Netflixオリジナル『クラシック・ホラー・ストーリー』(A Classic Horror Story)は、男女が森の中の家で、激ヤバ激痛の事件でパニックになるイタリアのホラー映画。
コテコテの王道ホラーの要素が楽しめ、斬新なストーリーも
見どころ、ネタバレあらすじ解説、感想評価レビューや考察を書いています。
Netflix『クラシック・ホラー・ストーリー』作品情報・キャスト
公開・制作国:2021年7月14日 イタリア
監督:ロベルト・デ・フェオ/パオロ・ストリッポリ
主演:マチルダ・ルッツ/エリサ役
出演:フランチェスコ・ルッソ/ファブリツィオ役
出演:ペピーノ・マッツォッタ/リカルド役
出演:ユリア・ソボル/ソフィア役
出演:ウィル・メリック/マーク役
女優マルチダ・ルッツはハリウッド版リング『The Ring: Rebirth』(2017)でもヒロインを演じました。
本作の見どころ
『ミッドサマー』のように、知らない土地で男女がパニクるコテコテの王道展開で始まります。
目をくり抜き耳を切り落としたりと、かなりグロいシーンがあるので、グロシーン好きは楽しめます。
ただ、めちゃくちゃグロいかと言われるとそこまででもないので、グロ耐性がない人でもギリギリ大丈夫でしょう。
クラシックな王道ホラーの要素がありつつ、物語は意外な方向へ転がっていくのが最大の見どころです。
BLOODFLIXとは?!ストーリー補足や伏線
意味不明だった人のためにストーリーを補足説明しておきます。
まず、主犯のファブリツィオはマフィア「ンドランゲタ」の一員で、彼の母(赤い服の女性)がマフィアのボスです。
なぜ集団で殺人事件を撮影していたかというと、BLOODFLIXという動画サイトで映画として配信するため。
映画で得た利益がマフィアに流れる仕組みです。
マフィアも動画配信時代の波に乗り、殺人動画で大儲けしているというオチは『キャビン』みたいな予想外の展開でしたね。
結末については、序盤でマークが見た「ンドランゲタに女性がさらわれた」新聞記事が伏線になっていました。
(新聞に載っていた女性が、オープニングで惨殺された人物なのでしょう。)
ちなみに「ンドランゲタ」というマフィア組織は実在し、イタリア・カラブリア州を拠点に死体・臓器売買などさまざまな裏ビジネスで莫大な富を得ている4大マフィアの1つです。
話は変わって、最後のヒロイン・エリサですが、海で自分の体を抱きしめているような仕草だったので、命の大切さに気づいて子供を産む決心をしたのだと思います。
Netflix『クラシック・ホラー・ストーリー』感想・評価レビュー
Netflix映画『クラシック・ホラー・ストーリー』の評価は78点。
タイトルのA Classic Horror Story は、日本語に訳すと“古典的なホラー映画”となりますが、王道ホラーと見せかけて現代っぽい斬新なオチでした。
タイトル自体をミスリード(ひっかけ)にしてたんですね。
予想外のラストは良かったですが、それ以外はグロシーン頼みで緊張感に欠けていた気がします。
明るい場所でみんなが食事をするシーンなど『ミッドサマー』に似てますね。ヒロイン・エリサが泣いているのを見てみんな泣きまねしているのもオマージュでしょう。
奇形っぽい少年を出していたのも、あえて寄せてる感じがしました。
木や藁で作られた人形は『ウィッカーマン』っぽかったです。
その他にもクラシックホラーが盛り沢山で、オマージュを探す楽しみがありました。
めちゃくちゃ面白いわけではなかったですが、最近のNetflix映画と比較すると『ブラッド・レッド・スカイ』とか『第8の夜』とかよりは全然楽しめました。
視聴者を巻き込む皮肉な構造
Netflix視聴者と映画の関係を浮き彫りに
NetflixのパクリのBLOODFLIXも出てきて、視聴者を巻き込む構造が面白かったですね。
エンドロールの男性は、気になった映画『クラシック・ホラー・ストーリー』のコメントを見て微妙だと感じたのか、最初と最後だけ飛ばし見して低評価をつけてました。
良し悪しはさておき、こういう作品を適当に見てしまう人は実際にいると思います。
映画やドラマがきちんと見られず大量消費されていくNetflixの構造の問題点を指摘しているようですね!
