映画『ユージュアルサスペクツ』(原題:The Usual Suspects)はアツい!いつまでもアツい!
2021年現在も未だに近代サスペンスの最高峰の地位をゆずりません!
あらすじやネタバレありで、伏線やミスリード解説ををたっぷりします!
これほどラストに”ぶったまげる”映画には、もう出会えないかもしれない!!
タダで視聴するには?
ユージュアル・サスペクツの言葉の意味
ユージュアル・サスペクツは英語で「Usual Suspects」となり、意味は、「常連容疑者」となります。
つまり、いつも捕まってばかりいる悪い連中を指す言葉です。
ユージュアル・サスペクツあらすじ(ネタバレなし)
未曾有の大型船爆破事故があり、病院に瀕死のハンガリー人男性が運び込まれる。
捜査官のクイヤンは事件の生き残りである半身麻痺のヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)を呼び出し、部屋で取り調べをする。キントに対する尋問からさまざまな憶測が浮かび上がる。
不利な証言はしたくないキントは、イリノイ州でカルテットをしていた経験やグアテマラのコーヒーなど、事件となんら関係ないことを呟き出すが、クイヤンに脅される。
病院に運び込まれた男性は、”カイザー・ソゼ”とわめきだし、警察は彼の証言から、船にいた”ある男”の似顔絵を描こうとする。
警察署ではキントは真相を語りはじめる。
船爆破事件の6週間前に遡る。武器輸送車を襲った犯人が見つからない警察は、元汚職刑事キートン、詐欺師で半身麻痺のキント、フェンスター、マクマナス、ホックニーの5名の札付きの前科者を集めて取り調べをし、犯人を炙りだそうとする。
5名はせっかく集まったので手を組んで悪事を働こうということに。最初の宝石強奪は上手くいくが、次の案件はマフィアの手先であるレッドフットから与えられた情報が間違っていたため失敗。レッドフットを問い詰めると、情報は”カイザー・ソゼ”の弁護士からのものだとわかった。
ユージュアル・サスペクツの評価は92点
ユージュアル・サスペクツの点数は。。。
合計92点 Sランク!
僕個人のサスペンス映画ランキングで3位!
評価の詳細を
世界観や映像のオリジナリティーは普通。話は割とわかりやすく観やすい。
初心者から映画好きまで誰でも楽しめて、みんなで「あああああ!」と驚ける映画です。
映画の各要素(10点満点中)
各要素と、序盤・中盤・ラストの合計を100点満点とし計算しています。
ストーリー | キャスト(ハマり役) | テンポ | 演技・シーン |
10 | 10 | 8 | 10 |
セリフ | 映像の見やすさ(構図) | 音楽・音響 | 印象度(記憶に残る) |
10 | 8 | 8 | 10 |
序盤・中盤・ラスト(5点満点)
序盤 | 中盤 | ラスト・結末 | 話の筋が通っているか? |
4 | 4 | 5 | 5 |
作品情報・キャスト紹介
監督 | 主要キャスト | 公開年 製作国 | 興行収入(円) | 受賞歴![]() |
ブライアン・シンガー | ガブリエル・バーン ケヴィン・スペイシー ベニチオ・デル・トロ | 1995年 アメリカ | 26億円 | アカデミー脚本賞 アカデミー助演男優賞 |
脚本![]() | 美術![]() | 音楽![]() | 主題歌 |
クリストファー・マッカリー | – | ジョン・オットマン | – |
脚本のクリストファー・マッカリーはアカデミー脚本賞!彼はなんとミッション・インポッシブル『ローグ・ネイション』『フォール・アウト』の監督でもあります。凄まじい才能ですね。
ガブリエル・バーンは『ミラーズ・クロッシング』(1990)や『ヘレディタリー/継承』などで有名。
ケヴィン・スペイシーはアカデミー助演男優賞を獲得。『セブン』や『ライフ・オブ・デヴィット・ゲイル』、『アメリカン・ビューティー』など、最高なサスペンスにこの人あり。
監督のブライアン・シンガーは2018・2019話題をかっさらった『ボヘミアン・ラプソディ』でも監督を勤めています。
ジョン・オットマンは『ボヘミアン・ラプソディ』や『エスター』の音楽も担当!
