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映画『安全の対価』

映画『安全の対価』ネタバレあらすじ感想!人々の罪と正義の代償のNetflix作品考察・解説,評価

Netflix映画『安全の対価』(Security)は、イタリアの街と人々の罪の コントラストが美しいサスペンスヒューマンドラマです。

記事では、本作のネタバレあらすじ解説感想・評価抽象的なメッセージを深掘り考察しています。

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Netflix映画『安全の対価』作品情報

youtu.be

制作国・公開:イタリア・2021年 Netflix

監督:ピーター・チェルソム

脚本:ティンカー・リン ジー

主演:マルコ・ダモーレ/ロベルト役

主演:マヤ・サンサ/クラウディア役

出演:ファブリッツィオ・ヴェンティヴォリオ/ピラティ役

安全の対価 ネタバレあらすじ解説

主人公のロベルト

イタリアのフォルテ・デイ・マルミという、美しいビーチや風景が魅力の街が舞台。

セキュリティ会社を運営する 不眠症のロベルトに、「監視カメラの映像に怪我をした女性が映っている」と連絡が入ります。ロベルトは現場付近で浮気相手のエレナの息子・ダリオが飲酒運転しているのを見つけ、家に送りました。

被害者マリア・スペッツィが保護され、彼女の父親・ワルテルが逮捕されましたが、ロベルトは彼が犯人ではないと考えます。

ロベルトの妻・クラウディアは市長選に出馬することになり、富豪のピラティと資金集めパー ティーなどをしています。娘・アンジェラは家族に関心がなく、高校の文学の教授ステファノ・ トンマージと恋愛関係にありました。

『安全の対価』ネタバレあらすじ

暴行被害にあったマリアは証言を変え、「反抗があった日曜の夜はピラティ邸にいた」と言いますが、それ以上は語りません。彼女の父・ワルテルは釈放されました。

ピラティ邸で妻・クラウディアの資金集めパー ティーがあり、そこに有力者の フェラーリオが非公式できたため、ロベルトが運営する警備会社の監視カメラの映像がクラウディアによって勝手に消去されてしまいました。

ピラティ邸の警備として雇われていたダリオは、「マリアはコーヒーを飲んですぐに帰ったと」と証言しています。

娘・アンジェラは文学の課題のために自分が7歳の頃にあって覚えていない事件について尋ねました。クラウディアは感情的になり「公園で10分間いなくなり、性器を出したワルテルの側にあなたがいた」と語ります。ワルテルはその件で当時ロベルトのもとで電気技師として働いていましたがクビになりました。

ロベルトはマリアが保護されたストリートの監視カメラの映像に、ステファノ・ トンマージ教授が映っているのを見て彼を問い詰めると、「ピラティ邸に行ったけどすぐに帰った」と話します。

トンマージは家にきたアンジェラに別れを告げ、ピラティの ゴーストライターをやっていると暴露しました。

フラれたアンジェラに泣きつかれたロベルトは「お前が7歳のときにワルテルが捕まったのは偶然の事故だった」と言います。当時たまたま立ち小便をしていたワルテルの横にアンジェラが来てしまい、それを目撃されて彼は性犯罪者として捕まったのでした。

マリアが授業で「父が怠惰で暴力的だ」と話す動画が同級生によって撮影されて拡散され、やはりワルテルが犯人で、マリアは父をかばっているだけだと思われます。

通りのカメラ映像の時刻から、ダリオがピラティ邸から帰る前にすでにマリアが怪我をしていたと判明し、ロベルトは嘘をついているダリオに詰め寄るりました。ダリオは「人の体に触れることができないピラティの代わりに女性を邸宅に呼びセックスをして、それを彼が見ている」と話します。

そんな中、ピラティの友人6人がロベルトのセキュリティを解約し、彼らの監視カメラの映像が消去されました。

ロベルトはピラティ邸の防犯カメラの消去されてない映像を細かくチェックし、ピラティがマリアに飲ませたコーヒーにドラッグ・ オキシコドンを混入している映像を発見します。ダリオは「日曜の夜、寝ている彼女を襲いたくないと言うと、ピラティは彼女に暴行を始めた」と泣きながら証言しました。

そんな中、ピラティが犯人だと考えたワルテルは包丁を持って彼の前に現れます。ピラティは「ダリオのせいだ」と嘘をつきました。

ワルテルはエレナの家にやってきてダリオを刺そうとします。ロベルトが必死に止めました。警察がやってきてワルテルに手錠をかけようとします。現実に失望したワルテルはわざと刃物を取り出して、撃たれて死亡しました。

ロベルトは街にサイレンを響かせ、監視カメラのワルテルが撃ち殺された映像とピラティが薬を混入している映像を街中の家庭のモニター(警備契約している)に流しました。

Netflix映画『安全の対価』終わり!

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安全の対価 感想・評価83点!

