映画『ゴールドボーイ』ネタバレ考察⚠️最悪ラスト結末の意味,沖縄の実話とのリンク

  • 2024年3月11日

映画『ゴールドボーイ 』少年たちが殺人犯に口止め料を要求する奇抜な設定が話題に!原作は中国のヒット小説です!

シネマグ
筆者が暮らす沖縄を舞台に、岡田将生と少年たちのドス黒い駆け引きが繰り広げられますラストシーンの意味と今後ゴールドボーイの意味エンドロール後のゴールドボーイ2について沖縄で実際に起こった恐ろしい事件との関連を解説!

作品情報・キャスト・登場人物

あらすじ・ネタバレなし感想

ネタバレ衝撃のラスト結末解説・徹底考察

鑑賞後の感想・評価レビュー

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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サスペンス映画『ゴールドボーイ 』面白かった!?(投票どうぞ)

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映画『ゴールドボーイ 』作品情報

公開:2024年3月8日(金)
制作国:日本
上映時間:2時間9分
ジャンル:サスペンス・クライム
年齢制限:PG12
監督:金子修介(『平成ガメラ』シリーズ)
脚本:港岳彦(『アナログ』『正欲』)
原作:紫金陳(ズー・ジンチェン)の小説「悪童たち(隠秘的角落)」(2021)、ドラマ『バッド・キッズ 隠秘之罪』
撮影:柳島克己
音楽:谷口尚久 主題歌:倖田來未

