映画『バットマン』(1989)ネタバレ解説・ラスト感想:キャスト評価,ジャック・ニコルソンジョーカーやゴッサムシティ制作裏話

  • 2023年6月16日

ダークナイトばっかり注目されがちなバットマンの実写版映画。(もちろん、ダークナイトも良いが。)

何を隠そう1989年公開のティムバートン版バットマンも、見逃せない超オススメ傑作なのだ!

まだ観てない?そんなヤツはゴッサム・シティを全裸で歩け(笑)と叫びたい!

この記事でさらにティムバートン版バットマンを好きになれること間違いなし!

映画バットマン(1989)作品情報・キャスト

監督 キャスト 公開年
製作国
興行収入(円) 受賞歴
ティム・
バートン
マイケル・キートン
(バットマン)
ジャック・ニコルソン
(ジョーカー)
キム・ベイシンガー
(ヒロイン・写真家)
1989
アメリカ
456億 アカデミー美術賞受賞(1989)
脚本 美術 音楽 主題歌
サム・ハム
ウォーレン・スカーレン
アントン・ファースト ダニー・エルフマン プリンス
「バットダンス」

キャストはバットマン(マイケル・キートン)、ジョーカー(ジャック・ニコルソン)、ヒロイン(キム・ベイシンガー)と、アカデミーノミネート、受賞歴のある、そうそうたるメンツが揃ってます。

映画を語る上で、やっぱり監督や出演者に目が行きがちですが、

バットマンの実写化というだけあって、他にも様々な有能スタッフが製作に関わっています。

例えば、美術関連は本作でアカデミー美術賞を受賞したアントン・ファースト、音楽はダニー・エルフマン、主題歌や挿入歌はプリンス、などなど!

バットマンあらすじネタバレなし・予告動画

表の顔は大富豪で実業家、夜はバットマンとしてゴッサム・シティの治安を守るブルース・ウェイン(マイケル・キートン)。

そんな彼のもとに、バットマンを追いかける女性写真家ヴィッキー・ベール(キム・ベイシンガー)が現れ、秘密を探り始める。

一方、ゴッサム・シティのマフィアの幹部ジャック・ネーピア(ジャック・ニコルソン)は、マフィアのボスに陥れられ化学工場で重症を負い、その後ジョーカーとして復活!街を恐怖に陥れる。

ブルース・ウェインとヴィッキーはお互いに惹かれ合うも、背後にジョーカーの手が迫ってきて、、、

バットマン87点評価の理由

各要素と、序盤・中盤・ラストの合計を100点満点とし計算しています。

映画『バットマン』の点数は。。。

87点 A+ランク ☆4.4

まだ観てない人は絶対に観るべき!(※暗い雰囲気が苦手な方も、新しい世界が開けるかも!)

バットマン評価の詳細を

映画の各要素(10点満点中)

ストーリー キャスト(ハマり役)(絵を書く) テンポ 演技・シーン
8 10 8 9
セリフ 映像の見やすさ(構図など) 音楽・音響 印象度(記憶に残る)
8 9 10 9

序盤・中盤・ラスト(5点満点)

序盤 中盤 ラスト・結末 話の筋が通っているか?
5 3 5 4

バットマン3つの見どころ解説!

ダークナイトがバットマンとジョーカーの「絶望」を描いた映画であるなら、

ティム・バートン版バットマンは2人の「苦悩」を描いた作品であるといえます。

さて、このバットマン映画の見どころは、大きく分けて3つです。

①ジャック・ニコルソンのジョーカー

”狂っているけどファニー”

今やジョーカーといえば、ヒース・レジャーの名前がいの一番にあがりますが、

実写版ジョーカー・イメージの根幹を作ったのは、間違いなくジャック・ニコルソンです。

悲しさと狂気を、タガが外れた行動+笑いで表現します。

実際ノーラン監督もダークナイトを作るにあたり、ジャック・ニコルソンを超えることを目標としていたそうです。

もちろんヒース・レジャーのジョーカーもガチで素晴らしいですが、完全にイチから創り上げたと言うよりは、

ジャック・ニコルソンのジョーカーを参考に、彼なりに進化させたという部分もあります!

余談ですが、ジャック・ニコルソンのジョーカーならザ・スーサイドスクワッドのヴィラン役いける気もします。他のヴィランと対立する感じで。

まあ、ジャック・ニコルソンの年齢的に無理でしょうけど…。

②ムキムキじゃないブルース・ウェイン

キャストが決まった時点では、線が細く、長身でもないマイケル・キートンは、

ムキムキなバットマンのイメージとかけ離れていて役に合わない!

という苦情が制作側に殺到したようです。
(※公開後は評価が割と高く、苦情も収まったようです。)

僕も小学生でこのバットマンを初めて観たとき、「アニメにくらべて軟弱な野郎だな!」(生意気でした)とおもいましたが、

繰り返し観ているうちにマイケル・キートンのバットマンがとても味わい深いとおもえるようになりました。

ブルース・ウェイン役のマイケル・キートンは、あまり感情を表に出さないタイプですが、

それが逆にバットマンとして生きる彼の苦悩を引き立てています。

クリスチャン・ベイルやベン・アフレックが演じるムキムキバットマンより、ある意味リアリティがあります!

