Netflixスペイン映画『TWO』は、見知らぬ男女が腹部を縫われて結合された状態で目を覚ますグロパニックホラー。
『ムカデ人間』や『SAW』を彷彿とさせますが、グロさや気持ち悪さよりもアート性を追求した作品に仕上がっています。
スリリングかつ意外な展開の連続でそれなりに楽しめますが、ラスト結末はやや抽象的で、好き嫌いがハッキリ分かれるでしょう。
感想・評価、ラストの意味考察、ネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
Netflix映画『TWO』キャスト・作品情報
原題:Dos
監督:マル・タルガローナ
脚本:キュカ・カナルス
出演:パブロ・デルキ、マリナ・ガテル
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
あらすじ:ダビドとサラはとある部屋のベッドで、裸で腹を結合された状態で目覚めます。お互いを知らず、なぜ自分たちがこんな目にあわされているのかわからずパニックになり…。
男女の腹が結合されたワンシュチュエーションや展開はスリリングですが、全体的にはグロアートが好きな人のみにおすすめできる奇妙な作品です。
おすすめ度 | 70% |
独特でグロい世界観 | 88% |
ストーリー | 73% |
IMDb(海外レビューサイト) | 4.2(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家% 一般33% |
※以下、スペイン映画『TWO』のストーリーネタバレありなので注意してください!
スペイン映画『TWO』ネタバレ感想・評価
いきなり腹を縫われた状態で裸で目覚める過激なアイデアが良かったです。
映像から痛々しさがリアルに伝わってきて、ワンシュチュエーションスリラーとして、序盤〜中盤は完璧だといえるでしょう。
特に序盤で、ガラスで縫合の糸を切ろうと思ったら、皮膚の一部が切除されていて迂闊に外せねええ!という絶望感が良かったです。
本作は、実在した有名な結合双生児・ブンカー兄弟(ずっと腹部が結合している状態で、お互いに結婚して子供もいて、62歳でほとんど同じ時刻に死亡)をモチーフにしたサイコスリラーです。
結合双生児の結びつきを同じタイミングの死で表現したラストのオチは、とてもコンセプチュアルアート的!
個人的にコンセプト自体は面白いと思えますが、ワンシュチュエーションのオチがアートっぽくなったことで消化不良な感覚も残ります。
2人が元々結合双生児だったというオチは悪くないですが、ドアから出て廊下に新聞を貼り答え合わせみたいに出生の秘密をバラすのではなく、もっといい方法があった気もしますね。
ラストシーン考察
ラストシーンは、建物の中で脚に銃弾を受けて倒れたダビドと、外へ出たサラが同じタイミングで死亡するもの。
出血多量のダビドはともかくとして、腹の皮膚から出血しているだけのサラが、雪山で裸で寒いとはいえすぐに倒れて死ぬ状態だったか?と考えると疑問です。
理屈どうこうではなく、史実でブンカー兄弟が兄・チャンが死亡した3時間後に弟・エンも死んだように双子の強い結びつきを芸術的に表現したのでしょう。
雪野原がバックなこともあり、アートとしては楽しめました。
(陰陽のマークで表裏一体を表現していて、急に東洋チックになったのが少し気になりますが)
映画『TWO』ネタバレあらすじ解説
ダビドとサラがベッドの上で裸で目覚めます。お互い知り合いでもなんでもありません。
下腹部に強烈な痛みを感じました。2人の皮膚は縫われて結合されているのです。
サラは、ダビドが狂った強姦魔だとパニックになりますが、ダビドは俺も身に覚えがないと落ち着かせました。
2人は息を合わせてなんとか立ち上がりますが、ドアは開けられず窓も塞がれています。
トイレに行きたくなり、サラは恥ずかしさを抑えながら用を足しました。
部屋を調べると、2つのクラゲの置物、2つの絵、2つの聖書など、なんでもペアでそろっています。
引き出しの中にリタという女性の写真がありました。しかし2人ともリタを知りません。
サラは夫・マリオが著名な科学者・哲学者で、“2”という数字を信奉していることから、彼のしわざだと考えました。
ダビドはガラスを割ってサラに渡し、縫合されている糸を切るように言います。サラが糸を少し切ると、たくさん血が出てきました。
2人の皮膚はただ縫われているだけでなく、一部切除されているので縫合を切れば血を大量に失うことになります。ダビドは絶望と怒りで叫びました。
ダビドは自分がジゴロだと告白。サラは「あなたと寝た女の亭主が怒り狂って犯行に及んだのでは?」と彼を責めます。
ダビドは2日前にある男性から妻と性行為をしてくれと頼まれて大金をもらえるので了承したと思い出し、サラはその男がきっと夫・マリオだと言いました。
部屋に置いてある電話がなり、サラは男性の声を聞きますが夫・マリオではありません。
ときどき電気が突然消えて誰かがいる気配がし、鎮痛薬が置かれていたり、食べ物が置かれていたりします。
サラはどうしていいかわからずパニックになり、「ずっと他の男と浮気をしていた。ごめんなさい。マリオ」と叫びました。
ダビドとサラは、なぜかキスすると明かりが消えることに気づき、ディープキスからセックスをはじめます。
すると勢いよくドアを開けて老齢の男性が入ってて「もういい!」と言いました。
ダビドは隙をみて彼を突き飛ばします。老人は倒れて気絶しました。2人はその隙にドアの外の廊下へ。
廊下には新聞の切り抜きがいくつか貼ってあり、リタという女性が結合双生児(お腹がくっついて生まれた赤ちゃん)を産み、父親は統合失調症だったと書いてあります。
ダビドは自分がサラと同じ誕生日だと知って愕然。2人は元々結合双生児で、母の死で小さい頃に生き別れた兄妹だったのです。
さらに奥の扉を開けると、結合された犬たちが吠えています。サラの夫・マリオの死体がありました。
サラはベレッタ(拳銃)を手に取ります。気絶していた老人男性・オスカーが目の前にやってきて2人の脱走を食い止めようとしました。
オスカーはダビドとサラの実の父で、ブンカー兄弟のように結合双生児は離れずに一生を暮らす方が幸せだという考えに固執しています。
銃弾でオスカーは倒れました。しかし、ダビドも足に重傷を負います。
ダビドはどんどん弱っていき、自分を置いて逃げろと言います。ナイフで腹部の結合を無理やり切りました。
サラは外へ出ます。しかしそこは一面雪景色の真っ白な山でした。
オスカーは死ぬ間際、双子は死ぬ時も一緒だと言いました。
ダビドはどんどん衰弱していきます。裸で雪の大地を歩くサラも、傷口で体が弱って倒れました。
2人は同じ時刻に息を引き取ります。
スペイン映画『Two』終わり。
最後のまとめ
ネットフリックスのスペイン映画『TWO』は、裸の男女がお互いの体が繋がれたありえない状況で痛みやパニックを体験する臨場感は良かったです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『TWO』レビュー終わり!
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