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映画『グッバイ・クルエル・ワールド』ネタバレ感想・ラスト考察/社会のクズたちが暴走!あらすじ解説評価

映画『グッバイ・クルエル・ワールド』(Goodbye Cruel World)。社会に居場所のない者たちがヤクザから大金を盗み、歯車が狂っていく異色作もちろん登場人物は全員クズです!

CineMag
熟成された狂気はどうなるのか!?社会のクズたちが織りなすバイオレンスヒューマンドラマ!散っていく美しさが堪能できました。

作品情報・キャスト相関図・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価ラストのメッセージ考察ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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映画『グッバイ・クルエル・ワールド』作品情報・キャストと演技の印象

公開・制作国・上映時間:2022/09/09・日本・127分
英題:『Goodbye Cruel World』
ジャンル:バイオレンスアクション・ヤクザ
監督:大森立嗣
脚本:高田亮
撮影: 辻智彦
主題歌:ボビー・ウーマック「What is this」

原作はなくオリジナル作品です!

相関図

映画『グッバイ・クルエル・ワールド』相関図

登場人物・キャスト紹介

映画『グッバイ・クルエル・ワールド』の登場人物たち

登場人物キャスト・出演作
安西幹也

元ヤクザ。ホテル経営で妻子とやり直したいと思っている。

西島秀俊

今作の西島さんは“あのシーン”が最高でした。必見!棒っぽい演技だと言われることがありますが、やっぱ好きです。

(『ドライブ・マイ・カー』、『クリーピー偽りの隣人』ドラマ『真犯人フラグ』)

萩原

危ない仕事で稼ぐ暴力的な男。

斎藤工

こんな悪い斎藤工見たことがない。迫力がすごくてもはや狂犬です。

(『シン・ウルトラマン』、Netflix『ヒヤマケンタロウの妊娠』)

美流

デリヘルで働く女性。恋人武藤の借金のせいで追い詰められている。

玉城ティナ

幸薄い女性といえば玉城ティナ!みたいなキャスティングでした(笑)。セクシーさも解禁!

(実写『ホリック xxxHOLiC』Dinerダイナー』)

矢野

ラブホテルの受付係。美流のことが好き。

宮沢氷魚

(『賭ケグルイ』『ちむどんどん』

蜂谷一夫

ヤクザと繋がりがある刑事。

大森南朋

無表情で淡々と操作を続けながら、内側はどこか壊れている。そんなキャラを見事に演じてました。

(『ヘルタースケルター』『アウトレイジ最終章』)

浜田

元学生運動員で、現在は過激派左翼として政治家の失脚などを画策している。

三浦友和

若者に説教しちゃう系おじさん最高。

飯島

元ヤクザで安西の舎弟だった。

奥野瑛太

本物です(笑)。本物のチンピラを呼んできて演技させているみたい。目ん玉ひんむいて呂律回らない感じが素晴らしすぎる。

武藤

美流のビビりな彼氏。

宮川大輔

ネタバレなし感想・あらすじ・海外評価

あらすじ:安西(西島秀俊)、浜田(三浦友和)、萩原(斎藤工)は、借金を返済できない美流(玉城ティナ)と武藤(宮川大輔)を雑用にしてヤクザが資金洗浄しているラブホテルに乗り込み、銃を突きつけて金を奪った。美流は自分が情報を提供したにもかかわらず取り分が少ないことに怒るが、萩原に軽くあしらわれる。一方、金を取られたヤクザは繋がりのある刑事・蜂谷(大森南朋)に犯人を捕まえるように依頼する。ならず者同士の醜い争いの火蓋が切って落とされた…。

メッセージ性・アート性が強いグロアクション。

感想を語る犬
エンタメというより、登場人物たちの悲哀が浮かび上がってくるヒューマンドラマだと思いました。

ボタンの掛け違えから悲劇が…みたいな理不尽な展開の映画が好きな人はハマると思いますが、一般受けするかは疑問。見る人によって大きく評価が分かれるタイプです。

個人的には映像で魅せるメッセージ性が素晴らしく、見る価値はあると思います。

おすすめ度75%
狂気の世界観90点
ストーリー70点
Filmarks3.5(5点中)

