Netflix(ネットフリックス)ドラマ『BEEF/ビーフ 逆上』 全10話です。社会的に接点のなかった男女があおり運転がキッカケで汚い復讐を繰り返す爆笑のストーリー!いっぽうでメッセージ性も強く、人生に彩りをそえること間違いなしです。
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
ストーリー考察
全10話ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
- 1 Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』作品情報・予告
- 2 『BEEF/ビーフ 逆上』あらすじ
- 3 Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』キャスト
- 4 ネタバレなし感想・海外評価
- 5 Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』ネタバレ感想・評価
- 6 1話「鳥は歌わず、痛みにうめく」ネタバレ
- 7 2話「生きる喜び」ネタバレ
- 8 3話「心に巣食う叫び声」ネタバレ
- 9 4話「一度に全部は無理でも」ネタバレ
- 10 5話「奥深くに隠された生き物」ネタバレ
- 11 6話「誰もが魔法の円を描く」ネタバレ
- 12 7話「私は鳥かご」ネタバレ
- 13 8話「最初に選んだ物語」ネタバレ
- 14 9話「偉大なる製作者」ネタバレ
- 15 最終回10話「光の形」ネタバレ
- 16 『BEEF/ビーフ 逆上』最終回の感想と考察
- 17 最後のまとめ
Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』作品情報・予告
制作国:アメリカ
話数:シーズン1全10話
原題:『Beef』
ジャンル:ダークコメディ、社会問題
年齢制限:16+(ファッ○など汚い言葉の多用)
監督:ジェイク・シュライアー,イ・サンジン,HIKARI
脚本・製作総指揮:イ・サンジン(『アンダン 〜時を超える者』)
制作:A24
配給:Netflix
タイトルのBeefは日本語で牛肉ですが、スラングで文句や不満を言うという意味もあります。
監督のジェイク・シュライアーはマーベルMCUのヴィランを集めた映画『サンダーボルツ』を担当する人物です。主演のスーティヴン・ユァンも『サンダーボルツ』への出演が決定しています。
『BEEF/ビーフ 逆上』あらすじ
工事業者の事業が上手くいかずガスコンロで自殺を考えているダニー・チョウ(スーティヴン・ユァン)。自殺をやめてホームセンターでガスコンロを返品しようとするがレシートがない…。
イライラが頂点に達したダニーは赤い軽トラに乗り込んだ。バックすると白いベンツにぶつかりそうになる。ダニーが怒って叫ぶと、ベンツの窓から“くだばれ”の中指サインが見えた。
ダニーは逆上して白いベンツを追いかける。白いベンツは他人の家の花壇を荒らし、逆にダニーの車に突っ込んできた。
その後、ダニーは車のナンバーから住所を調べる。その家へ行くと、エイミー・ラウ(アンリ・ウォン)が銃を持って現れた。ダニーは親切な工事業者をよそおってエイミーの家に上がり、トイレでオシッコをまき散らして逃げていく!
Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』キャスト
スティーヴン・ユァン
スティーヴン・ユァンはこれまで優男な人物を演じることが多かったですが、今回は小言が多くてみんなに避けられているイヤな男を熱演!情けない表情が最高です。
ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』のグレン役でブレイクした私も大好きな俳優スティーヴン・ユァン。2023のアカデミー賞で主演女優賞(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)を獲得したミシェル・ヨーと並び、今最もホットなアジア系俳優と言っても過言ではないでしょう。
村上春樹の短編「納屋を焼く」を実写化した韓国映画『バーニング劇場版』(2018)、同じくA24製作でアカデミー賞に多数ノミネートされた映画『ミナリ』(2020)、ジョーダン・ピール監督の傑作SFスリラー『NOPEノープ』(2022)ジュープ役、など良作を選んで出演しているイメージです。
ウォーキング・デッドのグレン(スティーヴン・ユァン)出てるじゃん!と思ってユーネクストで配信されていた映画『バーニング 劇場版』を鑑賞。 村上春樹の短編小説『納屋を焼く』を原作にした韓国映画なんだけど、人の影を描いた最高の映画だった。[…]
アリ・ウォン
アリ・ウォンはコメディアン兼俳優。Netflixにも彼女のスタンダップコメディが『アリ・ウォンのオメデタ人生?!』と『アリ・ウォンの人妻って大変!』というタイトルで配信されています。妊婦姿で、際どいというかほぼアウトな毒舌ギャグを吐きまくるパワフルなスタイルは衝撃的でした。
本作のエイミーというキャラはアリ・ウォンの私生活の延長上のような気がします(笑)。中国系の父とベトナム系の母という設定は、アリ・ウォンそのままです。
俳優としては映画『いつかはマイ・ベイビー』主演。『2分の1の魔法』『シュガー・ラッシュ:オンライン』の声優。DCコミック映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』などにも出演。
ネタバレなし感想・海外評価
人生がうまくいかず極度のストレスを抱える男と女が、あおり運転の仕返しを延々続けるシュールなコメディ。
かなり下品なので人を選ぶ内容ですが、コメディの枠におさまらない感動的なメッセージがあり、個人的には大好きでした。
スティーヴン・ユァンがウォーキング・デッドのグレンとは真逆の使えないけどプライドだけは高いダメ男を完璧に演じていて、つい感情移入してしまいます。
自殺を考えるくらい追い詰めらていて、自分なりに頑張っているけどそれでもうまくいかない。ギリギリのバランスにより、笑いがはじけるのです。
それぞれが人生を見つめ直していく感動もあります。
序盤はコメディですが終盤にかけてどんどんヒューマンドラマが濃くなり、最後にはおどろきと共に絶対に予測不可能な意外な展開が待ち受けています。ジャンルレスですね。
ケヴィン・スペイシー主演の映画『アメリカン・ビューティー』みたいな作品が好きな人にはドストライク!
さらにA24らしく社会性を反映しており、アメリカにおける移民対決、韓国系 VS 中国系というトリッキーかつ最先端のテーマがあります。
海外の評価もロッテントマトズの批評家評価が98%と超高得点。世界で今どんなコンテンツがトレンドなのか知るうえでも重要な作品です。
おすすめ度 | 80% |
シュールな笑い | 90% |
テーマ・メッセージ性 | 95% |
ストーリー | 85% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 98% 一般の視聴者 96% |
メタスコア(Metacritic) | 86(100点中) |
※以下、Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『BEEF/ビーフ 逆上』ネタバレ感想・評価
笑いながら見てたら最終回で感動に打ちひしがれる不思議な作品。傑作ドラマです。
まずコメディパートはかなり下品で強烈!
さらにアリ・ウォンは私生活のストレスのはけぐちをスティーヴン・ユァンへの嫌がらせで満たそうとします。
イヤな奴 VS イヤな奴。アメリカを舞台に韓国系移民と中国系移民とが火花を散らすおもしろい構図です!中韓マーキング対決です(笑)。
アリ・ウォンの夫が日系の設定だということも含めると、日中韓のバトルですね。
アメリカ社会において一番ないがしろにされているアジア系移民同士が小競り合いをするさまは実に滑稽ですし、結局マイノリティ同士が争ってしまう社会問題の本質を突いています。コンセプトが絶妙です。
製作会社のA24は映画『ミナリ』や『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と本作の成功でアジア系移民を鉄板ネタにした感がありますね。
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(エブエブ)。マルチバースに接続した主婦が、最大のヴィランである娘とカンフーで対決する画期的な大作! IMAXで視聴いてきました!2時間超えですがあっという間で大満足のハイパー[…]
それぞれのシーンでスティーヴン・ユァンの小物感が強く、クスクス笑えます。そこにアリ・ウォンが投入されてヤバい化学反応が起こり爆笑が生まれるのです。
またストーリーが進むにつれて2人の関係が共依存のようになっていく過程も見事。
そして予想できない驚愕のラスト結末には“感動すら超える何か”があります!
