映画『変な家』ネタバレあらすじ解説、左手供養の謎、儀式の始まり

  • 2024年7月12日

映画『変な家』ネタバレあらすじ解説

変な間取りの謎

ホラー系YouTuberの雨宮(間宮祥太朗)は、仕事の関係者・柳岡から「中古の一軒家を買おうと思っている」と間取り図を見せられる。

雨宮は知り合いの設計士・栗原(佐藤二朗)にその間取り図を見せた。

栗原は「子供部屋に窓がなくトイレが備え付けで、さらにドアが二重扉になっていること、1階にあえて作られた不要なスペースがあることが不自然だ」と指摘した。

栗原は「この家で子供に請負殺人をさせていたのではないか?」と妄想仮説を述べる。

東京にある問題の家の近所の林から、左手首のない死体(身元確認で宮江という人物だと判明)が発見された。

死体の他の部分もバラバラに切断された状態だった。

雨宮はその家を死体と関連づけて動画配信。バズってアクセスは劇的に伸びた。

その動画を見た宮江柚希(川栄李奈)から連絡が入る。柚希は、「左手首のない男性の死体は自分の夫だ」と語る。

栗原は問題の物件の間取りを見て、「子供部屋の棚を動かすと1階に降りる隠し通路があり、そこから2階の風呂場に出ることができる。子供が風呂場で人を殺害した後でバラバラに解体し、子供部屋を通って車庫に死体を運んでいたのでは?」と推測した。

柚希が埼玉にある別の物件の間取り図を見せる。子供部屋に備え付けのトイレがあり、三角の謎の部屋や、出入りできない謎の庭がある。

栗原はこの家でも殺人が行われていたと考えた。

雨宮が自宅アパートにいると停電が起き、仮面を被った女性に刃物で首を切りつけられた。女性は「あの家に近づくな」と言って去った。アパートから出た柳岡も何者かによって気絶させられていた。

異変を感じてアパートに来た栗原は倒れている雨宮を発見し、手当をする。

柚希と喜江の嘘

雨宮は柚希と一緒に東京にある問題の間取りの家へ潜入。2階の子供部屋に入り棚を動かすとやはり隠し通路があった

そのとき栗原から電話が入り「死んだ宮江は独身で妻はいない」と言われる。

雨宮はゾッとした。柚希は嘘をついているのだ。雨宮は柚希から逃げ出した。

柚希が追ってくる。

雨宮は外に逃げる。その家の隣に住むおばさんから「柚希は問題の物件に住んでいた片淵夫婦の奥さんの妹だ」と聞かされる。柚希は逃げた。

隣のおばさんはさらに、「片淵家には小さな赤ちゃんしか子供がいないはずだったが、ある夜に仮面を被った子を見た」と言ってその写真を雨宮に見せた。

アパートに柚希がやってきて雨宮に謝罪をする。学生の頃に失踪した姉・綾乃を探したくて嘘をついていたらしい。

姉・綾乃は父が死亡してから何故か家からいなくなったようだ。

半年前に姉から連絡があり再会したときに東京と埼玉の変な間取りの家の住所を手渡され、それ以降は連絡が取れなくなったと言う。

柚希は「父の実家・片淵家の間取りも変だった」と言って、間取り図をかく。小さい頃にたまに行ったらしい。

廊下が長く1番奥に仏壇があり、右手に開かない襖(ふすま)があったと話す。


柚希は真相を探るべく長年会っていない母・喜江のアパートへ。雨宮と栗原もついてきた。3人は喜江から長野県にある本家の話を聞く。

喜江は柚希に「本家には絶対近づくな」と忠告。そして死んだ父の日記を見せる。柚希の父は本家に狂わされたという。

雨宮と柚希は喜江の忠告を聞かず、本家へ向かった。中に入ると廊下の奥に仏壇があり、不気味だった。

様子がおかしい姉・綾乃と夫の慶太、そして祖父母と、叔父の清次(きよつぐ)がいた。

柚希は薬を飲まされたようで倒れ、数時間後に目を覚ます。雨宮がそばにいた。栗原も来ていた。

栗原は喜江の家に戻った時のことを話す。「彼女の部屋に仮面があるのを突き止めた。雨宮を襲ったのは喜江だ」と語った。

さらに喜江から、片淵家に先祖代々伝わる左手供養の話を聞いたという。

片淵家の左手供養

明治時代、片淵家当主の妾(めかけ)である潮(うしお)が正妻から虐待されて流産。

潮は気が狂って左手首を切断して死亡したらしい。

その後、片淵家の関係者が次々に死に、占い師に相談したところ「潮の呪い」だということで左手供養の儀式が始まったようだ。

左手供養では、片淵家の子供は10歳から13歳までの3年に渡って1年に1人ずつ殺人をして左手を切断し、その手首を潮の霊に捧げなければならないという。

雨宮たちは仏壇を動かして裏に隠し通路があるのを発見。通路の右手は襖の部屋に、もう左手には扉がある。進んでいくと潮をまつった祭壇があり、2本の手首のミイラが供えられていた。