マイケル・キートンはDC『ザ・フラッシュ』(2023)でなんとバットマンとして復活!かっこよかったです。

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③ゴッサム・シティ”独自の世界観”

こんな街に住んでたら、もれなく全員不幸になりそう!それほどダークな雰囲気(笑)

小学生のときにこのバットマンをVHSで繰り返し観ていましたが、

ママに「画面がずっと暗いね!」と言われました。だが、それがいいのだ!

この映画ではアントン・ファーストさんがアカデミー美術賞を受賞。

素敵で陰鬱なゴッサム・シティの独自の世界観が高く評価されたのでしょう。

それもそのはず!

なんとゴッサム・シティを実際にイギリスに作って撮影してます!

(※パインウッドスタジオという007などでも使われるスタジオ、スタジオというより巨大なスペース)

ティム・バートンや制作陣は彼らにしかできない”理想のゴッサム・シティ”

そして、”理想のバットマン映画”を創り上げたのです!

ティムバートン版バットマンは観るべき?

繰り返しますが、まだ観てないという人は名作なので、絶対に観るべきです!

暗いシーンが多いですが、独特の世界観に惹かれること間違いなし。

ティム・バートンは続編の「バットマン・リターンズ」の監督もしており、こちらも同じくオススメ!詳しくは別記事で説明しています。

※以後ネタバレになるので、まだこの映画を観てない人は絶対に次の項目には行かないでください!

バットマン1989のトリビアや裏話を考察

ここでは映画好きにはたまらないバットマンのトリビアを紹介します。

①主演のマイケル・キートンはティム・バートンたっての希望

なぜこの映画でマイケル・キートンが選ばれたのか?(結果的に成功だったけども)、

理由は、バットマン以前にティム・バートンが監督を努めた「ビートル・ジュース」という映画でマイケル・キートンが主演を努めており気に入ったから。

②ヒロインのキム・ベイシンガーは主題歌担当のプリンスと付き合っていた?

主題歌担当のプリンスとヒロインのキム・ベイシンガーはこの映画の制作をきっかけに急接近し、付き合っていたようです。

さらに、キム・ベイシンガーのソロアルバム制作をプリンスが全面プロディースするという計画もあり、音源もほぼ出来上がっていたようですが、二人の破局によりボツになったようです。

③ジャック・ニコルソンのギャラが半端じゃない!

ジョーカーを演じているジャックニコルソン

ジャック・ニコルソンは当時すでに大物だったため、映画制作費の半分が彼のギャラだったらしいです。

全部で60億円”フトコロ”に入れたよう。ジョーカーもビックリする荒稼ぎですw

ちなみにバットマン原作者のボブ・ケインも、実写版ジョーカーはジャック・ニコルソンだ!と思い描いていたようです。

④1989年当時のキャストの年齢

マイケル・キートンの当時の年齢:38歳

ジャック・ニコルソンの当時の年齢:52歳

キム・ベイシンガーの当時の年齢:36歳

ティム・バートンの当時の年齢:31歳

なんとティム・バートン監督が当時一番若かったんですね。

出演陣は結構年行ってます。でもそれだけ円熟味があることは確か!

まさに、孔子の三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。を体現!

⑤ゴッサム・シティを実際にイギリスで作っちゃった!

映画を作る人の執念って素晴らしい!よもや撮影のため実際に、街を作ってしまうとは、、、

↓下記がゴッサム・シティのセットの一部です。↓

 

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そりゃこれだけやれば、アカデミー美術賞も獲りますよー!

ドイツ建築家のアルバート・シュペーアさんの作風をゴッサムの建築物に取り入れているようです。

また、ゴッサム・シティを現実世界に存在しない街に仕立てるため、ニューヨークの雰囲気を基に、

様々な年代や美術スタイルをブレンドさせ独特の価値観を出しています。

例えば、市民の洋服や帽子は1940年代、マフィアのボス”グリソム”の部屋はモダンアート、ウェイン宅はゴシック、などなど、いろんな様式を一挙に楽しむことができます。

さらに、あまり知られていませんが、

この”ゴッサム・シティ”の制作には、美術のアントン・ファーストを始め、日本人の製作者:高松伸さんも深く関わっています!

日本人として誇りに思う!

ただ、ゴッサム・シティを実際に作ったことにより制作費が膨大になってしまったため、

中盤は費用を節約しなければならなかったようです。

ジャックがジョーカーになる前の闇の外科医でのワンシーンがありますが、

あのカットは”小道具室の階段の下を区切っただけ”のシンプルな作りにして節約したらしいです。

↓映画『バットマン』の印象的なシーン解説は2ページ目へ↓