神ドラマ『ブレイキング・バッド』に迫るクオリティだと思いました。
1話「鳥は歌わず、痛みにうめく」ネタバレ
白いベンツにあおり運転をし、逆に体当たりされそうになったダニー。
ダニーの一家は以前はモーテルを経営していたが、いとこのアイザックが仲介した相手が違法粉ミルク製造を行なったせいで手放すハメになった。ダニーの両親は韓国へ帰国している。
弟のポールはゲーム三昧で仮想通貨に手を出していた。
ダニーは知り合いの家の木の剪定の仕事を受けるが、その家の奥さんに嫌われているうえに失敗してしまう。
さらにビットコインも暴落し、ダニーは窮地に追い込まれた。
そんなとき、白いベンツのナンバーを思い出し、照会サイトに80ドル払って家を調べる。
いっぽう、エイミーは大型ホームセンター・フォースターズの経営者・ジョルダンに自分が経営する観葉植物のショップ・コーヨーハウスを売却しようとしていた。しかし売れない陶芸家の夫・ジョージは邪魔ばかりしてくる。
エイミーが金庫から銃を出し、自慰行為を始める。そこへダニーが親切な工事業者をよそおってやってきた。ダニーはエイミーが白いベンツの運転手だとわかると、トイレを借りて帰ろうとする。
エイミーはトイレからドアの外まで小便がまき散らされているのを見て怒りに打ち震えた。ダニーが中指を立てながらトラックで逃げる。
エピソード1の感想
第1話からボルテージMAX!オシッコして逃げるシーンは腹を抱えて笑いました。中韓マーキング合戦が最高のカタチでスタート!
エイミーが銃を使って自慰行為をしているのも強烈すぎです。笑えるんですけど笑えない!
ちなみに最後にかかった曲はバンド・フーバスタンクの『ザ・リーズン』。このバンドのボーカルも日本人のハーフで、作品にアジア系全面戦争というコンセプトが伺えます(笑)。
2話「生きる喜び」ネタバレ
エイミーはダニーの会社のサイトを調べ電話を怒りの電話をかけると、ダニーに「ビッチ」と言い返され、さらに怒りをつのらせた。
エイミーから仕事の低評価をつけられたダニーは、弟ポールと一緒に新会社を立ち上げて社名を変更。
エイミーは美人の部下ミア・リュケットの写真を使ってSNSでケイラと名乗り、ポールとつながる。友達のナオミからSNSで出回っている白いベンツが花壇を踏みつぶした暴走動画を見せられ、乗っているのが自分だとバレないか心配になった。
エイミーの義父で名の知れた芸術家だったハル・ナカイの個展が開かれる。買収を検討してくれているジョルダンがイスを買いたい!というが、夫・ジョージがむげに断った。エイミーはブチ切れそうになる。
エイミーはポールのSNSからダニーがクラブにいることを突き止め、駐車してある軽トラに落書きしまくった。
ダニーは逆上してナタを持ってエイミーの家へいくが、自動照明にビックリして逃げ帰る。
エピソード2の感想
ダニーがアパートのプールで肉を焼いているとき、若い水着の女性がやってきて露骨にイヤな顔をして部屋に戻っていくシーンが笑えました。嫌われてるなあ(笑)。
弟・ポールと一緒に筋トレしながらうんちくを語っているところからもウザさ加減がわかりますね。
3話「心に巣食う叫び声」ネタバレ
エイミーとジョージは夫婦セラピーを受ける。しかしエイミーの心はダニーのトラックに落書きしたことですでに満たされていた。
エイミーとダニーはお互いに罵りあうメッセージを送りつける。
ダニーはエイミーの白いベンツを燃やそうとして、中に彼女の娘・ジューンがいたことに気づきふと我にかえる。
ダニーは元カノ・ベロニカとその夫・エドウィンが通っている教会で演奏を聴き、大粒の涙を流した。
両親のために土地を買おうとしていたがローンが通らず、ダニーはアイザックの案で教会に建物維持のローンを組ませる。
買収の条件が理想通りに進まなかったエイミーは落ち込んでいた。エイミーはSNSでケイラのフリをしてポールに電話して悩みを相談した。
職場を調べたポールがやってくる。エイミーは「SNSのケイラは、部下・ミアの写真を借りたなりすましだった」と白状した。ポールはエイミーに「ステキだ」といいキスをする。
エピソード3の感想
ダニーのトラックに落書きをして、彼へのイタズラで心のバランスを保とうとするエイミーが最高でした。
ダニーが教会で泣くシーンも、とってもおかしいんですけど、同時に感動もあふれ出てくる複雑でミラクルなシーン!
