NETFLIX韓国ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』はアスペルガー症候群の主人公が遺品を整理して死者の思いを遺族に届ける異色の感動ストーリー。
『愛の不時着』で最年少の北朝鮮兵士・クム役だったタン・ジュンサンが主人公・グルを演じています。
Move to heavenの意味は“天国へのお引っ越し”。
記事では全話のネタバレあらすじを解説。各話ごとに感想や考察を加えています。
韓国ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』作品情報
原題:무브 투 헤븐: 나는 유품정리사입니다
監督:キム・ソンホ
脚本:ユン・ジリョン
『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』全話の感想・評価
アスペルガー症候群の主人公・グル(タン・ジュンサン)が、遺品整理の仕事をするかなり攻めたキャラ設定にびっくりしました。
ストーリーがどう展開されるのかと思ったら、遺品から死者の想いを受け取り、遺族に伝える感動的な展開で、3話でめちゃめちゃ泣けました。10話まで心を動かす深い物語で構成されており、飽きません。
死体を処理するわけではないのですが、死体があった場所にウジが沸いているようなシーンがあるので、グロいのが苦手な人はきついかもしれません。臭いもヤバそうです。ただ、そのぶんリアリティがあって引き込まれます。
『ムーブ・トゥ・ヘブン』は韓国の格差社会からくる死の悲劇と、生死を超越した本当の幸せとはなんなのか?という、とても深い疑問が浮き彫りになるハイレベルなヒューマンドラマといえるでしょう。
冒頭でシングル・ファザーだった父が死んで、父の義弟ありグルの叔父にあたるチンピラのサング(イ・ジェフン)が出所して現れる展開は、チョ・ジョンソク出演の映画『あの日、兄貴が灯した光』に似ていますね。
また主人公・グルはアスペルガーでありつつ、驚異的な映像記憶能力を持っているのでサヴァン症候群でもあるのかもしれないです。
そうするとトム・クルーズとダスティン・ホフマンの名作『レインマン』的でもあります。
叔父・サングも、一見チンピラでありながら、過去にボクシングの自分の教え子を地下格闘技で植物状態にしてしまうという癒えない傷を抱えながらも、グルに心を開いていく様子も泣けます。障害など関係なく心と心で対等に支え合っているのです。
斬新なのは、女の子・ナム(ホン・スンヒ)が、グルの保護者役っぽいキャラなところ。歯に布着せずまくし立てるホン・スンヒが可愛すぎる!ドラマのジャンルは違うけど『ゲーム・オブ・スローンズ』のアリアみたいな感じですね。
シーズン1のラストは、アスペルガー症候群のグルが現実と向き合って、自分の父・ジョンウの遺品を整理するという、人間として大きく成長を遂げた感動のハッピーエンドでした。ぜひ続編もやってほしい!
ムーヴ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です/キャスト・相関図
原作・制作:キム・ソンホ、ユン・ジリョン
主要登場人物のキャスト相関図です。
ハン・グル役/タン・ジュンサン
ハン・グルは本作の主人公で、アスペルガー症候群の青年。年齢は20歳。
驚異的な記憶力を持ち、魚やマンタなどが大好きで、水族館に入り浸っています。
想定外のことがあると頭を壁に打ち付けるなどパニックになってしまい、魚類の特徴を呪文のように唱えて落ち着こうとします。
俳優タン:ジュンサンは『愛の不時着』の北朝鮮の若い兵士・クム役などで有名です。2021年はNetflixオリジナルの『ラケット少年団』でも主演。
ムーブ・トゥ・ヘブンを見て演技超うまいなあと感じました。
チョ・サング役/イ・ジェフン
チョ・サングは、グルの叔父。グルの父・ジョンウの異父弟。年齢は30代前半。
ある事件で刑務所に入っていましたが、ジョンウが死んだすぐ後に刑期を終えて出所しました。チンピラで行儀や口が悪く、いつも体を鍛えています。
俳優イ・ジェフンは、映画『パパロッティ』『アイキャンスピーク』やドラマ『シグナル』『模範タクシー』で知られる。表情が味わい深い演技派ですね。
ナム役/ホン・スンヒ
ナムはグルの家の向かいに住む女の子で本作のヒロイン。グルと同い年なので20歳だと思われますが、見た目やキャラは完全に10代です。
大学を中退しており、母親と就職や将来の件で揉めています。
思ったことはハッキリと、そして早口で喋るサバサバ系。
グルが6歳で家の前に引っ越してきてから、ずっと彼のことが気になっており、身の回りの世話をしたり心配しています。
『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』1話ネタバレ
