映画『それがいる森』は、実在する場所をもとに制作されたジャパニーズホラー!正直、怖くも面白くもなく、結末も大爆笑のひどい作品でした。
傑作ホラー『リング』の中田秀夫監督が令和の時代に新たな超駄作を送り込んできました。
8時間以上たっぷり睡眠をとって、鑑賞中はコーヒーをがぶ飲みしましたがそれでも眠かったです…。つまらなすぎて怒りが湧くタイプの作品でした。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・酷評、もとになった実話・元ネタ・実在の森の解説・メッセージ考察、ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
『それがいる森』についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
映画『それがいる森』作品情報・キャストと演技の印象
https://youtu.be/Bp6Sv0nS7Y8
ジャンル:ホラー
監督:中田秀夫
脚本:ブラジリィー・アン・山田/大石哲也
原作:なし/映画オリジナル
撮影:今井孝博
音楽:坂本秀一
制作・配給:松竹
キャスト:相葉雅紀、松本穂香、江口のりこ、上原剣心、眞島秀和、小日向文世
実話をもとに制作されたホラーです(その実話が何かはネタバレの項目で)。
ロケ地は千葉県香取市のエアソフトパークガーデン(よくサバゲーが行われる森)らしいです。
中田秀夫監督について
監督を務めたのは傑作『リング』を世に送り出した中田秀夫。ジャパニーズホラーの創始者的な存在ですが、最新の『それがいる森』ではジャパニーズホラーというジャンルを完全に滅ぼしにかかっています。
近年は『スマホを落としただけなのに』(2018)『事故物件 恐い間取り』(2020)がヒットしましたが、特に事故物件は本当に面白くなかった…。
しかし『それがいる森』は事故物件とは比較にならないほどの抜きんでた駄作中の駄作です。
2022年は横浜流星主演で実写映画『嘘喰い』も公開されましたが、原作大改編のうえに面白くもなく炎上しましたね。
同じくジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督が実在する恐怖の村シリーズ(『犬鳴村』『樹海村』『牛首村』)がそこそこヒットしたので、中田秀夫監督や関係者も「実話をもとにした映画を作ろう!」と考えたのかもしれません。
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あらすじ前半(ネタバレなし)
福島の天源山で2人組の強盗が何者かに惨殺される悲劇が起こる。明らかにクマではない。
東京の大手企業社長の娘と結婚したが3年前に義父に家を追い出されてしまった田中淳一(相葉雅紀)は、福島県のとある村でオレンジ栽培をしていた。
ある日、東京にいるはずの息子・一也が家にやってくる。母・爽子と成績のことで大喧嘩したらしい。
一也は地元の小学校で担任の北見絵里先生(松本穂香)に温かく迎えられるが、クラスの男子は冷たかった。
一也はサッカーで地元の男子たちを負かし、タッグを組んだ丸橋祐志と仲良くなる。
祐志は学校裏の天源山に一也を案内する。祐志が作っていた秘密基地に一也は興奮した。
帰り道、2人は銀色の巨大な物体を目撃。撮影しようとするがスマホの電源が切れていた。
翌日、祐志はクラスメイトに銀色の巨大な物体について話すが、だれにも信じてもらえない。
一也と祐志はまた天源山を登り、銀色の物体を探した。
しかし突然“何かに”に襲われてしまい…。
ネタバレなし感想・評価
おすすめ度 | 2点 |
世界観 | 30点 |
ストーリー | 14点 |
Filmarks | 3.1(5点中) |
IMDb(海外レビューサイト) | 4.3(10点中) |
※以下、映画『それがいる森』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『それがいる森』ネタバレ感想・評価/正体が最悪
鑑賞特典で配られた秘密のQRコードをネット上で公開してやろうと思うくらいの駄作でした(笑)。
まず、“それ”の正体が宇宙人・グレイっていうオチがダサすぎます。
30年前ならまだしも2022年にこのオチ? 妖怪や幽霊でもなく、安っぽいCGの異星人が子供を襲ってました?いやいや…
「正体はグレイでした」って原案段階で却下されるべきでは? 企画者もGoサイン出した会社もヤバすぎます。
しかも、あろうことかその宇宙人オチを中盤でネタバラシ。
終盤では怖くもない安っぽいグレイが相葉雅紀とその息子を襲い、「オレンジの細菌で宇宙人を撃退できたよん!」というクソみたいなラスト。
宇宙人の弱点はオレンジだった…。この結末を誰が面白いと思うのでしょうか?
