Netflix日本ドラマ『THE DAYS』(ザデイズ) 全8話です。2011年3月11日から数日内で起こった福島第一原発事故をリアリティたっぷりに描く問題提起の作品!
門田隆将のノンフィクション小説が原案の、史実をもとにしたドラマです。
作品情報・キャスト紹介
あらすじ
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
全8話ネタバレあらすじ・最終回ラスト結末解説
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
- 1 Netflix『THE DAYS』作品情報・予告
- 2 『THE DAYS ザデイズ』Netflix あらすじ
- 3 『THE DAYS』キャスト
- 4 ネタバレなし感想・海外評価
- 5 Netflix『THE DAYS ザデイズ』ネタバレ感想・評価
- 6 1話「福島第一原発は水没しました」ネタバレ
- 7 2話「避難の必要はありません」ネタバレ
- 8 3話「放出する放射性物質は少量です」ネタバレ
- 9 4話「福島を見捨てることになる」ネタバレ
- 10 5話「うちの会社は狂ってる」ネタバレ
- 11 6話「俺は生きて帰るわけにはいかなくなった」ネタバレ
- 12 7話「撤退基準を決めてください」ネタバレ
- 13 『THE DAYS』最終回8話「日本崩壊のシナリオ」ネタバレ
- 14 最後のまとめ
Netflix『THE DAYS』作品情報・予告
制作国:日本
話数:全8話
ジャンル:社会派ヒューマンドラマ・災害
年齢制限:16+(16歳以上推奨)
監督・演出:西浦正記/中田秀夫
脚本・企画:増本淳(『白い巨塔』『Dr.コトー診療所2006』)
原作:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」
制作:ワーナー・ブラザース映画、Netflix(ネットフリックス)
監督の西浦正記さんは『神様もう少しだけ』や『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命』『リッチマン、プアウーマン』などフジテレビのドラマの演出を多数手掛けている人物。
タッグを組む中田秀夫監督はホラー映画『リング』や,『嘘喰い』『それがいる森』などで有名な巨匠です。
事実に基づく物語
門田隆将さんのノンフィクション小説『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』がもとになっており、予告編にもハッキリと「事実と基づく物語」と書いてあります。
フィクションではなく、ノンフィクションを脚色した作品という位置づけです。
日本に癒えない傷を残した3.11。地震や津波の死者・被害者・遺族・被爆した東電社員が現実にいたなかで、本作をどう描くのかが問われますね。
佐藤浩市・渡辺謙主演の映画『Fukushima 50』(2020)も、同じく『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』をもとにした作品です。
『THE DAYS ザデイズ』Netflix あらすじ
2011年3月11日。東日本大震災が発生し、東電・福島第一原発のスタッフはパニックになる。
所長・吉田(役所広司)は職員たちに避難指示を出し、1号機と2号機の当直長・前島(竹野内豊)に状況を確認させた。
原発は無事に運転停止したかと思われた。
しかし押し寄せた津波が施設の電源設備を破壊。原子炉を冷却することができないどころか、状況さえつかめない。
吉田は前島と連絡を取りながら決死の決断を下すが…。
いっぽう、内閣総理大臣・東(小日向文世)は福島第一原発からの情報が乏しいことにフラストレーションをつのさせていた。
『THE DAYS』キャスト
役所広司
東電(東央電力)所長・吉田昌郎役。吉田昌郎さんは実際に福島第一原発の事故の際に所長を勤め、事態の収束を指揮した実在の人物です。
『タンポポ』『Shall we ダンス?』『うなぎ』『孤狼の血』など多数の傑作に出演している役所広司さん。2023年は宮沢賢治の父を演じた『銀河鉄道の父』の演技も印象的でした。
2023年にはヴィム・ヴェンダース監督の映画『Perfect days パーフェクトデイズ』で主演をつとめ、日本史上2人目のカンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しています。
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竹野内豊
東央電力、1号機と2号機の当直長・前島役。
竹野内豊さんは最近は『シン・ウルトラマン』や『シン・仮面ライダー』など庵野秀明監督のシンシリーズでも活躍していましたね。2023年には主演の『唄う六人の女』も公開されました。