キャスト・登場人物

岡田将生|東昇 役

岡田将生

©︎記事の引用元・公式サイト

東昇(ひがし のぼる)。自らの利益のために義理の両親を岬から突き落とした殺人犯。

出演作:『ドライブマイカー』『CUBE 一度入ったら、最後』『さんかく窓の外側は夜』『1秒先の彼』『ゆとりですがなにかインターナショナル』

羽村仁成|安室朝陽 役

羽村仁成

安室朝陽(あむろ あさひ)。中学2年生で13歳。東昇の殺人を偶然カメラに収め、彼を脅す作戦を立てる。

出演作:『リボルバー・リリー』『俺の家の話』

星乃あんな|上間夏月 役

星乃あんな

上間夏月(うえま なつき)。浩の義妹で13歳。義父から性的暴行を受けそうになり、朝陽のもとに逃げてくる。

出演作:『王様戦隊キングオージャー』『ちむどんどん』

前出燿志|上間浩 役

前出燿志

上間浩(うえま ひろし)。夏月の義兄。朝陽の親友。いつもナイフを持ち歩いてカツアゲをしている。

出演作:『ラーゲリより愛を込めて

黒木華|安室香 役

黒木華

安室香(あむろ かおり)。朝陽の母。2つの仕事を掛け持ちするシングルマザー。

出演作:『ノイズ』『余命10年』『ヴィレッジ

松井玲奈|東静 役

松井玲奈

東静(ひがし しずか)。東昇の妻。夫婦仲は最悪で、夫が犯人だと確信している。

出演作:『まんぷく』『プロミスシンデレラ』『よだかの片想い』

北村一輝|打越一平 役

北村一輝

打越一平(うちこし いっぺい)。朝陽の父。数年前に離婚し、家を出て行った。

出演作:『るろうに剣心 最終章/The Beginning』『沈黙のパレード』『Netflix 実写ゾン100

江口洋介|東厳 役

江口洋介

東厳(ひがし げん)。刑事で東静のいとこ。昇が殺人に関与していると考えて調べる。

出演作:『実写 るろうに剣心』『実写 沈黙の艦隊』『忍びの家

映画『ゴールドボーイ 』あらすじ

東昇(ひがし のぼる/岡田将生)は、読谷岬で義理の両親を突き落として殺害。会社や遺産を手に入れるためだった。

いっぽう、母と貧乏暮らしをする中学生・安室朝陽(あむろあさひ/羽村仁成)は、以前近所に住んでいた上間浩(うえまひろし/前出燿志)と再会する。

浩は義理の妹・夏月(星乃あんな)を連れていた。浩の父が夏月の母と再婚したらしい。

夏月は浩の父に襲われそうになり、とっさに包丁で刺してしまったという。2人は住んでいる浦添から朝陽がいる沖縄市(コザ)に逃げてきた。

3人はカメラを持って海に遊びに行く。朝陽が夏月を撮影していると、背後の読谷岬(よみたんみさき)で人が突き落とされたのが写り込んだ

朝陽たちは現場の読谷岬へ向かう。すると東昇が警察の前で「義理の両親が事故で落ちてしまった」と泣き叫んでいた。

朝陽たちは東昇が殺人犯だと確信。しかし朝陽たちは警察に届け出ず、「動画で金持ちの東昇を脅して金を取ろう!」と作戦を練る。

映画 ゴールドボーイ

3人は東昇を訪ねて動画を見せるが…。

映画『ゴールドボーイ 』ネタバレなし感想

沖縄を舞台にした独特の緊張感

映画 ゴールドボーイ

シネマグ
中学生3人組が殺人犯を脅すという奇抜な設定も良かったですし、独特の緊張感が漂っていてすごく面白かったです。

予告では「衝撃のラスト!ネタバレ厳禁!」と書いてありましたが、「めちゃくちゃひねられて予想不可能!」とまではいかないので、そこまでハードルを上げずに見るのがグッドだと思います。

(それでも普段あまり映画を見ない方ならラストにビックリすると思います)

筆者は沖縄で暮らしているのですが、海だけでなく、貧困家庭、亀甲墓(大きなお墓)、うちかび(先祖のために金を燃やす)などなど、沖縄の文化がしっかりストーリーに反映されていました

そしてただ沖縄の実態や文化を羅列するだけでなく、じっとりとした湿度の高さのようなものが映像に反映されており、それがまた味になっていたと思います。

キャストの演技の評価

岡田将生さんのサイコパスな演技も良かったですし、中学生役の羽村仁成さんもハマり役でした。

全体的にスリリングな印象を与えているのはこの2人の掛け合いによるところが大きいでしょう。

黒木華さんも健気なシングルマザー役を完璧にこなしていました。

江口洋介さんとか北村一輝さんも何ひとつダメなところはないのですが、この2人じゃなくても成立した気もします。

特に北村一輝さんの出番はかなり少なかったですね。沖縄の俳優使っても良かったのでは?

おすすめ度 85%
世界観 80%
ストーリー 85点
IMDb(海外レビューサイト)※随時更新 (10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 批評家 %
一般の視聴者 %

※以下、映画『ゴールドボーイ 』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『ゴールドボーイ』ネタバレあらすじ解説

