Netflix『ウェンズデー』(Wednesday)。ティム・バートン監督がキュートでダークなアダムス・ファミリーの長女・ウェンズデーを現代に復活させました!シーズン1は全8話です。
Netflix『ウェンズデー』あらすじ
アダムス・ファミリーの長女・ウェンズデーは、弟・パグズリーをいじめた男子生徒たちが泳ぐプールにピラニアを放ち退学処分に。
ウェンズデーは問題行動からもう8回も学校を変えていた。
母のモーティシア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は全寮制の自分の母校・ネヴァーモア学園にウェンズデーをあずけることにする。
ウェンズデーはコーヒーショップ店員タイラーの協力で町から逃げ出そうとするが、森の中でローワンという生徒が謎の怪物に襲われて殺害されるのを目撃。
謎の怪物や学園を牛じる人物の謎を解くため、ハンドとウェンズデーが立ち上がった。
『ウェンズデー』キャスト
©︎Netflix
主人公・ウェンズデー役にはジェナ・オルテガ。無表情で皮肉屋だけどどこかキュートなウェンズデーの役柄に完璧にマッチしています。クオリティ高すぎです。
1991年の映画『アダムス・ファミリー』でウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチを超えたかもしれません。
ジェナ・オルテガは2022年はホラー映画『X/エックス』や『スクリーム』シリーズの5作目に出演していましたね。Netflix作品では『YOU 君がすべて』で知られています。
ちなみにクリスティーナ・リッチは本作に学園の教師ソーンヒル役で出演!
モーティシア役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズも神々しいです。モーティシア役は映画『アダムス・ファミリー』(1991)のアンジェリカ・ヒューストンが神すぎてハードル高いですが、新時代のモーティシアとして申し分ないと思います。
ゴメス役はルイス・ガスマン。映画版のラウル・ジュリアと比べるとオリジナルの漫画版・アニメ版によせた配役です。
コーヒーショップ店員のタイラー役にはハンター・ドゥーハン。『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストン主演ドラマ『Your Honor/追い詰められた判事』(2020)で息子役が印象に残っています。
ネヴァーモア学園の校長ラリッサ・ウィームズ役には『ゲーム・オブ・スローンズ』のブライエニー役のインパクトが残っているグウェンドリン・クリスティー。
ネタバレなしの感想
まさにティム・バートン監督の新境地という感じで、とにかくゴシックホラーの世界観にどっぷり浸かることができます。
学園の制服から寮部屋の内装までこだわり抜かれており、つねにヴィジュアル的な興奮状態。
クールすぎるウェンズデーとキモカワのハンドのコンビは、ワンカットワンカット絵になる!
もはやティム・バートンの博物館にきている感じです。
劇伴も『バットマン』(1989)や『チャーリーとチョコレート工場』など、ティム・バートンと何度もタッグを組んでいるダニー・エルフマンが担当!最高の雰囲気をかもし出しています。
ウェンズデーのどぎついジョークもキレッキレで、『ファミリーガイ』的なアメリカのブラックジョークが好きな人はそれだけで楽しめるでしょう!
学園で怪物の謎や祖先のルーツを探るウェンズデーがいたるところでやらかしまくり、ストーリー的にも退屈しません。
海外評価も高めです。ゴシックな世界観が大好きな人はぜひ視聴してみましょう!
おすすめ度 | 88% |
世界観・コンセプト | 95% |
ストーリー | 75% |
IMDb(海外レビューサイト) | 8.5(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 70% 一般の視聴者 84% |
メタスコア(Metacritic) | 66(100点中) |
Netflix『ウェンズデー』ネタバレ感想・評価
©︎Netflix
ティム・バートンによる上質なゴシックシュールドラマ。画面のトーンからして完璧なティム・バートン作品です。
ギレルモ・デル・トロのアンソロジー『驚異の部屋』に比べると対象年齢は低めですが、美意識では負けてません。
ストーリーは普通ですが、ウェンズデーの一挙手一投足に目を奪われます。ウェンズデーの魅力を布教するための作品のようでもありました。
今作はウェンズデーが幻視能力を開花させ、未来や過去の映像を見ながら怪物への手がかりをつかんでいくトリッキーな設定もなかなか面白かったです。
ウェンズデーはのけ者生徒ローワンが怪物に殺されるところを目撃したにもかかわらず、ローワンは翌日何くわぬ顔で復活。
一体誰がローワンを殺したのか?ネヴァーモア学園の生徒も人狼のイーニッドや人魚族のビアンカ、クールなザビエルなど曲者ぞろいで、全員怪しいです。ドキドキしながら楽しめました。
一般的な推理ものとの大きな違いは、ウェンズデーが勘違いしまくって犯人当てをミスってもなに食わぬ顔で続行すること。シュールすぎます(笑)
400年前に魔女にされた先祖グッディ・アダムスの秘密が明らかになっていく過程もおもしろかったです。
エピソード2のボートレースででウェンズデーが猫のコスチュームを着させられたときには『バットマン・リターンズ』のキャットウーマンの再来かと思いました。これが萌えなんですね。
エピソード3では雨のなか佇むウェンズデーが美しかったです。町の創立者の像を爆発させて、みんなが逃げまどうなかでチェロを弾いているシーンなんか最高でした。
4話ではダンスパーティーで腕をクネクネ、カクカク踊るウェンズデーがキモかわいい。会場でスプリンクラーから血の雨がふり、スティーヴン・キングの『キャリー』さながら。
7話では瀕死のハンドにフェスターおじさんが電気マッサージをします。シュールすぎます。
とにかく非日常的なシーンのオンパレード!
時間があれば何度も見たい作品でした。
ラスト結末と考察(ネタバレ)
ウェンズデー VS ウェンズデー
シーズン1の最終回第8話では、400年前にのけ者(人外の存在)たちを虐殺したクラックストーンの子孫・ローレルの正体がソーンヒル先生だったとわかります。
ソーンヒル先生を演じるのは1991年の映画版でウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチ。
つまり旧ウェンズデー VS 新 ウェンズデー の構図です。
粋なキャスディングですね!
ソーンヒルはハイド(怪物)だったタイラーを洗脳し、のけ者である学園の生徒たちを全滅させようとクラックストーンを復活させます。
差別や成長のテーマ
ウェンズデーは狼人間になれたイーニッドやセイレーンのビアンカなど友だちと協力し、怪物ハイドだったタイラーやクラックストーンを倒します。
無表情で皮肉屋のウェンズデーの成長が垣間見えたのがすばらしいです。
また本作には人間 VS のけ者という差別のテーマも含まれていました。
差別の根源であるクラックストーンが最後にフランケンシュタインのような怪物になって復活した最終話から、差別主義者が1番のモンスターだというメッセージがくみとれて興味深かったです。
残された謎
結局ウェンズデーをずっと監視して写真を撮っていたストーカーの正体はまだわからないままです。
シーズン2ではさらなる黒幕が判明するのだと思います。
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