映画『シン・仮面ライダー』庵野秀明シン・ユニバースの第4弾です!仮面ライダー1号と緑川ルリ子がショッカーのたくらみを防ぐために葛藤!おなじみの怪人たちとバトルを繰り広げます。 シネマグ 目ん玉が飛び出る超一級品のアクション映[…]
その他キャスト
役名 | キャスト(出演作) |
内閣総理大臣・東 |
小日向文世(映画『湯道』『マスカレードナイト』) |
大杉(原発の運転員) | 六平直政 |
古谷(1号機のベテラン運転員) | 小林薫 |
桐原光希(行方不明の原発の運転員) | 鈴鹿央士(『ロストケア』『君に届け』) |
桐原光希の父 | 遠藤憲一(Amazonドラマ『エンジェルフライト』『竜の道 二つの顔の復讐者』) |
桐原温子(桐原光希の母) | 石田ゆり子 |
村上(東電の副社長) | 光石研 |
新木(関連の原子力警備会社の社員) | でんでん |
原子炉保安委員会・脇谷 | 吹越満 |
原子力安全委員・委員長・峯岸 | 酒向芳 |
ネタバレなし感想・海外評価
3.11東日本大震災による福島第一原発の爆破事故の裏側にいた東電スタッフと政府の対策本部、そして東電職員の遺族の3つの視点からストーリーが展開されていきます。
エンタメ度やドラマとしての面白さ以上に、問題提起が伝わってくるつくり。
作業工程には専門用語もバンバン出てきます。(脚色の部分はあるにしろ)当時何が起こっていたか知りたい人にはぴったりです。
原発の危険さを後世に伝える意義がありますし、決死の任務に挑む作業員たちの重厚な人間ドラマを堪能できます。
いっぽうでシンプルに楽しいドラマが見たい人には不向きかもしれません。
海外レビューサイトでも評価は悪くないですが、「スローペースすぎる…。」というコメントもありました。
おすすめ度 | 70% |
リアリティ | 75% |
問題提起 | 90% |
IMDb(海外レビューサイト) | 8.5(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 50% 一般の視聴者 80% |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
※以下、Netflix『THE DAYS』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『THE DAYS ザデイズ』ネタバレ感想・評価
良かった点
本作には福島原発事故の経緯を後世に伝えるコンセプトがまずあるので通常のドラマとして評価してよいのかむつかしい作品ですね。
いっぽうで、ドラマとしてのクオリティは最高とまでは言えない印象です。
制御室の職員が被ばく覚悟で原子炉のバルブを開けにいくシーンや、水素爆発からの避難のシーン以外は状況が淡々と伝えられ、ドラマティックな演出は控えめでした。(普通のドラマではなく、史実を伝えるコンセプトが最優先されているからでしょう。)
まず良い点から。役所広司さんや小日向文世さんはじめ、渋いキャストによる演技は圧巻です。特に役所広司さんは、信念も判断力もあるけど上層部とのいたばさみで感情を抑えているのが本当に東電の職員に見えてリアルです。
小日向文世さんも総理大臣の使えない具合がほんとに絶妙でした。ダメダメな総理を演じてリアリティを台無しにしているのではなく、なんとか自体を収束させようと気持ちだけが空回りしている感じが絶妙なんですよ。
本作は後世に語り継がれなければならない、3.11で福島第一原発で何が起こったか?何かを間違えたのか?それともどうしようもない運命だったのか?をテーマに、危機的な状況が羅列されていく構成です。
私自身は東日本大震災と福島第一原発のメルトダウンのときは学生で、何が起こったのか詳細に勉強をせずにTVのニュースを淡々と見ていただけでした。
その裏で東電のスタッフや周辺の人々が命をかけてどう行動していたかを本ドラマを通じて学ぶことができました。
確実に被ばくする状況で任務に挑む作業員たちに敬意をひょうさずにはいられません。被ばくしたらどうなるかのグロテスクな描写もあり、深刻さが伝わってきました。
単なる英雄譚や美談ではなく、東電や政府の体制の何が問題だったのかもしっかり描かれていて、今後日本で大規模な災害が起こった場合に備えてどんな課題をクリアしていればいいのか、システムの問題点は何か?などなど社会的な問題提起力が高い作品でした。
気になる点・微妙な点
コンセプトによるのでダメかどうかは判断できないですが、状況を淡々と描いているため、前半はドラマとしての“おもしろさ”や“見応え”にやや欠けていたと感じました。
特に1話・2話では、2時間ほどかけて状況説明がほとんど。登場人物同士の絡みも浅く、序盤で離脱する人が多そうです。(特に海外の方で何気なく見てみた方は、人間ドラマが進まないので離脱してしまいそうな気がします)
群像劇というより、何十名もいる職員の危機的状況がつなぎあわされていく構成です。
後半にかけて人間ドラマが色濃くなっていくのに前半のフックが少し弱いのがもったいない!
