映画『太陽は動かない』ネタバレ考察・解説!あらすじラスト感想:アクションがいい!評価やストーリー説明

  • 2024年4月7日

藤原竜也と竹内涼真出演の映画『太陽は動かない』 を鑑賞。

期待以上に完成度の高い邦画スパイアクションで、とっても楽しめた。詰め込みすぎという意見も多いが、そうは感じない。

率直な感想レビュー評価を書き、あらすじネタバレやストーリーのわかりやすい解説をしていく。

めちゃ楽しめた。期待以上だった点を徹底解説!

映画『太陽は動かない』情報・登場人物・キャスト

太陽は動かないのキャスト 藤原竜也と竹内涼真

原作と監督

映画の原作は、吉田修一著の小説『太陽は動かない』と『森は知っている』。

監督は羽住英一郎で、『MOZU』シリーズ、『海猿』シリーズ、『暗殺教室』シリーズで有名な人。アクションの見せ方が上手い。

Netflixオリジナルアニメ『バイオハザード:インフィニットダークネス』の監督も務めています。

登場人物/キャスト俳優

鷹野一彦/藤原竜也

田岡亮一/竹内涼真

AYAKO/ハン・ヒョジュ

デイビッド・キム/ピョン・ヨハン

風間武/佐藤浩市

山下竜二/市原隼人

俳優・藤原竜也は『Diner ダイナー』『カイジ』『るろうに剣心 京都大火編 伝説の最期』『人間失格 太宰治と三人の女たち』などで有名。

竹内涼真は俳優としてだけでなくアニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』(2022)で声優も務めています。2022年はドラマ『六本木クラス』で主演!

映画『太陽は動かない』ネタバレ感想・評価・考察

太陽は動かないビル爆破シーン

個人的な評価は86点くらい。期待を遥かに超えてきた。劇場に観に行く価値は十分だ。

邦画アクションサスペンスとしては、『踊る大捜査線』シリーズに匹敵する素晴らしい作品だったと思う。

2021年公開邦画だと『マスカレード・ナイト』と並ぶかちょっと劣るくらいの完成度だと思いました。

アクションがすごい!!攻めてる!

まず、アクションが本当に素晴らしかった。トラックでの格闘、爆発の撮り方、高層ビルでの戦闘などなど、迫力満点で、派手で絵になる!ブルガリアで1ヶ月にわたりアクションを撮影したようで、その成果が実っていた。

映画『ジョン・ウィック』のような、戦闘のアイデアもとても豊富だった(詳しくはネタバレになるので避けるが…)。

美しいカットも多い!

そして、ため息が出るほど美しい構図のカットも多く、見応えある海外の街のカットなどあって、見ていて2時間飽きることはなかった。

羽住英一郎監督やスタッフは本当に素晴らしい仕事をしたと思う。

吉田修一の原作小説の良さもあると思うが、ストーリーも藤原竜也が演じる鷹野の凄惨な過去がしっかり描かれていて入り込めたし、全体としてもまとまっていたしラストのオチも良かった。

つまらないと酷評される理由と反論

ダメな点として酷評されている理由で多いのが、鷹野の過去を描いた小説『森は知っている』のストーリーまで入れて、内容が詰め込みすぎになっているという部分。

確かに、事態をしっかり把握しながら見ていかないと誰が何をしてるのか意味がよくわからなくなるだろう。しかし、WOWOWのドラマ版を見ていなくても理解できるように適宜説明は入れて、ちゃんと作られていたと思う。

海外ドラマでは(LOSTとか)キャラの過去シーンとか差し込まれることが多いし、個人的に詰め込みすぎとまでは感じなかった。静かな島の風景とせわしいアクションとの緩急が付いていてむしろ良かったと思う。

邦画のスパイアクションサスペンスとしては、とても完成度の高い部類に入るだろう。

(次の項目から完全ネタバレなので、映画を未鑑賞の人は注意してね。)

映画『太陽は動かない』ネタバレあらすじ解説

1:山下爆死!

AN通信のスパイ・鷹野一彦(藤原竜也)と相棒の田岡亮一(竹内涼真)は、ブルガリアで敵対組織に監禁されていた山下竜二(市原隼人)を救出して逃げるが、山下は24時間ごとの確認コードを本部に送信できず、胸の爆弾が爆発して死亡。

命令を出す風間武(佐藤浩市)は、山下を監禁したのは中国の巨大企業CNOX(シーノックス)の経営者アンディ・ラウが統括する闇組織だと語る。

2:鷹野絶体絶命

鷹野一彦(藤原竜也)

鷹野は香港のCNOX本社に潜入してデータを入手。他組織のスパイ、デイヴィッド・キム(ピョン・ヨハン)と格闘しながらもデータを守り抜き、アンディが日本のネットワーク組織・METと共同ビジネスをすると見せかけて蓄電池技術を奪い、タクラマカン砂漠の広大な太陽光システムや人工衛星システムと組み合わせてエネルギー利権を独占するつもりだとつかむ。

鷹野と田岡はヘリでタクラマカン砂漠の太陽光基地を発見するが、撃墜されてアンディの裏組織ジミー・オハラ(横田栄司)たちに捕まる。鷹野は拷問を受けるが、田岡の活躍でどうにか脱出して確認コードの送信に成功。

鷹野は日本の通信ネットワーク会社METの河上満太郎(鶴見辰吾)と接触して、CNOXとの契約を止めろと忠告する。河上はかつてマニラにいたとき、息子を誘拐された過去があるらしい。

