Netflix『バルトコヴィアク』(Bartkowiak)は、 総合格闘家が兄を殺した組織に立ち向かっていくバトルアクション。
なかなかリアルな格闘シーンが見どころですがストーリーはかなり無難で全体的にはやや面白いかなという印象にとどまった佳作でした。
ちなみにリング上での試合は冒頭だけで、それ以外は全部 ストリートファイトでカタをつけていきます。
時間がある人や格闘技が好きな人は見てもいいかも!という作品でした。
Netflix映画『バルトコヴィアク』作品情報・キャスト
公開・制作国:2021年7月28日 Netflix ポーランド映画
監督:原題『Bartkowiak』
監督:ダニエル・マルコ ヴィッツ
脚本:ダニエル・ ベルナルディ
主演:ユーゼフ・ポヴウォフスキ/トマシュ・バルトコヴィアク役
出演:ゾフィア・ドマリク/ドミニカ役
見どころ
クラブでの殴り合いなどでリアルな格闘技術が体感できます。
主人公のトマシュ・バルトコヴィアクを演じた俳優ユーゼフ・ポヴウォフスキのシャドーなんかを見ていても、本格的で格闘技経験者だと思います。
ストーリーは可もなく不可もなくといった復讐の王道パターンですが、主人公・トマシュがカッコよくて、ヒロイン・ドミニカも美人でスタイル抜群です。
殴り合いなどのアクションが好きな人には、向いているでしょう。
ただエンタメ性や面白さを求める人は、同時期公開でヴァンダム主演の『ザ・ラスト・マーセナリー』を見た方が良いと思います。
以下はネタバレありなので気をつけてください。
『バルトコヴィアク』感想・評価
Netflix映画『バルトコヴィアク』の評価は77点。
わりとキレイにまとまったマッチョ系復讐ストーリーでした。
肉弾戦に復讐の要素がプラスされただけで、それ以上でもそれ以下でもありません。
トム・ハーディ主演の『ウォーリアー』のように 総合格闘技の物語かと思ったら、 ストリートファイトがメインでしたね。
個人的に格闘技観戦が大好きなのでちょっと残念…。
ただ打撃や投げ技などリアルな格闘シーンも多く、そこは見ごたえがありました(『ジョン・ウィック』とまではいきませんが…)。
主人公を演じたユーゼフ・ポヴウォフスキをはじめ、キャストはみんな格闘経験者か、ちゃんと訓練を詰んだ人なのだと思います。
あと主人公のはにかみ系の味わい深い表情や、ヒロインが美女だったのは良かったです。
つまらなくはなく、それなりに楽しめました。
しかしやはり映画としてはとりわけ完成度が高いわけではなく、斬新なところも特にないのが残念です。
ラストで主人公・トマシュは殺し屋のコウジェチクを倒しますが、他にも関係者やマフィアたちがまだいるはずで、彼らに狙われていないのもちょっと不自然です。
相手がマフィアとはいえ、数名殺害したトマシュが完全に無罪になるのも変ですね。
まあメインは格闘と復讐なので、細かい点は気にしなくても良いかもしれませんね。
感想をまとめると、格闘シーンは見応えありつつも、ありがちなストーリーと無難な演出で終わってしまった印象でした。
刺されたにも関わらず…
映画『バルトコヴィアク』のストーリーで特に良かったのは、コーチ・ソゾニウクが腹を刺されたと、すぐに復活して主人公・トマシュを助けにくる流れ。
コーチは病院で治療中で助けに来れないと思わせつつ、トマシュの味方はすでにゼロの状態だったので意外性がありました。
この展開は素晴らしいと思います。
本作を『ロッキー』シリーズのようなスポ根文脈で捉えていたので、コーチは刺されてお涙頂戴的に死ぬのかな?とミ スリードさせられましたが、意外と軽傷だったのストーリーとして巧みだと思います。
キャラが深掘りされてない問題
映画『バルトコヴィアク』を観ていてイマイチ盛り上がらなかった大きな要因が、戦いを兄に捧げる復讐の カタルシスが薄かったところ。
理由として、主人公・トマシュと兄・ヴィクトルの関係が深掘りされていなかったことが考えられます。
兄が殺されてたことに対する復讐の物語なので、トマシュが試合に負けたあとだけでなく、負ける前に兄とどんな関係だったのかしっかり描くべきだったでしょう。
復讐するストーリーなら『キングダム/アシンの物語』のように ビフォーアフターの人間関係をしっかり描くことが大事ですよね。
恋人のドミニカに関しても、彼女のキャ ラクターが深掘りされてないと感じました。
トマシュやコーチはともかく、その他のキャ ラクターたちに感情移入できる情報量が足りなかったといえるでしょう。
同時期公開の『ブラッド・レッド・スカイ』もこのキャラが薄い問題があり、 Netflix作品のクオリ ティーコン トロール上の欠点でもあると思います。
武器を捨てるんじゃねえ!
ちょっと残念だった点が、ラストで主人公・トマシュが殺し屋コウジェチクと戦うシーン。
コウジェチクは槍を使ってトマシュの足を突き刺して9割5分勝てる状況だったのですが、何を思ったか彼はその槍を捨てて短剣を取ろうとし、反撃されます。
コウジェチクはアーティストっぽい思想を持っており、勝てると思って芸術的なフィニッシュを決めたいと考えてのことでしょう。
しかし、トドメの前にこれまで使っていた武器を捨てて新しいものを取るのは、ちょっと緊張感なさすぎです。
詰めが甘過ぎですね。
殺し屋にあるまじき行為でしょう。
あと細かい点で言えば、トマシュがライバルのレペチと戦う際に首を絞められてピンチになり、アイスピック?のような武器を使って危機を脱したところもちょっと残念でした。
格闘家として、武器を使わないで逆転して見せてほしかったです。
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