読谷岬・突き落とし殺人

中学生・安室朝陽(あむろあさひ/羽村仁成)は、以前近所に住んでいた親友の上間浩(うえまひろし/前出燿志)とバッタリ出くわす。

浩は義理の妹・夏月(なつき/星乃あんな)と一緒にいた。

夏月の顔は暗く沈んでいる。

3年前に夏月の母が浩の父と再婚したが、浩の父は夏月に暴力をふるい、性的暴行をしようとした。

そこで夏月は刃物で浩の父を刺し、住んでいる浦添から2人で逃げてきたという。2人は朝陽のスマホで浦添で殺人事件のニュースが出ていないことにほっとする。

朝陽の両親は数年前に離婚しており、母・香(黒木華)に育てられていた。香はパン工場とホテルの仕事を掛け持ちしており、夜勤のため数日家に帰ってこない。

朝陽は夏月たちを家に泊めることにした。

翌朝、家の壁に“殺人者の朝陽”と、落書きがされていた

朝陽の父・打越一平(うちこしいっぺい/北村一輝)がやってきて、「再婚相手がやらせたらしい。すまん」と謝る。

アキ(一平の義理の娘で、朝陽の同級生)が先日に自殺をしたことで、アキの母親が朝陽の関与を疑っているようだ。

朝陽は父からもらった金でカメラを買う。そして夏月と浩と3人で海へ遊びに行った。

朝陽が夏月を撮影していると、ずっと遠くの岬から人が落下するのが映り込んだ。拡大すると、明らかに突き落とされているのがわかる

すぐに読谷岬へ行く。東昇(ひがし のぼる/岡田将生)が泣きながら警察に「義理の父が突然気を失い、義母をつかんで転落してしまった」と説明していた。

落下して死んだのは、沖縄を牛耳る企業・東グループの経営者夫妻だった。

朝陽たちは東昇が突き落とし殺人の犯人だと確信し、彼を脅して金を巻き上げようと計画を立てる

朝陽と東昇の交渉

東昇を脅迫する朝陽少年

朝陽たちは東昇に接触して動画を見せ、「現金で六千万円用意しろ」と言う。

東昇は表情を変えず「婿養子なので遺産を相続できない。そんな大金すぐに用意できないからしばらく待ってくれ」と話す。昇は60万円だけ先にわたした。

夏月と浩は朝陽の家の近くの廃墟でしばらく暮らすことになった。


東昇の妻・静(しずか)は、夫が無感情な人間だと知っており、彼が犯人だと勘づいていた。

静は両親の葬儀を終えたあとで従兄弟で刑事の(げん/江口洋介)に相談。しかし証拠がないと言われる。

数日後、静が不倫相手を乗せた車で猛スピードを出し、事故に遭って死亡。死体からは覚醒剤が検出され、警察では事故で片付けられた。

厳は静かの夫・昇を怪しみ、事情を聞く。しかし決定的な証拠は得られない。

厳は昇の家に朝陽が来ていたのを不審に思った。


朝陽は昇に、「どうやって妻を殺したの?」と聞いた。これで東グループの財産は昇のものになる。

昇は、「美容コラーゲンカプセルを二重にして中に覚醒剤を仕込んだ」と話す。

朝陽は「口止め料の6000万はいらないから、父と再婚相手を殺してくれ」と昇に頼んだ。

昇は「直接手はくださないが、手伝う」とだけ言った。

さらなる殺人

朝陽のことを好きになっていた夏月は、朝陽の実父と再婚相手の殺害に同意。浩も朝陽の意見に従うことにする。

一番疑われそうな朝陽は殺害の実行から外れることになり、アリバイづくりのため学校へ行った。

朝陽の父・一平とその妻が先日自殺したアキの墓にやってくる。

夏月があらわれ「墓参りの儀式(うちかび)を手伝ってほしい」と言って一平たちを別の墓に連れてきた。

夏月はそこで2人に毒入りの餅を食わせて殺害

隠れていた昇が2人の死体から歯を抜き(身元の特定を遅らせるため)、あらかじめ掘っておいた穴に埋めた

後日、犬を散歩させていた男性が一平と妻の死体を発見。

刑事の厳は、朝陽が一連の事件に関わっているという考えを強めた。

衝撃のラスト結末

数日後、昇の家に朝陽たちが集まる。

朝陽は突き落とし動画が入った証拠のSDカードを昇に渡した

昇はSDカードを割る。そして夏月と浩が一平たちに餅を食わせて殺害した動画を見せる(脅すために隠し撮りしていた)。そして「これでおあいこ。交渉は終わりだ」と言った。

昇は食べ物を配達させて酒を開け、今日が誕生日だという朝陽を祝う。3人は飲み物を飲んだ。その直後に苦しみ出す。

昇が毒を入れていたのだ。「昇は大人を舐めるな!」と朝陽に蹴りを入れた

昇は朝陽たち3人がもがき苦しんで死んだのを見て笑い、クラシック音楽を流した。

後ろを向く。生きていた朝陽がナイフで昇の首を刺した。昇の行動を読み、飲み物を吐き出していたのだ

朝陽が「父・一平たちの遺体が早く見つかるように土を掘ったのは俺だ」と言う。昇は血を流して死亡した

朝陽は隠蔽工作のために自分の手を切りつける。刃物は浩の死体に握らせた。読み通り、警察の厳がやってきた。


数日後。朝陽は病院で厳に、「突き落とし事件で昇を脅迫して金を取ろうと言ったのは浩。勘違いして実父・一平を殺したのは夏月だ。僕は浩にずっと脅されていた」と嘘をつく。

朝陽は退院し、家で寝ていた。

母・香がポストの手紙を見る。夏月が朝陽宛に書いたものだった(死ぬ前に投函した)。

朝陽の日記を事前に読み、アリバイ工作に気づいていたがすべて許す”と書かれていた。

香は息子が殺人者だと気づいてパニックになる。

手紙に気づいた朝陽が包丁を持ち、「実際に自分が殺したのは、アキ(同級生)と昇だけだ」と言い放った。アキに告白したがフラれたのでイラつき、自殺に見せかけて殺したと話す。

