今回はNetflix韓ドラ『ペーパーハウスコリア 統一通貨を奪え』世界的大ヒットしたNetflixスペインドラマの韓国リメイク版についての徹底レビュー!
すいませんが酷評もあります。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価、人種が違うだけの完コピ作品の是非、最終回の解説、
南北二項対立やスペイン版とのテーマの違い考察を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
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↓『ペーパーハウスコリア パート2』のあらすじや感想はこちらの記事へ↓
Netflix韓国ドラマ『ペーパー・ハウス・コリア』のパート2、エピソード7〜最終回エピソード12話のあらすじと感想をネタバレありで語っています。 シネマグ 本家スペイン版と違うところがけっこう出てきて、超おもしろくなってき[…]
Netflix『ペーパーハウスコリア統一通貨を奪え』作品情報・キャスト・あらすじ
英題:『Money Heist: Korea – Joint Economic Area』
ジャンル:クライム・アクション
監督:キム・ホンソン
ペーパーハウスコリア|登場人物・キャスト
教授|cast ユ・ジテ
©︎Netflix
強盗事件の首謀者。造幣局の外からメンバーに指示を出す。
元経済学の教授。
俳優ユ・ジテは映画『オールド・ボーイ』や『ザバハ』で有名。
ソン・ウジン役|cast キム・ユンジン
強盗事件の指揮をとる刑事(スペイン版でいうとラケル刑事役)。
女優のキム・ユンジンは映画『シュリ』や、私が超大好きなドラマ『LOST/ロスト』のサン役で有名。サンが出てきてテンション上がりました!
ベルリン役|cast パク・ヘス
©︎Netflix
ベルリン役はなんと『イカゲーム』サンウ役で大ブレイクしたパク・ヘス!
韓国版ペーパーハウスはイカゲームっぽくして、その成功にあやかりたいキャスティング意図もあったのでしょう。
ただパク・ヘスの鬼気迫るサイコパス演技は物凄く、グイグイ引き込まれます。
パク・ヘスはNetflix韓国映画『夜叉 容赦なき工作戦』(2022)、や麻薬ドラマ『ナルコの神/スリナム』(2022)にも出演。
トーキョー役|cast チョン・ジョンソ
©︎Netflix
トーキョーは元北朝鮮の軍人。
韓国文化に憧れてやってきたが仲介業者に騙され強盗家業を始める。
なんと本作では計画実行段階でもリオと恋愛関係にはありません。
チョン・ジョンソは傑作映画『バーニング 劇場版』のヒロインで有名。バーニングの頃の透明感も素敵でしたが、今作の妖艶な魅力も必見。Netflix映画『バレリーナ』(2023)でも主演を務めました。
モスクワ役|cast イ・ウォンジョン
©︎Netflix
ケチな子悪党。元採掘工。デンバーの父親。
イ・ウォンジョンは映画『逆謀 反乱の時代』などに出演。
デンバー役|cast キム・ジフン
©︎Netflix
モスクワの息子。半グレ。
個人的にはスペイン版のデンバーの方が好きですが、キム・ジフンのデンバーもハマり役です。
キム・ジフンは『悪の花』(2020)で有名。『その恋、断固お断りします』も2023年にNetflixで公開。
リオ役|cast イ・ヒョヌ
©︎Netflix
リオは元医学生のハッカー。
スペインオリジナル版と違い、トーキョに好意を抱いてますが恋仲には至っていない。
イ・ヒョヌは『太王四神記』 『大王世宗』映画『シークレット・ミッション』『ドリーム 狙え、人生逆転ゴール』などに出演。
ナイロビ役|cast チャン・ユンジュ
©︎Netflix
ナイロビは詐欺師。
造幣に詳しく、人質たちのまとめ役となる。
チャン・ユンジュは映画『三姉妹』などで有名。
ヘルシンキ役|cast キム・ジフン
©︎Netflix
ヘルシンキは自ら所属する闇の組織を壊滅させたその界隈では有名な悪党。
オスロとは双子の兄弟。
デンバー役のキム・ジフンとは同姓同名だが別人物。
キム・ジフンはドラマ『秘密の森』などに出演。
オスロ役|cast イ・ギュホ
©︎Netflix
オスロはヘルシンキの双子の兄弟。腕っぷしが強い監視役。
イ・ギュホは映画『鬼手』などに出演。
その他キャスト
- ユン・ミスン役(造幣局職員)|cast イ・ジュビン→『ドクター弁護士』『 たった一人の私の味方』
- チョ・ヨンミン役(造幣局局長)|cast パク・ミョンフン→『パラサイト半地下の家族』のリスペクトおじさん(オ・グンセ)役で有名。目力がすごすぎます。
- チャ・ムヒョク役(北朝鮮の特殊部隊員)|cast キム・ソンオ
あらすじ
2025年。韓国と北朝鮮は南北統一に歩み寄り、共同経済区域(JEA)を設立。
両国は統一通貨の発行を決め、統一造幣局を稼働させた。
北朝鮮の軍人だったトーキョーはBTSなど韓国文化が大好き。すぐに南へ移住した。
しかし仲介業者に騙され、水商売をするハメに。
ボコボコにされていた同僚を助けるため、トーキョーは暴力団員数名を射殺。
トーキョーはその後、強盗を繰り返す。しかしパートナーが警官に撃たれて死亡。自らも追い詰められた。
そんなとき“教授”が現れ、造幣局から4兆ウォンを盗み出す計画を聞かされ参加することに。
ベルリン、デンバー、リオ、モスクワ、ナイロビ、ヘルシンキ、オスロら悪党たちが集まり、統一通貨を狙う前代未聞の大強奪計画がスタートするが…。
『ペーパーハウスコリア』ネタバレなし感想・海外評価
大ヒットドラマのリメイクということで高いクオリティを期待しましたが、不満はありません。しっかりリメイクしてます。
シーズン1は6話が最終回でまだ強奪計画は進行途中なのですが、アクションよし・人間ドラマよし・演技よしで見る価値は十分。
ストーリーの大筋はスペインオリジナル版と一緒です。
第5〜6話の展開が結構違うので、すでにスペイン版を見ている人でも一応は楽しめます。
しかし大まかな内容は一緒なので、本家を見てない人のほうが圧倒的に楽しめるでしょう。
ちなみに海外の評価はかなり低め。
低評価の理由で多かったのが「スペインのオリジナル版とストーリー・キャラ設定がほぼ一緒…」いうもの。
「低品質なコピーという」辛辣な英語コメントもありました。
おすすめ度 | 82% |
スリル | 84% |
スタイリッシュな映像 | 90% |
ストーリー | 80% |
オリジナリティ | 18% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.1(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 82% 一般の視聴者 48% |
※以下、Netflixドラマ『ペーパーハウスコリア統一通貨を奪え』のストーリーネタバレありなので注意してください!
