韓国ドラマ『グリッド』(ディズニープラス独占配信・スターオリジナル)は 技術発明で世界を救った女性が数十年後に幽霊として現れ、1997年・2021年・2091年と3つの時代が交錯する奇抜な設定のSFサスペンス・スリラー。
謎の女性を追う捜査官をソ・ガンジュン、刑事をキム・アジュン、脚本をイ・スヨン(『秘密の森』)が務めています。シーズン1は全10話です。
見どころやキャスト、ぶっちゃけ感想・評価、最終回10話の感想、シーズン1全10話ネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
韓国ドラマ『グリッド』作品情報・あらすじ見どころ
原題:『그리드』 英題:『Grid』
監督:リ・ゴン(『鬼手』)/パク・チョルファン
脚本:イ・スヨン(『秘密の森』)
配信:Disney+ディズニープラス・スターオリジナル・毎週水曜日
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
あらすじ:地球を太陽風から救う防御システム“グリッド”を開発した女性が突然姿を消し、24年後に殺人事件の共犯者として現れます。管理局のキム・セハ(ソ・ガンジュン)や刑事のチョン・セビョク(キム・アジュン)が謎を追って見えてきた真実とは…。
むずかしい用語が出てくるわけではないのですが、設定の説明がなさすぎて後半になると意味がつかめなくなっていきます。考えながら見ないと楽しめないタイプです。
ちなみに本作のGrid(グリッド)は、地球を覆って太陽風から守る防御シールドのこと。もとは鉄格子や数値計算のマス目という意味。
おすすめ度 | 75% |
SF設定・世界観 | 87% |
ストーリー | 82% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.6(10点中) |
『グリッド』登場人物・キャスト
キム・セハ捜査官|ソ・ガンジュン
©︎ディズニープラス
セハは管理局の捜査官。過去に女幽霊と関わりを持っている。
ソ・ガンジュンの代表作:『キミはロボット』『ウォッチャー』
チョン・セビョク刑事|キム・アジュン
©︎ディズニープラス
セビョクは、殺人事件と幽霊を追う刑事。科学捜査隊所属。
キム・アジュンの代表作:映画『カンナさん大成功です』
女幽霊|イ・シヨン
©︎ディズニープラス+
24年前にグリッドを発明して世界を救って突然消え、幽霊と呼ばれる現在はシリアルキラーのキム・マノクの共犯者であり、捜査対象。
イ・シヨン代表作:『Sweet home 俺と世界の絶望』『花より男子 Boys Over Flowers』。
その他の登場キャラ・キャスト
キム・マノク(連続殺人鬼)|演 キム・ソンギュン(『D.P.-脱走兵追跡官-』『D.P.-脱走兵追跡官-シーズン2』『賢い医師生活』)
ソン ・オジン(管理局職員/セビョクの元夫)|演 キム・ムヨル
管理局副局長チェ・ソヌル|チャン・ソヨン(『愛の不時着』ミョンスン役、『気象庁の人々』)
チャ・ソヌ(元B1A4・BARO)
※以下、韓国ドラマ『グリッド』のストーリーネタバレありなので注意してください!
韓国ドラマ『グリッド』ネタバレ感想・評価
地球を太陽フレアから救う防御シールド・グリッドと、連続殺人犯・女性幽霊の謎という、設定のコントラストが特徴です。
時間軸についての話もあったので、SF設定もすごくて哲学性も高いクリストファー・ノーラン作品みたいな雰囲気を期待していました。
クオリティはともかく、難易度はノーラン作品並みに高いと思います(そもそもタイムトラベルなど設定の説明が少なすぎるのが原因ですが…)。
韓国ドラマにしてはテンポが少し悪く、5話くらいまで話がほとんど進みません。見どころや登場同士の会話も少なく、密度が薄い印象を受けてしました。
と思ったら、7話から主人公が1997年にタイムバック、そこでのタイムループ、現在と未来の改変が連続して起こり、展開詰め込みなわりに説明がないので想像で補完しながら見るしかなくなります。
韓国SFサスペンスドラマはぺ・ドゥナとコン・ユ共演のNetflix『静かなる海』が微妙な感じでしたけど、本作も微妙な感じです。
シーズン1最終回10話の結末と感想
シーズン1は第10話で終了しましたが、
- 幽霊女が1997年に清掃員を殺したのは、グリッドや未来の自分の誕生に必要なこと
- 幽霊女の父系はマノク、母系はセビョク
- グリッドは全ての時間軸から消滅し、太陽風で管理局爆発
- セハは死んだけど生きてる(謎)
- セビョクが娘を生きていたセハや何故か一緒にいる幽霊女のもとへ連れていく
- ユ・ジェミョン演じる謎の人物が登場
と、カオスな状態で謎はほとんど解決されないまま終了。
謎解きを視聴者にさせる方向性なのでしょうか?
