ジブリの伝説アニメを実写化した映画『耳をすませば』(whisper of the heart)。清野菜名と松坂桃李のW主演で中学生だったあの頃から10年後の現在を描きます。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・酷評、ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに一才の忖度なしでレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓

実写映画『耳をすませば』作品情報・キャスト解説
英題:『whisper of the heart』
ジャンル:ヒューマンドラマ、恋愛
監督・脚本:平川雄一朗
原作:柊あおい 漫画「耳をすませば」
撮影:中山光一
音楽:髙見優
キャスト
清野菜名
松坂桃李
山田裕貴
内田理央
中川翼
安原琉那
荒木飛羽
住友沙来
音尾琢真
松本まりか
田中圭
近藤正臣
本作は原作漫画とジブリアニメ版をベースにしたオリジナルストーリー。スタジオジブリも一応協力しているようです。
監督の平川雄一朗さんはドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』の演出で有名な人。最近だと浜辺美波さん主演の実写映画『約束のネバーランド』(2020)でも監督を務めましたが、この作品も個人的にかなり微妙でした…。
実写『耳をすませば』相関図
©︎https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/
清野菜名と松坂桃李
清野菜名さんは2022年の『キングダム2 遥かなる大地へ』の羌瘣がハマり役でしたね。Amazon Primeオリジナルドラマ『No Activity/本日も異状なし』のメンヘラ警官役も印象深かった。他には『今日から俺は!!』などでも有名。演技力が高くなんでもこなせるイメージが強いです。
雫のキャラクターもアニメのイメージに近くて素敵でした。
映画『キングダム2 遥かなる大地へ』(Kingdom 2)。いや〜期待を上回る完成度でした。信と羌瘣、五人組の友情。武将それぞれの個性と信念が圧倒的なスケールで表現されていました。原作コミック完コピレベルです。素晴らしい![…]
松坂桃李さんも誰もが認める実力派。2022年は広瀬すずさんとW主演の『流浪の月』が最高でした!2019年公開の映画『新聞記者』や『孤狼の血』シリーズの演技も素晴らしい。
映画『流浪の月』傑作でした!広瀬すずや松坂桃李、横浜流星らのシリアス演技と重厚な映像がシンクロしています。本作は孤立した10歳の少女がある男性と一緒に暮らし、社会的にはロリコン事件とされて居場所を失う物語。CineM[…]
他にも内田理央、松本まりか、山田裕貴らキャストの演技は良かったといえば良かったです。
ただ全体に漂う過剰なジブリっぽさに個人的に大きな違和感を感じました。
あらすじ
読書好きの中学生・雫が図書カードで聖司に出会い、聖司がバイオリン演奏者になるためイタリアへ行ってから10年が経過。
雫は出版社で編集者として働きながら作家になるという夢を追っていたが、何度小説をコンクールに応募しても落選ばかり。
そんな雫の心を支えていたのがイタリアにいる聖司の存在だった。
雫は仕事で自分を見失ってトラブルになり、イタリアにいる聖司のもとへ向かうが…。
ネタバレなし感想
あの頃の思い出と今の状況が交互に説明されるだけの全く面白味のないシーンが中盤までずっと続き、雫がやっとイタリアへ行ったと思ったらとんでもなく微妙な展開が待ち受けています。
コンセプトから失敗していると思いました。
話が面白くないばかりか、雫や聖司の成長譚としても超薄っぺらいのです。
視聴した人の感想を読むと、「アニメとは雰囲気が全然違い、別物」「アニメ版の記憶がなければ楽しめる」など微妙なコメントが多かったです。
おすすめ度 | 24% |
世界観 | 42% |
ストーリー | 20% |
Filmarks | 3.3点(5点中) |
※以下、実写映画『耳をすませば』のストーリーネタバレありなので注意してください!
実写映画『耳をすませば』ネタバレ感想・評価
なぜこんな駄作に?
序盤から中盤にかけて、ひたすら“あの頃とは違う、変わってしまった25歳の雫”をひたすら見せられるだけ。
何を楽しめば良いのかわからず困惑しました。ビール片手にグチを言う雫は現実的といえばそうですが、あの頃の雫を台無しにしている感じもします。
また、キャストの演技でジブリっぽさを出したかったのでしょうけど、ジブリキャラのケレン味たっぷりな感じを実写でやると非常に痛々しい。
見ていてはずかしくて映画館でソワソワしました。
あとは、雫の心の音が聞こえるときに水面で水がはねる映像が映るのですが、はごろもフーズのCMにしか見えません。はごろもフーズの許可はちゃんと取ったのでしょうか?
なぜ翼をください?
劇中で雫が歌うのもなぜ「カントリーロード」でなく「翼をください」なのでしょうか!?
製作委員会は原曲を歌っていた本名陽子さんと喧嘩でもしたのでしょうか?
「翼をください」の歌詞がストーリーとめちゃくちゃマッチしていたかというとそうでもなく、本当に権利の問題の可能性もあると思いました。
カントリーロード歌わせておけば内容が面白くなくても思い出補正で+50点いくところを、翼をくださいで台無しに。
アニメを踏襲している部分があるのに、設定が変わりすぎているのは何だかなあ。
アニメ版では聖司はバイオリン職人になるためにイタリアへ行きましたが、実写ではチェロ奏者になるため!に変わっていました。
終盤の聖司からの手紙に「中学生の頃、雫に恋をして先回りして本を借りていた」と書いてありましたが、そんなのジブリのアニメ版見ている人間はみんな知ってます。
微妙すぎる人間ドラマ
雫がイタリアへ行って10年ぶりに聖司とあった感じは、嬉しさよりも戸惑いやギクシャクした感じが強く、聖司のことが本当に好きかというとそんな感じもしません。
ただ約束に縛られているだけに見えました。
10年ぶりに会うのでリアルに考えるとギクシャクするのもわかります。
しかし、お互いの存在を支えにしていた感や相手を好きな気持ちが伝わってこず、『耳をすませば』のストーリーの軸が破壊されてしまった印象。悪い意味の切なさがあります。
事実、雫は聖司のバンドメンバーのサラに「聖司とあなたは住む世界が違うの!」と言われてビビって逃げちゃいました。
聖司にしても、「本当に好きならあの場で雫を逃すなよ…」って感じです。
雫は次の日、聖司のコンサートに足を運びますが、サラに言われた言葉が頭をよぎり、そのまま帰国。
聖司は頑張ってイタリアでプロになったんだから、せめて演奏だけでも聞いてあげれば?と思いました。
この微妙なイタリア滞在で雫が得たものはなんだったのでしょうか。
そして数ヶ月後に帰国した聖司は、思い出の丘に雫を連れてきてそこで「結婚してくれ」と告白します。
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