映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』インディが世界を変えうるパワーを持つアルキメデスの遺品をめぐってナチスと対決!
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想・海外の評価
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
考察:ラストシーンの意味!
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』作品情報・予告
制作国:アメリカ
上映時間:154分
原題:『Indiana Jones and the Dial of Destiny』
ジャンル:アドベンチャー・アクション
年齢制限:G(年齢制限なし)
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本: ジェームズ・マンゴールド|ジェズ・バターワース|ジョン=ヘンリー・バターワース
原作:ジョージ・ルーカス/フィリップ・カウフマン
制作:スティーヴン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:フェドン・パパマイケル
ジェームズ・マンゴールド監督は『17歳のカルテ』,ジョン・キューザック主演のサスペンスホラー『アイデンティティー』や、『LOGAN/ローガン』『フォードvsフェラーリ』で知られています。
映画『アイデンティティー』を久しぶりに観て、筋書きやオチも分かってはいるけど、それでもメチャクチャ面白かった。 このアイデンティティは常人じゃ絶対に考えつかないような設定・オチに加え、それらをしっかりと再現するために細部まで気を配って[…]
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』キャスト
ハリソン・フォード
インディ・ジョーンズ役はハリソン・フォード。『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ブレードランナー』など大ヒットシリーズに出演。
2023年時点でもう80歳ですが、まだまだ渋い!今作で「インディ・ジョーンズは引退する」と表明しました。俳優はまだまだ続けるようです!
フィービー・ウォーラー=ブリッジ
インディの相棒役としてフィービー・ウォーラー=ブリッジが抜擢されました。美しいけどタフで力強いヘレナを熱演!
フィービーは俳優業だけでなく『キリング・イヴ/Killing Eve』や『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の脚本に携わるマルチな人物です。
マッツ・ミケルセン
悪役といえばこの人。ナチスのユルゲン・フォラー博士の役柄がぴったりです。
『007カジノロワイヤル』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』、ドラマ『ハンニバル』などに出演。
その他のキャスト
役名 | キャスト |
テディ少年 | イーサン・イシドール |
バジル・ショウ博士 | トビー・ジョーンズ(『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー/ウィンターソルジャー』『エンパイア・オブ・ライト』『ほの蒼き瞳』) |
レナルド | アントニオ・バンデラス(『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』『デスペラード』) |
クレーバー(ユルゲン・フォラーの部下) | ボイド・ホルブルック(『LOGAN/ローガン』『ザ・プレデター』Netflix『ベケット』) |
ウェーバー大佐(ナチス) | トーマス・クレッチマン(『戦場のピアニスト』『キング・コング』) |
メイソン捜査官(ユルゲンを監視する米政府の人間) | シャウネット・レネー・ウィルソ(『ブラック・パンサー』) |
サラー(インディの旧友) | ジョン・リス=デイヴィス(『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』) |
マリオン・レイヴンウッド(インディの妻) | カレン・アレン(『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』) |
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のキャスト、カレン・アレンやジョン・リス=デイヴィスが出ているのも熱いですね。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』あらすじ
時は1969年。インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)はハンター校の教授を引退。妻のマリオンとは離婚協議中で、生きる気力も失っている。
そんなインディのもとに、親しかった考古学者・バジルの娘ヘレナ・ショウ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)があらわれる。
ヘレナはかつて「父とあなたが1944年に発見した運命のダイヤル(アルキメデスが発明したダイヤル/アンティキティラ)に興味を持っている」と言った。
インディは大学の倉庫で運命のダイヤルの半欠け(半分に割られたもの)を見せ、「バジルは危険だからこれを破壊しろ」と言っていたと伝える。
しかしヘレナは運命のダイヤルを持って逃げた。
さらにナチスの残党ユルゲン・フォラー博士(マッツ・ミケルセン)とその部下がやってきて、運命のダイヤルを手に入れようとインディたちに襲いかかる。
運命のダイヤルを巡ってインディ・ジョーンズ最後の大冒険が始まった…!
ネタバレなし感想・海外評価
正直、ハリソン・フォードは本作の撮影時70歳後半だし大丈夫か…?と不安しかなかったですが、最初から最後まで中だるみも全くなく楽しめました。
監督はスティーヴン・スピルバーグではなく、ジョージ・ルーカスも製作から降りていますが、インディ・ジョーンズのいいところがたくさん詰まった傑作だったと思います。オマージュもたくさんありました。
「スピルバーグの演出じゃないとインディ・ジョーンズじゃねえ!」という人以外は楽しめるでしょう。
少なくとも前作『クリスタル・スカルの王国』(2008)の数倍おもしろいです。
海外評価は批評家の評価が思ったより高くないですが、一般の視聴者は高評価を押しています。
過去作を見てない人は予習として『レイダース/失われたアーク(聖櫃)』(1981)は見ておいた方がいいと思いますが、過去作と内容の関連性はそんなにないので本作がインディシリーズ初鑑賞でもぜんぜん楽しめるでしょう。
おすすめ度 | 95% |
世界観 | 85% |
ストーリー | 86% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.0(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 66% 一般の視聴者 88% |
メタスコア(Metacritic) | 57(100点中) |
※以下、映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のストーリーネタバレありなので注意してください!
