映画『変な家』考察ネタバレ「喜江ラストの意味,最後の窓の新解釈!」後日談の徹底解説

  • 2024年3月20日

実写映画『変な家』についてストーリーのネタバレあらすじ・ラスト結末の解説&徹底考察をしてみました。

シネマグ
喜江が裏でやっていたことラストの怖すぎる意味最後の窓の新解釈隣のおばさんの正体などを解説していきます!

映画『変な家』考察ネタバレ

ラスト結末の怖い意味

綾乃が「また左手供養の時期が近づいてきたね〜」と言って、喜江が「大丈夫、お母さんがなんとかするから」、と言ったラスト。

感想を語る犬
2人が左手供養の洗脳から抜け出せてないと示唆する胸糞なバッドエンドでした。

よく考えてみると非常に怖いです。

なぜなら綾乃が洗脳状態なら、桃弥(仮面を被って監禁されていた少年)が綾乃によってこれまでひどい扱いを受けてきた可能性が浮上するからです。

栗原の推理で「家の間取りが変だったのは、いざというときに桃弥を隠すためだった…」となりましたが、これがくつがえされます。

綾乃の夫・慶太は桃弥に殺人をさせたくなかったかもしれませんが、綾乃は左手供養をするように桃弥を洗脳していた可能性があります。

だから、変な家の子供部屋に引っ掻き傷がたくさんあったのかもしれません。

シネマグ
桃弥は綾乃に苦しめられていたのかも…。

ホームレスを殺害していた喜江

喜江はホームレス支援のボランティアをやっています。その活動の場で、「左手供養は私がなんとかする」と綾乃に言っていました。

喜江はホームレスを殺害し、左手を切り落とすのだと思います。身寄りがない人物なら警察が捜査しないからです。

それだけでなく、以前に綾乃と慶太が左手供養をどうしようか悩んでいた時期に本家に左手を送りつけたのも喜江でしょう。

シネマグ
つまり、喜江は過去にもホームレスを殺害していたわけです。そのためにボランティアしているんですね。怖すぎ。

また、柚希と綾乃の父は気が狂って死んだとのことですが、これも喜江が計画した可能性があります。

隣の家のおばさんの正体

東京にある変な間取りの家の隣に住んでいるおばさん。綾乃の家の窓から桃弥を目撃して写真を撮り、そのことを雨宮に伝えました。

ただ疑問が湧きます。なぜ彼女は、柚希が綾乃の妹だと知っていたのでしょうか?

柚希が半年前に綾乃と再会した場所は、家ではありません。

隣の家のおばさんは、実は片淵家の関係者で、綾乃の家を監視していたのかもしれませんね。

もしくは喜江の協力者でしょう。雨宮を事件に巻き込んで、片淵家の崩壊に加担させようとしていた可能性があります。

柚希は最初から知っていた?

隣の家のおばさんが無関係の場合、柚希が最初から一連の事件を知っていた可能性が浮上します。

  • 柚希は綾乃と再会して東京の家を訪ね、綾乃と喜江が左手供養を実行しようとしていると知った
  • 犯罪を止めたくて雨宮に事件を解明させようとした

こういう経緯かもしれません。

柚希が最初に登場したときのビジュアルがちょっとキモめなのも気になります。闇を抱えていそうです。

  1. 柚希も喜江に洗脳されていた
  2. 正気の時に雨宮を頼る
  3. 喜江の支配は終わらない

真実はこんな感じかもしれません。

柚希が初めて雨宮のアパートを訪ねたとき、誰かが廊下の陰から監視しているような不自然なシーンがありました。

その場にいたのは喜江でしょう。柚希の行動を監視していたのです

今後の最悪な展開:後日談の予想

『変な家』の原作小説は、すべてを仕組んでいたのが喜江だった!というオチです。

  1. 喜江は片淵の分家の血筋だった
  2. 片淵家の左手供養のせいで喜江の先祖が死亡
  3. 左手供養の裏で分家が本家を殺害する儀式があったのでは?

