映画『ゾンビランド』ネタバレ感想!爆笑シーンや走るゾンビ,テーマ解説,ラスト評価

  • 2024年4月11日

映画『ゾンビランド』(2009年)を観たことがあるだろうか。

爆笑シーンは期待以上だし、何よりひきこもりの願望をすべて叶えてくれる宝箱のような映画だと感じた。

この記事ではそんなゾンビランドのゾンビの特徴・爆笑シーン・テーマについての考察や解説を書きながら、個人的な感想を織り交ぜていく。

映画『ゾンビランド』ゾンビの特徴/ネタバレ考察

ゾンビランドではコロンバスたち以外はビル・マーレイしか人間の生き残りが出てこない。

ゾンビランドのゾンビから逃げるのは、ゲームでいうとVERY HARDモードだからだ。

ゾンビ

ゾンビランドに転生したらまず生き残れないだろう。ゾンビの特徴を挙げながら解説していく。

ゾンビが走る

ゾンビは足を引きずりながら歩くもの。そんな考えはゾンビランドでは通用しない。ゾンビランドのゾンビは走るのだ。めっちゃ走る。しかも生きている人間と大差ないスピードでだ。

ザック・スナイダー監督の映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』と同じタイプのハイスピードゾンビだ。

この世界で生き残るためにコロンバス(コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ))が有酸素運動をマイルールの一つにしているのは笑えるが、現実的だといえるだろう。

ゾンビのくせに痛がる

ゾンビを殴ると呻き声をあげるだけでなく「アウィー!!」みたいな叫び声をあげる。

このことから、ゾンビランドのゾンビには痛覚がある可能性が捨てきれない。

体が腐って口からドロドロの液体が流れ出ているくせに、痛みがあるというのは矛盾があるような気がするが、痛がるゾンビというのは斬新で面白い。

音や光に反応する

タラハシーが音でゾンビを呼び寄せたり、ウィチタ(エマ・ストーン)らが遊園地の光でゾンビを呼び寄せてしまったことを考えると、ゾンビランドのゾンビも音や光で集まってくる。

この点はウォーキング・デッドなどのゾンビと大差無い。

ゾンビ同士共食いはしない

ビル・マーレイの発言から、ゾンビ同士共食いはしないということがわかる。これは昔からあるゾンビの基本設定で、本作でもそれは変わらない。

脳にダメージを与えなくても倒せる

バットを振るタラハシー

タラハシーたちがバットで頭を殴っただけでゾンビを戦闘不能にしている描写があるので、ゾンビランドのゾンビの打撃耐性は人間に近いと考えられる(完全に死ぬかどうかは別として)。

他のゾンビ映画やドラマのウォーキング・デッドでは、頭を潰すなどして完全に戦闘不能にしない限り、追ってくるゾンビが多いが、比較するとゾンビランドのゾンビはそこまでしつこくないといえるだろう。

映画『ゾンビランド』の爆笑シーンネタバレ解説

車に戻るために2周回るコロンバス

コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)がゾンビに追いかけられ、車に戻る前に距離を稼ぐため、ゾンビに追いかけながら駐車場を一周回るのだが、周り終わって車のドアに近づいたとき、まだゾンビとの距離が近いことに気がつき、さらにもう一周するというシーンが爆笑。

ゾンビに追いかけられながら、冷静に走るコロンバスが面白すぎる。

ビルマーレイの屋敷で

コロンバスたちは、ロサンゼルスにあるビル・マーレイの豪邸にたどり着くのだが、実はビル・マーレイはゾンビメイクをして襲われないようにしながら、悠々自適に生活していた。

彼の大ファンだったタラハシーはビル・マーレイと一緒に騒ぐのだが、ゴーストバスターズを見ていたコロンバスを驚かせようとしたビル・マーレイは、びっくりしたコロンバスにショットガンで撃たれてしまう。

死にそうなビル・マーレイに丁寧に謝るコロンバス、ビル・マーレイの笑いが好きで、死にそうなときもつい笑ってしまうウィチタ、いいタイミングで死なないビル・マーレイなど、爆笑が詰まっているゾンビランドのMVPシーン。

コメディアンのビル・マーレイが超豪邸に住んでいる設定も、なんだか滑稽だ。

トゥインキー(お菓子)が撃たれる

最後の舞台パシフィックランド(遊園地)で、タラハシーはゾンビを殺しまくり、ついに彼の大好物トゥインキーがあるお店を発見するのだが、物音にビクついたコロンバスがショットガンを撃つと、なんと奥にあったトゥインキーに命中。怒り悲しむタラハシー!必死で謝るコロンバス!

普通は人間でやるシーンを、お菓子でやっているところが爆笑!

最後に感想・評価まとめ:引きこもりのねじれ願望

ゾンビランドとは何か?誰のための映画か?人との繋がりが希薄になってきた現代人の欲望を満たすためのものである。

もっというと、ひきこもりの願望を叶える映画だ!

妬みの対象でしかない自分以外の人間、面倒くさい勉強、ガールフレンドはもちろんできない。

現代男性なら多かれ少なかれこのような悩みに陥ったことがあるのではないか?コロンバスの境遇に共感できるのではないか?

そして、その次に考えるのが終末!である。世の中の全てのシステムが崩壊し、不必要な他人が消えてくれればいいのに!という願望である。

ゾンビランドは実にうまくその願いを叶えているといえるだろう。オタクのコロンバスにはタラハシーという戦闘力抜群の男性、そして、美人のウィチタまでついてくる。お土産屋を徹底的に破壊して遊ぶのも一度はやってみたかった。

世の中の引きこもりからすれば、外の世界は無いも当然。

いっそ世界が破滅すればせいせいするのに!そんなイケナイ願望を叶えてくれるからこそ、ゾンビランドは魅力的なのだ!

普通に生活していた人々がゾンビとなり、今まで色んなものを恐れ、ゾンビのように生活していたコロンバスが人間としての感情を取り戻す。

世紀末後に覇権を握るのは、オタクやひきこもりたちかもしれない。