※以下、映画『グッバイ・クルエル・ワールド』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『グッバイ・クルエル・ワールド』ネタバレ感想・評価

『グッバイ・クルエル・ワールド』の評価は80点。

前半はわりと淡々と進んでいき退屈さを感じましたが、終盤からラストにかけて熟成された狂気が溢れ出るような展開に歓喜

日本のヤクザ映画というより、タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』に近い雰囲気でした。(挿入歌も洋楽でしたし、意識したのかもしれませんね。)

本作で一番好きなシーンは、西島秀俊さん演じる安西がホテル経営で頓挫して元舎弟の飯島を殺し、気づいたら酒を飲む浜田の横で笑っている場面

カメラのアングルと西島さんの表情の相乗効果で、白目がほとんど見えない不気味な瞳だったんですよね。

シネマグ
社会のクズとして生きることを受け入れたような、それでいてその事実から目を背けているような最高のシーンでした。

刑事の蜂谷が美流や矢野と一緒に楽しく踊っちゃう場面も素敵!

社会のクズ同士がシンクロしています(笑)。そして蜂谷は照明が点滅する中で刺されます。展開が唐突すぎ。狂ってますね。

斎藤工さんの萩野も良かったですね。人の命をなんとも思っていないホンマモンのクズ感が言動から溢れ出ていて素晴らしいと思いました。萩野が主人公のスピンオフみたいです(笑)。

そして忘れちゃいけないのが、安西の元舎弟・飯島役を演じた奥野瑛太さん。目を見開いて呂律の回らない状態で暴れる姿は本物のチンピラかと思わせられるほど凄まじかったです。役にハマりすぎ。

感想を語る犬
上映時間は127分と、中盤は正直長いな〜と思いましたが、随所に光るものがある素晴らしい作品だったと思います。

考察(ネタバレ)