という展開です。

小説の内容を含めるなら、映画の喜江も片淵の本家を滅亡させるのが目的だったとなります。

ただ本家の人間たちは死んだので、なぜ喜江が左手供養を続けようとしているのかは疑問です。

感想を語る犬
洗脳が解けておらず、完全に狂ってしまったのかもしれません。
シネマグ
もしくは片淵本家の血を引く生き残り、柚希、綾乃、桃弥も殺害して血を根絶やしにするつもりかもしれません。(怖すぎてそこまでは考えたくないですが)

最後の窓の新解釈

雨穴さんのYoutube版や、原作小説では「1階の客室用の部屋からリビングが見える窓の謎」について最後に言及されていました。

小説を読んだときは、本家に完全に洗脳されていた綾乃は実は来客用の部屋に寝ていて夫の慶太を監視していたのではないか?と推測しましたが、映画版では新しい解釈ができると思います。

新解釈は喜江が作らせた窓というもの。

  1. 喜江は何か理由をつけて来客用の部屋に窓を作らせた
  2. 喜江はときどきそこに泊まり、綾乃や慶太の会話や行動を監視
  3. どうすれば綾乃と慶太をコントロールして本家を潰すことができるか計画を練った
シネマグ
やはり綾乃は本家からだけでなく、喜江からも洗脳を受けていたのでは?

雨宮のアパートの間取りについて

最後に栗原が雨宮のアパートの間取りの違和感に気づきます。

これは「あなたの家の間取り図もチェックしてみなさい!」というメタ的な演出でしょう。

あえてストーリーとの関連を考えるなら、爪を引っ掻く音がしたので桃弥が潜んでいるのかもしれません。

シネマグ
喜江と綾乃が秘密に近づいた雨宮を殺害するために桃弥を潜入させたのかも?

映画と原作小説の違い比較

映画と小説で内容が結構違いました。

まず、雨宮が謎の女性に襲われるシーン。犯人は喜江であり、片淵家の秘密から遠ざけるための脅しでした。これは映画オリジナルの展開です。

喜江が実は片淵の分家の人間だという話は映画ではなかったですね。

原作では「分家の人間が本家の人間を殺す儀式もあったのでは?」的な話がありましたが、ややこしくなるのでカットしたのでしょう。

映画には柚希の伯父夫婦の話が出てこないのも大きな違いです。

小説では伯父夫婦には洋一(ようちゃん)という息子がおり、その弟が桃弥です。

柚希の父が左手供養の儀式を止めるために、洋一を殺害したという話があります。

(理由は、父は喜江が分家の血筋だと知り、柚希たちも左手供養の対象になってしまうと気づいたからです)

小説版の解説レビュー

オカルトマニア・雨穴さんの大人気小説『変な家』を読み終わりました。ネタバレありのストーリー解説と考察!読了後の感想や評価を正直にレビューしていきます! 間宮祥太朗と佐藤二朗さんのW主演で映画化もされ、2024年3月15日(金)に公開が[…]

小説『変な家』

映画『変な家』ネタバレあらすじ解説

変な間取りの謎

ホラー系YouTuberの雨宮(間宮祥太朗)は、仕事の関係者・柳岡から「中古の一軒家を買おうと思っている」と間取り図を見せられる。

雨宮は知り合いの設計士・栗原(佐藤二朗)にその間取り図を見せた。

栗原は「子供部屋に窓がなくトイレが備え付けで、さらにドアが二重扉になっていること、1階にあえて作られた不要なスペースがあることが不自然だ」と指摘した。

栗原は「この家で子供に請負殺人をさせていたのではないか?」と妄想仮説を述べる。

東京にある問題の家の近所の林から、左手首のない死体(身元確認で宮江という人物だと判明)が発見された。

死体の他の部分もバラバラに切断された状態だった。

雨宮はその家を死体と関連づけて動画配信。バズってアクセスは劇的に伸びた。

その動画を見た宮江柚希(川栄李奈)から連絡が入る。柚希は、「左手首のない男性の死体は自分の夫だ」と語る。

栗原は問題の物件の間取りを見て、「子供部屋の棚を動かすと1階に降りる隠し通路があり、そこから2階の風呂場に出ることができる。子供が風呂場で人を殺害した後でバラバラに解体し、子供部屋を通って車庫に死体を運んでいたのでは?」と推測した。

柚希が埼玉にある別の物件の間取り図を見せる。子供部屋に備え付けのトイレがあり、三角の謎の部屋や、出入りできない謎の庭がある。

栗原はこの家でも殺人が行われていたと考えた。

雨宮が自宅アパートにいると停電が起き、仮面を被った女性に刃物で首を切りつけられた。女性は「あの家に近づくな」と言って去った。アパートから出た柳岡も何者かによって気絶させられていた。