それは別によいのですが、最低限である本作の基本SFルールの説明すらないため、想像の割合が非常に大きくなり、細かい部分については現時点では解釈不可能です。
タイムトラベルの原理やルールも謎、なぜ空間移動できるのかも一切が謎です。
またドラマ内のセリフで出てくる時間軸が、パラレルワールド(並行世界)をさすのか、年代を指すのかも説明がないので混乱します。
幽霊女は、爆発でオジンが吹っ飛んだあとに現在を改変しており、セハ、セビョク、オジンはなんとなく改変前の記憶を保持しているので、パラレルワールドは存在するのだと思いますが…。
ただシンプルに“書き換え”の可能性もあるでしょう。
大きな枠組みで言えば、1997年や2021年に人類存続が関わる出来事があるのは確かです。
加えて最終回では2021年にタイムトラベラーが複数人いたことが判明しました。
パラレルワールド間の争いか、敵対組織かはわかりませんが、それぞれがなるべく自分たちの都合の良い未来に作り替えようとしているのかもしれません。
「こういう考え方ができる!」など意見があればコメントお願いします。
韓国ドラマ『グリッド』1話〜5話ネタバレあらすじ解説
第1話
2004年太陽フレア(太陽で起こる爆発)による太陽風で人類存続が危ぶまれたとき、韓国のある女性が発明した“グリッド(太陽風防御膜)”のシステムによって地球は救われます。
2021年。管理局の捜査官キム・セハ(ソ・ガンジュン)は、偶然入ったコンビニでレジ男性の行動を不審に思い、警察に通報。事務室から店長の死体が見つかります。
刑事のチョン・セビョク(キム・アジュン)はセハから事情聴取。監視カメラの会話をセハが読唇術で解読したことに驚きました。犯人は店長に注意してハサミで刺殺したようです。
セビョクは犯人がキム・マノク(キム・ソンギュン)という男性だと調べ、彼が住んでいる廃歯医者を包囲します。
セビョクは建物の外に逃げたマノクに銃を向けますが共犯者の女性が邪魔をされ、逃げられました。
©︎ディズニープラス
その女性は目の前で消えていきます。
セビョクは女性が落とした帽子から髪の毛を発見。
一方、セハも管理局でその女性の正体を調べていました。
第1話 終わり。
第2話
セハが所属する管理局の副局長チェ・ソヌルは、殺人犯マノク逃走を手伝った犯人の似顔絵を見て自分たちが30年追っている人物だと確信。
セビョクは科捜研で共犯者の女性の髪の毛を調べてもらい、担当から「DNAがズレている(傷ついている)から放っておくとその女性は死ぬ」と聞きます。共犯者に触れられたセビョクの右腕には、傷ができていました。
©︎ディズニープラス
管理局は警察へ行き、マノクに関する情報をすべて取り上げました。セハはセビョクから髪の毛の鑑定結果を取り上げます。
マノクは通りにいる人のポケットから金の入った封筒を盗んで走り出します。しかしその場面が3回ループし、気づくと封筒は手に握られていませんでした。
幽霊と呼ばれている女性がマノクの前に現れ、逃げていく彼のスマホを拾います。
その女幽霊はマウスのようなもので時空を移動。ケーキを何個も食べたあと、未来で起こる政治家の賄賂受け渡しの情報を手に入れて、その現場から金を持ち去りました。
©︎ディズニープラス
セハはマノクが住んでいた元気歯科医院でセビョクと鉢合わせ。彼女は単独でマノクと幽霊を調べており、指紋を採取していたのです。
幽霊の捜査自体は特殊部隊が担当することになり、事務局は再び関連情報をネットで探すだけの仕事に回されます。
女性幽霊と因縁のあるセハは水筒の指紋で副局長のPCに侵入。しかし彼女にバレました。
©︎ディズニープラス+
第2話終わり。
第3話
副局長チェ・ソヌルはセハを怪しみますが、机の周りを掃除していただけだということになりました。