『ペーパーハウスコリア統一通貨を奪え』ネタバレ感想・評価
キャラも内容も一緒
ひとつのドラマ作品として捉えた場合、クオリティはかなり高いです。
全体的に被写界深度が浅い映像や斬新なアングルにより、スタイリッシュなアクションとヴィヴィッドな人間ドラマが巧みに描き出されていました。
アクションの見せ方もそれなりに上手い。
教授役のユ・ジテやベルリン役のパク・ヘスはじめ、キャストの演技も凄みがあって見応えありです。
シーズン1最終回6話では、どんでん返し的なカタルシスもありました。
他の配信サイトがペーパーハウスをパクるならまだわかります。
しかしなぜ同じNetflixでストーリー・登場人物設定がほぼ同じトレースドラマを作ったのでしょうか?
Netflix既存会員でペーパーハウスのオリジナル版をすでに見ている人は多いと思います。
筆者を含めそれらの人々が、舞台を韓国に変えただけで同じストーリーのドラマを見せられたらどう思うでしょうか?
印象的な赤い衣装や、メインの舞台である造幣局内部の大広間の構造も一緒です…。
シーズン1の時点ではリメイクというより、まったく同じ作品をキャスト変えてわざわざ作り直しただけと言った方が近いかもしれません。
さらに登場人物の性格・設定・あだ名も一緒。
これだとオリジナルを先に見ている人は、オリジナルキャラに愛着があるに決まっています。
人種を韓国人にしただけ作品の是非
人と場所だけ変えて、物語の流れがほぼ同じコピーリメイクを作る意義はあるのでしょうか?
疑問符が湧きます。
韓国版としてコピーリメイクしたことでNetflixの「世界中で固有のコンテンツを作る」というミッションまでブレている気がします。
これですね↓
Netflixのミッションは、世界中にエンターテインメントを届けることです。世界のあらゆるところで素晴らしいストーリーを生み出し、世界の至るところで多様な作品を自由に楽しんでいただくことを目指しています。
©︎Netflix公式サイト
コピードラマを作った理由は「他の配信サイトで韓ドラ見てる層を新規顧客として取り込みたいから」でしょうか。
それ以外でまったく同じ内容のリメイクを作る理由を思いつきません。
韓ドラは日本はじめアジア・インドなどの地域で受け入れられているので、要は「第2のイカゲーム」として新規獲得を狙ったのかも。
シーズン1最終回
シーズン1の最終回第6話はスペイン版とちょっと展開が違います。
- 突入させた特殊部隊の小隊長1名が戻れず、内部に残って人質に紛れ込む
- 小隊長はトーキョーを射殺しようとしてベルリンに撃たれる
- ウジン刑事が人質の安全を確認するためTVカメラと造幣局内へ
- ウジンは小隊長が死んでいると確信し、人質が殺されたことにして生中継で発表
- 小隊長は実は生きていて、警察が人質の安全を考えずに部隊突入を試みたことを国民が知る
このドラマティックな展開にどんでん返しのカタルシスがありました。
ただ、これくらいの大胆な変更を2話くらいからどんどんやるべきだったでしょう。
そうすれば文句なしに面白い良作と評価できたと思います。
考察:南北の二項対立(ネタバレ)
スペインオリジナル版との大きな違いは、強いていえば政治色が強いこと。
『シュリ』『JSA』『愛の不時着』など南北の分断をテーマにした韓国コンテンツは多いですが、『ペーパーハウスコリア』もご多分に漏れず南北の二項対立が大きなテーマ。
同じ人種同士で異なる思想を持つもの同士が、強盗メンバー内、人質内、警察でそれぞれ対立しながらも理解しあっていく図式は、ヒューマンドラマとして非常にわかりやすいです。
ただちょっと南北対立って既視感もありますし、オリジナル版のかなめだった愛が引き起こす予測不能性という芸術的ともいえるテーマが薄まってしまった印象も。
個人的には、高IQ強盗エンタメの中核にパッションと愛とがほとばしる強烈なスペイン版と比較すると、韓国版はシーズン1の時点では無難なリメイク作品という枠を出ないと思いました。
要は、普通のクライムエンタメになっちゃってるんですよね。
最後のまとめ
Netflix韓ドラ『ペーパーハウスコリア統一通貨を奪え』はスタイリッシュな映像などのクオリティは高かったものの、スペイン版とキャラクター像もストーリーも同じにしてしまい、世界的に叩かれている残念な作品となってしまいました。
まさかシーズン1の宙ぶらりんな状態で終わることはないでしょうし、シーズン2からオリジナル版と徐々に展開が変わっていくといいですね…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『ペーパーハウスコリア統一通貨を奪え』レビュー終わり!
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