Netflixオリジナル映画『KATE/ケイト』は、東京を舞台に女暗殺者がヤクザと戦いを繰り広げる復讐バトルアクション!國村隼や浅野忠信、MIYABIといった日本の俳優陣も渋い演技を見せるなかなかの良作でした!
記事ではぶっちゃけ感想や、日本を舞台にしたことに対しての評価、キャスト・楽曲解説、意外と深い女性暗殺者ケイトの本質を徹底考察、ネタバレあらすじ解説などしています。
ネオンで彩られたド派手なアクションが素敵!主人公の名前ケイトとラストシーンの関連性なども語っちゃいます!
ネタバレなし感想・見どころ
日本が舞台で、放射性物質を飲まされた暗殺者ケイトが復讐する話です。
とにかくアクションが派手ですね。銃を使ったアクションがとても迫力あり、近接格闘ありで、キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』の女性版として楽しめました。
2021年配信のNetflixのアクション作品だと『SAS: 反逆のブラックスワン』やスタイリッシュ西部劇『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野』と並ぶ面白い映画でしたです。残酷なシーンが多いので子供向けではないですが…。
國村隼や浅野忠信、MIYABIと日本人キャストもたくさん出演していて渋いヤクザを演じており、そちらも見どころです。
管理人おすすめ度 | 4.3 |
アクション | 4 |
ストーリー | 3.5 |
IMDb海外レビューサイト | 3 |
映画KATE/ケイトキャスト・作品情報
監督:セドリック・ニコラス=トロイアン
脚本:ウマイル・アリーム
セドリック・ニコラス=トロイアン監督は『スノーホワイト/氷の王国』(2016)で有名です。
ケイト役/メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ケイトは幼い頃に両親を殺され、ヴァリックに引き取られて暗殺者に仕立て上げられた女性。
左目が赤くなるのがカッコええ〜。焦点が合っていない感じが歌舞伎の見得のようにも見えます(もしかしたら意識したのか?)。
ケイトは狙撃や格闘技なんでも得意。引退して普通の生活を送りたいと思っています。
寡黙ですが、ブーンブーンレモンという日本の炭酸飲料が大好きという意外な一面も。
女優『ファイナル・デッドコースター』などパニックホラー系で有名。DC映画『ハーレイクインの華麗なる覚醒』のハントレス役で有名。
ヴァリック/ウディ・ハレルソン/
ヴァリックは、ケイトが所属する暗殺集団を率いる人物で、彼女の父親がわり。
ケイトを家族として引き取って、暗殺術を教え込みました。
ウディ・ハレルソンは映画『スリー・ビルボード』や『ゾンビランド』シリーズなどで有名。
少女アニ/ミク・マルティノー
アニは木嶋組長の姪っ子。口が悪く、結構活発な性格です。
外国人とのハーフで、母親と会ったことがありません。
10ヶ月前父の木嶋健太郎がケイトによって暗殺されましたが、ケイトに会ったときアニはそのことを知りません。
女優のミク・マルティノーは日系なのかな?日本語がカタコトなのでハーフという設定でした。
木嶋組長/國村隼
木嶋組長は、東京最大のヤクザ組織のトップ。
弟の健太郎がケイトに暗殺され、ケイトの組織に狙われています。
俳優・國村隼はリドリー・スコット監督、松田優作やマイケル・ダグラスなどが出演する日米合作のマフィア映画『ブラックレイン』(1989)や、北野武監督の『アウトレイジ』にも出演しているので国際的な知名度があるのでしょう。
蓮司/浅野忠信
蓮司(れんじ)は木嶋組の幹部。人を騙してのしあがろうとする卑劣な性格です。
俳優浅野忠信はハリウッドのマーベル『マイティ・ソー』シリーズや、『バトルシップ』に出演しています。
城島/MIYABI
城島は蓮司の彼氏。ゲイのようです。
戦闘はかなり強く、ケイトと互角に渡り合います。
ミュージシャンMIYABIは、アンジェリーナ・ジョリーとも親交があり彼女が監督を務めた『不屈の男アンブロークン』に参加しています。あとは有名どころだと『マレフィセント2』ですね。マルチな才能です。
その他出演者
ヤクザの下っ端:内山信二
佐藤カズオ役:西山浩司
しんぞう役:田邊和也
かなこ役:山本まり
木嶋健太郎役:バイロン・ビショップ
スティーブン役:ミキール・ハースマン(ゲーム・オブ・スローンズのダーリオ役の俳優)
映画『KATE/ケイト』ネタバレ感想・評価
アクションの完成度はジョン・ウィックとまではいきませんが、シャーリーズ・セロンの『アトミック・ブロンド』などより全然高い印象でした。
ストーリーは特に複雑でなく、任侠画的な復讐モノ。
特に狙撃など銃で頭を撃ち抜くシーンが多くリアリティと迫力がすごかったです。
花火や桜のよう、ケイトのサムライ魂!
