映画『Us/アス』は、『ゲット・アウト』(2017)や『NOPE/ノープ』(2022)の監督ジョーダン・ピールが2019年に送り出したサスペンスホラー。
サスペンスホラーの王道の要素を多く含みながらも、セリフやシーンの生々しさ、予想できてもゾッとしてしまうドギツイエンディングなど、斬新な表現がたくさんあって楽しめた。
そこで、なぜ『Us』ではリアリティ溢れる恐怖が堪能できたのかを徹底考察。
完全にネタバレしているので、『Us』をまだ観てない人は注意して欲しい。
映画『Us/アス』作品情報・キャスト
- 公開:2019/03/22
- 監督・脚本/ジョーダン・ピール
- 主演/ルピタ・ニョンゴ
- 出演/ルピタ・ニョンゴ(アデレート、レッド役) 、ウィンストン・デューク(夫ゲイブ役)、エヴァン・アレックス(ジェイソン、プルートー役)
監督のジョーダン・ピールは、黒人差別サスペンススリラー『ゲット・アウト』で大成功した人物。
主演女優のルピタ・ニョンゴは、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演女優賞を獲得した実力派。マーベルの『ブラック・パンサー』では主人公の恋人役として出演している。
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映画『Us/アス』ラスト考察(ネタバレ)
予想できた結末を見せられたにも関わらず、なぜ『Us』で背筋が凍りつくような恐怖を体験できたのか?
入れ替わっていたという事実も怖いが、厳密にいうと恐怖を生んでいるのは、その部分ではない。
恐怖の正体は、視聴者が感情移入していた幼いアデレードが地下でずっと暮らす羽目になったという事実ではないだろうか。
幼い少女が地下に閉じ込められて30年も悲惨に生きる。
ウサギを生で食べる環境で、誕生日プレゼントはハサミ……。そこで30年!辛すぎる!気が狂う!
こんな風に、拷問よりつらい幼女アデレードの人生がチラッと垣間見えたからこそ、視聴者の背筋が凍りついたのだと思う。
だからこそ、子供時代に入れ替わっていると予想できていても十分ゾッできた。
彼女は仮面の下で失望し、泣いていたのだろう。
逆に、地上で暮らしていたアデレードの心境の変化から考えても面白い、レッドの仮面を剥いでみれば正体は自分だったわけだ。
- アデレードの悲惨な人生
- レッドの正体は自分だという事実
2つの要素を同時に想像させるトリックが、大きな恐怖を生み出したのだと思う。
映画『Us/アス』テザード(クローン)の存在理由を考察!
クローンであるテザードは英語で書くとtethered、家畜を繋ぐ鎖を指すtetherから来ている。
“魂が繋がれた存在”という意味でtetheredなのだろう。
しかし、テザードがどうやって生まれてくるかは全くの謎。未だに存在している理由も謎だ。
もともとアメリカ政府の研究だったことは確かで、クローン技術に成功したが、魂は元の人間と一緒。
それが理由で、クローンであるプルートーが、ジェイソンと同じ動きになったり、似たような人生を歩むらしい。
『Us』のクローンかつドッペルゲンガーという設定は、どちらかといえばホラーやサスペンスというよりSFファンタジーに近いだろう。
ただ『Us』の特権階級への復讐というテーマから分かるのは、テザード自体は地上に生きる人にとって必要で、何らかの意味があるということ。
そうでなければ、今だに施設が存在している意味がなくなってしまう。(リアルに考えれば管理者もいるはずだが…)
そこで、クローンがいることで地上にいる人々には、どんなプラスがあるか推測してみる。
テザード(クローン)は痛みや不幸を被ってくれる
推測だが、テザード(クローン)は地表にいる人間とペアになっていて、テザード側が痛みや不幸を被ってくれると考えてみると、それがテザードが存在する理由にならないだろうか。
クローンが痛みを受けることで、物理的に地表で生きる人間の痛みは和らぐのだ。
魂が繋がれているテザードなら、その可能性はありそう。
だから不幸な暮らしを強要されているのかもしれない。
テザードが不幸になるぶん、地上の人間が幸福になるという可能性がある。
怪我なども、クローンが被ってくれそうじゃないか?
ジェイソンのテザードであるプルートーには顔にただれた傷があるが、ジェイソンが怪我や火傷を負うはずだったのが、プルートが代わりにそれ被ったのかもしれない。
ジェイソンとプルートー入れ替わり説/火傷の伏線(ネタバレ)
家族全員襲われているのにアデレードの息子・ジェイソンは冷静沈着。
さらに、自身のテザードであるプルートーとテザリング(接続)して、彼の動きをコントロールする術を知っていたのも怪しい。
もしかするとジェイソンとプルートーも、アデレードとレッドのように入れ替わっていたのではないかという説もある。
一番の根拠は、冒頭の車のシーンでアデレードとジェイソンだけ音楽にノれていないこと。地下から来たので、リズム感がないのだろうか。
しかし、主人公のアデレードは幼少期のトラウマから、今までサンタクルーズには行ってもビーチには絶対近づいていないので、彼女の子どもの幼いジェイソンが1人でビーチに行って入れ替わっていたという線は薄い。
同じ動きをするテザリングも、ジェイソンはコテージの小屋でプルートーと一緒にいた時も確かめていて、いきなり使ったわけではない。
ただ、地下へ通じるビーチ以外の出入り口もあるようなので、そこで入れ替わった可能性はある。ジェイソン=プルートー入れ替わり説は否定できない。
今のプルートー(もともとジェイソン)は顔に大火傷を負っている。序盤で「去年の火のマジック」という会話があったので、それが伏線なのかもしれない。
マジックが原因で火傷を負い、その後入れ替わった可能性もある。
明確な答えはないが、「もしかするとジェイソンとプルートーも入れ替わっていたかも…」と考えると、この映画の余韻に浸れる。
地下のテザードたちが決起した理由はレッド
なぜテザードたちは、今頃になって地表を奪おうと決起したのか?
ウサギの生肉を喰らう生活なら、もっと早く決起しろよ!と聡明な視聴者なら思うかもしれない。
この点は、決起を計画した人物がレッド=アデレードだと考えると合点がいく。
テザードたちはレッド以外喋れる様子はない。理性もなさそうだ。つまり計画など立てられない。
しかし、子ども時代まで地上で過ごしたレッドなら、理性も知能も発達している。彼女は地下から脱出できずに、大人になるまで計画を練っていたのだろう。
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