鳥山明の短編を原作にした映画『SAND LAND サンドランド』悪魔の王子ベルゼブブが保安官ラオと共に幻の泉を探すために砂漠を走ります!
作品情報・声優CV
あらすじ
ネタバレなしの感想
ぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『SAND LAND サンドランド』作品情報・予告
制作国:日本
上映時間:106分
ジャンル:アドベンチャー・アクション
年齢制限:G(制限なし)
監督:横嶋俊久(『アマナツ』)
脚本:森ハヤシ(『はたらく細胞BLACK』)
原作:鳥山明 『SAND LAND』(集英社)
主題歌:imaseのユートピア
音楽:菅野祐悟
制作: サンライズ|神風動画|ANIMA
キャスト・声優
ベルゼブブ|CV 田村睦心
ラオ(シバ)|CV 山路和弘
シーフ|CV チョー
サタン|CV 大塚明夫
国王|CV 茶風林
ゼウ大将軍|CV 飛田展男
アレ将軍|CV 鶴岡聡
『SAND LAND』あらすじ
砂漠が広がり、水不足に悩む国・サンドランド。
国王が水を牛耳り、国民たちに高値で売って搾取していた。
保安官のラオはウォーターフィンチという鳥を見つけ、「砂漠の南に幻の泉があるウワサは本当ではないか」と考える。
しかし砂漠にはさまざまなモンスターがいて、人間だけではとても越えることができない。
ラオは悪魔の王子・ベルゼブブとシーフに護衛を頼み、幻の泉を目指して旅をするのだが…。
『SAND LAND』ネタバレなし感想
鳥山明がデザインしたすばらしいキャラクターたちが3DCGで現代によみがえりました。
ストーリーも王道ですがすごく心に刺さりました。
子どもの頃にジャンプでリアルタイム連載されているのを読んだ記憶がありますが忘れていて楽しめました。
ただ戦闘シーンやアクションが思っていたより少なめなので、全体的に『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』よりは満足度は低めです。
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おすすめ度 | 80% |
鳥山明の世界観 | 99% |
ストーリー | 75% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.9(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家 % 一般の視聴者 % |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
※以下、『SAND LAND サンドランド』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『SAND LAND サンドランド』ネタバレ感想・評価・考察レビュー
良かった点
ベルゼブブのデザインはもちろん、ラオやシーフ、他の魔物たちやゼウ大将軍、スイマーズにいたるまでデザインも秀逸で、やはり鳥山明は天才だなという所感です。
圧倒的なデフォルメの力とでもいうのでしょうか、キャッチーさがずば抜けているだけでなく超かっこいい!鳥山明にしか作れないキャラクターたちを眺めているだけで幸せでした。
ゼウ大将軍が最後にオムツはいているみたいな形態になる描写も大爆笑!
メカニックもこだわり抜かれており、戦車のデザインなども最高です。
ラオの作戦でベルゼブブに戦車を傾けてもらって真上の飛行船を攻撃するシーンも見応えありました。
また、『サンドランド』って王道ですけどめちゃくちゃストーリーがすばらしいですね。
悪ぶっているけど優しいベルゼブブと、保安官・ラオの信頼が築かれていく様子がヴィヴィッドに伝わってきて感動しました。
あとはラオ(シバ将軍)の30年前のエピソードが残酷で深いと感じました。
シバ将軍は結果として大虐殺をして、水不足のキッカケを作ってしまった人物です。
ゼウ大将軍に騙されたとはいえ、ピッチ人たちの大虐殺を指揮してしまったことは事実は消えません。
ラオは「正義を疑わなかった報いだ」と言っていました。すごく深い言葉ですね。
30年前にラオが少しでもゼウの言葉を疑っていれば、大量虐殺は回避できたかもしれません。ピッチ人の発明によって水不足も解消していたことでしょう。
しかしラオは軍の正義を盲信してしまい、砲撃を実行して大爆発を引き起こしてしまいました。
「正義を疑わないで誰かを傷つけてしまう」これは個人間においても、世界のさまざまな組織においても当てはまる深い教訓だと思いました。
ラオはラストでベルゼブブたちを連れてピッチ人のところに物資の支援へ向かっていました。
ラオは、ピッチ人を絶滅の危機に追いやってしまった自分を許すことはできないかもしれません。
ただ、そんな自分にも何かできることがあると感じて、ピッチ人の支援を決意したのでしょう。
アニメ映画なのでさらっとしていますが、ラオの心には自分が一つの種族を虐殺してさらに愛する妻をも殺してしまったことについての深い絶望があるはずです。
絶望という名のラオの人生が、ベルゼブブとの冒険で解決されたのです。
人間は何歳からでもやり直せるというメッセージですね。
