長編アニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』(しかのおう:ユナとやくそくのたび)は、2つの国の争いに端を発した山犬が媒介する伝染病を背景に、戦士ヴァンと孤児ユナの冒険を描いたスケールの大きな物語!
見どころ、率直な感想・酷評の理由、ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』キャスト・作品情報
監督:安藤雅司・宮地昌幸
英題:The Deer King
原作:上橋菜穂子『鹿の王』
脚本:岸本卓
撮影:田中宏侍
製作:鹿の王 製作委員会
制作:Production I.G
音楽:富貴晴美
主題歌:milet『One Reason』
登場キャラ相関図
©︎鹿の王 製作委員会/https://shikanoou-movie.jp/#story
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
あらすじ:生き甲斐を見出せず、ツオル帝国の坑道で奴隷のように働かされていた元戦士のヴァン。ある日、黒狼熱(ミッツァル)が坑道を襲い、ツオル人たちは山犬に噛まれて発熱しみんな死にますが…。
アニメーションや世界観は素晴らしく、それなりに見応えがあります。
ただストーリーはいろいろある要素の上澄みだけすくってしまったようで、ジブリの『もののけ姫』を薄くしたような印象。
病気と内乱の内容で、ファミリー向けでもありません。
おすすめ度 | 65% |
世界観 | 82% |
ストーリー | 68% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.3(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家% 一般% |
※以下、アニメ『鹿の王 ユナと約束の旅』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『鹿の王 ユナと約束の旅』ネタバレ感想・評価
「これ観たことある…」というのが第一印象。
ヤックルみたいな鹿に乗っているし、主人公・ヴァンは祟り神っぽい山犬に手を噛まれて凄いパワーを発揮しているし…『もののけ姫』ですね。
ジブリ『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』で作画監督だった安藤雅司が手がけているのでオマージュとして成立するのでしょう。同じスタッフなのでパクリという言葉は当てはまりません。
ただ、テーマもストーリーも『もののけ姫』まんまなのはいただけません。
監督の経歴を知らなければ完全なパクリ作品っていうくらい似ており、なおかつ斬新さやインパクトはありません。
シシ神っぽいドロドロが山から流れ出てくる冒頭など、なぜこれほどまで『もののけ姫』に寄せたのか疑問です。
『もののけ姫』との比較になってしまい、完成度が段違いに低いと観客にわからせてしまうマイナスしかなかったと思います。
実際、宮崎駿の凄さが改めて理解できました。
『鹿の王 ユナと約束の旅』世界観が美しく、2つの部族の紛争の歴史など設定も魅力なのですが、ストーリーも駆け足なので、設定の魅力が台無し。
国同士の争い、反乱、謎の感染症、精神世界などなど、優れたテーマが全部中途半端にぶら下がっていました。
明らかに、それぞれのキャラやバックグラウンドをじっくり描いた方が良い題材です。(原作は評判が良いので、細かい部分が掘り下げられているのでしょう。)
原作未読ですが(すいません)、映画版の『鹿の王』は原作から大幅に内容が改変・省略されているっぽいですね。
やっぱり情報量が多い大作を映画化するのは難易度が高いです。うかつに手を出して素晴らしいと評判の原作を、微妙な形で映像化するのはどうかと思いました。
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