朝陽は外に出る。道向かいに厳が立ち、にらんでいた。香が厳に電話をし、厳は朝陽が殺人を告白した会話を聞いていたのだ

映画『ゴールドボーイ』終わり

映画『ゴールドボーイ』考察ネタバレ

真犯人と動機

すべてを見通していたサイコパス少年・朝陽(羽村仁成)の行動や動機を解説します。

結論から言うと、「朝陽は昇を脅迫した最初の時点で、打越夫婦の殺害と昇と夏月たちを殺し合わせて罪をなすりつけることを計画していた」となります。

冒頭で自殺したと思われていた女子中学生・アキを殺害したのは朝陽でした。

アキは、朝陽の実父の再婚相手の娘です。朝陽はアキに告白しましたがフられ、腹いせに首吊りに見せかけて殺したのです。

父・打越一平(北村一輝)とその妻を殺害を計画したのは、アキの殺害に関与したと勘づかれたからです。

父・一平の殺害については遺産目当の動機もあるでしょう。一石二鳥だったのです。

朝陽は昇(岡田将生)が自分たちを殺そうとしていると勘づきながら、なぜ夏月や浩に知らせなかったのでしょうか?

夏月と浩にも罪をなすりつけるためです。

真相を知っている昇も一緒に殺しました。

朝陽は同級生・アキの殺人で快感を覚え、その快感にどんどん溺れていったように見えます。

ラストシーンの意味:今後どうなる?

朝陽が刑事・厳(江口洋介)と対峙するラストシーン。ここで映画は終わります。

朝陽は今後どうなるのか?気になりますね。

厳は香(朝陽の母・黒木華)からの通話を受け、朝陽が昇を殺害したこと、夏月や浩へ計画的に罪をなすりつけたことを知りました。

厳は朝陽を逮捕するでしょう。

しかし考えてみると夏月からの手紙は朝陽が燃やしましたし、証拠となるのは朝陽が自白した電話の音声しかありません

昇や夏月ふくめ証言を取れそうな人物は全員死亡しています。

朝陽が言い逃れしようとすれば、できそうな気がしますね。

シネマグ
1つ目の解釈では、朝陽は厳に堂々と証言をし、「母・香の言動が最近おかしい」などと言い訳をして罪を逃れるのではないでしょうか。

2つ目のパターンとしては、朝陽はすべてをコントロールできなかったことに失望して道路に飛び出すのかもしれません。

感想を語る犬
人間らしい感情が欠落しているサイコパスの朝陽が、人生を簡単に諦めてその場で自殺したとしてもおかしくないと思いました。

いろいろ想像できる余韻に富んだラストシーンでした。

エンドロール後の「ゴールドボーイ2」とは?

エンドロール後に、『ゴールドボーイ2』の文字が踊りでました。

「制作陣による続編を作りたいアピール」というのもあるでしょうけど、『ゴールドボーイ2』の文字を出すことで殺人鬼の少年・朝陽の物語がまだ終わらないことを示唆しているとも考えられます。

