DCコミックス映画『スーサイド・スクワッド』はオーディエンスの期待に応えられたのか!?
イヤ!できなかった!
設定や、テーマがブレッブレ!ジョーカー(JOKER)はダメダメ!
一方で ハーレイ・クインのキャラクタービジュアルは素晴らしい!
という、ちぐはぐな映画になってしまっていた!
DCコミックスのお偉いさんや、配給元のワーナーと、製作スタッフの連携が上手くとれていないのだろう。
とにかく、 ハーレイ・クインのプロモーションビデオのような出来映えだった。
この記事ではスーサイド・スクワッドの意味不明だった点を徹底解説・考察していく。
ちなみにスーサイド・スクワッド(Suicide Squad)は「自殺部隊」という意味。犯罪者であるヴィランたちに決死の任務を与えることから、この名前がつけられた。
映画『スーサイド・スクワッド』ネタバレ考察/ジョーカーがひどい
スーサイド・スクワッドは、俳優 ジャレッド・レトのジョーカーが実にイケていなかった。
カッコいいか?いや全然カッコよくない…(好きな人はすいません)。
2021年8月公開予定の『ザ・スーサイド・スクワッド2』にも ジャレッド・レトのジョーカーはきっと出演しないだろう。
なぜかっこ悪いのだろうか?個人的な見解を述べてみる。
ジョーカーが人を銃ですぐ殺す演出が小物
今までジョーカーの実写版で評価されているのは、ジャック・ニコルソンと、ヒース・レジャーだった。
ジャック・ニコルソンのジョーカーは、毒ガスや高圧電流など“異常”な殺し方で サイコパス性をみせる。
一方で、ヒース・レジャーのジョーカーの方は、自分で直接手を下すことはほどんどなかった。しかし、そこに異様な貫禄が生まれていた。
歴代実写ジョーカー役・俳優6人の役作りを徹底解説!ホアキン逮捕?ヒースレジャー死亡原因,ジャックニコルソン – CineMag☆映画や海外ドラマを斬る!
ジャック・ニコルソンは「楽しくない殺しはしません」。
ヒース・レジャーは「自分でやるより人を使った方が、大物感が出る」。
両人とも、殺しに対してポリシーや美学のようなものが、画面越しにしっかりと伝わってきたのだ。
しかし、『スーサイド・スクワッド』の ジャレッド・レトのジョーカーの殺し方は、すぐにキレて銃で人を撃つというもの・・・
マフィア映画『グッド・フェローズ』のジョー・ぺシの真似か?
すぐにキレて人を殺す映画の登場人物って、なんだか既視感がすごくて、ジョーカーというキャラクターがやると、逆に小物感が半端なく出てしまう。
そしてレトのジョーカーは、中盤で ハーレイ・クインを救った直後、ヘリコプターで墜落して死亡したと見せかけて、映画『スーサイド・スクワッド』から途中退場させられてしまった。
実はジョーカーは死亡しておらずピンピン生きていて、映画のラストで ハーレイ・クインを迎えにくる。
スーサイド・スクワッドの ジャレッド・レトジョーカーは、華々しく死んだ方が酷評されなかったのでは?と思ってしまった。
とにかく、スーサイド・スクワッドのジョーカーには殺しに関する美学がない!
というのが、本作の ジャレッド・レトのジョーカーに対しての僕の意見である。
ちなみにジャレッド・レトはマーベルの吸血鬼ヴィラン・モービウスを演じ、こちらはハマり役だった。
ジョーカーの顔や表情が薄すぎる
スーサイド・スクワッドの ジャレッド・レトのジョーカーは、キレイに白塗りされているので、顔の表情が薄くなってしまっている。シワなどもまったく見えないのだ。
喜び、恐怖、狂気といった感情が伝わってこないといえば分かりやすいだろうか。のっぺりした宇宙人みたいな白い人間からは、脅しの凄みが伝わりにくい。
自分で粗っぽく化粧を施したヒース・レジャーのジョーカーとは真逆といってよいアプローチだろう。
俳優 ジャレッド・レトがネズミや豚の死体をプレゼント
ジョーカー俳優の ジャレッド・レトは、映画『スーサイド・スクワッド』の撮影にあたって、ジョーカーになりきるために異常な行動に出ている。
共演者の マーゴット・ロビーにラブレターと生きたネズミをプレゼントしたり、ほかの共演者にも豚の死体や アダルトグッズを送りつけたりしたという。
狂気をプライベートから演じてジョーカーに成り切るという役作り(デ・ニーロアプローチ)はわかるのだが、ちょっと”イタ”くないか?
