韓国ドラマ『誘拐の日』の原作小説を読んでみました!ラスト結末とネタバレ感想レビュー、ストーリーの考察:真犯人の動機や行動原理についてをネタバレありで解説していきます!
『誘拐の日』ネタバレあらすじ・ラスト解説
序盤
キム・ミョンジュンは別れた妻・ヘウンから金持ちの子供チェ・ロヒを誘拐する計画を持ちかけられ、実行に移す。
ミョンジュンの子供・ヒエは小児白血病で意識がない状態で入院していた。その手術費を捻出するための誘拐だった。
ミョンジュンが車でロヒの豪邸のまえにやってくる。飛び出してきたロヒを車ではねてしまった。
焦ったミョンジュンは意識のないロヒを車に乗せ、山にある自宅へ戻った。
目を覚ましたロヒは、車にぶつかったショックで記憶を失っていた。
ミョンジュンは誤魔化すために、「おまえは俺の娘・ヒエだ」と言う。
ロヒは飛び抜けて頭がよく、ミョンジュンに対する態度もデカかった。
ミョンジュンは身代金を要求するためにロヒの父チェ・ジンテに電話する。しかし彼は電話を取らない。
おかしいと思ったミョンジュンがジンテの豪邸へ行くと人だかりができていた。2人の死人が出たらしい。
なんとジンテは刀で突き刺された状態で死んでいた。ロヒの母ソ・ジニュはボイラーの熱で膨張した死体で発見された。
中盤
頭の良いロヒは、ミョンジュンが父でないことを見破った。しかしミョンジュンの優しさに居心地は悪くなかった。悪人だとも思わなかった。
ミョンジュンはロヒを解放しようとする。
しかし、記憶の一部を取り戻したロヒは、「父の死体を見た日にパトカーのサイレンのような光が見えたから犯人は警察かもしれない」と言う。
ミョンジュンは、事件の全体像が見えないままロヒを警察に渡すのは危険だと判断してロヒと逃亡を続ける。
病院へ侵入すると娘・ヒエの治療費が振り込まれていた。名義は自分だった。元妻・ヘウンに確認するが知らないと言われる。
警察は殺人事件とロヒの誘拐事件を同時に捜査しなければならない。しかし殺人犯と誘拐犯が一致しているかはわからなかった。
刑事のサンユンは事件の前日にジンテの家の防犯カメラを解除したセキュリティ会社の社員パク・チョロンに話を聞く。
彼は事件当日に友人と飲んでいてアリバイがあったが、供述がスラスラすぎて逆に怪しかった。
サンユンは調べを進めるうちに大病院を経営するジンテが(父・ドンオクの研究を受け継いで)天才児を作り出す研究に没頭していたと知る。娘のロヒにも実験を繰り返していたようだ。
ヒエの手術は無事成功。
ミョンジュンは警察にロヒを誘拐した経緯や、警察内部に犯人がいることを誘拐犯の自分が話しても信じてもらえないと考えた。そこで刑事のサンユンを誘拐・拉致して事情を説明する。
サンユンは誘拐されたロヒがミョンジュンに懐いているのを見て、2人の話を信じることにした。2人の身柄は警察署内部で引き受けることになる。
そんな中、警備会社のパク・チョロンが病院の医師・ジュンドを殺害。警察は彼を逮捕した。
ロヒが事件の夜に見たのはパトカーのサイレンではなく、セキュリティ会社の車のライトだったのだ。
ラスト結末:真犯人は…!
