Netflix映画『ザ・バブル』(The Bubble)は、アクション映画の撮影中の俳優たちとスタッフの亀裂をグロシーンや下ネタなどなんでもありで描いたおバカコメディ。
(ちなみに日本のアニメ映画『バブル』についての記事はこちら↓
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『ジュマンジ/ネクストレベル』の女優カレン・ギランや、『Xファイル』のデイヴィッド・ドゥカヴニーが過激な下ネタに挑みます。
コロナ禍の撮影でのバブル方式(一定期間みんな隔離)の中での映画撮影というストーリーなのですが日本でも世界でも第六波のピークが去ったあとに公開!というのがタイミング悪すぎると思いました。
キャスティングも今が旬とは言い難い面々ばかり、コロナネタも時期を外し、旬はずれの俳優を使うのが計算だとしたらある意味すごい映画です。
キャスト、ぶっちゃけ感想・評価、メタ構造の考察、ネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
Netflix映画『ザ・バブル』作品情報・キャストと演技の印象
原題:『The Bubble』
監督:ジャド・アパトー
脚本:ジャド・アパトー/パム・ブラディ
ジャンル:コメディ
配給:Netflix
キャロル|カレン・ギラン
©︎Netflix
キャロルは中年に差し掛かかりキャリアのピンチを迎えている女優。
本作でのカレン・ギランは、若い子にセリフを取られたり、アホなお漏らしシーンを追加させられたり、セクハラされたり、彼氏に捨てられたりと、体当たりで挑んでいます。
女優カレン・ギラン代表作:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『アベンジャーズエンドゲーム』のネビュラ役、『ジュマンジ』シリーズのルビー役など。
ダスティン|デイヴィッド・ドゥカヴニー
©︎Netflix
ダスティンは女癖が悪く、養子にクズと呼ばれているクズ俳優。
撮影セットで元妻とセックスに及ぶなど、デイヴィッド・ドゥかヴニー本人の波乱に満ちたプライベートをそのまま投影させたようなキャラクターがダスティンだと思います(キャラ設定せめてますね)。
俳優 デイヴィッド・ドゥカヴニー代表作:『Xファイル』 シリーズ、『カリフォルニケーション』
その他の登場キャラ・キャスト
©︎Netflix
ディーター|ペドロ・パスカル (『ゲーム・オブ・スローンズ』オベリン・マーテル役、『ワンダーウーマン1984』マックス役『イコライザー2』『マンダロリアン』『ナルコス』)
クリスタル|アイリス・アパトー
ローレン|レスリー・マン
シェーン|キーガン=マイケル・キー
ダレン監督|フレッド・アーミセン
ハーウィ|ガズ・カーン
パウラ|ケイト・マッキノン
本人役|ジェームズ マカヴォイ
ドラッグの幻覚|ベネディクト・カンバーバッチ
映画『ザ・バブル』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価
©︎Netflix
あらすじ:女優キャロル(カレン・ギラン)はエージェントに言われて仕方なく、落ち目のシリーズ『ザ・ビースト』の第6作目の撮影場所へ行きます。コロナ禍でバブル方式を採用したため、俳優たちは2週間ホテルの自室で隔離生活を送る羽目に。やっと隔離を終えて撮影が始まりますが、ドラッグにセックスなど、波乱万丈な展開が待ち受けていました。
お馬鹿な笑いや下ネタが盛り沢山なのはもちろん、映画制作の裏側やあるあるを見せつけてくれます。
ブラックジョークが好きな人や、映画撮影に興味がある人におすすめ。前半は中だるみしますが、後半は過激な展開で盛り上がっていきます。
ちなみに海外サイトの評価はかなり低く、ロッテントマトズの批評家の評価は24点です…。
おすすめ度 | 70% |
アホ度・下ネタ | 90% |
ストーリー | 60% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.2(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家24% 一般43% |
※以下、ネットフリックス『ザ・バブル』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『ザ・バブル The Bubble』ネタバレ感想・評価
ただ基本的にコロナネタが多く、コロナの流行ピークが過ぎたタイミングで公開されたことで、評価がひどいことになった感があります。
映画撮影中を映画にするというパターンは、フランソワ・トリュフォー監督の『アメリカの夜』(1973)が有名ですよね。
もう1つの作品でしたというのは邦画『カメラを止めるな』っぽいなあと感じました。パクったんでしょうか?