異変を感じてアパートに来た栗原は倒れている雨宮を発見し、手当をする。

柚希と喜江の嘘

雨宮は柚希と一緒に東京にある問題の間取りの家へ潜入。2階の子供部屋に入り棚を動かすとやはり隠し通路があった

そのとき栗原から電話が入り「死んだ宮江は独身で妻はいない」と言われる。

雨宮はゾッとした。柚希は嘘をついているのだ。雨宮は柚希から逃げ出した。

柚希が追ってくる。

雨宮は外に逃げる。その家の隣に住むおばさんから「柚希は問題の物件に住んでいた片淵夫婦の奥さんの妹だ」と聞かされる。柚希は逃げた。

隣のおばさんはさらに、「片淵家には小さな赤ちゃんしか子供がいないはずだったが、ある夜に仮面を被った子を見た」と言ってその写真を雨宮に見せた。

アパートに柚希がやってきて雨宮に謝罪をする。学生の頃に失踪した姉・綾乃を探したくて嘘をついていたらしい。

姉・綾乃は父が死亡してから何故か家からいなくなったようだ。

半年前に姉から連絡があり再会したときに東京と埼玉の変な間取りの家の住所を手渡され、それ以降は連絡が取れなくなったと言う。

柚希は「父の実家・片淵家の間取りも変だった」と言って、間取り図をかく。小さい頃にたまに行ったらしい。

廊下が長く1番奥に仏壇があり、右手に開かない襖(ふすま)があったと話す。


柚希は真相を探るべく長年会っていない母・喜江のアパートへ。雨宮と栗原もついてきた。3人は喜江から長野県にある本家の話を聞く。

喜江は柚希に「本家には絶対近づくな」と忠告。そして死んだ父の日記を見せる。柚希の父は本家に狂わされたという。

雨宮と柚希は喜江の忠告を聞かず、本家へ向かった。中に入ると廊下の奥に仏壇があり、不気味だった。

様子がおかしい姉・綾乃と夫の慶太、そして祖父母と、叔父の清次(きよつぐ)がいた。

柚希は薬を飲まされたようで倒れ、数時間後に目を覚ます。雨宮がそばにいた。栗原も来ていた。

栗原は喜江の家に戻った時のことを話す。「彼女の部屋に仮面があるのを突き止めた。雨宮を襲ったのは喜江だ」と語った。

さらに喜江から、片淵家に先祖代々伝わる左手供養の話を聞いたという。

片淵家の左手供養

明治時代、片淵家当主の妾(めかけ)である潮(うしお)が正妻から虐待されて流産。

潮は気が狂って左手首を切断して死亡したらしい。

その後、片淵家の関係者が次々に死に、占い師に相談したところ「潮の呪い」だということで左手供養の儀式が始まったようだ。

左手供養では、片淵家の子供は10歳から13歳までの3年に渡って1年に1人ずつ殺人をして左手を切断し、その手首を潮の霊に捧げなければならないという。

雨宮たちは仏壇を動かして裏に隠し通路があるのを発見。通路の右手は襖の部屋に、もう左手には扉がある。進んでいくと潮をまつった祭壇があり、2本の手首のミイラが供えられていた。

