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Netflixドラマ『ペーパーハウス』が面白すぎる!魅力を徹底解剖ネタバレあり

スペイン制作のNetflixドラマ『ペーパーハウス』の感想や、世界を魅了する大ヒット理由を解説していきます。

CineMag
『ストレンジャーシングス』と並ぶネトフリの傑作ドラマの一つ!ストーリーからコンセプトまで全てが一級品です!

Netflix『ペーパーハウス』作品情報・キャスト・あらすじ

公開・制作国・シーズン数:2017〜・スペイン・シーズン5まで
原題:『La casa de papel』英題『money heist』
ジャンル:クライムサスペンス・ヒューマンドラマ
制作:アレックス・ピナ

ちなみに2022年6月公開のNetflixオリジナル韓国ドラマ『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』はリメイク作品という位置付けで、ストーリーの大筋は一緒です。

あらすじ

Netflixドラマ『ペーパーハウス』(スペイン版)

©︎Netflix

教授は大金を手にする計画を実行に移すため、警察に追われる犯罪者たちに声をかける。

メンバーはトーキョー、ベルリン、デンバー、モスクワ、ナイロビ、リオ、ヘルシンキ、オスロ(お互いの呼び名を都市名にしている)だ。

教授は彼らを田舎の屋敷に集め、数ヶ月かけて造幣局を狙う計画の準備や訓練を進めた。

そして遂に決行日。メンバーはダリのお面をかぶって赤いコスチュームを着る。

造幣局にいた職員や学生たちを人質に取り、計画は順調かと思われた。

しかし恋愛関係にあったリオが警察に撃たれて激情したトーキョーが、警察に向かって発砲。

完璧なはずの計画にほころびが出始める。

造幣局には侵入しておらず隠れ家から指示を出す教授は、造幣局人質立て篭もり事件の警察の責任者・ラケルに接近するが…。

『ペーパーハウス』ネタバレ感想・評価

『オーシャンズ』シリーズとガイ・リッチー監督の『スナッチ』や『ロックストックアンドトゥースモーキングバレルズ』を足して2で割り、ヒューマンドラマ要素を強くしたような傑作ドラマです。

Netflixオリジナルドラマの中では『ストレンジャーシングス』と並ぶ傑作でしょう。

2021年に大ヒットした韓国の『イカゲーム』よりクオリティは上だと思います。

教授が考案した完璧な計画の歯車が、メンバー同士の恋愛や人質との関係性によって少しずつ狂っていきます。

クライムサスペンスとして、緻密な計画物語上の伏線警察との知的な駆け引きに見応えがあることはもちろん、それぞれの人間ドラマに強く光を当てているのが『ペーパーハウス』の特徴であり魅力でしょう。

強盗・人質・警察である前に、それぞれが泣いたり笑ったり恋したりする1人の人間だと謳っているのです。

芸術大国スペインらしく“計画を狂わせるのはいつだって愛”という抽象的なメッセージが美しく描かれています。

CineMag評価92%
人間ドラマ88%
ストーリー90%
IMDb(海外レビューサイト)8.2(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)批評家 94%

一般視聴者 78%

※以下、Netflixドラマ『ペーパーハウス』のストーリーネタバレありなので注意してください!

ペーパーハウス/なぜ面白いか考察

魅力的な登場人物たち

Netflixオリジナルドラマ『ペーパーハウス』(スペイン)

©︎Netflix

『ペーパーハウス』の面白さの理由はなんといっても個性的かつ魅力的な登場人物でしょう。

ストーリーが面白いだけでは人は引き込まれません。

登場キャラに魅力を感じるからこそドラマに没頭できるのです。

最適なキャスティングに加えて、キャラクターに人間味があるのも素晴らしい。

個人的にはデンバーが大好きですね。ドラッグディーラーというクズな職業ですが、父親のモスクワを大切にしており、妊婦のモニカを殺せずに惹かれ合います。

私はキリスト教徒ではないですが、デンバーのような人間が神に救われるべき存在だと漠然と思いました。

あとは、敏腕刑事だけど元夫のDVに苦しんだ過去を持つラケルのキャラも練られてます。

犯人と交渉する強い刑事である一方、夫の暴力に苦しんだ弱い女性という相反するパーソナリティが共存していて、逆にリアリティがあります。

予想を超えた強奪計画!

  • 造幣局に入って金を強奪するのではなく、金を刷る
  • 人質を金で買収してこちら側に引き込む

などなど、計画は大胆で想像を超えたものです。

計画が進むにつれ、大きなカタルシスが生まれます。

偶然ではなく愛による必然!

主人公トーキョーらが造幣局に立てこもりつつあの手この手で時間を稼ぎ、その間にお金をたくさん刷ってトンネルから脱出する計画。

これが数々のトラブルによって予定通りいかなくなり、そこに葛藤や究極の選択が生まれるわけです。

『ペーパーハウス』でトラブルを引き起こすのは恋愛です。

トーキョーとリオの恋。

造幣局長のアルトゥーロと職員モニカの不倫。

モニカとデンバーの恋。

教授とラケルの恋。

ラケルに恋をする同僚のアンヘル。

これらが原因となって不測の事態を引き起こすのです。

状況とかけ離れた恋愛・不倫・中絶の話を挿し込むことでストーリーにメリハリが生まれるメリットがもちろんあります。

加えてトラブルの原因が愛であると謳うことで、耽美的かつ強烈なメッセージ性を孕んだ作品にもなっているのです。

恋愛を情熱的に描くことで、論理的に考えれば偶然であるトラブルから必然性感じられる点も見逃せません。

すべてのトラブルの根底に愛があるので、視聴者側が避けられない事態だったと思えるのです。

例えば、シーズン1でラケルと親密な教授が犯人だと知ったアンヘルが事故を起こします。

アンヘルが普通に事故を起こしてしまっただけでは「ストーリーに都合の良い偶然」です。

しかし、「ラケルを愛しているけど振り向いてもらえず酒を飲みまくっていた」という理由があるので、都合良い展開だというのは頭の片隅に追いやられ、共感が勝るのです。

教授が監視カメラを離れたために脱走する人質を見逃してしまったことも、ラケルと情事の最中だったからだと納得できます。

これが「トイレ行っててモニター見逃してもうた…」だと、都合の良い偶然に見えてさめてしまいます。

『ペーパーハウス』は愛によって偶然を必然に変換しているようです。

(正確にいえばトラブルとの間に恋愛を挟んで、必然性を添加している)

考察系ネコ

構造的に巧みないっぽう、メッセージ・テーマ性にも優れた作品になり一石二鳥。

これが世界的大ヒットの理由だと感じました。