アスペルガー症候群の青年ハン・グルは、父・ジョンウと遺品整理の仕事へ向かいます。親子2人で運営するその会社名は「ムーブ・トゥ・ヘブン」です。
死んだ青年キム・ソヌは工場勤めで、勤務外時間に機械の故障を直すため工場に入り、足を怪我して敗血症で急死してしまったようです。
ジョンウとグルは死者・ソヌに祈ったあと、遺族に渡すべき品を黄色の箱に詰め、あとは手際良く片付けて顔馴染みのゴミ処理業者パク・ジュテクのトラックに載せてきました。
死者ソヌの葬式へ向かうと、彼が勤めていたチョソン・テックの副社長が「労災ではない」と説明し金を渡しており、ソヌの両親の耳が聞こえないのをいいことに無礼なことを言っていました。ジョンウが副社長たちをたしなめ、手話で母親に“言いたいことがあったら言っていいんですよ”と伝えます。
ソヌの携帯を見た彼の母親は、上司の命令で工場に言ったことを知り怒りを露わにして金を返しました。
ジョンウは弁護士のオ・ヒョンチャンに会いにいく途中、病気で倒れて死んでしまいました。
父が車に戻ってこず、グルは運転して探しますが道路でパニックになり停車してしまいました。そこへ向かいの家の女の子・ナム(ホン・スンヒ)がやってきて涙を流します。
『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』1話END
1話の感想・考察
遺品整理士という仕事があることを初めて知りました。死者に敬意をひょうして想いを必死に知ろうとするジョンウとグルからは、仕事以上の何かが感じられます。
そしてお決まりのマクチャン!肉親(父)が病気で速攻死亡。アスペルガーのグルはいきなり前途多難です…。
2話ネタバレあらすじ
父ジョンウの火葬が終わりますが、グルは遺骨を散骨せず家に持ち帰ります。
家に出所したばかりの叔父(父親の異父弟)でガラの悪いチョ・サング(イ・ジェフン)がやってきました。オ弁護士が、ジョンウがグルの後見人として指名したと説明します。
グルが心配なナムは反対しますが、オ弁護士は「3ヶ月グルと一緒に遺品整理士をするのが条件だ」と話しました。
仕事の電話が入り、サングはグルと一緒に高齢者女性イ・ヨンスンが孤独死した現場に向かいます。死体はありませんが、見つかったのが死後数週間あとということで、部屋にはウジが湧いていて悪臭がひどく、サングは吐いてしまいます。
床下に死体の体液でぐちょぐちょのお札が何枚もあり、息子夫婦は洗って銀行で返金しろと言い、遺品をつめた黄色い箱はいらないと突っぱねます。サングは箱を回収業者ジュテクに渡してしまいました。
2話END!
2話の感想レビュー
ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』でグロ耐性がついているはずの筆者ですら、グロくて気持ち悪くなるシーンの連続でした。死体があった寝床の体液に湧いているウジまでしっかり映る!これは気持ち悪いシーンが苦手な人は離脱しちゃうのでは!?
ただその分、グルが生半可な気持ちでその仕事をやっていないことが伝わってきます。
3話ネタバレあらすじ
グルはお札を薬品で洗いながら、あることに気づきます。
サングがチンピラなのでグルが心配なナムは、3ヶ月ムーブ・トゥ・ヘブンで働くことにしました。
3人が生前認知症だったイ・ヨンスンが通っていた銀行へ行くと、彼女は毎日決まった時間に123回も5万ウォンずつ引き出していたことがわかります。
ヨンスンの遺品が入った黄色い箱がないと気づいたグルはパニックになります。サングが捨てたと知り、ナムも一緒にゴミ処理上に探しに行きました。サングがなんとか見つけ出します。
グルはヨンスンの息子パク・チョルを呼び出し、スーツ屋に連れていきます。
パクは遺品の中に、自分が1988年に初任給で母に買ってあげた防寒下着が一度も使われないまま入っていることに気づいて驚きます。
さらにスーツ屋の主人から、「生前ヨンスンが息子パクのためにスーツを買おうとして毎日きて、毎回明日息子を連れてくると言っていた」と聞き、パクは泣き出しました。昔、貧乏な母が「スーツを買ってあげる」と言っていたことを思い出したからです。
グルはヨンスンのお札に“パク・チョルのスーツ代”と書いてあったのを発見していたのでした。ヨンスンは認知症だったため、銀行で123回もお金を引き出していたのです。
夜、サングは以前のように闇格闘技のリングに上がります。しかし自分が過去に戦って重傷を負わせたスチョルが頭から離れず、攻撃できずに倒されてしまいました。
翌日仕事が入り、3人はイ・ソニョンという女性の殺害現場に到着します。ナムが通っていた大学(中退?)の同級生・ジュニョンが警察になって現場にいました。
3話終わり
3話感想・評価
グロい孤独死現場からの、故・ヨンスンが認知症で、息子のスーツを買うために何回もお金を引き出していたことがわかった劇的なストーリー展開に感動!