スティーヴン・ユァンが弾き語りでインキュバスの「Drive」を歌うラストシーン、最高にかっこよかったですね。歌めちゃくちゃうまいんですよね。多才です。
そしてエイミーがポールとくっつくとは…。夫のジョージがエイミーが落ち込んでいるのを知っていながら「君がいない人生を想像したりする」と口にしたり、エイミーの部下・ミアの写真で自○行為をしたり、絶妙なクソ野郎なのもジワります。
4話「一度に全部は無理でも」ネタバレ
エイミーは「私は人妻だから本気にならないで」とポールに忠告。
エイミーはジョルダンと一緒にラスベガスのカジノに来ていた。ポールはダニーのトラックに勝手に乗りホテルへやってくる。エイミーはポールを部屋に入れ、一緒にマリファナを楽しんだ。
翌日、エイミーは株主の前で公演をしていた、ポールを追いかけてきたダニーとアイザックがエイミーを発見。ダニーは質問者に紛れてマイクを取り、エイミーに向かって「白いSUVを運転して花壇に突っ込んだのはアイツだ」とさけぶ。
ダニーとアイザックは警備員につまみ出された。エイミーはダニーを見下して笑った。
エピソード4の感想
ダニーとエイミーのやり取りがヒートアップして来て爆笑でした。でもなんだか2人ともお互いの存在を必要としているようでもあります。
5話「奥深くに隠された生き物」ネタバレ
アイザックはポールとダニーのせいで刑務所に逆戻りになりそうだったことにブチ切れた。
ダニーはゼインと偽名を使ってエイミーの夫・ジョージに近づいて家に招かれる。ダニーはジョージの作品を褒めた。
ダニーはトイレの水漏れを指摘し、アイザックの子分、ボビーとマイケルに修理業者として家に入れて物を盗む作戦を考えるが、家にはよくわからない芸術作品しかなかったので中止。
エイミーはジョージの不在のときにポールを家に呼び、激しいセッ○スをする。しかしポールに金を貸してと言われ、激怒して追い返した。
夜、ボビーとマイケルがエイミーの家に侵入し金品を盗もうとする。しかしジョージの母・フミに銃で脅されて逃げた。フミは階段から落ちて病院へ運ばれる。
エピソード5の感想
誰が見てもウ○コみたいなジョージの芸術作品ですが、もしかしたらダニーは本気で感動していたのかもしれません。笑いと感動の共依存です。
6話「誰もが魔法の円を描く」ネタバレ
ダニーやアイザックは教会の工事を請けおって金を稼ぐ。ポールは兄・ダニーやアイザックと仲直りした。
ナオミはエイミーに「推薦文を書いてほしい」と言うが遠回しに断られて怒り、エイミーが車で花壇に突っ込んだ白いSUVを運転していたことを突き止めて「暴露して、花壇の家主と一緒に訴えてやる」と意気込んだ。
エイミーはあせってダニーに停戦を呼びかけ、「25,000ドル払うから花壇の車は私じゃないと証言してくれ」と買収する。
しかし、ナオミから「訴えるのはやめる」(義母・フミからエイミーの夫婦仲の問題や強盗に入られた件を聞いて同情した)と聞くやいなや、エイミーはダニーとの約束を反故(ほご)にした。
ダニーはアイザックから「炊飯器に大金を隠している」と聞く。ダニーは匿名で「危険運転をしていたのはアイザックだ」と通報。仮釈放中のアイザックは刑務所に戻された。
ダニーとポールはバスケでエドウィンたちのチームに勝利する。
エピソード6の感想
優しそうで熱心なキリスト教徒のエドウィンがバスケで負けて悔しがりFu○kワードを連発していたのが笑えました。こういうサブキャラのギャップも作り込まれていておもしろい!
