Netflix映画『檻の中』ネタバレ感想・考察/謎の少女とチョークの意味!評価レビュー

  • 2022年10月30日

Netflixサスペンス映画『檻の中』(Jaula)。道で発見された正体不明の少女を引き取った夫婦の家で、奇妙な事件が次々に勃発。どこかで見たことあるっぽいと見せかけて、素晴らしいアイデアが詰まっています。

CineMag
最高の設定と演出が楽しめるサスペンスの良作!個人的には超オススメです!

作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価ストーリーのネタバレ考察を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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Netflix映画『檻の中』作品情報・キャストと演技の印象

公開・制作国・上映時間:2022/10/24・スペイン・107分
原題:『Jaula』
ジャンル:サスペンス
監督:イグナシオ・タタイ
脚本:イサベル・ペーニャ、イグナシオ・タタイ
出演者:エレナ・アヤナ/パブロ・モリネーロ/エバ・テネアル/カルロス・サントス/エステル・アセボ

キャスト解説

主演を務めたエレナ・アナヤはアントニオ・バンデラス主演の『私が、生きる肌』や、『ワンダーウーマン』のドクター・ポイズン役で有名な実力派です。

ネトフリの大ヒットドラマ『ペーパー・ハウス』のモニカ役で有名なエステル・アセボが隣人役で出演しています。

映画『檻の中』あらすじ

パウラとシモンの夫婦は、夜に家の近くを車で走っていたときに車線を歩く謎の少女を発見

少女は体の具合が悪いらしく気絶し、病院に運ばれた。

クララと呼ばれるようになった少女は言葉を話さず、チョークで描いた白い線の枠からはみ出るとわめいて暴れる

子供のいないパウラはクララを一時的に引き取ることにした。

クララはパウラになつくが、家の中で次第に奇怪な出来事が次々に起こるようになり…。

ネタバレなし感想・海外評価

スペインのサスペンス映画『檻の中』

スペインのサスペンス映画の中では傑作『マーシュランド』『マジカルガール』に続くほどのクオリティだと思いました。

シネマグ

素晴らしいアイデアと背筋が凍りつくような演出の数々に脱帽です。

『エスター』っぽいと見せかけて全然違う展開が待っています。サスペンス好きな人は絶対見るべき!

かなり痛々しいシーンもあるので、苦手な人は辛いかもしれませんが、完成度は非常に高いです。

おすすめ度 88%
設定・アイデア 95%
ストーリー 82%
IMDb(海外レビューサイト) 6.1(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 一般の視聴者 75%

※以下、Netflix映画『檻の中』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『檻の中』ネタバレ感想・評価

Netflixスペイン映画『檻の中』の評価は86点。
シネマグ
なんといっても道路で発見された少女が床にチョークで描かれた枠から出られないという設定が秀逸です!
チョークで描いた枠から出られないゲーム性に加え、この少女が過去に味わった恐怖も滲み出てくる素晴らしいアイデアだと思いました。映像的にも面白いですし。
この設定を思いついただけで、本作が良作になることが約束されたようなもんです。
これまでたくさんのサスペンス映画を見てきましたが、全体の完成度やストーリーの面白さは別として、本作ほど設定が優秀な作品は数えるほどしかないと思います。
チョークはメタファー的な意味も持ち、主人公・パウラもまた心の枠から飛び出せずにいたと捉えることもできるのです。
抽象的な視点ではパウラと少女は共に、檻の中(チョークの枠)から一歩踏み出せずにいる存在だと解釈できます。
感想を語る犬
さらに恐怖の演出やグロテスクな表現も非常にうまい。
ジャムに入っていたガラスの破片で口や喉が傷つき血を吐くシーンなんか、痛々しすぎてドン引きでした。
絵的にものすごく派手というわけではないですが生々しさは100点満点の名シーンです。
犯人のエドアルドがネイルハンマーを主人公・パウラの肩に突き刺し、テコの原理でハンマーを引き抜くシーンも激ヤバ。
クララがドイツ語で喋った内容が、“懲罰”“不安”という単語だとわかる流れも背筋がゾクッとしました。
何かが擦れるような不穏な音楽もそれぞれの描写にマッチしており、画面から漂ってくる緊張感も半端なかったです。
とにかく満足度・衝撃度の高い作品でした。
終盤では自分でチョークの枠を書き足して地下室から抜け出し、ドアの外へ足を踏み出した少女クララに感動。
トラウマ克服・精神的な成長が少女がチョークで線を描くシーンで芸術的に表現されていました。さすが芸術大国スペイン。
個人的にはここでクララが逃げ切って警察が来ていれば名作になったような気がします。
逃げ出したクララが犯人の妻・マイテにまた捕まってしまい、それを見ていたパウラの夫・シモンが翌日に警察を呼ぶラストの展開には若干のあっけなさがありました。
しかし全体としては設定よし、演出よし、ストーリーよしの三拍子が揃った良作だと思います。

映画『檻の中』ストーリー考察(ネタバレ)

謎の少女クララの正体

『檻の中』はサスペンスとしてストーリーもなかなか緻密でした。

身元不明の少女クララの正体は、数年前に失踪した当時12歳のイングリットの娘でした。

イングリットはパウラの隣人・エドアルドに拉致されて自宅の地下室に監禁され、性的暴行を受けて妊娠。生まれた子供がクララというわけです。

(クララはイングリットの母の名前で、病院でその名前に反応したため少女はクララと呼ばれるようになりました)

身元不明死体の検視写真にクララが織った折り紙と同じものがあり、主人公・パウラは身元不明の死体はイングリットだと知ります。

真犯人の行動を解説

劇中でしっかりと語られていない2つの謎について考えます。

  1. 真犯人である隣人・エドアルドは、なぜ2年前にイングリットを殺したのか
  2. 冒頭でなぜクララを地下から解放したのか

拉致され地下で娘・クララと一緒に暮らしていたイングリットは、腎臓の病気で弱り果て、エドアルドが仕方なく殺したのでしょう。

地下の生活で日照不足で腎臓に悪影響がでたのかもしれません。

当時の検視官がイングリットについて「首の外傷で苦しんだだろう。腎臓はほとんど機能してなかった」と言っていたので、回復する見込みがないため殺害されたのだと思います。

序盤でクララも腎臓が悪いことがわかっていました。

よって犯人・エドアルドがクララを解放して警察に保護させたのは、病院で腎臓の病気を治療させるためです

状態が良くなったクララを奪い返そうと、エドアルドはジャムにガラスを入れてクララのせいに見せかけ、パウラから引き離そうと画策したのでした。

最後のまとめ

Netflixのスペイン映画『檻の中』は、設定と演出が素晴らしい最高のサスペンスでした。

スペインのサスペンスってヘンテコなのもあるけど本作のようにたまにすっごく面白いのがあるのでこれからも良作を探していきたいと思います!

ここまで読んでいただきありがとうございます。『檻の中』レビュー終わり!

Netflixのスペイン制作 サスペンス映画

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