ただ後半も非常にドラマティックかというと、史実を描いていることもあって通常のドラマほど物語のアップダウンはありません。
役所広司さん演じる主人公・吉田や、竹野内豊さん演じる中央制御室の前島に感情移入させるつくりではないため、カタルシスもあまりないです。
職員の遺族役の遠藤憲一さんや石田ゆり子さんにスポットが当たる機会がおどろくほど少ないのも、やはり普通のドラマ的ではないですね。
また見る人によると思いますが、地震や津波の描写については悪くはないものの、映像としてすごい臨場感があるわけでもない印象を受けてしまいました。
地震については映像自体を揺らすことでなんとかしていたシーンが目立ちました。
津波については、ガラスの扉が水で砕ける場面は迫力がすごいのですが、CGっぽさが少し強い箇所がありました。
CGのクオリティは悪いとまではいかないものの、Netflixで海外ドラマを見続けているせいか世界トップのクオリティには追いついていない印象です。
(予算やロケ地の問題もあるので仕方ない面もあると思います。)
原発の恐怖はすごかったですが、3.11の規模や状況がすごく生々しく描かれているというと、やや臨場感に欠けるイメージを受けました。
1話「福島第一原発は水没しました」ネタバレ
2011年3月11日の午後。東日本で震度7以上の大規模な地震が発生。
吉田は地震に驚きながらも、原発周辺の被害状況を確認していく。そして対策本部をつくり、本部長となって指示を出した。
原発コントロール室の前島は、原子炉が無事に自動停止したことに一安心。前島は桐原と高比良に地下をチェックするよう命じた。
ある職員が海を眺めると高さ10m弱の巨大な津波が押し寄せてきている。職員たちは青ざめた。
海抜が低い設備で作業していた戸田と轟は、密室に閉じ込められて津波に襲われる。しかし幸いにも溺れる前に波は引いた。
福島第一原発の電源設備が津波にのまれて、すべてのシステムが稼働しなくなってしまった。
その結果、原子炉の状態をモニタリングすることもできない。原子炉が冷却されていない恐れもあった。
地下のある場所では桐原の死体が浮かんでいた。
エピソード1の感想
吉田や前島など登場人物が地震や津波の状況下で変にパニックにならないのが逆にリアルでした。実際の事故でも、東電スタッフはみな状況を把握しながらも実感はないという精神状態だったのかもしれませんね。
原発のモニター室で竹野内豊さんが専門用語で指示をしまくるのですが、その辺のディティールも徹底していて見応えがありました。
2話「避難の必要はありません」ネタバレ
内閣総理大臣の東は原子炉保安委員会の脇谷が文系だと知り、彼がまともな情報を持っていないことに怒りをあらわにした。
原発の冷却装置が稼働しておらず、原子炉を水で冷却する必要があった。前島は古谷や大杉を建物内へ行かせてバルブを開けてもらい、注水ラインを確保する。
しかし、地震で道路も破壊されているため、自衛隊の消防車がなかなか来ない。
東は電源車を緊急で手配させた。しかし津波で原発施設の配電盤がほとんど壊れており、降圧して冷却装置を稼働させることができない。
燃料棒が融解する刻限を過ぎてしまった。
エピソード2の感想
ついに最悪の事態がスタート。線量が高い場所で被ばくしながら作業するシーンが見ていてつらいです。すぐに症状は出なくても、命と引き換えですからね…。
今のところは仮に総理大臣の指揮能力が高かったとしてもどうにかできる状態ではなかった気もします。
また全体的に青みがかったトーンが多用されていますが、シリアスな雰囲気を出すためとはいえちょっとやりすぎな気もしました。
3話「放出する放射性物質は少量です」ネタバレ
電源車が2号機までいけず、ケーブルを200メートル引っ張る作戦を実行するが、水没箇所が多く危険なため中断させた。
前島は地震直後にIC(冷却設備)を開け閉めして温度を調節したため、停電後に機能しているかわからないと吉田に伝えた。
吉田は原子炉の圧力を下げるため、建屋内に入り手動でMO弁とAO弁を開くベント作戦(弁を開いて格納容器内の圧力を下げる)を考案。