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』考察(ネタバレ)
ラストシーンの意味
ラストシーンではインディがマリオンとキスしたあとにベランダに干してあった帽子を取っていました。
帽子を取ったのは再び冒険へ出発する!という意味でしょう。
どこへ冒険へ行くのか? 2つの解釈があると思います。
1つはマリオンと一緒に『レイダース/失われたアーク(聖櫃)』の頃のように未開の土地へ冒険へ行く!というもの。
2つ目は、運命のダイヤルを使って息子・マットの入隊を止めるというものです。
本作でインディは「過去に戻れるなら息子の入隊を止める」と言ってましたしね。
過去を乗り越えて現在を生きる
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、インディが過去を乗り越えて現在を生きることを肯定した点が感慨深いです。
序盤のインディはマリオンや息子と過ごした過去に囚われていました。
さらに考古学者であるインディは古代ローマへタイムスリップし、そこから帰りたくないと願います。
ヘレナはインディを無理やり現代に連れ戻し、マリオンに再会させました。そして熱いキスを交わします。
いくら過去が愛しくても、幸せは現在にしかないという前向きかつ普遍的なメッセージが作品全体にありました。
オマージュなど
インディ・ジョーンズの過去作のオマージュはたくさんありましたが、1番感動したのがラストでマリオンがひじや頭を指さしながら「ここは痛くない」と言って、インディにその箇所にキスをさせるシーン。
1981年の『レイダース/失われたアーク』ではマリオンがインディにキスしていましたので、その逆バージョンですね。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ネタバレあらすじ解説
1944年:ナチスとの対決
インディ・ジョーンズは考古学者のバジルと一緒に、各国の古代遺産を持ち去ろうとするナチスから「ロンギヌスの矢」を奪い返そうとしていた。
しかしインディはナチスに捕まってしまう。
そのときナチスのアジトが空爆を受けた。インディは首を吊られそうになりながらも、なんとか逃げ出すことに成功。しかし今度はバジルが捕まって列車に乗せられてしまう。
インディはバジルを助けるためにバイクを走らせて列車に飛び乗った。そしてナチス格好をして兵士たちをあざむき、ロンギヌスの矢を発見。しかし矢は偽物だった。
インディは列車にいたユルゲン・フォラー博士を殴り、ウェーバー大佐を倒して運命のダイヤルを手に入れる。
銃を向けてきたユルゲン・フォラー博士が列車から落ちる。インディとバジルは暴走する列車から運河に飛び込んで、九死に一生を得た。
1969年(現代)
インディ・ジョーンズは最愛の妻・マリオンと離婚協議中だった。息子・マットは軍隊に入って戦死してしまったことが不仲の原因だった。
教授を引退したインディ・ジョーンズのもとにバジルの娘・ヘレナがやってきて運命のダイヤルを奪って逃げていった。ユルゲン・フォラーの部下やCIAもやってきて大混乱の追っかけあいになる。
インディはヘレナを追ってモロッコへ。ヘレナは運命のダイヤルを競売にかけていた。インディが乗り込むと同時に、生きていたユルゲン・フォラー博士もやってくる。
争奪戦のすえ、運命のダイヤルはユルゲンに奪われてしまった。
インディは「運命のダイヤルのもう片方を探す手がかりがエーゲ海にある」と言う。テディも連れて3人はエーゲ海へ到着し、インディの旧友でダイバーのレナルド(アントニオ・バンデラス)に船を出してもらった。
インディたちは呼吸用のホースをつけて深い海へ潜る。無数のウツボに襲われながらもダイヤルのもう片方のありかを示す石板を手に入れることに成功した。
しかし海上にあがると船はユルゲン・フォラー博士たちに占拠されていた。レナルドはユルゲンに撃たれて死亡。
ヘレナが古代文字の謎解きをしていると見せかけ、ダイナマイトに着火させ船上で爆発させる。インディたちは混乱に乗じてユルゲンたちの船で脱出した。
石板は蝋でできており、インディが酒をかけて燃やすと座標が浮かび上がった。イタリアのシチリア島の洞窟を指している。
インディたちはシチリア島へ到着した。しかし、ユルゲンたちがやってきてテディが拉致されてしまう。
インディとヘレナは先にダイヤルを見つけようと洞窟の中を進んでいった。クモやムカデ、たくさんの罠があった。
洞窟の奥の部屋につくと水の重さでエレベーターのように沈下し、アルキメデスの遺体が入った棺を発見する。棺(ひつぎ)には飛行機のようなものが描かれている。棺のフタを開けるとアルキメデスの死体は腕時計をはめていた。
アルキメデスの墓のまえユルゲン博士たちがやってきて銃を向けてきた。逃げ出したテディが場を混乱させるが、インディは肩を撃たれてしまう。