面白さだけでなく、評価やキャストもすごい映画です。
見どころ!面通しはアドリブ!?
ドラム缶燃料に繋がる火種を〇〇で消しちゃう!
映画のオープンニング部分なのですぐわかると思います。ドラム缶に向かって漏れた燃料に火が燃え移るシーンがあるのですが、それを平然と〇〇で消します。黒幕の図太さが伺えるシーン。こういう細かいシーンを見ていくことで、ラストにより感情移入できます!
完璧なミスリード
捜査官クイヤンとキントのやり取りが真に迫っており、2人の緊張するやりとりと演技力のお陰で視聴者は完璧なミスリードにすっぽりハマることができます。注意深く観れば観るほどラストの衝撃もすごい!
面通しはアドリブ!
やっぱり映画のジャケットにもなっている”面通し”の部分はしっかり目に焼き付けておきたいですよね!それぞれの写真に撮られるときの表情や言動に味がある!
実はこの面通しにはアドリブが入っているんです?どこ?答えはフェンスター(デルトロ)が「ちゃんともう一回言え(In English please)」と言われてキートンが笑う場面。
実はあの場面はデルトロがセリフにない悪態をつき、スタッフがもう一回言ってくれ!と言うNG場面をそのまま採用したものなんです。
だからクールなキャラのキートンも笑ってるんですね。それをそのままジャケットにしちゃうところまで粋です!
(ベニチオ・デル・トロ出演の映画『スナッチ』の解説記事はこちら↓)
映画『スナッチ/Snatch』を観賞!いや〜ブラピがカッコいい!登場人物が多いけど、それぞれ作り込まれていてキャラがっ立っており、二転三転どころか何転したか数えきれないドタバタ劇を楽しませてくれる!ガイリッチー監督の真骨頂と言ってよ[…]
アウトロー達の心模様
汚職警官から悪事を働くようになったキートン。彼は一連の流れの中で何を感じていたのでしょうか?アウトロー達が自分の気持ちを素直に語る場面は少ないですが、劇中彼らどんな感情を抱いていたのか?そこまで汲み取るとよりユージュアル・サスペクツを楽しむことができます。
本作でサスペンス好きになろう!
サスペンスといえばユージュアル・サスペクツ!
それぐらいシナリオ・演技共に完璧な映画で、大大満足間違いなしを保証します!
ユージュアル・サスペクツでサスペンス好きの扉を開きましょう!
※以後ネタバレになりますので、まだ映画を観てない人は絶対に次の項目には行かないでください!
ユージュアル・サスペクツの伏線(ネタバレ)
壁の張り紙やコーヒーカップ
壁の張り紙とコーヒーカップには、
- イリノイ州のカルテット
- 太った女性の写真
- グアテマラ・コーヒー農園
- レッドフット
- コバヤシ陶器(コーヒーカップ)
これらの記載がありました。
ヴァーバル・キントは、敢えてクイヤン捜査官の身の回りの情報を回想に交え、自信満々なクイヤンを小馬鹿にしていたのでしょう。これがクイヤンがキントの回想は全て嘘だったと気づくキッカケになるわけです。
似顔絵作成
船の爆破事故で生存し、大火傷を負った男性が、病院で”カイザー・ソゼ”が来たという旨の発言をしたため、じゃあ似顔絵描こう!ということになりました。
出来た似顔絵はクイヤンがいる警察署に送信されますが、誰もFAXに気づかずに終わります。
ミスリードと罠
ユージュアル・サスペクツでなぜみんなが綺麗に騙されてしまうのか?ミスリードのための罠について解説していきたいと思います。
キートンは過去に自分の存在を消している
クイヤンによると、キートンは過去に自分が殺されたと見せかける事件を起こしており、今回もキートンは仲間を利用して”証言者”を消し、船ごと爆破したのも”自分が死んだと見せかけるためだ”と視聴者に思わせます。
札付きのワル5人が”面通し”を喰らった事も、カイザー・ソゼが仕組んだと考えられるので、自分が死んだと見せかけた過去のあるキートンを狙って選んだのでしょう。
ヴァーバル・キントの決定的な嘘
決定的な嘘は、クイヤンが「宝石強盗を持ちかけたのはキートンだろ!?」という質問に対して”同意”するところだと思います。
この同意で、回想の全てがキートンの思惑通り進んでいることになるので、観ている人もクイヤンも完全にカイザー・ソゼ=キートンだと思い込んでしまうわけです。
ユージュアル・サスペクツはどこまでが本当?真相は?
