映画『ウエスト・サイド・ストーリー』、1961年公開の超名作をスティーヴン・スピルバーグ監督がリメイク。
2022年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・助演女優賞など7部門にノミネートされており、アリアナ・デボーズさんが助演女優賞を受賞しました。
スピルバーグ初挑戦となるミュージカル映画!
美声やダンスの肉体的な迫力と、ライティングを効果的に使ったロマンチックな風景が噛み合って最高!
ただ一方で、正直そこまでリアル路線にしなくても…という感想も持ちました。
ミュージカルなのに暗い気持ちで映画館を出ることに。夢を観させてくれよ…
ネタバレ感想・評価、良かった点・残念な点、リタ・モレノのヴァレンティナのメッセージ考察、スピルバーグが伝えたい社会の分断や反トランプ考察、本作のキャスト作品情報を知りたい人向けに記事をまとめました。を知りたい人向けに記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
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映画『ウエスト・サイド・ストーリー』キャスト・作品情報
原題:『West Side Story』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:アーサー・ローレンツによるミュージカル
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:レナード・バーンスタイン/デヴィッド・ニューマン
製作:TSGエンターテインメント/アンブリン・エンターテインメント
配給:ウォルトディズニージャパン
スピルバーグ監督と脚本のトニー・クシュナーは、『ミュンヘン』『リンカーン』『フェイブルマンズ』でもタッグを組んでいます。
映画『フェイブルマンズ』スティーヴン・スピルバーグ監督の半自伝的な内容で、少年からハリウッドへ入るまでの成長と家族の葛藤を繊細かつ大胆なタッチで描いた良作! シネマグ 完成度はすごく高いですが、予想の3倍くらいシリアスな内容[…]
ちなみにアーサー・ローレンツによる原作ミュージカルは、ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオ&ジュリエット』をモチーフにして作られたものです。
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
©︎ウォルトディズニージャパン
あらすじ:開発のために売られた街が舞台。白人たちのギャング・ジェッツと、プエルトリコ系のギャング・シャークスは犬猿の仲でした。ある日、体育館のダンスパーティーで元ジェッツのメンバーで出所したトニーと、シャークスのリーダーの妹・マリアが出会い、お互いに一目惚れ。マリアがトニーといることに激怒した兄ベルナルドがジェッツに喧嘩をふっかけ、両グループは翌日夜に乱闘の約束をしました…。
美しい歌声、迫力のダンス、切ない青春に没頭でき、歓喜・感動の雨あられ状態。最高のエンターテインメントです。
海外レビューサイトの評価も非常に高いですね。
ただ、リアルすぎて1961年版のテイストと全然違うと感じてしまう人も多いのでは?と思いました。
おすすめ度 | 88% |
歌唱・ダンス | 95% |
臨場感 | 90% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.8(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家92% 一般94% |
※以下、映画『ウエスト・サイド・ストーリー』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』ネタバレ感想・評価
スピルバーグっぽい登場人物の感情モロ出し演出が、ミュージカルだといつもよりプラスに働いていました。
冒頭での作品のトレードマーク・フィンガークラップ(指を鳴らす音)が鳴った瞬間に、昔見た1961年版の感動が掻き立てられて、ヒロインを筆頭に抜群の歌唱力で至福の世界へといざなわれます。
全体的に歌やダンスのクオリティはもちろん、喧嘩などの臨場感が半端なく、ミュージカル映画がこれほどエネルギッシュで肉体的になるものかと驚かされっぱなしでした。
ミュージカル映画でありつつ、ある面『ジュラシックパーク』や『インディジョーンズ』的な体感型アクションでもあるのです。
カメラワークもすごくて、引きのロングショットはもちろん、エクストリームクロースアップを多用していてメリハリがあり、まるでその空間にいるかのような一体感がすごい。
全編に青春のエネルギーがほとばしり、主人公・トニーとヒロイン・マリアが切なく愛を歌い合う場面だけでなく、何気ないシーンでも理由なく涙があふれてきます。
また本作では色彩もこだわり抜かれています。特にアニータのイエロー&レッドのドレスでのダンスは美しい。
©︎ウォルトディズニージャパン
ライティングも合わさって、ワンシーンワンシーンが芸術です。
プエルトリコ(有色人種)のシャークスメンバーはカラフルな服、ジェッツ(白人系)のメンバーは色味のない衣装で、対立・分断を視覚的に演出していたのも面白いと感じました。
ただ、1961年の映画がメロドラマ的な雰囲気があったのに対し、本作はミュージカルでありながら悲劇をリアルに描き切ったことで、はっきり言って観終わったあと非常に暗い気分になりました。
美しい悲劇というより、言ってしまえばリアルに胸糞なラスト…。
青春メロドラマを観に行った人たちは困惑したのでないでしょうか?
社会派やシリアスな作品が大好きな筆者でさえ、序盤の歓喜の雰囲気との落差に驚き、打ちのめされたほどです。
ヴァレンティナ|リタ・モレノ:配役のメッセージ
1961年版の『ウエストサイド物語』でアニータ役だった女優リタ・モレノが、本作ではヴァレンティナ役を務めました。
リタ・モレノを共通項とすると、プエルトリコ系のヴァレンティナが、白人男性と結婚して暮らし、ジェッツメンバーの保護者的な役割だった事実が、1961年版のアニータが兄を殺された悲しみと人種の壁を乗り越えたことを暗示しているようにみえるのです。
1961年版のアニータは、白人男性と結婚して幸せに暮らした。
スピルバーグは1961年版にリスペクトと希望込めて、本作のキャスティングでさりげなくメッセージを示したのかもしれません。
単なるリメイクではなく、ストーリーに連続性が生まれている気がして感慨深いですね。
↓『ウエスト・サイド・ストーリー』考察レビューは2ページ目へ↓
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