セハは副局長ソヌルの水筒の指紋をセビョクに渡し、3Dプリンターで手形を作り、それで管理局の13階へ侵入。1997年当時の動画を手に入れました。監視カメラのデータを副局長の映像にすり替えます。
セハは、1997年に管理局の清掃員が子供がいる前で幽霊女に焼き殺された監視カメラの映像を見ます。
管理局の研究員であった実父も幽霊女に殺されており、復讐こそがセハが幽霊女を追っている理由でした。
セハはセビョクにも動画を見せました。他の動画では幽霊女が1997年のある日アメリカ・香港など世界各国を10分ほどで回り、グリッドを完成させたことがわかります。
マノクは警察に囲まれて地下鉄へ逃げます。
©︎ディズニープラス+
捕まりそうになりますが時間が戻り、幽霊女が彼を地下鉄のさらに地下へ連れ出して監禁しました。マノクはここから出せと叫びます。
第3話終わり。
第4話
©︎ディズニープラス+
マノクが住んでいた建物の1階にある飲食店のおばさんが負傷したと聞き、セビョクは現場に入ろうとします。しかし管理局に止められて連行され、元夫・オジンたちに捜査の邪魔をするなと言われました。
セビョクは管理局の権力で海洋警察に異動させられることになり、イラだって休暇届を出します。
地下に監禁されている殺人者マノクは格子を破り脱出しますが、幽霊女に時間を戻され、脱出しようとしたことさえ忘れました。
副局長チェ・ソヌルは、1997年に幽霊女の殺された管理局の清掃員イ・ジャンヒョクの側にいた養子がどうしているか気になり調べます。養子は書類上は死亡しているようです。
セハとセビョクは、マノクを追っていた特殊部隊の1人が幽霊女の武器で火傷をさせられていたと知りました。
オジンはセビョクに会い、元夫と元妻の寂しい会話をします。
セハは介護代行サービスを頼んでいました。帰っていくその女性が、幽霊女だということに気づいていません。
第4話終わり。
第5話
©︎ディズニープラス+
セビョクはアパートに帰り、仕事もしないでゲームばかりしている弟を叱ります。
セハたちは駅からマノクが降りてくる映像がないか監視カメラでひたすらチェックしていましたが埒があかず。セハとオジンの案で、管理局は公開捜査で幽霊女とマノクにそれぞれ7億ウォンの懸賞金をかけることを決定。
Youtuberなど街中の人々が、幽霊女とマノクを探します。
さらにグリッドが壊れたという誤情報も流し、幽霊女が管理局にくるよう仕向けました。
セハはヤクザから銃を買いました。
幽霊女は駅で不良たちに見つかり絡まれます。掃除員のおばさんが助けに入りますが、逆に殴られそうに。セビョクが掃除のおばさんを助けました。
幽霊女は不良たちを追い、消し去ります。
掃除のおばさんは地下にマノクが隠れているのを発見し、セビョクに伝えました。セビョクが仕切りを開け、マノクと取っ組み合いになります。
©︎ディズニープラス+
韓国ドラマ『グリッド』6話〜最終回のネタバレあらすじ
第6話
©︎ディズニープラス+
セビョクは格闘の末マノクを逮捕。
しかし管理局の副局長チェ・ソヌルらが警察にやってきて、マノクの身柄を引き取ると言います。セビョクは副局長に銃を向けますが、諦めて管理局まで同行することに。
管理局のロビーで、マノクの前に幽霊女が現れます。隠れていた特殊部隊が銃を撃ち、女を捕らえました。しかし副局長も流れ弾に当たって死亡。セハは誰が撃ったか調べると言います。
幽霊女は研究室のイスに縛り付けられ、手首に丸型のチップが発見されてメスで取り出されます。
オジンが自白剤を注射しました。女は2091年生まれだと言うことと、「時間は流れていない」と語ります。
セハはスマホで、母の部屋に幽霊女がいて、母に注射をするのを見て驚愕しました。
まさか捕まえた幽霊女は偽物?それとも時間差で現れた2人とも本物?ワクワクしてきました!