怖くもないし、笑いを取りにきてたと考えても滑りまくってます。『大怪獣のあとしまつ』とかはまだ笑えるシーンもあったけど、それすらない感じです。
実は『リング』を作った頃の中田秀夫監督は宇宙人とすり替えられているのでは!?と思わなければやってられないひどい内容でした。
この映画で何を楽しめばよかったかずっと考えてますが未だに謎です。逆に制作のドキュメント映像が見てみたいと思いました。
制作陣には良くも悪くも感性が一般人とかけ離れた人しかいないのでしょう。本作よりはまだそのドキュメントのほうが面白くなりそうです。
唯一よかったのはグレイの腕がいきなりヌルッと出てくるカットくらいでしょうか。
そこ以外は序盤・中盤・終盤のすべて、ありとあらゆる要素がダメダメ。演技もコテコテ、ケレン味たっぷりで演出にも問題があると感じました。
まず序盤、東京から福島に転校してきた相葉雅紀の息子がクラスにうまく馴染めないさわやか3組みたいな展開であんなに尺を使う必要ありました?
序盤から見ているのが辛かったです。映画館にいるのがこれほど苦痛に感じたのは久しぶり。お金を払って何を見せられているのか頭が混乱してきました。
それそれのシーンがいちいち間延びしていたのも非常に気になりました。
例えば松本穂香が懐中電灯を他の先生(モブキャラ)に渡すところなんかバッサリカットして大丈夫だと思うのですが…。そんな場面の多いこと多いこと。
考察
元ネタとなった千貫森
『それがいる森』のモデルになった場所は福島県福島市飯野町にある千貫森。
UFOの目撃情報が多く、エンドロールでは実際に千貫森付近で撮影された未確認飛行物体の映像が流れていました。
本作は一応これらの実話をもとに制作されています。
宇宙人の目撃情報もあるようですが、真偽は不明。
実話と宣伝しつつ、オカルトブームの火付け役だった雑誌・ムーくらいのリアリティラインです。
まあホラーなので元ネタに現実味はいらないっちゃそうですが、斬新さもないのがイタい。
雑誌・ムーの最盛期って1980年代ですよね。なぜ令和の時代に「森の中にいたのは宇宙人だ!」をやろうと思ったのか気になります。
百歩譲って宇宙人オチでもいいですけど、見た目がそのままグレイはちょっとキツいです。(グレイはTVのミステリー番組の時間稼ぎ枠に成り下がっているというのに…。)
ジョーダン・ピール監督の『NOPE』がこれ系のSFホラーの最先端を走っているとしたら、『それがいる森』は周回遅れの最後尾です(笑)
何が言いたかったの?
超つまらなかった『それがいる森』ですが、いったい何を伝えたかったのでしょうか?
ヒューマンドラマとしてのメインは、相葉雅紀演じる父と、「お父さんは逃げてる!」と言っていた生意気な息子・一也の関係性の変化があります。
ただ、この人間ドラマはツッコミどころ満載すぎて全く感動できませんでした。
あとは視点を広げれば、本作では細菌に感染したオレンジ果汁が異星人を撃退したこともあり“意味がないことなどひとつもない”というコンセプトがあったと思われます。
3年前に淳一が義父に追い出されて福島に移住したのも、オレンジを栽培するようになったのも、60年前の事件を目撃した児玉がいまだに独自で研究を続けているのも全てに意味があることだったのです。
ぶっちゃけM・ナイト・シャマラン監督の『サイン』に似てますが、『それがいる森』には一筋の運命を浮かび上がらせる意図があったのではないでしょうか。
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