主人公ケイトは死ぬかもしれないけど頑張る!ではなく、確実に死ぬけど自らの誇りのために頑張るというところがサムライ魂っぽいと感じました。
普通の映画では主人公が結果的に最後に死ぬとしても、序盤で完全に死亡確定している設定は少ない気がします。
そこを本作では、わざわざ放射性物質ポロニウム204を飲んで死亡確定に!
最後の銃撃戦ではスローになり、銃声と飛び散る火花がまるで花火のようでした。
ケイトは人をたくさん殺してきた暗殺者ですが、最後に彼女の良心の花火が上がったかのようですね。
またケイトの死亡シーンでは電光掲示板に桜が舞っていました。
考えてみると彼女の散りざまは、とても日本的です。
ケイトは魂を持っていたのではないでしょうか。女性版ラストサムライ!
とんでも日本!じゃない
よくある日本と中国をごっちゃにした“とんでも日本”ではなく、ある程度はちゃんとした日本が描かれていたのが好印象でしたし、特徴でもありました。
ケイトがコンビニLAWSONで買い物をしたり、日本で撮影したであろうシーンもちゃんと出てきます(全部が日本撮影ではないでしょうけど)。
また、日本人のキャストが外国の映画では日本語を喋るときに、なぜか“オーバーで違和感のある日本語”になることがよくあります(これはおそらく海外の人がネイティブ日本語を聞くと、感情などが汲み取れないからでしょう)。
しかしそういった違和感もなく、國村隼や浅野忠信は普通に日本のヤクザっぽい喋りでした。
Netflixは多様性を大事にしているし、この映画は日本もマーケットになっているからでしょう。
異文化の異質な世界を強調
日本文化をある程度しっかり描いた一方で、日本は異質で普通の場所ではないと異文化の壁が強調されていたのも印象深かったです。
考えてみると日本人ってわりと冷静であんまり騒いだりしないし、海外からはこんな風にロボットのような民族と見られているのかもしれませんね。
それらがあってケイトはまるで異質な世界に迷い込んだようで孤独さも深まり、『ブレードランナー』のような舞台への違和感が良い意味で生じていました。
実は深い?『ケイト』の本質考察
招き猫はケイトのメタファー
主人公ケイトが死ぬラストシーンは、バックに“招き猫と幸福の文字”がビル広告として出ていたのが印象的でした。
これにもしっかり意味があると思います。
まず、ケイト(Kate)は英語の短縮名と呼ばれるもので、本名はKatherine(キャサリン)だと推測できます。
そしてKatherineの短縮系にはKittyもあり、Kateとは短縮系の仲間です。
Kittyとは子猫の意味なので、主人公ケイト=猫が成り立つのです。
つまり最後の“招き猫と幸福の文字”の広告は、ケイトが幸せな最後を迎えられたという意味です。
日本人としては、招き猫だったのがちょっと違和感ありますが、そこはまあよしとしましょう!
I know youの意味「母になれた!」
ラスト、ケイトはアニに「I know you.」と言って死にますが、これは何を意味しているのでしょうか。
10ヶ月前の大阪でアニの父親・健太郎を暗殺したときにアニを見たよということでしょうか?
そうではなく、ケイトはアニの中に幼い頃の自分を見出したのでしょう。
2人は家族を殺された境遇が共通してますが、特に強調したいのはアニもケイトも母親を知らずに育ったというところ(ケイトは両親を殺され、ヴァリックが父親代わりだった。)
ケイトは冒頭でヴァリックに暗殺者を引退する理由として普通の暮らしをしたいと言っていましたが、これには家族を作って母親になってみたいという願いもあったと思います。
そして数時間という短い間でしたが、ケイトはアニの母親のような存在になれたのです。
そうすると「I know you.」は2つの意味を持ちます。
まず1つ目は、アニに対して「あなたも私と同じだ」というメッセージ。
そして2つ目は、「私も母親になれたから、きっとあなたも母親になって幸せな家庭を築ける」という願いだと思います。
彼女は死んでしまいますが、最後に自分の夢を叶えられたのです。
さりげないセリフから色々考えさせられました。
BAND-MAID・楽曲
世界でも活躍する日本のガールズハードロックバンド・BAND-MAIDの楽曲が使用されていて、劇中ではアニがはしゃいでいるクラブで演奏する形で本人出演しています。
最初のカーチェイスのシーンで使用された曲は「Blooming」。
クラブでのBAND-MAID演奏シーンの曲は「Choose me」。
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