に、主人公視点でTENETのストーリーの時系列解説イラストを作ったので、参考にどうぞ。これさえ見れば、物語の最低限を理解できます。
図の左側が過去で、右が未来。縦に並んでる場所の時間軸はそろっています。
TENETは、時間軸を図で整理してストーリーを追うと意外とシンプルですね。
主人公が映画のラストで、冒頭のテロが起こった14日前の日付に戻ってくるのが面白い。
ただ映画を見ている最中は、難解な上に場面転換が多すぎて追いつけないかもしれません。
TENETの正直な感想・難解過ぎ!
TENETを見終わった1番の感想は、実に難解というもの。そもそも逆再生だと、アクション一つとっても、わけがわかりません。
アクション有りで、エンタメ性も非常に高いんだけど、脳がリアルタイムでついてこない(笑)新しすぎて、脳が楽しんでいいのか判別できていないのだと思います。
難しい事象を扱うくせに説明も少ない
言わなくてもわかるだろ!という感じで、細かい説明があまりないのもTENETの特徴。そこに至るまでの過程や経緯が、かなり大胆にはしょられています。
ノーラン監督は、いちいちセリフで説明させるが嫌なのでしょう。
例えば、最初オペラ館での任務内容や誰が敵なのかについて。
主人公は敵側のロシア人と接触してテロの救出部隊に紛れ込み、ある人物を救う任務のはずが、テロ自体が偽装という設定。
SF関係ないところまでややこしすぎます。
さらに、冒頭と最後の任務中はみんなヘルメット被ってて、誰が誰だかわかりにくいです。
ストーリーの本当の意味・テーマ考察
TENETの解説や考察は、逆再生の原理など論理的な方面に偏りがち。映画の原点に振り返ってテーマを考察することも大事でしょう!
TENETはこんなストーリー
TENETを簡単に説明すると、地球に住めなくなった未来人がセイターを利用して9つのパーツによるアルゴリズムで世界の時間のベクトルを逆にするのを、TENETという組織が阻止する物語です。
時間なら未来で逆行させればよくね?きっとそう考えるでしょう。
しかし、未来人は過去に逆再生できる技術を生み出したがために、その時代でアクションを起こすことはできません。なぜなら、対立組織が過去に行けば阻止できるからです。
つまり「過去の人類を消滅させてでも生き残る」という考えと「それはダメ!」という意見があった場合、お互い過去で先手を打ち合うことになり、何もできません。
そこで未来の人類は、テクノロジーが未熟で過去の取り合いができない現代を選んだのでしょう。ただ、現代にワープできるわけではないので、何百年も逆行で遡ってリレー式で計画を達成させなければなりません。
ちなみに主人公も、未来の誰かからバトンを受け継いでTENETを作ったのでしょう。
なぜ主人公に名前がない!?テーマ考察
TENETは日本語で“信条”という意味。主人公に名前がないのは、彼の物語が万人に通じるからだと考えます。
本作で主人公が様々なことに疑問を挟まず、淡々と任務を遂行していったのか?
推測ですが、それは全ての首謀者である未来の自分と、意識のどこかが繋がっているからではないでしょうか。
SF的な論議ばかりされがちですが、TENETのテーマは、「運命とは未来の自分から伝わる意識である」だと思います。
「お前は道の先にあるものを知っている。自分の信じる道を歩め。」
クリストファー・ノーラン監督は、この映画を通じてそう言いたかったのかもしれません。設定の緻密さだけでない、彼の文学性と物語の深さが伺えます。
最重要人物ニール解説/スタルスク12の後の動きなど
確実な死に恐怖するかわいそうなニール
ニールと主人公が、ムンバイではじめて会ったシーンを思い出せるでしょうか。
なぜ彼は髪がボサボサで寝不足のような顔だったの?
映画では語られていませんが、これは彼の切な過ぎる心情を表現したシーンでしょう。
TENETの一員として、未来の主人公から『最後は秘密を守るためにスタルスクの鍵を開けて死んでね』と命令されていたであろう彼。
死ぬのがわかってて任務に当たるなんて、精神的にキツイ。眠れるわけがない!そんな人間らしい部分が、初登場シーンで描かれいたのではないでしょうか。こういった細かい部分まで観察すると、ニールに感情移入できて泣けます。
スタルスク12戦闘後のニールの動き
ニールは結局映画のラストのあと、どんな動きをしていたの?気になる人が多いでしょう。彼の動きは複雑です。
ニール視点でラストで主人公と別れた後の動きを考えると、
- 回転ドアでベクトル逆行状態に
- スタルスク12最深部の鍵を解除してからロック
- 敵に撃たれて死亡
これを逆から3→1に逆再生で考えるとあら不思議!