インディはヘレナとテディに「俺を置いて逃げろ!」と言う。インディはユルゲンに捕まり、運命のダイヤルも奪われてしまった。
ラスト結末:紀元前218年
ユルゲン博士は運命のダイヤルを2つ組み合わせ完全なものにする。ダイヤルは時空の歪みを指し示す装置で、行きたい年代を指定すればいつどこでワープホールが現れるか座標を出してくれるものだった。
ユルゲン博士の目的は1939年に戻ってヒトラー総統を暗殺し、ナチスが戦争で負けないようにすることだった。
ユルゲン博士はインディを乗せた飛行機で出発。ヘレナがバイクで離陸直前の車輪につかまって乗り込んだ。テディも小型機を運転してあとを追う。
ユルゲンの飛行機が向かう先に時空の裂け目が見える。インディは「アルキメデスは大陸大移動を計算に入れていないから思った通りの年代にはいけない!」と言うが、もう引き返せない。
飛行機は時空の裂け目を抜け、なんと紀元前218年のローマについた。アルキメデスたちの城をローマ兵が攻めている。
飛行機はローマ兵に狙われる。ユルゲンの部下が機関銃で応戦し、撃破していった。
飛行機は墜落してユルゲン博士たちは死亡。
インディとヘレナはパラシュートでなんとか助かった。
インディは古代ローマの戦争を目の当たりにして圧倒され、「ここに残りたい」と言う。
アルキメデス博士たちがやってきた。
アルキメデス博士は最初からこの年代に飛ぶようにダイヤルを設定していたようだ。(狙い通り未来からインディたちの飛行機がやってきて敵艦隊の一部は駆逐された。)
インディは「ここに残りたい」と言う。ヘレナがインディを殴って気絶させた。
インディが目を覚ますと自宅にいる。ヘレナやテディ、サラーそしてマリオンがいた。
インディはマリオンとキスをする。
インディ・ジョーンズはベランダに干していた帽子を取った。
映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』終わり。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ネタバレ感想・評価
良かった点
とにかくアクションの迫力と臨場感がものすごい!
過去作のような軽快さや笑いも随所に散りばめながら、冴えたアイデアのアクションシーンの連続に度肝を抜かれました。
バイクで列車に飛び乗るシーン、馬で地下鉄を走る場面、カーチェイスなどドキドキワクワク!
もはや遊園地のアトラクションに乗っているみたいな感覚です。
冒険の過程も、モロッコ、エーゲ海、シチリア島、古代ローマ帝国と舞台がテンポよく移り変わってほどよい緊張感が持続していました。
車上、列車、船、海中、洞窟、飛行機などなどシチュエーションも盛りだくさん!
そして本作の最大のポイントがフィービー・ウォーラー=ブリッジ演じるヘレナのキャラクターです。
いわゆる従来のハリソン・フォードに助けられるヒロインではなく、峰不二子みたいなちょい悪なんですよね。
しかも敵をぶん殴るはバイクはすっ飛ばすはアクションもすごい。美しい女性ではなく、インディの力強いパートナーとして輝いていました。
あとはテディも良かった!ちょうど『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)でキー・ホイ・クァンが演じたショートみたいなポジションでした。
男女のペアでなく少年も入れるアイデアは魔宮の伝説のオマージュかもしれません。
ダメだった点
本作でダメなところは思いつきませんが、強いていえばアントニオ・バンデラスの使い方が雑だったことでしょうか(笑)。
ダイバーとしてインディたちをサポートしたあと、マッツ・ミケルセンにあっさり射殺されました。カメオ出演みたいですね。
あとは、古代ローマ帝国から現代に帰るまでの過程がまるまるはしょられていたのもちょっと残念でした。すでに2時間半ですし、これ以上尺を伸ばせないという判断なのでしょうけど、本作のクオリティなら最後にみんなまたドタバタ劇を見せながら現代に帰るくだりが20分くらいあっても全然よかった気もします。まあ実際に見ないとわからないですが。
最後のまとめ
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、ハリソン・フォードのインディ引退にふさわしい完成度の高い傑作でした。
最終作をこんなすばらしいものにしてくれた制作陣と俳優さんたちに感謝しかありません。劇場で歴史的な瞬間を目撃できて本当に良かったです。
きっと数千年たったら『インディ・ジョーンズ』という映画が歴史的な価値を帯びるでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(Indiana Jones and the Dial of Destiny)レビュー終わり!
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