さらに本作は、魔物や他の種族と人間を対比させることで、見た目や固定観念、偏見を超えて団結することのすばらしさまで説いています。
子供でも理解できるシンプルなストーリーですが、大人も感銘を受ける部分がたくさんありました。
原作漫画をずっとまえに読んでますが、ストーリーは忘れていました。映画を見て物語のすばらしさを再認識できました。
ダメだった点
ダメとまではいわないですが、上映時間が2時間弱あるわりにはアクション・戦闘シーンが少なかったような気がします。
本格的な戦闘シーンはラストの虫人間だけですからね。
まあサンドランドは戦闘メインの作品ではないですし、私がドラゴンボール好きなので戦闘シーンに期待しすぎてしまっただけかもしれませんが、若干の物足りなさを感じました。
せっかくの3DCGですし、『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』や『スラムダンク』とまではいかなくても、キャラクターの激しい動きをもっと味わいたかったです。
あとはストーリーについても起伏がそこまでないので、オリジナルの冒険パートを増やしても良かったような気がします。
盛り上がる部分が少なかったです。
全体的にずっと砂漠の色が続き、視覚的に少し飽きてしまいました。
アクションを入れないのなら、逆に尺を削るなどしたほうがスッキリまとまったような気がします。
映画としては若干の中だるみを感じてしまいました。
映画『SAND LAND サンドランド』ネタバレあらすじ解説
保安官ラオの正体
ベルゼブブ、ラオ、シーフの3人は戦車を盗んで旅を続ける。しかし戦車を盗んだことがばれ、王国の飛行船に追われる。
ラオの機転で、戦車の大砲で飛行船を撃ち落とすことに成功。
飛行船に乗っていたアレ将軍はすぐにゼウ大将軍に報告した。
メディアはラオたちに懸賞金がかかると放送する。さらにラオの正体が伝説のシバ将軍だということも判明した。
シバ将軍は、30年前に国を守るために大量破壊兵器を作っていたピッチ人を倒し、爆発に巻き込まれて死亡したと言われている人物だった。ラオと名を変えて生き延びていたのだ。
シーフは、「30年前、ピッチ人は水を作るマシンを発明しようとしていただけだったが爆発によって国王軍に全滅させられた」と話す。
ラオは「その軍を指揮していたのは私だ」と頭を抱える。ゼウ将軍にピッチ人が悪者だと信じ込まされていたのだ。
さらにラオは、妻でセクシー女優だったテリアもその爆発で失っていた。
ラオはゼウ将軍への復讐を誓う。
ベルゼブブたちはアレ将軍が指揮する戦車隊に追われるが、なんとか撃退。
ラオはアレ将軍に30年前の大爆発の真相を語る。
父・アポ将軍を爆発で失っていたアレ将軍はゼウ大将軍の裏切りが信じられなかった。しかしラオの言葉が正しいと直感する。
その時、砂漠に住む悪の集団・スイマーズが砲撃を仕掛けてきた。ベルゼブブが岩を投げてなんとか直撃を回避。
ベルゼブブはスイマーズたちを懲らしめた。
ベルゼブブは砂漠の中に岩山に囲まれた幻の泉があるのを発見。ラオたちと共に探索する。
ベルゼブブはピッチ人の生き残りがそこで暮らしているのを見つけた。
ラオは彼らに申し訳ないことをした罪の意識から、泉をそっとしておこうと考える。
ラスト結末!
アレ将軍は、国王とゼウ大将軍が管理している水源の場所をラオに教えた。
ラオとベルゼブブはひい上がった川をさらに南下。すると巨大なダムがあった。国王はこれで水を独占していたのだ。
軍船で地下から現れたゼウ大将軍は、ドクター・ポセに命令して数体の虫人間を解放させる。
ベルゼブブが虫人間を食い止めようとするが数が多い上に戦闘力も高く、苦戦した。
ベルゼブブは腹を刺されて倒れる。そこでブチ切れて戦闘力大幅アップ。瞬く間に虫人間たちを倒した。
ゼウ大将軍は虫人間に仕掛けた自爆スイッチをオンにして爆発させる。ベルゼブブは吹き飛んだ。
ラオはゼウ大将軍のところへ忍び寄る。
ラオは銃撃戦のすえにゼウを倒した。
ラオから銃を向けられたゼウは命乞いをする。ラオはゼウを撃たなかった。
しかしゼウはラオが油断したすきに残りの虫人間を自爆させようとする。
ベルゼブブがゼウを殴り、遠くへふっとばした。
ラオはアレ将軍に「大将軍になって国王をコントロールしろ」と言った。
それからしばらくすると、サンドランドは水であふれ、人々の暮らしぶりは豊かになる。
ラオは魔物たちの住処をたずねる。
ラオとベルゼブブ、そしてシーフは、ピッチ人に物資を届けるためにまた砂漠を旅するのだった。
映画『SAND LAND』終わり
最後のまとめ
映画『SAND LAND サンドランド』は、鳥山明の想像力あふれるビジュアルイメージを具現化させた良作でした。
ただ個人的には冒険の中だるみ感が気になったので、もう少し尺を削っても良かったと思いました。
それにしても30年前の作品が映画化されるなんて鳥山明の才能はすごいですね。
新しい題材でアニメ映画作ったら絶対に人が入ると思いました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『SAND LAND サンドランド』レビュー終わり!
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