ラストのメッセージ

ラストではお互い大怪我を負った安西と刑事の蜂谷が海辺のバス停でバッタリ出逢い、笑い合います。

なぜ海辺なのでしょうか。

美流と矢野が回想で話していた「海辺で暮らしたい」という想いとリンクしているからです。

もちろん安西が美流の想いを知っていたわけではないですが、何かに導かれたということでしょう。

“社会の掃き溜め”同士の心はシンクロしていたというメッセージだと受け取りました。

クルエル・ワールドの意味

クルエル・ワールド(Cruel World)は残酷な世界という意味です。

安西、美流、蜂谷、萩野、浜田ら社会不適合者たちにとって、残酷な世界とはこの日本社会そのものです。

彼らは社会のクズとしてしか生きられず、その生き方に別れを告げるためには死ぬしか道はありませんでした

つまり現実に「グッバイ」しているわけです。

ハードボイルドですね。

社会不適合者同士の化学反応

『グッバイ・クルエル・ワールド』をひとことで表現するなら「社会不適合者同士が引き寄せられての化学反応」となるでしょう。

行き場のない者が行き着く先に待っているのは、同じく行き場のない者だけです。

彼らはそんなクルエル・ワールドから逃れることができません。その中でもがき苦しみ、お互いに争い潰し合う。

シネマグ
個性的すぎて歯車が合わず、助け合うことさえできないのです。

最初に強奪を働いた仲間だったはずが、ボタンの掛け違えから殺し合いに発展する。ものすごい皮肉ですね。

美流と蜂谷のダンスや血が飛び散る殺害シーンなどアート的な映像に彩られて、儚く散るしかなかった者たちの悲哀が浮かび上がってきます

『グッバイ・クルエル・ワールド』ネタバレあらすじ解説

美流と萩原の悲劇

美流と武藤は萩原から「借金をチャラにしてやるから消えろ」と言われたが、近くの喫茶店で萩原と鉢合わせ。

美流は「仕事が欲しい」と萩原に言って引き下がらない。

萩原は美流に宝石の強奪を手伝わせる。萩原は宝石を全部取ると美流を殴り倒し、ハンマーで数回殴って放置した。美流に仕事を与える気など全然なかったのだ。

店の外へ出た美流は運転係りの武藤に助けを求めたが、武藤は萩原にナイフで脅されて車を発進させてしまう。

数日後、武藤の死体が山から見つかった。美流は大怪我を負って入院していた。

一方、ヤクザの依頼を受けた刑事・蜂谷は、ラブホテルの受付係・矢野が萩原たちに情報を流していたと知る。

矢野を問い詰めると、ラブホテルによくきていたデリヘル嬢・美流に恋をして、彼女と一緒に計画を思いついたらしい。

美流と矢野は蜂谷に捕まり、ヤクザの親分から「罰の代わりに犯人を見つけて始末しろ」と言われる。

美流と矢野はショットガンを持ち、喫茶店にいる萩原と彼の仲間を全員撃ち殺した

カタギになろうとする安西

金を得た安西は、別居中の妻子を呼び戻し、商店街の一角のホテル運営で生計を立て直そうと奮闘していた。

商店街の人との飲みの付き合いにも笑顔で参加した。

しかしそこへ、ヤクザ時代の部下・飯島が現れる。

仕事のない飯島は「商店街の人に安西さんが昔ヤクザだったとばらしましょうか?」と脅し、ホテルで働き始める。

しかし飯島の勤務態度は非常に悪く横暴で、他の人に背中の刺青を見られてしまった。

さらに飯島は近くの飲み屋で安西が元ヤクザだと暴露する。

後日、安西の家に商店街の店主たちが押しかけてきた。「元ヤクザとは聞いていなかった。出ていけ」と文句を言われる。

飯島は安西がヤクザから金を強奪した情報をかぎつけており、倉庫を荒らして金を探し回っていた。

安西は飯島に詰め寄り、彼を撲殺する。

安西はホテルを閉めて妻に金を渡し、去って行った。

狂気のラスト結末

蜂谷は矢野や美流と一緒にいるのが楽しくなり、ヤクザに彼らを生かしておくよう頼むが、「舐めるな」と言い返される。

蜂谷は部屋で美流や矢野と楽しく踊るが、矢野に刺されて倒れた

左翼崩れの浜田は、ヤクザから強奪した金で現職知事に美人局をけしかけてスキャンダルを作るなどの活動をしていた。

選挙で不正な金が動くと情報をつかみ、安西を呼び寄せてその金を強奪する計画を立てる。

安西は、浜田が雇っている若者たちと夜に資金受け渡しをしているガソリンスタンドへ。中にいる人間たちを銃で脅し、金を運んだ。

しかし浜田の部下が裏切って安西に銃を向ける。浜田の部下がその場にいた1人を撃ち殺した。

そこへ美流と矢野がやってきて(蜂谷のスマホを見て安西の居所を知った)ショットガンをぶちかます。浜田の部下たちやその場にいた死亡。

と思いきや、安西は死体に隠れて生きていた。安西はガソリンを撒いていた美流を銃で打って逃げる。しかし矢野に撃たれて追い詰められた。

安西は「俺とお前らはクズ同士で、どうせ行く場所なんかない」と言う。美流は動揺した。

ガソリンスタンドで大爆発が起きる。

生きていた安西は、駆けつけた浜田がすべて仕組んだと思い、彼を撃ち殺す

朝方、車の中で死んでいる美流を見ながら、狂った矢野は踊りながら叫んだ

生きていた蜂谷はヤクザを殺し、逃げた。彼は昔ヤクザに協力したのをきっかけにヤクザに脅されて恨みを持っていたのだ。

安西は妻子のところへ行くが、無視される。

安西は海沿いのバス停で逃げてきた蜂谷と偶然出会う。以前、蜂谷が安西を逮捕したことがあり顔見知りだった。

2人はお互い笑い合う。

若いヤクザたちがやってきて、2人を射殺した。

映画『グッバイ・クルエル・ワールド』終わり

最後のまとめ

『グッバイ・クルエル・ワールド』(Goodbye Cruel World)は、狂気とメッセージ性に満ち溢れたパワフルな作品でした。

大森立嗣監督の作家性は素晴らしいですね。一般受けするかどうかは微妙ですが、この路線を極めてほしいと思いました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『グッバイ・クルエル・ワールド』レビュー終わり!

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