2023年8月30日に出版されたVIVANTの小説版の上巻を読んでみました。
上巻はエピソード5までの内容で、大まかにはドラマに沿った内容だったのですが、ドラマにない発言なども多々あったので、小説版で新たに判明した事実をもとに解説&考察していきます!
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VIVANT小説版:考察&解説
テントはテロ代行組織
このブログの第7話の考察で、ロシアの反政府組織がテントに金を払うはずの交渉だったことから、テントはテロ活動に協力をして資金を得ているのでは?と書きましたが、その通りでした。
小説上巻の最後のページにテントの収支報告のシーンがあり、「テロ代行で2億〇〇ドル…」というセリフがあります。ロシア、ハンガリー、モロッコでのテロ活動が8割のようです。
自分で考察しておいてテントが金のためにテロ活動をしていたことに少しビックリしています。
テントが大義を持っているのは確かでしょうけど、罪なき市民を傷つけることもかえりみない非道なテロ組織だと確定したからです。
テントの目的は独裁政権の打倒
テントがロシア、ハンガリー、モロッコでテロ活動を行うことに重要な意味があると思います。
ロシアはプーチンの独裁政権状態で、ウクライナ侵攻を引き起こしました。
ハンガリーではヴィクトル・オルバン首相がウクライナ侵攻でのロシア制裁に反対し(自国の経済維持のため)、独裁者と呼ばれることもあります。
モロッコの政府ロシアを名指しで批判しておらず、中立的な立場を取ろうとしています。石炭などの資源をロシアに依存しているからのようです。
さらにモロッコでは警察や政府の汚職問題に対して反政府運動「モロッコ騒乱」が2011〜2012年に起こっています。
テントはこれらの国の反政府組織のテロ代行をしているわけです。
大義があるとすれば、各国の独裁政権の打倒と考えるのが自然でしょう。
テントの最終標的は日本とされています。ノゴーン・ベキを裏切った公安への怨みを晴らすだけでなく、権力の集中や独裁政治を排除することが最終目的なのでは?
つまり乃木卓=ノゴーン・ベキは愛国心がすごすぎてテロリストになってしまったわけです。
VIVANTのドラマ内ではバルカ政府も警察がやりたい放題など独裁政権的に描かれています。
テントはバルカ政府の転覆も目論んでいるのでしょう!
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乃木卓の40年前のミッション
乃木卓は40年前のバルカの地で農業使節団に扮し、あるミッションを行なっていたと語られています。
VIVANT第7話の公安・佐野部長の発言では、「乃木卓の任務はバルカの内乱を防ぐこと」と言われていました。
ただ小説では、「内乱によって秘密裏のミッションが強制終了」と書かれています。
もし内乱を防ぐことがミッションであれば、「強制終了」ではなく「失敗」と表現されるはずです。
また、内乱の際に乃木卓は現地のエージェントに救助要請をしていますが、情報が漏れて敵の軍用車両に追われます。
このときにヘリが飛んで来て救助に間に合うタイミングでしたが、なぜか急旋回して去って行きました。
一連の描写から↓
- 乃木卓の周囲に裏切り者がいた
- ヘリが急に救助をやめたことから上層部に見捨てられた
この2つの事実が浮かびます。
公安上層部に見捨てられたのは6話や7話で予想がついていましたが、加えて乃木卓がバルカで身近な人物に裏切られたこともほぼ確定です。
40年前の内乱と裏切りで乃木卓は根本から変貌し、テロ組織・テントのリーダーになった的な描写もあります。
やはりダース・ベイダーみたいなキャラクターですね。
役所広司が演じているので良識人にも見えますが、ベキは思っていたより凶悪な人物の可能性も十分ありますね。
武装勢力に狙われたことから、敵対関係にあり各地の武装勢力をつぶそうとしていたと考えられます。
「内乱を止める」という受け身のミッションではなく、「バルカを平和にするために、敵対勢力を積極的につぶす!」と動いていたのかも。
また武装勢力をつぶそうとしていたからといって、バルカ政府側だったとは限りません。
日本の国益のために、バルカの独裁政権の転覆を目論んでいた可能性もあるでしょう。
(他国の政権転覆は、現実世界でもアメリカとかロシアとかよくやってますよね。)
ベキは各国の反政府運動と連動しながら、「どんな悪事を働いても国民のための国家・市民のための世界を作る!」と考えていそうです。
ジャミーンはしゃべれる
ザイールの自爆テロのあとで薫が病院でジャミーンを見つけたとき、小説ではジャミーンが「パパ…」と言っている描写があるんですよね。(運び込まれたアディエルを助けてほしいという意味)
ドラマのそのシーンではジャミーンはしゃべっていません。
あれ?ジャミーンは簡単な言葉ならしゃべれるんでしたっけ?
