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映画『ハウス・オブ・グッチ』ネタバレ感想・酷評!殺害事件のメッセージ考察,キャストや演技

映画『ハウス・オブ・グッチ』(House of Gucci)。華麗なるブランド一族の没落の裏側を、史実をモチーフに巨匠リドリー・スコットがついに映像化!

ハマリ役と言われるレディー・ガガや、今が旬のアダム・ドライバー。演技派ジャレッド・レト、名優アル・パチーノやジェレミー・アイアンズなど豪華俳優陣が集結しました。

CineMag
期待が膨らみましたが、実際の悲劇を淡々と描いた凡作に終わった印象です。

あらすじぶっちゃけ感想・酷評結局何を伝えたいのかメッセージ考察レディー・ガガの演技などについてを読みたい人向けに記事をまとめました。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)

映画『ハウス・オブ・グッチ』は楽しめた!?(投票どうぞ)

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映画『ハウス・オブ・グッチ』キャスト・作品情報

公開・制作国・上映時間:2022/01/14・アメリカ・157分
原題:House of Gucci
監督:リドリー・スコット
脚本:ベッキー・ジョンストン/ロベルト・ベンティヴェーニャ
原作:サラ・ゲイ・フォーデン「ザ・ハウス・オブ・グッチ」
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
編集:クレア・シンプソン
出演:レディー・ガガ
出演:アダム・ドライバー
出演:ジャレッド・レト
出演:アル・パチーノ
出演:ジェレミー・アイアンズ
出演:ジャック・ヒューストン
出演:サルマ・ハエック
出演:カミーユ・コッタン

本作は、サラ・ゲイ・フォーデンのノンフィクション小説「ザ・ハウス・オブ・グッチ」が元になっています。

ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ

あらすじ:若く美しいパトリツィア(レディー・ガガ)は、とあるパーティーでマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)に近づき、恋愛関係になります。マウリツィオの父でグッチの経営者・ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)はパトリツィアが金目当てだと関係に反対。マウリツィオは一族から縁を切る形でパトリツィアと結婚しました。ロドルフォの兄・アルド(アル・パチーノ)は、パトリツィアを仲良くなる。ロドルフォに息子と仲直り白と助言しますが…。

ノンフィクションをもとに、世界的有名ブランド・グッチ一族に1995年に起こった最悪な悲劇を巨匠リドリー・スコットで映画化。

豪華俳優陣の演技が大きな見どころです。一方でストーリーは淡々と描かれており、俯瞰的な視点に好みはハッキリ分かれるでしょう。

ファッションブランドを取り扱っていますが、エンタメ性は薄いです。

海外大手レビューサイトの評価もあまり高くないですね。

おすすめ度73%
ゴージャスな世界観80%
ストーリー76%
IMDb(海外レビューサイト)6.9(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)批評家63% 一般83%

※以下、映画『ハウス・オブ・グッチ』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『ハウス・オブ・グッチ』ネタバレ感想・酷評

映画『ハウス・オブ・グッチ』の評価は72点。

映画『ハウス・オブ・グッチ』の評価 各項目グラフチャート表

レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、アル・パチーノら豪華俳優陣の迫力と個性に満ちた演技は楽しめましたが、史実に基づいたグッチ家の没落を淡々と見せられた感じで、正直面白くはありませんでした。

名家に嫁にきた悪女がグッチ家を破滅させて挙げ句の果てに旦那を暗殺するドラマティックな出来事を扱っているにも関わらず、熱量が控えめで没入感が得られません

ハッと息を呑むようなシーンもいくつかありましたが、期待より少なかったですね。

傑作もハズレも多いリドリー・スコット監督の中の、“ハズレ”作品だったと思います。

CineMag
淡々と悲劇が進行していく過程に、同監督作で酷評された『悪の法則』(2013)が想起させられました。

登場キャラクターの誰かに肩入れせず適度に距離を置いて描いたことで、ヒューマンドラマ映画にも関わらず、キャラに寄り添って心情変化を楽しむことができません

人間の愚かさのような抽象的なメッセージがじんわり浮かんでくるだけです。

この題材ならマーティン・スコセッシ監督の方が見応えのある映画になったでしょう。

近年は傑作SFドラマ『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』(2020)に参加し、『最後の決闘裁判』(2021)でも高い評価を受けたリドリー・スコットですが、もしかすると『ハウス・オブ・グッチ』の撮影時は調子が悪かったのかもしれません…。

ドラマ性もメッセージ性も薄い作品に仕上がりました。

全くの駄作とまではいかないですが、Netflix『ドント・ルック・アップ』のように、超豪華キャストの割にはイマイチ面白みに欠けた微妙な映画でしょう。

考察:グッチの優雅さと人間の醜さの対比

映画『ハウス・オブ・グッチ』の登場人物

映画『ハウス・オブ・グッチ』が伝えているメッセージは何だったのか?