7話「私は鳥かご」ネタバレ
8カ月後。
ダニーは教会でリーダー的な存在となり、讃美歌バンドでアメイジンググレースを熱唱。エステルという彼女もできていた。
ダニーは土地を買って両親のために家を建てた。エドウィンがダニーの成功を怪しむ。
エイミーは無事に事業を売却し、別荘でジョージやジューンと失われた時間を取り戻そうとしていた。
しかしジョージから「去年、君の部下のミアと魂を通わせた。体の関係はない」と言われてひどく落ち込む。
ダニーはジョージの作品お披露目パーティーにやってきて、何くわぬ顔でエイミーに挨拶する。
ダニーはエイミーに「君が幸せなのかどうか知りたい。俺もそうなれるか?」と聞いた。
エイミーは「何も残らない。諸行無常だ」と答える。
ダニーはエイミーの背中の入れ墨から。彼女が弟ポールと寝た女だと気づいた。
エイミーは心が満たされず、バーガーキングでやけ食いをする。
ダニーは韓国から両親を呼び戻すが、せっかく建てた家が火事で全焼した。
エピソード7の感想
パーティーでダニーを見つめるエイミーの目が怖すぎて爆笑でした。ちゃんと観察すると、どのシーンでも・どのセリフでも笑える超ハイクオリティなドラマです。
バーガーキングでやけ食いをしたのも、ポールからダニーの話を聞いて真似をしたということ。満たされないエイミーは宿敵・ダニーを求めているのです。この2人はある意味でソウルメイトですね。
8話「最初に選んだ物語」ネタバレ
エイミーの過去
エイミーは父から誕生をよろこばれなかった子供だった。さらに高校の頃には父の浮気を目撃。
自身も若い頃にゆきずりの男性と性行為をすることが多かった。
現在
エイミーはジョージにダニーとのトラブルやポールと浮気した件を話した。するとジョージから離婚したいと言われる。
ダニーは保険会社から火事が配線のミスが原因だと聞かされて、保険が降りないことに絶望する。配線工事をしたのはダニー自身だった。ポールには「放火だった」とごまかした。
ダニーはエイミー不在時にジョージに会いに行き、家にあがってトイレの収納に燃料と手袋をしまい、放火をエイミーのせいにしようとする。
すべてを知ってたジョージがダニーに銃を向けた。ダニーはジョージを突き飛ばし、彼を気絶させてしまった。
警察に逮捕されることを恐れて車に乗って急いで家へ帰るが、後部座席にエイミーの娘・ジューンが座っていた。
エピソード8 感想・考察
エイミーの回想で、子供の頃に絵本で見た白塗りの女性が出てきますが、これはエイミーが自分自身の行動を監視する超自我(精神の見張り役)でしょう。白塗りのヴィジュアルから、アジア人を監視する白人のメタファーと考えることもできます。
コメディの枠を超えて心理学的なトラウマまでを表現する本作の幅の広さにおどろきました。
9話「偉大なる製作者」ネタバレ
エイミーはジョルダンの屋敷に招かれ、彼女に暴走運転のことなど、これまでの経緯をすべて話した。
そこへ夫・ジョージから電話がかかってくる。エイミーはジューンが誘拐されたと思いパニックになった。
釈放されたアイザックがダニーの部屋にやってきて暴れる。ダニーが家を建てたのもアイザックの金だった。
アイザックはギャングに借金をしており、「金がないと終わりだ」と狂ったように叫ぶ。
ダニーの案でジューンを人質にエイミーから金を取ろうということになった。
アイザックから電話を受けたエイミーは、「金はすぐに引き出せない。今は大富豪・ジョルダンの家にいる。住所を言うから強盗にきて。そして娘を返して」と交渉。
アイザックとマイケルが屋敷に乗り込んでジョルダンとナオミ(ジョルダンと婚約した)、エイミーを縛る。ダニーとポールはボビーに見張られながらジューンの子守りをしていた。
ポールがボビーを締め落とす。ダニーはジューンをエイミーの車に乗せて鍵をかけポールと屋敷に乗り込むが、アイザックに銃でおどされて中庭に隔離された。
ナオミとジョルダンは隙をついて逃げる。ジョルダンの言動に不信感を感じたナオミは、彼女が入ってくる直前でパニックルームの扉を閉じた。ジョルダンは扉に何度もはさまれ、胴体をグチャグチャにされて死亡。
警察がやってきてアイザックとマイケルは銃で応戦する。しかし制圧されて逮捕された。
ポールは塀のうえに上がることに成功。しかしダニーは無理だった。
ダニーはポールに「家が燃えたのも俺のせい。おまえの大学入学願書を捨てたのも俺だ。おまえは1人で逃げろ」と言う。
ポールは外に出るが警察に発砲された。
エイミーは警察から、「ジョージがジューンを連れて帰った」と聞かされてショックを受けた。
ダニーは警察の目を盗み、別の経路で外に出ることに成功。車に乗り込むと、そばの車にはエイミーが乗っている。
ダニーは中指を立てて車を発進させた。エイミーがすごい形相で追ってくる。2人の車は道を外れて丘から落ちた。
エピソード9の感想・考察
ダニーとポールが歌でジューンをあやしながらボビーの首を絞めるシーンが爆笑でした。
まさかジョルダンがあんな死に方をするとは…。突然のグロテスクな展開が衝撃的!