さらに奥の部屋には牢屋があり、仮面を被った子供(桃弥/とうや)が監禁されていた。

雨宮は清次に殴られて気絶。柚希、栗原、綾乃、慶太も捕えられる。綾乃たちの子供・浩人は村の人間に人質に取られていた。

慶太は「高校時代に出会った綾乃と結婚して左手供養のことを聞き、桃弥(牢屋にいる子供)を引き取って埼玉の家で暮らし始め、東京の家へ移った」と話す。

「左手供養の時期になり、慶太たちは知り合いの宮江が偶然死んでいるのを見つけ、左手を切り取って実家に送り、死体は林に埋めた」と語る。

慶太と綾乃は左手供養もしたくなかったし、桃弥に人殺しもさせたくなかったのだ。

東京の家の隠し通路は、いざという時に桃弥の身柄を隠すために作ったと言う。

ラスト結末

柚希の祖父・重治は桃弥に「雨宮の左手を切り落せ!」と命令。しかし桃弥にはできなかった。

慶太が清次を殴り、乱闘が始まる。雨宮たちは綾乃と浩人、桃弥も連れてその隙に逃げた。

清次がやってきて雨宮に銃を向ける。清次は「片淵家の儀式を手伝っているのは金のためだ」と笑う。

祖父・重治がナタで清次を殺し、左手を切断して潮の祭壇に備えた

雨宮たちは村の外へ逃げる。喜江が車で迎えにきていた。みんなで車に乗って逃げる。

本家は火事で全焼した。その後、メディアは片淵家の事件を報道する。

綾乃と桃弥、そして浩人は喜江の家で一緒に暮らすことになる

柚希は、喜江と綾乃が今年も左手供養をする話をしているのを聞いて、恐怖で固まった

雨宮のアパートに栗原がやってきた。

栗原は雨宮のアパートも変な間取りであることを指摘。壁から爪で引っ掻く音が聞こえる。

終わり。

映画『変な家』ネタバレ感想・評価

良い点

映画『変な家』の評価は85点。素晴らしい出来栄えだったと思います。
シネマグ
ネットでは賛否分かれていますが、個人的には映画版として絶妙なテイストだと思いました。脚色・演出ともに素晴らしかったです。

話がテンポよく進んでいくので中だるみもありませんでした。

設計士の栗原の妄想からストーリーが展開していくのですが、佐藤二朗さんの変人キャラのおかげもあって、小説版よりも強引さを感じませんでした。

(私は先に原作を読んで妄想小説だと知っていたのでリアリティラインを下げられたのかも)

喜江役に斉藤由貴さんをキャスティングしたのもグッド。ミステリアスで狂った女性を斉藤由貴さんが演じると説得力が違います!

変な間取り図から殺人事件へ、そして謎の儀式へと展開していくぶっ飛んだ内容に説得力を持たせられたのはすごいことだと思います。

感想を語る犬
『セクシー田中さん』などの件で、原作の実写化について論争が続いていますが、本作は成功例に入るのでは?

ダメな点

小説を読んでいないと意味不明な箇所があったと思います。

特に、桃弥が誰の子供なのか言及されていないので混乱した人も多いのでは?

小説版では桃弥は柚希の伯父夫婦の子供で、生まれつき左手首からうえがないので左手供養の執行人に任命された経緯があります。(左手首がない子供が生まれたらその子が左手供養を行うルールがある)

左手供養も小説では片淵家の分家(清吉)の血筋を狙うものでしたが、その辺も映画では語られていませんでした。儀式の詳細がわかりにくかったと思います。

また、片淵家の親戚たちが簡単に雨宮たちを逃してしまう展開など、ご都合主義というかスリルがイマイチな場面も多かったです。

映画『変な家』作品情報

公開:2024年3月15日(金)
上映時間:1時間50分
ジャンル:ミステリー・サスペンス
年齢制限:G(制限なし)
監督:石川淳一
脚本:丑尾健太郎
原作:雨穴(うけつ)の小説「変な家」
音楽:Yaffle
主題歌: アイナ・ジ・エンド「Frail」

『変な家』小説についての解説・考察はコチラ↓

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小説『変な家』

キャスト

Youtuber 雨男(あめおとこ) / 雨宮(あめみや)|cast 間宮祥太朗(『半分、青い。』『真夏のシンデレラ』『東京リベンジャーズ』)

栗原(くりはら/設計士)|cast 佐藤二朗(『新解釈・三国志』『赤ずきん旅の途中で死体と出会う』『さがす』)

柚希(ゆずき)|cast 川栄李奈(『Diner ダイナー』『地獄の花園』『ディア・ファミリー』)

柳岡(やなおか)|cast DJ松永(Creepy Nuts)(『浅草キッド』『いつか、いつも……いつまでも。』)

その他↓

斉藤由貴(『竜の道 二つの顔の復讐者』『マッチング』)

石坂浩二

長田成哉

瀧本美織(『HOKUSAI/北斎』)

根岸季衣

髙嶋政伸

最後のまとめ

映画『変な家』は、雨穴さんの大ヒット小説を高いクオリティで映像化した良作でした。

小説と異なる展開も多く、すでに小説を読んでいる人でも楽しめるのも魅力。

雨穴さんは小説『変な家2』や『変な絵』も書いていますが、本作のヒット次第で映像化されるかもしれません。楽しみですね!

ここまで読んでいただきありがとうございます。レビュー終わり!

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