蜷川実花監督の映画『Diner ダイナー』は、ひとことでいうと極彩色の学芸会。目がチカチカする非常に残念な爆死級の作品でした。
作品情報・キャスト・見どころ、ぶっちゃけ感想・酷評(ネタバレ)、笑えるアクション解説、ひどいラスト考察を知りたい人向けに記事を書きました。
映画の内容があまりにヤバいため、冗談混じりの文章でレビューします。ご了承ください。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
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映画『Diner ダイナー』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価
©︎映画「Diner ダイナー」製作委員会
あらすじ:ヤバいバイトに手を出し、マフィアに捕まったオオバカナコ(玉城ティナ)吊るされて殺されそうになったが、「私は料理ができる」と発言したことで、ボンベロ(藤原竜也)が料理長を務める人殺し専用のダイナーで働かされることに。オオバカナコは殺されるのを恐れ、1億円相当のディーバ・ウォッカを隠すのだが…。
蜷川実花監督らしい極彩色の映像美が魅力。ストーリーはハリボテ。次回作の実写映画『ホリック xxxHOLiC』(2022)の方がまだ面白いです。
映画ではなく、映像作品を見るつもりのほうが無難でしょう。
海外サイトで10点中5.8点と、半分以上を獲得しているのが信じられません。とんでもジャパン好きには刺さる作品だったのでしょうか…。
おすすめ度 | 20% |
世界観 | 75% |
ストーリー | 25% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.8(10点中) |
※以下、映画『Diner ダイナー』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『Diner ダイナー』ネタバレ感想・酷評
蜷川実花全力のコスプレPV作品
蜷川実花作品のアート的な映像は個人的に嫌いではないですが、超一流の料理を出すダイナーが舞台のわりに、ストーリーがコンビニ弁当の漬物以下です。
同じく2019年に公開された蜷川実花監督作品『人間失格 太宰治と3人の女たち』のほうがストーリー性があって、映画としては全然マシでした。
殺し屋に扮したコスプレ集団が好き放題暴れ回るシーンの連続に、ツッコミ的な笑いこそあれ、物語としての面白さを見出せるほど達観していません。
悪い意味で見せ物小屋的・動物園的な作品。
内容の薄さ的にも、4〜5分のPVにまとめてほしかったです。
殺人鬼×グルメの秀逸コンセプトを活かせてない
©︎映画「Diner ダイナー」製作委員会
殺人鬼のためだけのレストランなのに、「メニューに人肉とかないんだ」とガッカリしました。
全体的に料理は盛り付けがゴージャスなだけで“普通”なのが痛いですね。
『ハンニバル』の脳味噌生きたまま食べちゃう猟奇的なシーンはもちろん、『インディージョーンズ2』の猿の脳みそのようなゲテモノもなし!
せめてバーガーのパテは人肉とかにしようよ。普通に鴨肉とか使うなよ!
殺人とグルメの組み合わせという素晴らしいコンセプトで、なぜ料理で攻めなかったのか疑問です。
爆笑のアクション解説(ネタバレ)
©︎映画「Diner ダイナー」製作委員会
ラストのボンベロと無礼図(ブレイズ)真矢ミキの戦いが爆笑でしたね。
1番笑ったのが、ボンベロがバーカウンターを滑りながら銃を撃つシーン。
なぜカウンターの上を滑っているのか、藤原竜也本人も理解していないような表情。
心ここにあらずの爆笑迷シーンでした!
また、マトリックスのようにジャンプしながらスローモーションで向かい合っての撃ち合いから、その着地が描かれず省略されて徒手格闘が始まるなど、斬新すぎでした。
絵的・映像的に派手であればなんでもありみたいな潔さがありましたね。
映画『Diner ダイナー』ひどいストーリー内容・ラスト考察
ヤバいバイトに手を出して拉致られた玉城ティナ演じるオオバカナコがダイナーにやってくる。そこでスキンやキッドなど見せ物小屋にいるような殺人者たちが派手に登場するまではまだ期待感がありました。
しかし、オオバカナコが店に馴染み出してから物語としての勢いが完全にストップします。
終盤はほんとひどいです。
まず、殺し屋たちが乗り込んでくると知りながら、ボンベロはオオバカナコに急に料理を教え出します。
そして料理長ボンベロと、宝塚ノリの真矢みきがマトリックスのパロディ的アクションを繰り広げる超カオスな展開。
そして藤原竜也は玉城ティナとキスをして別れ、爆発2回、銃弾多数を受けて生死不明。
玉城ティナはメキシコで場末のダイナーを開業し、実は生きていた藤原竜也と犬っころが登場。ラブラブハッピーエンドです。
終盤からラストにかけての唐突な恋愛要素に心を締め付けられました。酷すぎて苦しいからです…。
いくら映像重視の作品でも、こんな適当なまとめ方ってあります?
結局、オオバカナコの成長物語としても超絶微妙でした。
映画『Diner ダイナー』作品情報・キャストと演技の印象
英題:『Diner』
ジャンル:アート・猟奇サスペンス
監督:蜷川実花
脚本:蜷川実花/後藤ひろひと/杉山嘉一
原作:平山夢明小説「ダイナー」
撮影:相馬大輔
製作:Diner ダイナー 製作委員会
興行収入:12億円
登場キャラ・キャスト
ボンベロ|cast 藤原竜也→蜷川親子二代にわたっていじられまくる可哀想な男。
オオバカナコ|cast 玉城ティナ→人形すぎて引き込まれない。『ミトヤマネ』(2023)に主演。
スキン|cast 窪田正孝→スフレに興奮しすぎ。
無礼図(ブレイズ)|cast 真矢ミキ→宝塚マトリックスをやりやがった。
キッド|cast 本郷奏多→親戚が見たら悲しみそうな違和感丸出しキャラ。(『幽遊白書』の飛影役)
マテバ|cast 小栗旬(『人間失格 太宰治と3人の女たち』『キャラクター』)→使い捨てみたいなキャラでしたね…。
マリア|cast 土屋アンナ→勢いだけ…。
ブロ|cast 武田真治→ムキムキナルシストで本人そのまま。
カウボーイ|cast 斎藤工(『CUBE 一度入ったら、最後』Netflix『ヒヤマケンタロウの妊娠』)→英語を喋るキモい端役。もうちょっと仕事選べ。
最後のまとめ
蜷川実花監督の映画『Diner ダイナー』は、映像のインパクトだけを追求するあまり、ストーリー性という言葉が儚く消えた駄作でした。
蜷川実花監督の作品は当たり外れが大きくてギャンブルみたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『Diner ダイナー』レビュー終わり!
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