ダニーとエイミーは第1話から一周まわって追いかける・追いかけられるの関係が逆になりましたね。
お互いを憎み会う姿にもはや運命や神々しさまで感じられるから不思議です。こんな高度な表現のドラマはなかなかありません。
最終回10話「光の形」ネタバレ
砂漠地帯で事故ったダニーが車からはい出る。エイミーが銃を向けてきた。過去にダニーに助けられたカラスがエイミーを攻撃し、ダニーはそのすきに彼女を丘から突き落とした。
翌日、ぼろぼろのダニーはどこへ行けば砂漠地帯から抜け出せるかわからずにさまよっていた。足を怪我したエイミーとでくわし、また口論になる。
2人はいったん協力し合うことになりダニーがエイミーをおんぶする。しかし2人は落ちている銃を見つけてふたたび争った。エイミーは腕ひしぎ十字固めでダニーの腕を折り、銃をゲット。
エイミーはダニーに近くに生えているエルダーベリーを取ってこいと命令。2人はそれを食べるが、エルダーベリーに似ている毒を持つ植物だったようで、吐きまくる。
2人はベリーの毒でドラッグ吸ったような状態になり、お互いの思いを言葉にし合った。ときにはお互いの体が入れ替わった錯覚も起こした。
2人は「私たちは空っぽだけど詰まっている」とさまざまなことを口にした後で死亡。
かと思いきや、翌朝目を覚まし、2人は生きていることをよろこびあった。
エイミーとダニーは道路の近くまで歩くが、ダニーはトンネルでジョージに撃たれて倒れる。
病院で意識不明のダニーのベッドにエイミーも横たわる。エイミーはダニーを抱きしめて一緒に眠った。
ネットフリックス『BEEF/ビーフ 逆上』終わり!
『BEEF/ビーフ 逆上』最終回の感想と考察
最終回は天然ドラッグでラリっちゃった回なのですがとても感動しました。感動という言葉だけでは表現できません。
笑いと深い感動を共存させるコンセプトが心に刺さります。
ラストシーンはダニーとエイミーは魂が惹かれあるソウルメイトのような存在で、お互いに多くを失ったあとで大切な存在になったという意味でしょう。
ダニーとエイミーの共依存関係以外にもネットの誹謗中傷合戦や、戦争のおろかさなど、さまざまなテーマが重層的に表現されています。(完成度高すぎです。)
ダニーとエイミーの争いと和解を通じ、終わりのない闘争にどう決着をつけるかに、ひとつの答えを映像で示していたのもすごい。
あとは、カラスの話もアイザックが教会で話してたダニーの子供の頃のバカ話が伏線ですし、エイミーがダニーの腕を折ったのも、ポールから格闘技の技を教わった伏線が回収された格好です。
最後のまとめ
Netflixドラマ『BEEF/ビーフ 逆上』は社会問題とシュールコメディ、そして人生というテーマをバランスよく混ぜた傑作ドラマでした。
そこまで面白くないとウワサされてたりもするA24ですが(個人的には好き)、躍進劇はまだまだ続きそうですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『BEEF/ビーフ 逆上』レビュー終わり!
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