これには ハーレイ・クインを演じた マーゴット・ロビーもドン引きだったろう。
スーサイドでジョーカーのシーンはカットされ過ぎた
役作りにのめり込み過ぎた結果 ジャレッド・レトの変にシリアスなジョーカー。
そもそも、ヴィランがお祭り騒ぎをするという、スーサイド・スクワッドのコンセプトにそぐわないものとなり、撮影したシーンが大幅にカットされたのだという(それだけで映画ができるほど)。
もしかするとカットされたシーンの中には、俳優 ジャレッド・レトなりのジョーカー美学や狂気が詰め込まれていたかもしれないが、日の目を見ることはなかった(カワイソウ)。
役や演技には、芸術的な側面もある。
芸術では気合いの入れすぎはかえって逆効果になる場合もある。
意識過剰なアプローチは、失敗する場合もあるのだ。
映画『スーサイド・スクワッド』で ジャレッド・レトが演じたジョーカーは、その典型例になってしまったといってよいだろう。
映画『スーサイド・スクワッド』ネタバレ酷評!
スーサイド・スクワッドはスーパー・ヴィランが暴れるエンタメ映画なので、設定のアラを探すのは、少々野暮だとは思う(しかも、脚本が6週間で書かれるなどの超タイトスケジュール)。
これは目立っておかしかったなあ・・・というものを紹介しておく。
スマホを許される ハーレイ・クイン
スーサイド・スクワッドに参加している ハーレイ・クイン( マーゴット・ロビー)が、普通に スマホでジョーカーとやり取りしている。
国家機密の任務で集められているのに、 スマホをビッチに与えるなよと思った。
ハーレイ・クインのお着替えシーンと画像
こちらはファンサービスとなった ハーレイ・クインのお着替えシーン。 ハーレイ・クインの色気については、スーサイドスクワッドの見どころの1つだと思う。
しかし、やはり ハーレイ・クインのビジュアルは素晴らしいと思う。
女優の マーゴット・ロビーの容姿と演技が絶妙にマッチしている。
ハーレイ・クインのセクシーショット
映画の中では ハーレイ・クインのセクシーなショットがたくさんあったので、ファンの方は写真で楽しんで頂きたい。
ハーレイ・クインが主役となる次作『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』←記事もぜひ読んでくたさい。
マーゴット・ロビーは実写映画『バービー』(2023)で主演を務めて話題になりました。
ルールを教えるためだけに死ぬ スリップノット
スーサイド・スクワッドとして集められた面々の首に、本当にナノ爆弾が仕掛けられているのか!?
キャプテン・ブーメランが スリップノットをそそのかす。アホな スリップノットは隊から離れようとする。
そして、リック・フラッグがこれ見よがしにスイッチを押し、 スリップノットはあっけなく爆死。
そう、彼はみんなの首に爆弾がちゃんと埋まっていると教えるためだけに存在した。
ナノ爆弾を埋めるカットを数秒でも入れておけば済んだ話じゃん。 スリップノットというキャラはまったく必要なかった。
モブの敵が弱すぎ、リアリティ皆無
ラスボスとなるエンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)が人間たちを変形させて作り上げた黒いブツブツの怪物が、ヴィランたちからすると弱すぎる(殴ったりして頭を破壊すれば死ぬ)。
それが理由で戦闘シーンに緊張感がなくなり、まったくのめり込めない。
しかも、夜のシーンで顔まで黒いビジュアルだから画面がマジで見づらい。
頭がパリンと砕けるというのも、人形のような印象を受け、こんな安っぽいヤツらと戦う価値は、ゼロに等しいと思えてくる。
仮面ライダーのショッカーの戦闘員を見習って欲しい。モブキャラならではの愛嬌や魅力が詰まっているではないか!
モブだからと、悪い意味で本当にどうでもよい存在としてしまった。これはスーサイド・スクワッドという映画の大きな失敗だ。
ハーレイ・クインがビルに着地
ハーレイ・クインはいくら戦闘能力が高いとはいっても、元は普通の人間である。
結構な速度で飛んでいるヘリコプターからビルの屋上に落ちても、転がってすぐに態勢を立て直し、まったく無傷というのがちょっと違和感。
車から転がり落ちるのもかなりの衝撃なのだから、そこに落下が加わるとものすごい負荷がかかると思うのだが・・・
ハーレイ・クインが戻ってくる
ハーレイ・クインは、ジョーカーの手下のプログラミングによって、首に埋まっているナノ爆弾の爆発を解除されているので、ヘリが墜落したあとで、スーサイド・スクワッドへ戻るのは違和感がある。
ジョーカーがいなくなって寂しいから、みんなと一緒にいたい気分だったのか?