認知症と死が親子の絆を復活させた皮肉な展開ではありますが、普遍的な母子愛が感じられる感動の回でした。
4話ネタバレあらすじ
イ・ソニョンの元婚約者のキム・ヨンウは「彼女が包丁を取り出して、手から離させようとしたら倒れて、腹部に刺さった」と証言し、弁護側は事故だと主張。
グルは遺品をソニョンが勤めていた保育園の同僚ウンミに見せます。ウンミは自分の結婚式でソニョンとストーカー男ヨンウが出会ってしまったせいで、悲劇が起こったとなげきました。
グルは遺品整理をしながら死んだイ・ソニョンの部屋にカメラの取説がありますが、カメラがどこにもないことに気づき、夜中にサングと一緒に部屋に戻ってサングがカメラを発見。ヨンウが押しかけて彼女を刺した映像が映っていました。
担当検察のイ・ジュヨンは感動してグルに名刺を見せます。
夜、ナムはこっそり出ていくサングを追い、地下格闘技で殴られている姿を見て驚きました。
4話終わり
4話感想レビュー
取説はあるけどカメラはないという、シンプルだけどハッとさせられるサスペンス回が楽しめました。殺されたソニョンの声がグルに届いたようです。
5話ネタバレあらすじ
セファ大学病院にモルヒネを求めて男がナイフを持って押し入り、チョン・スヒョン医師が看護師を助けようとしてもみ合いになって、首の血管を切られて死亡。
ムーブ・トゥ・ヘブンは依頼を受け、スヒョンの実家に遺品整理をしにいきます。しかし父親は遺品は全部捨ててくれと言い放ち、スヒョンが生前に書いた彼の恋人への手紙を燃やしてしまいました。
グルやナムは部屋にあるクラシックコンサートのチラシを見て、スヒョンの恋人がそこに写る演奏家の誰かだと考え、会場に行きます。
女性の演奏家は誰もスヒョンを知らず、グルは刺青から男性のパク・イオンが彼の恋人だと気づきました。
イオンは別れたスヒョンが死んだと聞いて落胆します。
過去に、イオンがサンフランシスコの楽団に合格した際、スヒョンは両親の反対に耐えかねて「ついていかない」と別れを切り出したのでした。
グルはサンフランシスコ行きのチケットを見せます。スヒョンが一緒になることを決意していたと知り、イオンは泣き崩れて遺品の中にあったペアリングを着けて演奏会で彼との想い出の曲を演奏しました。
5話感想・評価
今回はゲイカップルの話。女性の恋人じゃなくて男性の恋人だったという意外な展開を経て死者と生者の魂が通じ合う瞬間に感動!鎮魂のチェロ演奏がドラマティックでした。
6話ネタバレあらすじ
ムーブ・トゥ・ヘブンが依頼を受けた屋上にある貧困家屋に着くと、キム・インスとイ・ミソンの夫妻が睡眠薬自殺で死亡しました。老人インスは生前に遺品整理の依頼をしていたのです。
警察が来て遺体を処理、彼の担当だったソーシャルワーカーのソン・ユリムはサングと口論しながら、遺品整理を手伝います。サングが壁にある扉に気づき、その向こうには花がたくさん育てられているとても綺麗な温室がありました。
花の鉢に105棟と名前が書かれているものがいくつもあり、ウヒョンマンションの管理人だったインスが、住民たちに贈る花を育てていたとわかります。グルたちは花を住民に届けに行きますが、ミンジという少女が涙を流して受け取った以外は、誰も引き取りません。
インスはアパート前で住民に轢かれて怪我をしてクビになり、さらに末期の膵臓癌を患っていて病気の妻ミソンを支えられないと考え、二人は自殺したのだと判明します。
サングは遺影を見て、自分が植物状態のスチョルの見舞いに行った時に会った夫婦がインスたちだったと知って驚きました。
市の支援で葬式が行われ、インスが妻のために育てた花が飾られます。ユリムの他はムーブ・トゥ・ヘブンのメンバーしか参列しませんでしたが、ミンジがやってきて生前親切にしてくれたと泣きます。隣でジェファ建設関係者の葬儀が行われており、グルはインスが1998年に本部長としてそこに勤めていたと彼らに話ます。すると当時の部下だった会社の重役が参列して遺影の前でお礼を言いました。
