イカゲーム【最終回9話解釈】少女ロボット小ネタ,ギフンとオ・イルナムの賭け

  • 2024年5月15日

ネットフリックスの韓国ドラマ『イカゲーム』の最終第9話の深掘り考察をしてみました。

少女ロボットの髪飾り主人公ギフンと黒幕オ・イルナムの賭けの意味などをまとめています。

(完全ネタバレなのでご注意ください。)

少女ロボの○△□髪飾りがイカゲームを表している

イカゲームの少女ロボットの髪飾り

©︎Netflix

最終第9話の決勝戦は“だるまさんが転んだ”ゲームをやったのと同じ校庭が舞台で、少女ロボットが不気味な表情で対戦するギフン(演イ・ジョンジェ)とサンウ(演パク・ヘス)を睨みつけています。

この少女ロボットの頭の左側についている髪飾りが○△□のイカゲームのマークになっていると気づきましたか?(私は2回視聴してやっと気づきました)

つまり、参加者たちが寝泊まりする大ホールに書かれているマークと似たようにゲーム内容のヒントになっていたのです。

ちなみに第1話でも少女ロボットが出てきましたが、髪飾り部分がほとんど映らず、イカゲームを表していると判断しずらいですね。

最終話ではしっかり映り、ちょっとした伏線が回収されるような細かい演出になっています。

イカゲームのポスターにもこの少女ロボットが映っていますが、○△□の髪飾りも付いていますが写りが小さすぎて判別がしにくいです。

金と引き換えに母・友・心を失ったギフン

主人公ギフンはゲームで優勝して賞金を手にすることになります。

しかし家に帰ると重度の糖尿病だった母は死亡。

頑張ってお金を稼いでも最後まで親のために使ってあげられなかった、助けてあげられなかった後悔は想像を絶するほどでしょう。

ギフンは金を手にした代わりに、親・サンウという友達・人を信じる心を無くしてしまったのです。

資本主義の成功の象徴である大金を手に入れた結果、人生において本当に大切なものを失ってしまいました

この構造はアイデアとしてはよくあるもので、資本主義社会へのストレートなアンチテーゼになっていますね。

現代社会でも、お金をたくさん稼ぐ代償として、家族と過ごす暇がない、商売で他の人を不幸にして自分も裏切られるなど、耐え難い経験をしてしまう人は多くいると思います。

ギフンもゲームへの参加を決断し、短い期間で金のために本当に大切なものを失う結果になったわけです。

推測になりますが、黒幕オ・イルナムの真の目的は賞金を得た人たちの絶望を観察することにあったのかもしれません。

「かつては家族と路地裏に住んでいた。」

イルナムはそう言っていました。ということは、今は愛すべき家族がいないとも取れます。

きっと黒幕オ・イルナムにも成功のために家族や信頼を捨てた過去があるのかもしれません。

人を自分と同じような境遇に引きずり込みたかったのでしょう。

他人の不幸は蜜の味!というわけです。

CineMag
オ・イルナムは、大金を稼いで家族を失ったギフンと同じなのです。

ギフンとイルナムの賭けの意味

賭けをするギフンと黒幕オ・イルナム

©︎Netflix

ギフンとオ・イルナムは最後に、ビルの下にいる凍死しそうな浮浪者を誰かが助けてくれるかどうか賭けをしました。

これには2つの意味があるように思えます。

オ・イルナムは浮浪者に自分を重ねている

1つ目はオ・イルナムの後悔です。イルナムは外の浮浪者を見て、

「異臭のする人間のクズ…」

と言い切り、その後のシーンで金が全く無い者と金を持ちすぎた者は共通して人生がつまらないと話しています。

異臭のする…という言い方は、一見突き放しているようで、身近に感じている状態です。ありありと想像しないと臭いなんか分かりませんからね。

CineMag

オ・イルナムは浮浪者に自分自身を重ねている面があるのでしょう。

金持ちになっても辛い日々は変わらず、大勢の人を裏切り、自分の価値は外にいる浮浪者と何ら変わりないと悟ったのではないでしょうか。

ギフンの「なぜこんなことをした!?」という質問に対してのオ・イルナムの答えも、「人間が理屈関係なく他人を助ける姿を間近で見たかった」なのかもしれません。

もちろんその理由がすべてでなく、だからといってデスゲームを開催しちゃうオ・イルナムはやはり悪人ではありますが、心の奥にある種そういった矛盾や葛藤があるのでしょう。

社会の変革

社会的弱者を見捨てる選択は、資本主義で考えると合理的で、誰も浮浪者を助けずギフンがゲームに負けた場合は人類社会は自らが生み出した金に屈した格好になります。

しかしそうはならず、通行人がパトカーを呼んで浮浪者を救助し、ギフンが賭けに勝利しました。

ギフンの他にも、彼のような心を持っている人はおり、いつか社会が変革するキッカケになるかもしれないと示唆しているようでもあります。

権力に立ち向かおうとしても1人では何もできませんが、賛同する人が集まれば別です。

情感を揺さぶる巧みな演出

ここまで深掘りしておいてなんですが、『イカゲーム』が持つ資本主義社会を皮肉ったような構造は別に珍しくはありません。

ただ、『イカゲーム』の場合は演出が非常に優れていると思います。

貧乏人も金持ちもそれぞれ苦労しているという、当たり前の結論の見せ方ひとつとっても複数の考え方や視点がバランスよく絡み合っていて巧みです。

ラストの賭けのシーンにしても、7階から浮浪者を見下ろす構図がテーマを浮かび上がらせます。

さらに7階の7という数字は、神が住むとされる7つ目の天国・アラボトがモチーフになっているとも考えられます。

セリフにしてもオ・イルナムの言葉は抽象的で、見ている側は自分で答えを考えなければなりません。

このようにドラマ『イカゲーム』は、視聴者が積極的に問題を考えるための仕掛けがビジュアル面でもセリフにおいてもたくさんあり、それが世界的な評価を得た1番の要因だと思います。

ファン・ドンヒョク監督は制作のストレスで歯が6本抜けたらしいですし、尋常じゃない努力で『イカゲーム』のストーリー・演出を研磨したのでしょう。

カイジのパクリなどの論争もありますが、この努力自体は賞賛されて然るべきだと思います。

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