アディエルとジャミーン、テントじゃない?
乃木がアマン建設に入っていくのをアディエルとジャミーンが見つめています。
小説では遠くから建物を見つめるジャミーンが外に出てきたアマン建設の社員・キクを見て指差し、表情を変え、アディエルも眉間にシワをよせたという描写があります。
普通なら仲間や知り合いを見て眉間にシワをよせないですよね。
ジャミーンの母はテントのテロで死亡した。だからアディエルとジャミーンはテントの関係者であるアマン建設を恨んでいる。これが自然な気がします。
アディエルとジャミーンはテントではない可能性もあります。
もしかするとジャミーンの母の命を奪ったテロの実行犯はキクかもしれません。
ただそれだと、ノゴーン・ベキとノコルがアディエルの死を悲しむシーンや、ジャミーンの面倒を見る!と言った会話の説明がつきません。
テントという組織が2つに割れている、もしくはアディエルとジャミーンはテントに所属しているが、テロ活動に疑問を持っていて抜けたいと考えている…とすれば説明ができます。
ちなみにジャミーンとアディエルは仏教徒のようです。
怪しすぎるドラムの行動!二重スパイか?
ドラムが裏切るのではないか?みたいな考察がたくさんありますが、小説では病院にやってきた野崎が「ドラムを俺の家に住ませる」と言ったときに、ドラムが「訝(いぶか)しげな表情をした」と書いてあります。
ドラマを見返してみると、確かにドラムは野崎に住む場所を探すと言われたときに目をそらして気まずそうな表情をしてるんですよね。
ドラムは公安のエージェンというだけでなく、別の組織につながっている可能性は十分あります。
やっぱりドラムはテントのメンバーなのか?
個人的には、ドラムは太田梨歩と同じように別班に“買われた”可能性があると思っています。
もしくは乃木に個人的に協力を依頼されたパターンもあるでしょう。
薫は赤飯で泣いていた
ドラマ第2話で薫が野崎の作ったお赤飯を食べるシーンで顔が不自然だという考察がネットでありましたが、小説ではおいしすぎて少し泣いている描写でした。
薫はやはりバルカでなく日本で生まれ育ったのかもしれません。シンプルに愛の人で終わる可能性もあるでしょう。
山本を殺したのはF
小説だと行動しているのがFなのか憂助なのかしっかり書いてあり、山本に「この鬼畜やろう!」と暴言を吐いて殺したのはFの方の人格だったとわかります。
アリを監禁して家族を殺したフリをしてテントの情報を吐かせたのもFです。
そう考えると汚れ仕事をやるのがFの役割なんですね。
ちなみに丸菱商事で乃木の疑惑が晴れたあと、Fが河合を怒鳴りつけましたが、これは別班の任務で自由に海外出張に行けるようにするため!という理由のようです。
あとは砂漠でFが「俺たちには大きな目的がある!」と言っていましたが、この目的とは父親を探すことだと小説に書いてあります。
(↓『VIVANTヴィヴァン』過去回の解説記事はこちら↓)
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