映画『アムステルダム』(Amsterdam) は第一次世界大戦後のアメリカを舞台に、元軍人の医者が巨大な権力に立ち向かうストーリー!
作品情報、豪華キャスト解説、ストーリーあらすじ、ぶっちゃけ感想・評価、を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
映画『アムステルダム』作品情報・豪華キャスト紹介
原題:『Amsterdam』
ジャンル:史実を基にしたクライムサスペンス
年齢制限:日本では表なし。アメリカは一応R指定
監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル
撮影:エマニュエル・ルベツキ
キャスト:クリスチャン・ベール/マーゴット・ロビー/ジョン・デヴィッド・ワシントン/ロバート・デ・ニーロ/ラミ・マレック/マイク・マイヤーズ/テイラー・スイフト/マイケル・シャノン/マイク・マイヤーズ/アンドレア・ライズボロー/ゾーイ・サルダナ
デヴィッド・O・ラッセルは『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』などヒット作を多く生み出している名監督!しかし本作は…。
撮影のエマニュエル・ルベツキはサンドラ・ブロックの『ゼログラビティ』(2013)、マイケル・キートン主演の『バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡』(2014)、レオナルド・ディカプリオの『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)で3年連続アカデミー賞撮影賞を獲得した名実ともに世界のトップの実力を持つ人物です。
アムステルダムのキャスト解説
キャストは大作で主演を務めるレベルのスターが集結しています。
まず主人公のバートを演じるは『ダークナイト』トリロジーのバットマン役や、『ソー:ラブ&サンダー』のヴィラン・ゴア役などで知られるクリスチャン・ベール。
彼の相棒・ハロルド役には『ブラック・クランズマン』『TENET』のジョン・デヴィッド・ワシントン。
バートやハロルドと堅い友情で結ばれるヴァレリー役には『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『スーサイド・スクワッド』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』のマーゴット・ロビー。
富豪のトム・ヴォーズ役には『ボヘミアン・ラプソディ』『007ノータイムトゥダイ』のラミ・マレック。
その妻リビー役にはNetflixで世界的にヒットしたドラマ『クイーンズギャンビット』やサスペンス映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のアニャ・テイラー=ジョイ。
将軍役には説明不要のロバート・デ・ニーロ。
さらに2022年のアカデミー賞授賞式でMCを務め、ウィル・スミスにビンタを喰らったクリス・ロックも出演。
キャストを並べるだけでお腹いっぱいです。
映画『アムステルダム』あらすじ
第一次世界大戦で大怪我を負って右目を失った医者のバート(クリスチャン・ベール)は、現在は退職した軍人のための治療病院を開設。自分で開発したドラッグを飲み、体にも心にも傷をおった元軍人たちと、大声で歌いながら日々を過ごしていました。
そんなある日、戦場でお互いを守り抜くことを誓い合ったハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)から連絡を受けます。お世話になったミーキンス将軍が突然死し、彼の娘・リズ(テイラー・スウィフト)から遺体を解剖して死因を調べて欲しいと依頼をされたと言うのです。
バートがミーキンス将軍を解剖すると、毒を飲まされていたことが発覚。
そんな中、新たな殺人事件が起こります。
バートとハロルドはその殺人事件の容疑者にされて追われる身に。
バートは戦争後に傷を負って保養していたアムステルダムでハロルドとヴァレリー(マーゴット・ロビー)と友情を誓い合ったことを思い出していました。ヴァレリーとはアムステルダムからアメリカへ帰って以来会っていません。
バートたちは有力者であるトム・ヴォーズ(ラミ・マレック)とその妻・リビー(アニャ・テイラー=ジョイ)に助けを求めます。バートはトムの屋敷にいたある人物を見て驚きました。
トムはバートたちに、ギル・ディレンベック将軍(ロバート・デ・ニーロ)に接触するようアドバイス。
そして運命の歯車は複雑怪奇に噛み合っていきます…。
ネタバレなし感想・海外評価
デヴィッド・O・ラッセル監督は『世界にひとつのプレイブック』 『アメリカン・ハッスル』など非常に評価が高い作品を多数作り上げました。しかし『アムステルダム』はそれらの作品と比較してカタルシスに大きく欠けていた感が否めません。
ストーリーも淡々と進んでいくわりに、2時間14分というのは長すぎます。
個性的なキャラたちの掛け合いがメインなのですが、ややワンパターンなこともあり途中で何度も眠気に襲われました。
1900年代前半のオシャレな世界観に没頭したい人は楽しめるかもしれません。
海外レビューサイトの評価もRotten Tomatoesの批評家評価が33%とかなり低め。「詰め込み過ぎて乱雑になっている」というような意見が多かったです。
おすすめ度 | 60% |
世界観 | 85% |
ストーリー | 54% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.2(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 33% 一般の視聴者 62% |
メタスコア(Metacritic) | 48(100点中) |
※以下、映画『アムステルダム』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『アムステルダム』ネタバレ感想・考察
映画としての完成度が低いわけではなく演技もキャラクターも魅力的なのですが、ストーリーの起伏が少なくひたすら面白くないです。
ウェス・アンダーソンとアダム・マッケイの作品を足して2で割って薄めた感じでした。
ウェス・アンダーソン作品よりはオシャレ感・アート性がなく、アダム・マッケイ作品よりは社会派として鋭い切れ味がない、中途半端感が否めません。
デヴィッド・O・ラッセル監督は、実話をもとにした社会派のストーリー、豪華俳優陣の演技と芸術性でケミストリーを起こそうと考えていたのでしょう。
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の2015年以来の義眼役となったクリスチャン・ベールの変人的な演技は最高でした。
ミステリアスなマーゴット・ロビーなど、他のキャストと繰り広げるウィットに富んだセリフ合戦も見応えがありです。アニャ・テイラー=ジョイも美しすぎる。
ただキャラビジュアルと演技・セリフだけで2時間はちょっとキツいですし、眠くなってきます。物語にメリハリもなし。
登場人物と視聴者とは一定の距離感があるつくりのため、共感してのめり込むこともできません。
ウェス・アンダーソン作品であれば距離をとるところは距離をとり、グッと感情移入させるところも随所にあるという共感の遠近法がずば抜けてうまいのですが、本作は違いました…。
微妙なタイミングでカット割が入り、それもウェス・アンダーソン作品のようなシュールな間やポップ感を狙っているのでしょうけど、それほど上手く機能していたとは思えません。
それならばストーリーにもう少しカタルシスやインパクトが欲しかったところ。
“ほぼ実話”という触れ込みですが、要はラミ・マレック演じるナチス信者の有力者からアメリカの民主主義を救う話なので、エンタメ性を出そうと思えばいくらでもできた気がします。
事実、同じデヴィッド・O・ラッセル監督の『アメリカン・ハッスル』は実際の収賄事件をモチーフにしながらも、エンタメ性の高い作品に仕上がっていました。
豪華俳優陣を結集させた『アムステルダム』は超高級食材をかき集めて味付けが微妙な料理が出来上がってしまったみたいな作品だと思います。
最後のまとめ
クリスチャン・ベールにマーゴット・ロビー、そしてジョン・デヴィッド・ワシントンの熱い友情が軸になっているなら、友情をメインに据えるか、成長譚としてもっと際立たせるかしたほうが見応えのある作品になっていだのでは?
期待値からの落差という意味ではすごく印象に残った作品となりました…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『アムステルダム』レビュー終わり!
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