劇中ほとんどキントがクイヤンに話す回想で物語が進むのですが、キント=黒幕の”カイザー・ソゼ”なので、真実ではない描写もたくさん出てきます。
どこまでが本当か!?極端に考えてしまえば、警察側のクイヤンたちの話し以外は全部嘘、もしくは捻じ曲げられている可能性はあります。
なのでどこまでが本当かキッチリ線引きはできないですが、端的に言えば
4人が面通し後に、カイザーソゼによる圧力を受け、船を襲撃したのは事実です。
映画『ユージュアル・サスペクツ』ラストオチ考察(ネタバレ)
カイザー・ソゼはゲームを楽しんでる?
自分に対して”お前より頭がキレる”などと高圧的な発言を繰り返してキントを脅すクイヤン捜査官に対し、キントは「イリノイ州でカルテットをやっていた。」などの嘘をつくわけですが、ただその場しのぎをするだけでよければ、わざわざクイヤンが気付く可能性のある発言をしなくても言い訳です。
キントはクイヤンをバカにしながら、スリルを楽しんでいたのでしょう。
ラストは警察署の外をあるくキントの足だけ映し、引き摺られていた足が”治り”普通に歩き出す印象的なシーン。「暇つぶしになった」という感じでしょうか?かっこよくて痺れます。
詐欺師だけど半身麻痺で実直そうなキントが、他人をバカにしてゲームをたのしむ”図太い切れ者”だった。
この事実にドキドキしませんか?
キートンの心情は
主に冒頭になりますが、船の甲板で撃たれたキートンは、カイザー・ソゼの顔を見た描写があります。キートンは「お前だったのか!」などとチープなことは言わず、タバコを吸いながら黙って撃たれます。男らしいですね。
見下していたキントが黒幕のカイザー・ソゼだと知ってどんな気持ちだったのでしょうか?絶望感よりも、一本取られた、負けた、という気持ちが強かったのではないでしょうか?色々想像してみてほしいです。キートンの心情にスポットを当てると、結末により感情移入できて楽しめます。
カイザー・ソゼの冷徹さ
半身麻痺でクイヤンの取り調べに怯えているキントがカイザー・ソゼだったという結末は、カイザー・ソゼが実際にどんな人物だったか冷静に把握することでより”インパクト大”になります。
キントの回想で、カイザー・ソゼの家族がトルコで対抗組織に襲われたとき、人質に取られていた自分の家族ごと殺し尽くしたという場面があるのですが、自分の家族まで殺すなんて怖すぎませんか?さらにカイザー・ソゼはキートンの彼女である弁護士も殺しています。
これらのシーンのお陰で、カイザー・ソゼが単なる”大物犯罪者”というだけでなく”人ではない何か”という恐怖感が植え付けられます。それが終盤の船のシーンで”何か恐ろしいもの”が船に現れた!という感情移入に繋がるのです。この辺りも映画として非常に巧みですね!
↓映画『ユージュアル・サスペクツ』のあらすじラスト結末解説は2ページ目へ↓
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