個人的な解釈になりますが、テーマは世界的ファッションブランド・グッチの煌びやかな世界と、人間の醜さのコントラストだと思います。

  • 男性からグッチの名前を聞いて目の色を変えたパトリツィアの醜さ
  • 一族で憎み合う醜さ。
  • グッチという名前に翻弄される人々の愚かさ

これらをやや冷ややかな視点で描いたのが本作だと思います。

CineMag
ハッキリではなく淡々とした口調で、「クズたちが作ったブランドに群がる人々はクズ。よって人間はクズ」と伝えているように感じられます(言葉は悪いですが…)。

達観してそうなリドリー・スコットらしい目線といえばそうですね。

その論拠というと大袈裟ですが、本作には誰一人良い様に描かれません。1番まともそうな旦那・マウリツィオも、裏では仕事仲間から使えないヤツ認定され、ビジネスを買収されてしまいます。

主人公・パトリツィアは弱い部分を見せず、彼女の成長物語でもありません。

リドリー・スコット監督は『最後の決闘裁判』では、男の醜悪さをたっぷり描いていました。『ハウス・オブ・グッチ』ではその対象を登場人物すべてに広げたような印象です。

『悪の法則』もそうですが、リドリー・スコット監督は人間の営みの醜さに興味があり、それを俯瞰的に捉えることに長けているのでしょう(面白いかどうか意見は分かれると思いますが)。

レディー・ガガやジャレッド・レト演技(ネタバレ)

わかりやす過ぎるレディー・ガガの演技

主人公パトリツィアを演じるレディー・ガガ

主人公パトリツィアを演じたレディー・ガガは、ニューヨーク映画批評家協会主演女優賞するなど、本作の演技が高く評価されています。

ただ、個人的には演技の意図が見えすぎる印象で、あまり好きではありませんでした。

例えば序盤のバーカウンターでパトリツィアがアダム・ドライバー演じるマウリツィオ・グッチの名前を聞いた途端目の照準をピッタリと彼に合わせるような演技が“やり過ぎ”に感じられました。

レディー・ガガは史実以外にネコ科動物の動きを参考に役作りを進めたようですが、それが悪い方向に転がってしまったと思います。

パトリツィアが最初から悪女なのがバレバレというか、行動の意図が明確に伝わりすぎてシラけてしまいました(逆にこういった細かい役作りや意図の明確さが好みの人もいるのでしょうけど)。

CineMag
金目当てなのか愛情もあるのか明確にせず、想像の余白を残した方が人間ドラマとして面白かったと思います。

ガガは見た目がゴージャスで良い意味での毒々しさもあるので、キャスティングはピッタリだと思いましたが、悪女の表面的な部分に終始し、奥深さまでは伝わってこなかった印象です。

アリースター誕生』のレディー・ガガも好きじゃなかったので、私個人的に彼女の演技が苦手なのかもしれません…。

ジャレッド・レト演技力高すぎ

パオロ・グッチに扮する俳優ジャレッド・レト

一方で、ジャレッド・レト演技は秀逸でした。賞レースも十分狙えると思います。

『スーサイド・スクワッド』(2016)のジョーカー役ではどこへ行っちゃうのだろう?と思いましたが、やっぱりレトの演技力はホンモノですね。

デザイナーとしての才能もなく、頭も悪いパオロ・グッチをシュールかつユーモラスに表現していました。

ちょっと太っていて、ハゲていて、甲高い声と何も考えていなさそうな仕草が最高です。彼の一挙手一投足に笑いが止まりませんでした

アル・パチーノ演じる実父・アルドや、叔父・ロドルフォにとことんコケにされても才能があると信じ込み、悪女パトリツィアにコロッと騙されます。

こんなにもアホでくだらない男、シュールさを極めたような男についてでいえば、映画史上でもトップクラスでしょう。ジャレッド・レトのパオロが主人公のスピンオフ作品が見たいくらいです。

海外のレビューなどでは、シリアスなヒューマンドラマに彼のようなキャラクターが登場したことに異論もあるようですが、私は大好きでした。

ジャレッド・レトは2022年公開のマーベル映画『モービウス』で主演に抜擢されています。

最後のまとめ

映画『ハウス・オブ・グッチ』はキャストの演技こそ素晴らしかったものの、一般的な目線で考えればストーリーの起伏がなく、メッセージ性も薄い微妙な作品でしょう。

いち映画ファンの希望としては、『最後の決闘裁判』のように、胸が締め付けられるような問題提起やスリルある作品を連投してほしいものです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『ハウス・オブ・グッチ』レビュー終わり!

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