3:鷹野の高校時代と幼少期

鷹野は10代だった頃、南蘭島で親友・柳勇次(加藤清史郎)とスパイの訓練を受けていた。その後、柳はAN通信のスパイとして働く道を拒み、組織から逃亡した。

鷹野はスパイになるためのテストでデイヴィッド・キムと争う。

鷹野は島に転校してきた菊池詩織(南沙良)に好意を抱き、彼女を滝へ連れていく。詩織は、東京の高校で好きだった先輩たちに乱暴されて心に傷を負い、この島に来たと話した。次の日鷹野はスパイになるため島を出る。

河上は風間ところを訪ね、鷹野が幼少期に親に虐待されアパート一室に閉じ込められ、AN通信に引き取られたことを聞き出した。鷹野の心にはずっとそのアパートがあり、かつて南蘭島で暮らす前に風間の家に住んでいたとき、部屋を燃やしたことがあるらしい。風間はその時の火事で柱の下敷きになり、車椅子になったようだ。

4:謎のスパイ、デイヴィッド・キムの動き

デイヴィッド・キムは、インドで謎の女スパイAYAKO(ハン・ヒョジュ)と接触し、現地の少年ラジーヴが開発した革新的な太陽光塗料が切り札だと語った。

デイヴィッドはブルガリアで教鞭を振るう小田部教授(勝野洋)が人工衛星からマイクロ波でパネルにエネルギーを送る新技術を持っていると知る。彼の娘・奈々(八木アリサ)に近づいてボーイフレンドとなり、小田部教授に接近して、ロシアにその技術を売ろうと動く。しかし菜々はアンディの部下に誘拐されてしまった。

太陽は動かない 列車に飛び乗る鷹野と田岡

鷹野と田岡は小田部教授を保護するべくブルガリアへ行き、小田部教授が乗るロシア行きの列車に飛び乗る。しかしデイヴィッドや乗客はガスで眠らされ、教授が連れ去られた。田岡はアンディの部下に紛れて巨大貨物船に潜入するが、ジミー・オハラに見つかって小田部教授や菜々と共に監禁される。

5:船からの脱出と驚愕の真相

デイヴィッドはアンディやCNOXの情報を中国政府へ流し、彼を当局に捜査させる。アンディは証拠を消すため、貨物船の転覆を命令。

鷹野は船に辿り着きジミーらを倒す。浸水する船の中でどうにか小田部や田岡の救出に成功するが、ボートはない。

海にいる鷹野たち

そこへデイヴィッドがヘリがやってきて4人を救助した。彼が鷹野の行方知れずの旧友・柳の依頼を受けていたことがわかる。

6:一件落着のラスト

CNOXのアンディは逮捕された。

小田部教授は日本のMETとエネルギー技術を共同開発すると決まり、METの河上によって会見が開かれる。AYAKOはインドの少年ラジーヴの太陽光パネル塗料の実現化をバックアップし、利権を得ることに成功。

鷹野は、その建物で詩織を見かけたが、声をかけなかった。

映画『太陽は動かない』終わり

ストーリーのわかりやすい解説、スパイ同士の関係性

『太陽は動かない』のストーリーは、鷹野、デイヴィッド、AYAKO、3人のそれぞれのスパイ活動や、企業や国との関係性がちょっと複雑だったので整理しておこう。

AN通信について

AN通信の風間

AN通信は世界に拠点がある営利目的のスパイ組織。

数十年前、GMNという国家プロジェクトの資金を流用してできた(風間はGMN事件を調べていた記者で、捕まってそのまま組織の者になった)。

まず、オープニングで爆死したAN通信スパイ・山下(市原隼人)は、アンディの会社CNOXと日本のMETの巨大プロジェクト締結に暗躍した。しかし、CNOXの利権独占を知ったため捕まってしまった。

AN通信は山下の事件を受けて、CNOXの裏情報を日本METに売ることで利益を得ようとしていた。そこで鷹野と田岡が任務にあたり、交渉材料として小田部教授の確保も必要になった。

デイヴィッド・キムと依頼主について

デイヴィッド・キムを演じた俳優ピョン・ヨハン

韓国の俳優ピョン・ヨハンが演じたデイヴィッドの正体は、鷹野の高校時代の親友・柳から雇われたスパイ(彼がMETの河上の誘拐された息子だとしたら面白いなあ…)。

柳は、AN通信ではない別のスパイ組織のお偉いさんになっているのだろう。

デイヴィッドの目的は、中国のCNOXを潰し、ロシアに小田部教授の技術を売り込むことだった。あとは柳に「鷹野助けといて」と言われたのだろう。

謎の女スパイ・AYAKOの目的

韓国の女優ハン・ヒョジュが演じたAYAKOはフリーのスパイ。

最初はCNOXのアンディについていたが、利益が出ればOKなので、立ち位置をコロコロ変えていた。彼女にとってはAN通信だろうが、ロシアだろうが、組む相手はどこでも良かったのだ。

表向きは研究施設の関係者でもあるのか、インドで太陽光パネルの新塗料を開発したラジーヴに接触し、結果的に一番お金になりそうな、塗料の利権を得ることに成功する。

『太陽は動かない』のまとめ結論

『太陽は動かない』は邦画史上でもかなり完成度の高いスパイアクションサスペンスとなった。

列車で蹴りを交わして、相手の足が外の柱に当たって折れるなどアクションの見せ方がとてもうまく、旧友がライバルスパイの雇い主だったオチもよく、キャラクターの背景にも感情移入できたからだ。

WOWOWでは2020年に映画の前日譚となるオリジナルストーリーが放送されていた。

スパイものなので、映画の続編やシリーズ化も十分期待して良いだろう。

(画像引用元:大ヒット上映中!映画『太陽は動かない』オフィシャルサイト)

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