死亡する→敵に撃たれる→ロック・解除→走り去る
これが順行の主人公視点です。
「死んでいた男(ニール)が生き返って鍵を解除し、どこかへ走り去る」が成り立つわけです。
ニールは、最後にTENETの秘密を守るために、死ななければいけないと最初からわかっていたのでしょう。
シーンで描かれていないニールの動向
まずニールは物語が始まる前に、未来でTENETの黒幕である主人公と信頼関係を築き、逆再生で時間をかけて、現在までやってきます。
それから、知らんぷりで主人公と合流するのです。
ちなみに、冒頭のオペラ館がニール視点でいつ起こったか?については、大きく2つのパターンに分けられます。
- ニールは未来からオペラ館地点まで戻って主人公を救い、ムンバイで会う
- スタルスク12で主人公と別れたあと、オペラ館へ戻り、スタルスク12の鍵を開ける
効率的なのは1でしょう。
ただ、回転ドアを使えば2の動きもできます。
ニールが映画のラスト後に1度オペラ館に駆けつけた方が、完全に主人公と逆になってストーリーの円が閉じ、映画に深みが出ると感じるのは僕だけでしょうか。
ニールはキャットの息子?
キャットの息子はマックス。これは欧米の略称で正式な名前はマキシミリアンMaximilianになります。フランスだとMaximilienで、逆から読むとNeilニールとなるのです。
主人公がプリヤを殺してキャットを救ったのは、マックスが未来の鍵を握るニールだからかもしれないですね。
ニール=マックスは、海外で話題になっている説ですが、下記の記事では年齢が合わないなどの理由で否定されています。
あくまで一説です。
TENETの疑問に即答!
筆者は2回観賞したが、TENETを1度見ただけだと、疑問が山のように出てくることでしょう。代表的なものになるべくわかりやすく回答してみました。
未来の人は何がしたかったの?
セイターは未来のTENETの対立組織と取引して、パーツを爆発してアルゴリズムを発動させ、現世界を消滅・逆光させようとしたのは、なぜでしょう?
セイターがさらっと説明していただけで、わかりにくかったと思うので解説します。
結論から述べると、未来の世界にはもう住めなくなり、人類は時間を逆行して生きる道を選んだから。
だから現世界を時間逆行パーツを使って一旦破壊しようとしたのです。これがきっかけでエントロピーの原理が逆転し、地球の時間軸がすべて逆ベクトルになる一石二鳥の意味もあります。
つまり未来の人たちは、この爆発をきっかけに過去に向かって生きようとしていたのです。
(もはや、詳しく解説するには物理学の知識が必要でしょう。)
主人公、ニール、キャットが逆再生でオスロ空港へ戻った理由
キャットの傷を回復させるために逆行状態になった主人公たちは、回転ドアを使って時間軸をもとに戻すためにオスロ空港へ戻りました。
カーチェイスをしたタリンにも回転ドアはあるのですが、一旦制圧したその施設は時間逆行するとセイターたちの管理下に戻るので、利用できません。
しかし、結局もっと過去に遡るので、わざわざオスロ空港まで行って一旦時間軸を戻した意味は少なく、主人公がプリヤからセイターの企みを聞き出すためだけとなります。
なぜセイターが死んだ瞬間にアルゴリズムが起動しなかったか
映画の中では、セイターが死んだらパーツの爆発が起こり、アルゴリズムが起動してしまう話でした。キャットがセイターを先に撃ったにも関わらずそうはなりませんでした。
理由は諸説ありますが、セイターが撃たれてから完全に死ぬまでの間に、なんとかパーツを回収して脱出したからでしょう。
映画『インセプション』のミッション的なタイミングの良さが重なり、なんとかごまかせた!という感じですね。
TENETの黒幕はだれ?100%考察
テネットには情報量がとても多く、それらのほとんどがサラッと説明されています。なので背景にある設定を推測も含めて考察していくと、モヤモヤがスッキリするでしょう。
プリヤを操っていた未来の黒幕主人公
現代を救うためにTENETという組織を未来で創設したのは主人公です。彼は悪い人間ではなく、戦争を回避するために動いていますが、ストーリー全貌を計画した黒幕ということになります。
プリヤも未来人っぽい発言をしていますが、詳細は謎です。彼女はTENET組織の上の立場の人間ですが、主人公の存在は知らされていなかったのでしょう。主人公は最後自分が彼女を暗殺すると知っていたので、正体を明かさなかったのです。
TENET計画にはセイターも込み
セイターは、未来で発足したTENETと対立する組織と取引しているとしか情報がありませんが、プリヤの発言を聞く限り、未来の主人公はセイターを都合良く使った可能性が高いです。
未来の主人公は、プリヤとセイターを利用して、全世界逆回転アルゴリズムを発動するためのパーツを集めさせたでしょう。
セイターがスタルスク12で見た契約書は未来のもの
セイターの回想シーンで、若い頃のプルトニウム回収で発見した契約書は、未来からのもの。未来からの情報や逆再生される物質など、スタルスク12に送られてくるようになっていたのでしょう。
セイターはスタルスク12が原因で癌に
若い頃にスタルスク12でプルトニウム回収という超危険な任務をして生き延びたのがセイター。物語として考えるなら、そのときに放射線を浴びすぎて、数十年後の現在に膵臓癌を発症した可能性は高いと思います。
セイターも核や戦争の被害者だといえるでしょう。
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