パク・チョロンの自白
ジンテの家で金庫の金を取ろうとしてジュニの死体(娘ロヒの実験について口論になりジンテが殺害)を発見。
ジンテともみ合いになり、彼を殺した。
30年前にジンテの父・ドンオクがチョロンの妻の帝王切開を執刀する予定だった。しかしドンオクは外部から呼んだPA(医師ではない医療アシスタント/physician assistantの略)に手術を任せ、結果妻と子供が死亡した。
その後、チョロンはドンオクに復讐しようとして看護師が持っていた注射器でドンオクを刺そうとする。しかしあやまって彼の娘に注射を刺してしまった。注射針はHIV感染者に使用したものだったため、養子だったその娘はドンオクに離縁された。
その娘こそがヘウンだった。それ以来、チョロンは罪滅ぼしのためにヘウンの面倒を見ていた。
ジンテについてはドンオクの息子だと知ったが、それは偶然だった。
ジュンドについては、PA(医師ではなく医療アシスタント)だったので、30年前に妻と子供を亡くした出来事が蘇って殺したらしい。
真犯人の正体、すべての経緯
チョロンが殺人犯で事件が解決するかと思ったが、サンユンはジュニの死体の胃袋から発見された鶏野菜煮込みについて調べるうちに、それがアリバイ工作に使われたと知る。
ボイラー室の熱で死亡推定時刻はわからなかったが、ジュニが死んだのは死亡推定日の2日前。ジンテが死んだのは推定日の1日前だったのだ。
チョロンに会い警察署にやってきたヘウン。チョロンの失言から真犯人はヘウンだと判明した。
ヘウンはチョロンに協力してもらいジンテを殺害して金を得て、そのあとで元夫・ミョンジュンにロヒを誘拐させて犯人に仕立てようとしたのだ。
チョロンがジュンドを殺したのは、警察の目を自分に引きつけて、ヘウンが犯人だと気づかせないためだった。
ロヒがヘウンを自宅に呼び出す。
ヘウンは、「もともと児童養護施設でミョンジュンがドンオクの養子になるはずが自分が養子に選ばれたことでひどい人生になって恨んでいた」と話した。
ヘウンは逮捕された。
ミョンジュンは誘拐の罪で服役することになったが。ヘウンが犯人で自分を陥れようとしていたことを知って悲しんだが、ロヒが娘の面倒を見てくれると言って安心した。
ロヒは弁護士の後見人をたて、ミョンジュンの娘・ヒエと姉妹のように暮らした。
『誘拐の日』終わり
『誘拐の日』ネタバレ感想・評価
- 殺人犯と誘拐犯の不一致
- 子供を誘拐してさらに警察も誘拐
- 妻を殺したのは死んだジンテだった
- 第3の殺人を犯したチョロンが犯人かと思いきや、ヘウンが犯人だった
かなり複雑な内容だと思いましたが、そのぶんディティールも練られていた印象。
主人公であり誘拐犯のミョンジュンがいいやつで、誘拐された子供・ロヒと次第に絆を深めていく過程も感動的でした。
全体的に素晴らしいミステリーでしたが、結構“偶然”が目立ったのが気になりました。
- ミョンジュンがロヒを車ではねてしまう
- ロヒが記憶喪失になる
- 殺害されたジンテが妻を計画的に殺害した
- チョロンがジンテの防犯を担当したのは偶然だった
などなど、複雑さとディティールの良さに隠されていますが、冷静に考えてみるとご都合主義な部分が目立っていた箇所があったと思います。
(まあミステリーなので偶然やご都合主義なしに話は進まないのですが)
『誘拐の日』ネタバレ考察:真犯人の行動原理
犯人だったヘウンの動機や行動原理については、いろいろと余白を考察すると納得できました。
(考察して補完しないと、ヘウンは憎んでいるミョンジュンと一緒になり子供まで作り、さらに金のために殺人事件を犯しただけの人間になってしまう気がします)
まずヘウンの動機についてですが、金庫から金を奪って殺害したものの、やはり養父のドンオクへの恨みが大きかったのでしょう。
また、最後にジンテの実験が成功したかどうかロヒにたずねていたことから、ヘウン自身も被験者だった子供を天才にする実験が許せなかったことがわかります。
金は過去を断ち切って新しい人生を始めるために奪ったのだと思います。
ミョンジュンについては、恨みだけでなく彼を好きな気持ちも少しはあったのではないでしょうか。
というか、そう思わないとミョンジュンの視点でかなり救いようがない物語になってしまいますし、子供を作った理由もミョンジュンに寄生するためだけとなり、これまた救いようがないです。
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