撮っていた映画を配信用としたことで『クラシック・ホラー・ストーリー』は映画を見た私たち視聴者自身の姿をメタ的に浮き彫りにした、知的かつ巧みな構造になったのです。
現代人のスマホ依存こそホラー!?
ラストのビーチで血だらけのエリサを見た人々が、彼女を助けようとせずスマホで撮影するシーンは考えさせられますね。
悲惨な事件すらSNSのネタにする現代人の感覚こそまさに“ホラー”だと伝えているのかもしれません。
そんな深いメッセージが垣間見えました。
マフィアへのせめてもの抵抗
マフィアが殺人の動画配信をビジネスにしているというのもシュールで笑えます。
パンチが効いてますね。
イタリアでマフィアは深刻な問題になっているようなので、『クラシック・ホラー・ストーリー』はそのせめてもの抵抗なのかもしれません。
ただ、本作の製作者たちがカラブリア州に行く際にはバレないようにしないと、マフィア・ンドランゲタにボコボコにされるでしょう…。
ンドランゲタはかなり危険なマフィアらしいので。
映画『クラシック・ホラー・ストーリー』ネタバレあらすじ解説
古びた木の家である女性が撲殺されていました…。
中絶手術を明日に控えたエリサは、相乗りアプリでカラブリア方面へ行くキャンピングカーに乗りました。
車の持ち主のファブリツィオは、SNS用の動画撮影をしています。
マークとソフィアのカップルと、リカルドという医者も乗っており、みんなで楽しく山道を車で進みます。
途中、ビールを飲んでいるマークが運転を代わりますが、夜道の真ん中で倒れたヤギを見たファブリツィオがハンドルを切り、車は木に衝突。
翌日、気絶から目を覚ましたエリサたちが車から出ると、なぜかそこは森の中にある広場の真ん中で…。
スマホは繋がらず、周囲には木造りの無人家があるだけ。
家の中にある仮面を被った3騎士や狂った農民の写真を見たファブリツィオは、人の目や耳、舌を切って生贄にするロッソ、マストロッソ、カルカニョッソの3兄弟の伝説と同じだと話します。
夜エリサたちが家の2階に上がると、ワラにくるまれた少女がいました。
少女は舌を切られ、その舌が瓶に入れられています。
少女はしゃべれませんが、持っていたノートから名前がキアラだと判明。
そんなとき、車にいたマークが何者かに引きずり出され、家の中で目をくり抜かれて死亡。
2階にいたエリサたちは、黙って見ていることしかできませんでした。
翌日、みんなは森を抜けようと進みますが、また同じ場所に戻ってきてしまいます。
また夜になり、仕方なくみんなは家の中へ。
エリサが目を覚ますと、外でソフィアが縛られて目をくり抜かれ、リカルドは耳を切られて叫び声をあげています。
2人ともナイフで首を切られて死亡しました。
ファブリツィオがエリサを家の中に戻します。
エリサは、ファブリツィオが飲ませたビールのせいで寝てしまったと気づきました。
ファブリツィオもイカれた集団の1人だったのです。
エリサは他の男たちに捕まり、翌日外の広場に連れ出されます。
釘で手を椅子の肘掛けに打ち付けられ、逃げられないようにされました。
広場には長いテーブルと食事が並び、人々が楽しそうに食事を取っています。
ボスの赤い服の女がエリサのそばにやってきて「私たちは幸せだ。マフィアも今の世の中に順応している」と言いました。
エリサはモニター室を見せられます。ファブリツィオが映っており、「一連の殺人は俺の映画だ」と笑いました。
凄惨な殺人はすべて撮影されていたのです。
エリサは手を釘から引き抜き、外へ脱出。
そしてショットガンを持ち、トレーラーでくつろいでいるキアラ(実はファブリツィオの妹)を射殺しました。
エリサは命乞いするファブリツィオも射殺。
森で彷徨っていると水着の少年を見かけ、あとを追いかけると柵から出てビーチへつきます。
ビーチにいた人々は、こぞってスマホで血だらけのエリサを撮影。
エリサはそのまま海に浸かりました。
ある男性が、BLOODFLIXで配信されたエリサたちが出演する『クラシック・ホラー・ストーリー』を見てバッドマークを押していました。
Netflix映画『クラシック・ホラー・ストーリー』終わり!
最後のまとめ
Netflix『クラシック・ホラー・ストーリー』は、よくある“実は映画の撮影でした”というオチを昇華させて、
NetflixのパクリのBLOODFILXでの配信
映画『クラシック・ホラー・ストーリー』感想・考察レビュー終わり。
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