第7話
母の部屋にいる幽霊女の動画は送信された少し前に送られたものでした。
セハは母を守るため銃を持って分析室に入り、研究員に幽霊女の手首から取り出した玉を自分の手首を切って入れさせ、彼女から取り上げた時空移動装置で1997年にワープします。
セハは1997年に清掃員が殺さらた日にタイムバックします。管理局の前身の施設では、セハの実父クォン・スグンが幽霊女によって倒され、研究室へ入るためのIDを奪われていました。
それを見た清掃員が幽霊女に殺されます。セハはもう1度その時点に戻り、清掃員が幽霊女を見ないような誘導に成功。
幽霊女はグリッドを完成させることなく倒れて消滅します。
そのまま2021年に戻ると、セハの実父がヨウ素による除染技術で太陽風による放射性物質の被害を抑えた英雄となっていました。しかしほとんどの人は被爆して体に火傷があります。マノクは会社の清掃員でした。
この時代のセビョクは図書館司書で、顔に傷があり、耳が聞こえませんでした。
セハはこのディストピアのような未来は間違いだと考え、1997年へ行きます。結局実父を殺す羽目になりました。
第7話終わり
第8話
セハはまたタイムバックします。グリッドの完成には清掃員の死が必要だと知り、幽霊女と一緒に時空移動装置で清掃員を焼き殺しました。目の前で幼い自分がその光景を見て絶句しています。
セハは2021年の分析室へ戻りました。手首から玉を取り出します。外から爆発がありオジンが巻き込まれて死亡。時空移動装置を握った幽霊女はまた現在を改変します。
幽霊女が捕まった事実はなかったことになり、オジンや副局長も生きています。セハが家に帰ると母は健在でした。
セビョクは駅地下で清掃員の女性がマノクに殺されているのを発見。マノクや幽霊女の姿はありません。
第9話
セハの家にセビョクがやってきて、清掃員(死ぬべき人)が助かると幽霊女が消えグリッドがなくなり、人類が大変なことになるとわかります。タイムトラベルは自分が存在する時間だけ移動できるようです。
そして、幽霊女はマノクの子孫だということを推測しました。
セビョクは科捜研でマノクと幽霊女のDNA鑑定をしてもらい、幽霊女の父系はマノクで母系がなんと自分(セビョク)であると知り、愕然としました。
マノクは管理局に捕まりました、マノクは1997年に清掃員の父を目の前で殺された時にいたセハを見つけ当時の記憶を思い出し、セハの首を締めます。
副局長の案でマノクわざと逃走させました。
最終回 第10話
セハたち管理局員の職員はマノクを追いながら、磁力の数値の高い幽霊女を捕まえようとしていました。
セハは1997年の管理局で幽霊女から、「清掃員やセハの父の殺害は、私と私の母の誕生のために必要」と言われます。さらに犠牲になるべき人物には、なんとセハも含まれているのです。
セハは潜んでいたマノクに棒で刺されて死亡。しかし幽霊女が時間を巻き戻します。
今度はセビョクがマノクを追いかけました。別のタイムトラベラーが現れ、幽霊女の邪魔をします。
幽霊女はセビョクに工具を振り下ろすマノクを止めました。結果、工具はセハの頭に当たります。
青い時空移動装置を持ったタイムトラベラーと幽霊女が同時に、セビョクの隣でセハの体にエネルギー波を当てます。
セハは死亡し、葬式が行われました。
1年後、セビョクには娘・ピョリが生まれていました。
謎の人物(ユ・ジェミョン)が部下から、グリッドが全ての時間軸から消えたと報告を受けました。隣には幽霊女が横たわっています。
太陽フレア(爆風)で管理局が中にいた人ごと破壊されました。
セビョクと娘・ピョリは、オジンに連れられてセハと幽霊女と再会します。
最後のまとめ
ディズニープラス スターオリジナルの『グリッド』。評価の高かったパク・シネ主演の『シーシュポス: The Myth』など、韓国ドラマはSFでもやれるところを見せつけています。今作はシーズン1が終わり、続編がないと
ここまで読んでいただきありがとうございます。『グリッド』レビュー終わり!
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