中央制御室の前島に、「放射線量の高い建屋内に入って作業するメンバーを選出しろ」と苦悶の表情で命じた。
前島は葛藤しながらもベテランの古谷や大杉たちを突入メンバーに選んだ。被ばくは避けられない。
官邸は「福島第一原発から蒸気が放出されるが含まれる放射性物質は微量だ」と発表。
東首相は何を考えたか「福島に来る」と言う。吉田は「総理の対応をしている暇はない!」とゴミ箱に怒りをぶつけた。
エピソード3の感想
役所広司が竹野内豊に突入を命じるシーンには重みがありましたし、中央制御室の突入メンバーを選ぶシーンはこういう言い方をしていいかわかりませんが感動的でした。
ベテラン作業員が「若い奴には行かせねえ」と言って自分たちで行こうとするのがとても切なかったです。
東電の古い体質が原発事故の対応を遅らせた可能性はありますが、働いている末端の技術者に罪はないと思いました。
そして今作のテーマのひとつである「何をまちがったのか?」については、前島が地震のすぐあとでIC(冷却設備)を開閉してしまったせいで停電で稼働しなくなったことが挙げられていました。
専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、その後に津波で停電することが考慮できていれば別の判断をくだせたかもしれませんね。
4話「福島を見捨てることになる」ネタバレ
原発の圧力を解放するための弁を開ける第一班として古谷と大杉が突入し、無事にMO弁を開いて戻ってきた。報告を聞いた吉田所長は2人に礼を言う。
しかし、残りの弁の位置は放射線量が高すぎて第二班が入れずに戻ってきた。
対策本部の木下とサトシが中央制御室へ移動し、第三班として突入する。しかし建物から白い煙が発見され、危険だと感じた前島が必死に走って追いかけ、2人を止めた。
エピソード4の感想
1998年に茨城県のウラン濃縮工場で被ばくした人物の映像が差し込まれるのですが、肉が溶けてかなりグロテスクで、放射能の恐ろしさがヒシヒシと伝わってきました。まさに人間が近づけない死の物質ですね。
弁を開けるために建屋内に入った中央制御室のメンバーたちも当然その知識があるわけで、最悪な状態での死が脳裏によぎるなかで任務にあたる姿に胸が熱くなります。
5話「うちの会社は狂ってる」ネタバレ
コンプレッサーを接続してAO弁を開閉する作戦が決行された。白い煙は作戦が成功されて放出されたものらしい。
そんな中で大きな揺れがあった。原子炉で水素爆発が起こってしまったようだ。まだ致命的ではないが、原子炉が崩壊して放射能が漏れ出す格納容器が破損してしまう最終段階も近いかもしれない。
吉田は自衛隊の速水に海水の水を原子炉に注入する作戦を依頼した。しかし官邸や東電の上司から「海水が危険でないと言い切れない」と中止の指示が飛ぶ。
吉田は中止の指示を無視して海水を入れさせた。
エピソード5の感想
注水を中止したと思ったら演技だった展開がおもしろかったです。総理大臣が怒りっぽくて上層部の判断が硬直していることが露呈してきましたね。
どんな仕事でも完璧さと納期のバランスを取るのはむつかしいと思いますが、官邸と東電でもその“ズレ”が起こっています。
原発事故の場合は、総理やその周囲の人物が迅速さを優先する判断をくだせなかったことが大きな問題だとわかりました。
6話「俺は生きて帰るわけにはいかなくなった」ネタバレ
2号機に海水を注入するが、内部の圧力が高すぎて水が入っていかない。
前島は考え抜いたすえに、車のバッテリーでマシンの一部を起動させ、SR弁を開く作戦を成功させた。2号機の圧力は下がる。
原発の圧力が高まり、吉田は建屋周辺の作業員を一旦退避させたいと上層部に伝えるが、却下される。
今度は3号機で水素爆発が起き、40名が行方不明の状況になった。
4号機の温度も上昇している。2号機も5時間後には燃料棒が露出して溶け出す計算だ。
エピソード6の感想
古谷と大杉が踏んだ黒いグチャッとしたものは汚染物質ですかね…。怖すぎです。