先ほど考察したように、朝陽が罪から逃れる今後の展開を示唆しているように思えました。

罪を逃れた朝陽は、ほとぼりがさめたらまた誰かを殺してしまうのかもしれません。

ゴールドボーイの意味

タイトルのゴールドボーイ(Gold Boy)の意味を訳すと「金で作られた少年」です。ちょっと意味不明ですね。

どちらかというとゴールデンボーイ(Golden Boy)「若いうちに成功した人物」のニュアンスに近いでしょう。

ただ、ゴールドボーイがサイコパスの朝陽を指していると考えると「金属のように冷たい人間」という意味も込められているのかもしれません。

シネマグ
若く才能があるサイコパス=ゴールドボーイなのでしょう。

朝陽と東昇:キャラクターの共通点

朝陽と東昇。両方とも日の出を表す言葉という共通点があります。

名前だけで、朝陽は殺人を犯した東昇と同類であるとわかるのです。名前の設定による伏線ですね。

もっと詳しく考えると朝陽(あさひ)は、から太陽がったあとに感じられるものです。

名前からして、朝陽は東昇の後継者なのです。

さらに日本の数学コンテスト(広中杯)で朝陽は優勝。昇は過去に2位でした。

シネマグ
(メタ視点を含めると)最初から昇は朝陽に勝てるわけがないのです。

2人が同じサイコパスだという明確な対比の構図があり、「どうせ大人の昇が勝つんでしょ!」と思わせて朝陽が策略で完全に上回る点にプロットの巧さがありますね。

沖縄・残波岬の実際の事件

『ゴールドボーイ』で東昇が義父母を突き落とした読谷岬(よみたんみさき)は存在しません。

撮影場所は残波岬の周辺だと思います(岡田将生さんが義父母を突き落としたシーンの場所もあったような)。

残波岬は美しいところですが、自殺の名所・心霊スポットとしても有名です。

実は2019年に残波岬で突き落とし殺人が起こっています(30代の男性が知り合いの女性を金銭目的で突き落とした)。(→参考記事)

残波岬の実際の殺人事件からストーリーの着想を得て『ゴールドボーイ』の脚色がなされたのかもしれませんね。

シネマグ
同じ名前だと残波岬の評判に影響するので「読谷岬」に変更したのでしょう。

元ネタはゴールデン・ボーイ?

映画『ゴールドボーイ』の原作は紫金陳(ズー・ジンチェン)の小説「悪童たち(隠秘的角落)」です。

ただ、子供が大人が影響を受けあって殺人を犯してしまう展開はスティーヴン・キングの『ゴールデン・ボーイ』(1982年。中篇小説集『恐怖の四季』収録)とよく似ていると思いました。

日本で映画化するにあたって『ゴールデン・ボーイ』を参考にしたのかもしれません。

もしくは紫金陳さんの原作の時点で、『ゴールデン・ボーイ』が構想の元ネタだった可能性もあります。

映画『ゴールドボーイ』ネタバレ感想・評価

少年たちの狂気がグッド

少年少女がだんだんと狂気に染まっていく過程が面白いと思いきや、「朝陽に関しては最初からすべて計画済みのサイコパスだった!」というどんでん返し

岡田将生と羽村仁成の駆け引きが楽しかったです。少年たちのリミットが外れていくさまが痛快でした。

シネマグ
頭脳派の朝陽に言いくるめられて、夏月や浩が操られていく過程が興味深く、引き込まれました

少年犯罪って案外こんな感じかもしれないというリアリティがありました。

そんなに意外じゃない結末

ただ、サスペンスとしてはそこまで意外性がなかったのが少し残念ではあります。

正直、朝陽が同級生のアキの自殺に絡んでいるのも最初から読めました。

東昇(岡田将生)と朝陽(羽村仁成)の対立構図があり、2人とも“演技をしている演技”だったので、朝陽がサイコパスなのは予想どおり。

朝陽が夏月と浩を裏切るのも想定内。

終盤で昇が3人を毒殺しようとしましたが、朝陽だけは生き延びるんだろうな。となんとなく予想はついていました。

昇の背後にカメラをパンした瞬間に、朝陽が立ってるだろうな…と。

予告で「ネタバレ厳禁!傑作!」とかハードル上げまくっていたので、それもよくなかったと思います。

ワクワクしていろいろ想像しながら見てしまった結果、だいたい想定内で終わった感じ。

おそらくサスペンス映画が好きな人ならそこまで予想外の内容ではなかったのでは?

それなら予告でそこまでハードルを上げないで欲しかったです。

本作の根底にあるのが沖縄の貧困問題(特に片親の場合が深刻)です。そこに少年犯罪の巧みな心理描写を絡めた脚本や演出が見どころのドラマだったと思います。

サスペンスの傑作として見てしまうと、そもそも「朝陽が数学コンテストで全国1位を取る超秀才」など、ツッコミどころが目につきます。

感想を語る犬
集客の問題があるので仕方ないにしても、映画本編が面白くなるような予告を考えてほしいものです。

最後のまとめ

映画『ゴールドボーイ 』は紫金陳(ズー・ジンチェン)の大ヒット小説「悪童たち(隠秘的角落)」をベースに、舞台を沖縄に移したサスペンスの良作でした。

シネマグ
内容的にはわりと手堅いサスペンスでしたが、演出の良さで独特な雰囲気が醸し出されていたのが素晴らしかったです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。邦画『ゴールドボーイ 』レビュー終わり!

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