お互い会って間もないのに芽生えるデッド・ショットたちへの仲間意識が非常にチープにみえる。
殺されるのに飲みに行く
デッド・ショットは、自分たちが、アマンダ・ウォラー(政府の高官でスーサイド・スクワッドの発足人)が、エンチャントレスを逃してしまった尻拭いとして危険な任務をしていると聞き、酒を飲みに行くというシーンがあり、ヴィランたちはみんなそれに続く。
フラッグ大佐に爆破のスイッチを押されるかもしれないというのに!
みんな任務がアホらしくて、どうでもよくなるという流れはわかるが(フラッグ大佐すらどうでもよくなっているので)、もともとヴィランにとって、政府から与えられた任務をこなすこと自体が、メンツやプライドに関わる重要な問題ではなかったのか?
それに比べれば、どんな任務をするか?というのはとても些細な問題にみえるのだが・・・
映画『スーサイド・スクワッド』ネタバレ解説「ヴィランの概念と魅力の崩壊」
スーサイド・スクワットでは、ヴィランの概念や魅力が崩壊してしまったと思う。
世界を救うヴィランという超矛盾
デッド・ショットはいいとして、そのほかのヴィランたちも、みんな最後はエンチャントレスという悪を倒すために戦う。
自分たちを犠牲にして、人々を救う!それってヒーローじゃん!
もちろん、ヴィランがいいヤツになるという展開も、ナシではないけども、 DCコミックスの人気ヴィランがこのような変貌を遂げてしまうと、違和感が大きくて混乱してしまう。彼らの サイコパス性が崩壊し、それとともに、悪独特のカリスマ性も崩壊してしまうのだ。
ヴィランが強い目的ナシに、仲間意識を持つ矛盾
スーサイド・スクワッドは、ヴィランたちが、爆弾で殺されたくないというところからスタートしており、デッド・ショットは娘に会いたい、 ハーレイ・クインはジョーカーに会いたいなど、個々の事情はあれど、みんなで協力する理由は、基本的に”殺されたくない”以外ないはずである。
大きな目的はないのだ。それにも関わらず、みんなすぐに、仲間意識を持ち始める。
ヴィランが仲間意識を持つのが許されるのは、ヒーローを協力して倒そうとするとか、大きな悪事を働くとかそういう場合だけじゃないか?
彼らが戦いや、バーでの慰め合いで仲間意識を持ったというなら、自分より壊れていてかわいそうな人間に会ったことがないという、悪なりの深い共感をしっかり描くべきだし、単に悲しい話に共感したという程度なら、とても薄っぺらい。
サイコパス性皆無で普通の感覚を持った、おじさんお姉さんの集まりだったということになってしまう。
映画『スーサイド・スクワッド』の監督、デヴィッド・エアーはト レーニング・デイの脚本を書いた人で、ギャングが周りにわんさかいる環境で育ち、悪人の中にも 人間性があるということを描きたいタイプの監督である。
しかし、ヴィラン=普通の悪人と単純に結びつかないところで、目的意識や仲間意識の持たせ方に、致命的なツギハギ感が出てしまった。
最後に感想・酷評まとめ
スーパー・ヴィランたちが一堂に会する映画!スーサイド・スクワッド!と聞いて、ファンや観客は何を期待しただろうか?
- ブっとんだヴィランの魅力
- ヴィランに垣間見える意外な 人間性
主に、この二つのどちらかを求めて作品を観たと思うのだが、ブッとんだヴィランの魅力は、ほぼ描かれておらず、ヴィランの人間的な一面についても、非常にチープな印象で終わった。
ジョーカーも各方面から酷評されているし……。
つまり、みんなの願いを叶えることができない映画になってしまったわけだ。スーサイド・スクワッドにブーイングの嵐が起こるのは仕方ない。
まとめると、スーサイド・スクワッドは、 ハーレイ・クインのPV(プロモーション・ビデオ)
だったといえるだろう。
しかし、本作のおかげで ハーレイ・クインは人気爆発。最新作なんとは彼女の単独主演だ!
タイトルは映画『 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は酷評されているものの、個人的には面白かった!
DC映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/Birds of Prey』ネタバレ感想・考察・評価!楽曲紹介 – CineMag☆映画や海外ドラマを斬る!
映画『ザ・スーサイド・スクワッド2 極悪党、集結』が2021年8月に公開されたので観に行きましたがこちらはブラックジョーク満載で超面白かったです。 ハーレイ・クインは健在!ジョーカーは不在…。
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