必死の作業もむなしく、暴走しそうな原子炉。だけど見捨てたら福島周辺地域に人が住めなくなるという究極の二択が突きつけられていて見応えがありました。
7話「撤退基準を決めてください」ネタバレ
速水たち自衛官は水素爆発の付近から必死の思いで逃げ帰ってきた。
2ちゃんねるでは「津波直後に行方不明になった東電職員・桐原たちが冷却装置を誤作動させて逃げた。人災だ!」という噂が広まっていた。
そんな中、4号機の地下で桐原たちの死体が発見される。
東電の副社長・村上はの最後の指示としてドライウェルベントを命じた。
吉田は4号機の地下から水を組んで注水する作戦を速水に依頼。
吉田は副社長・村上に「スタッフの撤退基準を決めてくれ」と言った。
総理大臣の東は福島に統合本部を設置し、「撤退は許さない」と叫んだ。
吉田は最小限以外のスタッフを退避させる決定をする。
残った吉田や前島ら50人は家族に「最後になるかもしれない」とメッセージを送った。
エピソード7感想
石田ゆり子演じる桐原の母・温子が、息子が原発の設備を制御できなくて逃げたと聞いて、「逃げていてくれたらいい」と言ったシーンが泣けました。
東総理大臣がかなりでしゃばってきましたね。「撤退は許さない」や「撤退したら東電は100%潰れる」などは実際に当時の菅直人元総理が言った内容です。
現場からすれば、事情を知らないけど日本で一番偉い人が現場に来ることほど迷惑なことはありません。いちいち決定が遅れてしまいますからね。
『THE DAYS』最終回8話「日本崩壊のシナリオ」ネタバレ
東総理は学者を呼ぶ。そして「福島第一原発の原子炉のどれか一つでも暴走したらすべての基が制御不能になり、福島の250km圏内、東京や千葉にも人は住めなくなる」と聞いて青ざめた。そして「日本崩壊だ」と口にする。
自衛隊がヘリで原子炉の上から水をかける。
原子力警備サービスの新木がやってきて、消防車での海水汲み取り方法を指示し、注水を行った。
建設会社から提供されたコンクリ用の機械が注水に役立った。
さまざまな要因が重なり福島第一原発はどうにか原子炉暴走の最悪の事態を免れる。
その後も吉田は原発で解体作業を指揮し続けた。
遺族が桐原の死体を迎えにきて涙を流す。
やがて電力が復旧。作業員たちはみんな血尿が出ても数カ月頑張った。アメリカの支援も手厚かった。
吉田は諮問委員会に呼ばれ、原発事故についてまとめた吉田調書を残した。そして2年後の2013年に癌で死亡。原発事故との関連は定かでない。
燃料デブリなど問題は山積みで、2023年現在も福島第一原発の解体作業は続いている。
最終回の感想
吉田昌郎さんは実際に2013年に亡くなっています。吉田調書も実際にあるので少し勉強してみようと思いました。
ドラマも史実通り最悪の事態はまぬがれましたが、最終回では暴走した原子力発電所の問題点が突きつけられましたね。
ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、皮肉にも2023年の日本では原発が稼働していない地域での電力が値上がりしています。
でもこのドラマをみた後だと、制御できないなら原発の廃炉も致し方なしって感じがします。
エネルギーと安全の問題なので正解があるかは分かりませんが、人類史において福島のような事態は避けなければなりません。
最後のまとめ
Netflixオリジナルドラマ『THE DAYS』(ザデイズ)は福島第一原発の事故を発生過程から丁寧に描いた意義深い作品でした。
いっぽうでドラマと再現ドキュメンタリーの中間のようなつくりなので、本作に何を求めるかによっては物語のアップダウンやドラマ性に乏しいという意見も出てきてしまいそうです。
いずれにせよ、東日本大震災直後の原発事故をリアルに描き、何が起こっていたのか映像化して世界中に問題提起する意味はありました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『THE DAYS』レビュー終わり!
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