さらに奥の部屋には牢屋があり、仮面を被った子供(桃弥/とうや)が監禁されていた。

雨宮は清次に殴られて気絶。柚希、栗原、綾乃、慶太も捕えられる。綾乃たちの子供・浩人は村の人間に人質に取られていた。

慶太は「高校時代に出会った綾乃と結婚して左手供養のことを聞き、桃弥(牢屋にいる子供)を引き取って埼玉の家で暮らし始め、東京の家へ移った」と話す。

「左手供養の時期になり、慶太たちは知り合いの宮江が偶然死んでいるのを見つけ、左手を切り取って実家に送り、死体は林に埋めた」と語る。

慶太と綾乃は左手供養もしたくなかったし、桃弥に人殺しもさせたくなかったのだ。

東京の家の隠し通路は、いざという時に桃弥の身柄を隠すために作ったと言う。

ラスト結末

柚希の祖父・重治は桃弥に「雨宮の左手を切り落せ!」と命令。しかし桃弥にはできなかった。

慶太が清次を殴り、乱闘が始まる。雨宮たちは綾乃と浩人、桃弥も連れてその隙に逃げた。

清次がやってきて雨宮に銃を向ける。清次は「片淵家の儀式を手伝っているのは金のためだ」と笑う。

祖父・重治がナタで清次を殺し、左手を切断して潮の祭壇に備えた

雨宮たちは村の外へ逃げる。喜江が車で迎えにきていた。みんなで車に乗って逃げる。

本家は火事で全焼した。その後、メディアは片淵家の事件を報道する。

綾乃と桃弥、そして浩人は喜江の家で一緒に暮らすことになる

柚希は、喜江と綾乃が今年も左手供養をする話をしているのを聞いて、恐怖で固まった

雨宮のアパートに栗原がやってきた。

栗原は雨宮のアパートも変な間取りであることを指摘。壁から爪で引っ掻く音が聞こえる。

終わり。

ストーリーの考察は下記記事へ↓

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映画『変な家』

映画『変な家』ネタバレ感想・評価

良い点

映画『変な家』の評価は85点。素晴らしい出来栄えだったと思います。
シネマグ
ネットでは賛否分かれていますが、個人的には映画版として絶妙なテイストだと思いました。脚色・演出ともに素晴らしかったです。

話がテンポよく進んでいくので中だるみもありませんでした。

設計士の栗原の妄想からストーリーが展開していくのですが、佐藤二朗さんの変人キャラのおかげもあって、小説版よりも強引さを感じませんでした。

(私は先に原作を読んで妄想小説だと知っていたのでリアリティラインを下げられたのかも)

喜江役に斉藤由貴さんをキャスティングしたのもグッド。ミステリアスで狂った女性を斉藤由貴さんが演じると説得力が違います!

変な間取り図から殺人事件へ、そして謎の儀式へと展開していくぶっ飛んだ内容に説得力を持たせられたのはすごいことだと思います。

感想を語る犬
『セクシー田中さん』などの件で、原作の実写化について論争が続いていますが、本作は成功例に入るのでは?

ダメな点

小説を読んでいないと意味不明な箇所があったと思います。

特に、桃弥が誰の子供なのか言及されていないので混乱した人も多いのでは?

小説版では桃弥は柚希の伯父夫婦の子供で、生まれつき左手首からうえがないので左手供養の執行人に任命された経緯があります。(左手首がない子供が生まれたらその子が左手供養を行うルールがある)

左手供養も小説では片淵家の分家(清吉)の血筋を狙うものでしたが、その辺も映画では語られていませんでした。儀式の詳細がわかりにくかったと思います。

また、片淵家の親戚たちが簡単に雨宮たちを逃してしまう展開など、ご都合主義というかスリルがイマイチな場面も多かったです。

映画『変な家』作品情報

公開:2024年3月15日(金)
上映時間:1時間50分
ジャンル:ミステリー・サスペンス
年齢制限:G(制限なし)
監督:石川淳一
脚本:丑尾健太郎
原作:雨穴(うけつ)の小説「変な家」
音楽:Yaffle
主題歌: アイナ・ジ・エンド「Frail」

『変な家』小説についての解説・考察はコチラ↓

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小説『変な家』

キャスト

Youtuber 雨男(あめおとこ) / 雨宮(あめみや)|cast 間宮祥太朗(『半分、青い。』『真夏のシンデレラ』『東京リベンジャーズ』)

栗原(くりはら/設計士)|cast 佐藤二朗(『新解釈・三国志』『赤ずきん旅の途中で死体と出会う』『さがす』)

柚希(ゆずき)|cast 川栄李奈(『Diner ダイナー』『地獄の花園』『ディア・ファミリー』)

柳岡(やなおか)|cast DJ松永(Creepy Nuts)(『浅草キッド』『いつか、いつも……いつまでも。』)

その他↓

斉藤由貴(『竜の道 二つの顔の復讐者』『マッチング』)

石坂浩二

長田成哉

瀧本美織(『HOKUSAI/北斎』)

根岸季衣

髙嶋政伸