ムーブ・トゥ・ヘブンからも供花が届き、ユリムは感動します。
6話感想・評価
老人インスが妻のためにたくさんの花を育てていて、それを物知りなグルの花言葉とともに供えられるシーンにグッときました。この老夫婦の自殺が是か非か答えはでないですが、固い絆で結ばれていたことは間違いありません。
7話ネタバレあらすじ
サングはチャソン病院にいるスチョルの妹・スジンから電話を受けて、彼が危篤で手術をしないと死ぬとわかり、グルが住む家の不動産登記書を担保に裏社会のマダムに手術代を頼みます。マダムは試合をして勝つことも条件に加えました。
サングが金を持って病院に戻りますが、すでにスチョルは死んでいました。スジンは「兄はサングが出所するのを待っていたのかもしれない」と言います。
サングはスチョルの遺品を整理します。パンチドランカーの診断書を見つけて驚きます。
〜過去〜
10年前、サングはいじめられっ子のスチョルを助けてボクシングを教え、その後スチョルは国体で優勝しWBOのジュニアライト級チャンピオンになる快挙を成し遂げました。
スチョルはパンチドランカーのためにボクシングを断念。父の仕事の開店資金のために地下格闘技に手を出し、それとは知らずに対戦させられた相手がサングでした。
サングは相手がスチョルと知って驚きます。試合会場には子供のころ離れ離れになって迎え来なかった兄ジョンウが来ています。
サングは「7RでKOしないと契約的にスチョルが困ることになる」と言われ、仕方なく彼をストレートで打ち抜きました。スチョルはダウンの際に床に頭をぶつけてしまい、植物状態になってしまったのでした。
〜現在〜
サングは遺品の中からムーブ・トゥ・ヘブンの名刺を見つけ、スチョルがジョンウと自分を引き合わせようとしていたと知って涙を流します。
7話感想・評価
サングとスチョルの人間ドラマが熱く、そして切なかったです。かなり濃ゆい物語です。迎えに来てくれなかった義兄ジョンウを試合会場で見てパンチに力が入ってしまい、それがスチョルの死につながったと考えているのでしょう。
サングが背負っているものが見えて、彼のキャラクターに感情移入してしまいます。
ボクシング好きの僕としては感動が倍増してしまう展開でした。(余談ですが韓国ではボクシングがすっかり下火ですが、具志堅や渡嘉敷の時代は韓国に名チャンピオンがたくさんいました)。
8話ネタバレ
スチョルが死んだので、サングは家を出て試合を放棄しようとしました。
しかしサングを探し回っていたグルが、マダムの部下に捕まってしまいます。サングは今後グルに関わらないことを条件に試合を受諾しました。
グルは亡き父・ジョンウとの毎年恒例だった遠足に一人で行こうとします。ナムに言われてサングがあとをつけて行くと、グルは遊園地につきました。しかし乗り物には乗れなかったようで、サングはグルに話かけ、二人は一緒にアトラクションを楽しみました。
グルがまた一人で行動すると言い、サングは帰るふりをして尾行します。たくさんの料理屋を回った後、スイン駅に着きました。そこはサングが幼い頃好きだった義兄・ジョンウとの約束の場所でした。
サングはグルの前に現れ、1995年6月29日にジョンウが迎えにくると約束したのに来なくて、3日間も待ったと悪態をつきます。
サングは、母が死んだあとジョンウと離れて生活し、その後暴力的な父親も死んで施設に預けられることになっていたのですが、ジョンウが迎えにくると言ってくれたのです。
グルは、その日は三豊(サンプン)百貨店が崩壊した事件があり、ジョンウが巻き込まれたことに気がつきました。
サングがジョンウの遺品を漁っていると、棚の中に子供の頃自分が欲しがった小さなナイキの靴が何足もあるのを見つけて涙を流しました。
グルとジョンウの遠足は、サングが子供の頃に言った願いを叶えるものだったのです。
さらに書類から、グルが養子だったことも知ります。
8話完
8話の感想・解説
グルと父・ジョンウの想い出の遠足が、サングの願いを叶えたかった想いから来ていたことに感動!