最後ドキュメンタリー映画にしちゃうオチがちょっと違うのでパクリ認定はできないでしょうけど、まあプロットがにているのは映画では非常に多いのでご愛嬌ですね。
レオナルド・ディカプリオ主演のシュールSFコメディ『ドント・ルック・アップ』に比べると、本作は知的ユーモアが控えめで、わかりやすさ+下ネタに振り切った印象。
1番笑えたのはキャロルが製作陣に刃向かったことで若い女優クリスタルにセリフを奪われ、演技が露骨にやる気ないシーン。さらに、キャロルのシーンが“恐竜に怯えて叫んでお漏らしをする”に勝手に変更されます。
©︎Netflix
強いていえば、女性が男性を上回るレベルで下ネタを見せるというのが、本作『ザ・バブル』の革新的な部分なのではないでしょうか。
あとは本作の劇中劇である映画『ザ・ビースト』はもろにジュラシック・パークシリーズのパロディで、映画全体としてスティーヴン・スピルバーグ監督を風刺しているとも感じました。ジュラシックパークも2022年公開予定の『新たなる支配者』で丁度6作目ですし、ここも劇中映画『ザ・ビースト』と一緒です。
ただ政治風刺をした『ドント・ルック・アップ』がアカデミー賞作品賞にノミネートされたことを考えると、本作のようなおバカコメディが今批評家に受けないのも納得できます。
劇中では主人公キャロルが出演した映画が大手レビューサイトRottentomatoesで4%の批評家支持率だったというネタがありましたが、同サイトでの本作の支持率は24%なのが笑えるような笑えないような…。
俳優・監督・スタッフのあるあるが詰まっている
俳優が待遇に不満を言いまくったり、俳優がセリフを変更したいと主張したり、配給会社の重役が現場のゆうことを全く聞いてくれずに「とりあえず完成させろ」とだけ言ったり、刃向かったらシーンを変更されたり、実際の製作現場でアリそうなトラブルが盛り沢山なのが見ていて興味深かったです。
シリーズもので前作に出演しなかったキャロルが、ローレンに悪口を言われるというのも、『ワイルド・スピード』シリーズのドウェイン・ジョンソンとヴィン・ディーゼルみたいで笑えました。
また、プライベートでもセックス依存症だったこともあるデイヴィッド・ドゥカヴニー演じるダスティンが元妻と撮影セットでセックスするなど、キャスティング・役柄で攻めているとも感じました。
X-MENシリーズで若い頃のプロフェッサーXを演じるや、『ザ・スーサイド・スクワッド2』の役のがアクション監督役で登場など、カメオ出演も楽しめました。
演出・伏線について
『ザ・バブル』は映画撮影のトラブルをお届けするだけではなく、伏線・回収も結構凝っていました。
インド出身のスタッフの友人が開発したリモートセックス用義手が、指を撃たれたローレンに使われた。
ディーターが妄想に使ったエクササイズアプリの女性とラストで友達になる。
などなど、意外とストーリーのディティールに凝っていたのが素晴らしいと思いました。
『ザ・バブル』ラスト考察!メタ構造は流行り?
映画『ザ・バブル』は、俳優たちの撮影でのドタバタ劇がドキュメンタリー映画になったという結末でした。
さらに本作では、劇中でジュラシック・パークのパロディ的なモンスターパニック映画『ザ・ビースト』を撮影している設定なので、実質は劇中劇・本筋のストーリー・ドキュメンタリーの3重構造で、割と凝った作りなのがわかります。
ただまあメタ構造がストーリーに与える影響がシンプルで、物語のメッセージ性が付加されるなど巧みな作りになっていなかったのは少し残念です。
『マトリックス レザレクションズ』や、Netflixのマイナー映画だと『クラシック・ホラー・ストーリー』など、近年割とメタ構造(ストーリーの外にストーリーがある)が多い気がします。流行りなのでしょうか。
↓Netflix映画『ザ・バブル』のあらすじ・ラスト結末解説は2ページ目へ↓
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