ネットフリックス映画『安全の対価』のキャスト・登場人物

評価は83点。

どんでん返しのサスペンスを期待すると、ピラティが犯人だった結末に肩透かしを喰らうかもしれませんね。

ただ『安全の対価』は映画『キャラクター』や『セブン』のようなどんでん返し系ではなく、人々の罪を美しい街と対比させて描いたコンセプトの優れた作品だと思います。

犯人のピラティだけでなく、街の人々は小さな罪を背負って生きています。

主人公ロベルトは不倫をしてますし、不倫相手の息子・ダリオはピラティ邸で怪しいバイトをしていますし、妻・クラウディアは選挙のために 隠蔽工作をしてしまいます。警察など街の人々も、権力者のピラティを擁護しようとします。

どちらかというとCrime(犯罪)というより、Sin(道徳的な罪)ですね。

そして、それを全部監視しているのがロベルトです。小さな罪が日々、彼のもとに集約されていきます。しかし今回の件でついに彼の中の倫理観が悲鳴を上げ、サイレンを鳴らして各家庭のモニターにピラティの犯罪と、ワルテルが撃たれるシーンを流すという衝撃の方法を選択しました。

人々を正そうとし、さらに自分の罪を浄化しようとしたのでしょう。

みんなが映像を見て、自分が今まで見過ごしてきた“罪”を感じ、悲嘆に暮れるラストは抽象的であり強烈なメッセージ性をともなった秀逸な結末だったと思いました。

社会の腐敗した構造にすがっている住民たちこそ、暴行事件の真の犯人だと伝えているのです。

本作の映像については、 コントラスト強めで、カラフルなイタリアの街並みやビーチの美しい景観が堪能できました。

ビーチもあって遠くには山脈も見えるフォルテ・デイ・マルミはとても素敵な場所ですね。

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正義の代償/安全の対価 徹底考察!

映画『安全の対価』は、登場キャラ全員が不幸になって終わります。

主人公ロベルトは職を失うでしょう。恋人エレナの家庭も息子・ダリオが事件に関わっていたことで崩壊するかもしれません。妻・クラウディアの市長選も無理でしょう。娘・アンジェラも同級生・マリアの父ワルテルのショッキングな死を見てしまいますし、罪のないワルテルを陥れたキッカケを幼少期の自分が作ってしまったことに悩むと思います。

権力者・ピラティの悪事を見て見ぬふりをして、何も言い返せないワルテルのせいにしていれば、みんなが不幸になることはなかったわけです。

それでもロベルトは正しさを貫き、ピラティの犯行の映像を流布します。

見かけ倒しだったこれまでの安全の対価を払ったともいえるでしょう。

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ハイエナの意味 何のメタファー?

ロベルトは自分の寝室にハイエナの絵を飾っていましたね。 不眠症の幻覚でハイエナがロベルトの腹に乗っかるシーンがあったので、かなり重要な意味を持っていると思われます。

ハイエナはライオンなどと違い、獲物を長い距離追い回して捉える動物です。また屍肉をあさったりもします。

街の裕福な顧客たちの警備を一手に引き受けていたロベルトは、彼らの悪事を今まで見て見ぬふりをすることもあったでしょう。そのツケ=安全の対価が、ジワジワと自分に降りかかることを、ジワジワ獲物を狙うハイエナに例えていたのではないでしょうか。

屍肉については、ピラティが自分の病気について「人の体を屍肉のように感じてとても触れられない」と表現していました。もしかすると人々から搾取を続けることは屍肉をあさるようだとの意味が込められているのかもしれません。

ロベルトは、もう少しでピラティと同じ人種になりそうでした。それがハイエナに追われる恐怖のメタファーで表現されたのだと思います。

ストーリーの細かい点考察

マリアがなぜ、ピラティが犯人だと言わなかったのか気になりますね。権力者のピラティから脅されていた可能性が1番高いと思います。さらに、 オキシコドンという薬を飲まされていたせいで、意識が混濁していたのかもしれません。

ワルテルについてですが、ピラティにころっと騙されるところを見ると、すぐに人を信用してしまう人物なのでしょう。その人柄が仇となって、アンジェラの件も立ち小便をしていただけと上手く弁解できず、仕事はなくなり落ちぶれてダメ人間になってしまったのです。

何も言えない弱者をみんな悪者にして社会の均衡が保たれている構造は、とても考えさせられますね。

リアルな社会問題を耽美に表現

美しいイタリアの街フォルテ・デイ・マルミ

美しい街フォルテ・デイ・マルミの登場人物たちはいわば、現状を変えるための犠牲になったとも捉えられるでしょう。

ロベルトは正しさを掲げ、悪を糾弾したわけですが相手が権力者であるがゆえに“共倒れ”になります。

現実社会でも何か改革をしようとすれば、先導者への批判も強いですし、人々にしわ寄せがくることも多いでしょう。

ただ、“共倒れ”が美しい浜辺の街でおこなわれたことで、社会的な大事件が起こっても街の美しさはそのまま!というような耽美的な カタルシスに昇華されていたのが映画『安全の対価』の1番すばらしかったポイントだと思います。

人間社会の根幹にある根深い問題をモチーフにしつつも社会派っぽさは薄く、街の美しさと人々の苦悩の コントラストに心を動かされる抽象的なつくりになっているのです。

最後のまとめ

『安全の対価』は美しい街に住む人々のSin(道徳的な罪)を浮かび上がらせた、テーマ性に優れた良作サスペンスでした。

なんとなく見ていると犯人の正体に意外性がなく退屈と感じてしまうかもしれませんが、個々のキャラの心情を読み解くと味わい深い作品です。

たまにはイタリア映画もいいですね!

映画『安全の対価』レビュー終わり。

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