Netflix『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』ネタバレあらすじ評価感想!ペスト医師ヴィラン映画解説・他のヒーローと比較考察

Netflixロシア映画『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』はコミックを基にした派手な刑事アクション!

事件解決のためには関係者の暴行もいとわない刑事グロムが、ペスト医師のコスチュームを着たようなヴィラン・疫病ドクターに立ち向かっていきます。

ネタバレあらすじや、率直な感想・評価考察を書いていきます。

Netflix『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』作品・キャスト情報

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公開・制作国:2021年7月7日 Netflix ロシア

原題:Mayor Grom: Chumnoy Doktor

監督:オレグ・トロフィム

脚本:アルテョム・ガブレリャノフ

原作:アルテョム・ガブレリャノフ作コミック『刑事グロム』

主演:ティーコン・ジズネフシキー/刑事グロム役

出演:ルボフ・アクショノーヴァ/ユリア役

出演:セルゲイ・ゴロシュコ/セルゲイ役

出演:アレクサンドル・セテイキン/ドゥービン刑事役

主役の刑事グロムを演じた俳優ティーコン・ジズネフシキーは、映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』などにも出演。

刑事グロムVS粛正の疫病ドクター/感想・評価

Netflix映画『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』の評価は74点

ひとことで言えば、ちょっと無難なアクション良作。

疫病ドクターのペスト医師のようなビジュアルがインパクトありましたね。

セルゲイの親友・オレグが疫病ドクターの正体と思いきや、実はセルゲイが2重人格だったというファイト・クラブのようなオチには斬新はないですが、もって行きかたが巧みで上手く機能していました。

分析するとオレグが離れたドアから入ってきたり、セルゲイから遠い場所でしゃべっていたことで、彼が二重人格だと想像しにくかったと思います。

ただ、ストーリーの見どころはそこぐらいでしょうか。

アクションは、ファイトに火炎放射器が持ち込まれているところなど見応えがあり、迫力もありましたが、アイデアに際立ったところが感じられません。

あとは刑事グロムのキャラの描き方がもう少しだけ深かかったらもっと没入感があったと思います。

キャラクターは伝わってくるのですが、過去に何があったかなどもっと知りたかったです。

映像美に圧倒される

ロシアの美しい街並み・建物『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』

映像的には、グロムが捜査で半グレたちに暴行を加えているシーンがケバブのごとく回転して切り替わっていくのが斬新でした。

映像は全体的に美しさ重視な感じでしたね。

映画『シルバー・スケート』もそうでしたが、ロシアの街並みが美しさに貢献していると思います。

刑事ドラマにスーパーヴィランを加えたアクション

全体の感想をまとめると、刑事アクションにヒーロー要素を加えた以外は無難なつくりの良作となるでしょう。

主演俳優のティーコン・ジズネフシキーは渋かったしアクションもいけるので、『007』シリーズっぽいものが合いそうです。

あと、宣伝ではスーパーヒーロー映画という触れ込みだったと思いますが、ヴィランがスーツをきているだけで、主人公は普通の刑事ですし、スーパーヒーローっぽい感じは少ないです。

スーパーヒーロー映画に分類していいかは疑問ですが、バットマンでいうとゴードン警部が主人公だと考えればありでしょう。

ちなみに、セルゲイがボッティチェリの絵画 『ヴィーナスの誕生』の裏にスーツを隠していましたが、ヴィラン・疫病ドクターは鳥をモチーフにしていたので、絵画に描かれた荒っぽいことで知られるゼピュロス(羽生えてる神)とかけているのかもしれません。

アクションを何パターンも楽しめる!

刑事グロムがピンチに陥ると、「よく考えろ」と自問し、彼の脳内でのシュミレーションが何パターンも繰り広げられるのが良い演出でした。

グロムがビルから落下したー!と思いきや、脳内かい!みたいな驚きとツッコミの連続で、その部分は面白かったです。

グロム刑事の敵はロシアのバットマン・ジョーカー

ヴィランの疫病ドクターと刑事グロム

刑事グロムのセルゲイは、バットマンとジョーカーをまんま融合させたようなヴィランでしたね。

実業家でスーツを着た義賊→バットマン

大衆を扇動するサイコパス→ジョーカー

という、2つの要素が組み合わせられています。

冒頭の銀行強盗もおかしな仮面をかぶっていて、『ダークナイト』のオープニングっぽいですし、

『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』のオープニングの強盗たち

後半で大衆がみんなマスクをかぶって暴動を起こすのも、ホアキン・フェニックスの映画『ジョーカーJoker』にあやかりたい気満々な感じがします。

『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』の制作陣には、しっかり貧困層という社会的なテーマを入れて、作品を奥深いものにしようという意図があったのでしょう。

ただ、貧困層の描き方が浅くてやっつけ感が拭えません。

舞台のサンクトペテルブルクは、バットマンでいうゴッサムシティなのでしょうけど、なぜそんなに貧富の差が拡大して治安が悪いのか、もう少し説明があった方がリアリティが出てのめり込めたと思います。

あと、最後のセルゲイが精神病棟で黒い羽を纏った自らの影に怯える様子は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』っぽいです。

そして精神病棟オチは『バットマン・フォーエヴァー』のリドラーにも似てますね。

Netflix『刑事グロムVS粛正の疫病ドクター』は完成度は高いですがいろんなアイデアをごちゃ混ぜにした、料理に例えるとすき焼きのような映画にも見えました。

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