三豊百貨店は1995年に実際にあった建物崩壊事件で、欠陥工事などが原因。前日屋上にヒビが入っていたのに経営陣が通常通り運営して崩壊、502人も死者が出たらしいです。
9話あらすじ
マシュー・グリーンという男性が、クリスタル・モーテルで心臓の病気で死亡。
ソーシャルワーカーのユリムから電話があり、ムーブ・トゥ・ヘブンが遺品整理に向かいます。
ユリムは「マシューの韓国名がカン・ソンミンで、生まれて数ヶ月後に韓国から米国に養子に出されたが、米国の両親は彼が心臓病だと知って離縁したため、米国籍を取得できず韓国に強制帰国させられて孤独だった」と話しました。
遺品整理をしていると、アナウンサーのカン・ウンジョンの韓国語講座の本やエッセイが何冊もあり、ウンジョンが若い頃の写真もあります。
グルたちはウンジョンが母親だと考え、彼女の家にアポなしで行きます。ウンジョンは「自分は母親ではないが、両親が里子が養子先に行く前に預かっていた」と言い、ソンミンのことを覚えていると涙ぐみました。
ソンミンは母親だと思っていたウンジョンに名乗りきれませんでしたが、サイン会に来ていたこともわかります。彼が飼っていた犬・アジはユリムが飼うことになりました。
ウンジョンは韓国の孤児輸出問題をニュースで取り上げて世論に訴えかけました。
夜、サングは家を出ます。マダムから家の不動産登記の書類が返され、ロシア人のヘルレイザーとの試合が始まります。
ナムはサングの持ち物からパンチドランカーの診断書を見つけて驚き、グルを車に乗せて試合会場に向かうのでした。
9話の感想・解説
里子の問題が複雑に描かれていて、リアリティがありました。実際は実母と里親だけでなく、その間にも関わっている人がいて、かけがえのない想い出が生まれているのですね!
試合会場の建物が、『ヴィンチェンツォ』に出てくるクムガ・プラザとまったく同じに見えるのですが、同じセットなんですかね…。
ムーブ・トゥ・ヘブンシーズン1最終回10話ネタバレあらすじ
サングは対戦相手のヘルレイザーを圧倒しますが、相手は小さな刃物をこっそり手に忍ばせており、サングの顔をカットしました。
そこへグルたちが到着し、電気を消してサングを助け出します。警察がなだれ込みました。グルが検察のイ・ジュヨンに電話をしていたのです。
サングはナムに自分はパンチドランカーでないと説明しましたが、大事をとって検査入院しました。
後日、グルはオ弁護士から「そろそろ父の遺骨を埋葬しろ」と言われ、グルは骨壷を持って家から逃げ出しました。
サングはどこを探してよいかわからず、義兄ジョンウが昔勤めていた釜山消防署に行きます。職員からグルが20年前にプンジョン集合住宅に捨てられていたこと、ジョンウと妻のミン・ジウォンが引き取って大切に育てたが、ぜんぜん言葉を喋らないため手話を取得したことなどを聞き、グルが向かうであろう場所を聞き出します。
グルは、両親の前で初めて言葉を喋った水族館にいました。サングが追いつき「亡くなった人とも話ができる」と話しました。
グルは決心して家に帰り、父の遺品整理をはじめます。「鏡の前の自分を褒めろ」という録画の遺言を見つけて励まされるのでした。
母ジウォンが眠る木で、父ジョンウの樹木葬が終わりました。グルは木に抱きつき、父ジョンウの「見えなくてもいつも側にいる。記憶の中で生き続ける」という言葉を思い浮かべました。
後日、オ弁護士は「個人的には後見人失格だと思うが、グルは認めた」と言い、サングは正式な後見人となります。
ナムがムーブ・トゥ・ヘブンに就職すると言って彼女の母は怒りますが、父は「ナムはグルをずっと好きだった。ナム(木の意味)とハン・グル(1本の木)で、名前からして運命じゃないか」と微笑みます。
ある日、グルの前にウンビョルという女子学生が来て、自分が死んだ後の遺品整理を依頼しました。
『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』シーズン1 END!
最終回10話の感想・解説
めちゃくちゃ完成度の高い最終回だったと思います。
最後に父の遺品を整理する展開から、グルの葛藤と成長がありありと伝わってきて感動しました。最愛の父の想いを整理して一人前になるのでしょう。
さらに、第1話の「なぜジョンウとグルが手話を使えるのか?」という伏線も解消されます。
また、ハン・グルは“1本の木”の意味ですが、父・ジョンウと母・ジウォンが同じ場所で樹木葬され、グルがその木に抱きつく最後もメタファーとして美しかったですし、めちゃくちゃ感動しました。
グルという木に眠る父と母。家族がまぎれもなく一体になっているのです。死んでも一緒なのですね。
『ムーブ・トゥ・ヘブン/私は遺品整理士です』はシーズン2もありそうな終わり方でしたし、個人的にも絶対に続編が見たいです!
Netflixオリジナル作品はハズレも多いけど、『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です』は最高でした。
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